2005年07月11日 

仙台散歩その8〜「取材拒否」の手打ちラーメン店

a4d3c3ad.jpg  私は実はラーメンも好きである。最近、「こだわりのラーメン」を標榜する店があちこちにできて嬉しい…、と言いたいところなのだが、実は大抵の場合密かに不満がある。こうした店の多くは、どれだけスープにこだわったか、あるいはどれだけチャーシュー、または煮卵にこだわったかを盛んにPRして いることが多いのだが、肝心の「麺」にどれだけこだわったかを主張しているラーメン店は皆無に近いのである。

 「肝心の」と書いたが、ラーメンというのはす なわちスープと麺の2つが織り成すハーモニーの産物であって、どちらかが欠けてもラーメンとして成り立たない。どんなにスープにこだわっても、もう一つの 主役である麺が業者の麺そのままであったら片手落ちである、と私は思う。チャーシューや煮卵にこだわる前に、もっともっと麺にもこだわりを持ってほしいと 強く願うものである。

 と前置きしておいて、今回紹介したいラーメン店(写真参照)は、スープにも麺にも同じように力を注いだ理想的なラーメンを提供している。麺は手打ちで、その縮れ麺はスープに実によく絡むし、舌触りも抜群である。私にとって仙台市内で誰を連れて行っても大丈夫、と自信を持って紹介できる店というのは実はそう多くないのだが、ここはその数少ない店の一つである。

 しかし、この店、「取材拒否」の 店であり、マスコミやタウン誌の取材はもちろん、以前行った時には「ネットでの紹介も禁止」との旨の張り紙が貼ってあったくらいなので、ほとんど「この店のことは一切口外するな」と言われているに等しい。「語るなかれ、聞くなかれ」と言われた湯殿山並みである(大げさか)。今回行ったらその張り紙はなく なっていたが、このブログで大々的にこの店を紹介して、その結果私が「出入り禁止」になってしまっては困るので、店の名前や正確な場所は伏せさせていただきたい。写真でも店名はぼかしてある。どうしても知りたいという人は、ぜひ個別に聞いていただきたい。

 とは言え、この店、地元のラーメン通なら 大抵の人は知っている店である。私は父親に教えてもらったが、場所は若林区役所の裏手、南小泉の商店街の外れである。この店は38年も前からこの場所で手 打ちラーメンを提供している。昼ともなると、毎日店の外に行列ができている。他にこの界隈で行列ができる店はないので、行ってみればすぐその店とわかるの ではないかと思われる。

 この店ではラーメンを始め、すべておいしいが、一番のお薦めは、何と言っても菠菜(ポーサイ)麺である。菠菜麺というの は、麺にほうれん草を練り込んだラーメンのことで、中国では翡翠麺とも言い、宮廷料理だったそうである。この店では宮城県大郷町産の質の良いほうれん草をふんだんに使い、緑鮮やかな麺を作り出している。スープはあっさりながらもコクのある塩味で、麺にマッチしている。具のほうれん草や岩のりや豚肉の細切れ も、このスープにピッタリである。

 それにしても気になるのは店ののれんである。写真を見ていただくと分かるが、これは決して写真の左右が逆なのではなく、いつ行ってものれんはこのように裏返しなのである。いつかその意味を聞いてみたいと思うのだが、いつも忙しそうでいつも聞けないでいる。

  営業時間は以前は昼と夕方だったが、今回行ったら昼11:30〜14:30のみの営業となっていた。麺もスープも妥協なしの手作り。ひっきりなしに来る客。なおかつ、店は老夫婦2人だけでやっている。体力的にしんどいのかもしれない。「取材拒否」も、「これ以上お客が増えたら対応できない」という理由なのだろう。身体に気をつけて、これからもおいしいラーメンを作っていってほしい。

 定休日は毎週火曜日と第一、第三水曜日である。店から50mほど離れた遠 藤パーキングに5台分駐車スペースがある(が、昼時は駐車場にも車が行列を作っていたりする)。


追記(2007.1.5):新年早々食べたくなって行ってみたら、やはり行列ができていて、しかもポーサイ麺は私の2,3人後の人で品切れとなってしまっていた。相変わらずの人気ぶりである。この日が今年初の店開きだったらしく、粗品にハンドタオルを頂戴した。


追記(2008.12.13):友人からのまた聞きだが、何とショッキングなことに、この店今月ついに閉店してしまったのだそうである。閉店したのだからもう店名を言ってもいいのだろうが、「寿楽(じゅらく)」である。事情は分からないが、やはり体力的にきつくなっていたのかもしれない。

 事前に分かっていれば、せめてもう1回食べたかった。ただ、事前にそれを言うと、同じように考えた人が殺到して収集がつかなくなるだろうから、止むを得なかったのだろう。明日14日希望者には店で使っていた食器を進呈するのだそうだが、食器よりもあのラーメン、特にポーサイ麺が欲しい(笑)。仙台以外から来たラーメン好きに胸を張って誇れる店が一つ消えてしまったのは返す返すも残念である。

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