2006年11月11日 

東北のオススメスポット番外編〜自転車が充実しているカー用品店

ef19ac13.jpg 秋田市内の新国道と呼ばれる通り沿いにダイリンというカー用品店がある(秋田市八橋新川向13-30、TEL018-824-6601)。たまに大手チェーン店にないようなカー用品があったりして面白いのだが、この店の本当の面白さはそんなところにあるのではない。この店の2階は実は自転車売り場なのだが、この自転車売り場が何と言うかすごいのである。品揃えが極めて豊富と言うべきなのだろうが、どうも普通の自転車量販店とは品揃えの豊富さの方向性が違うのである。

 私は、以前にちょっと書いたが、けっこう自転車好きである。きっかけはと振り返ってみると、高校の入学祝いに両親に自転車を買ってもらったことである。当時通学に自転車を使っていた高校生の恐らく過半数は乗っていたであろうと思われるのがブリヂストンのロードマンというドロップハンドル、12段変速の自転車である。

 この、車で言うとトヨタカローラに当たるのではないかと思われるロードマンのちょっと上のランクであったロードマン・スーパーコルモというのを買ってもらって、それで毎日自転車で走っているうちに自転車でどっか行くのが楽しくなったという筋書きなのだが、自転車に乗るのが楽しくなると、自転車自体をあちこちいじってみたくなる。いじってより速く、より快適に走れるようにしたくなるのである。私が高校の頃だから、今からかなり昔のことである。

 なぜそんな昔の話をしたかと言うと、このダイリンには私がその頃我が愛車につけたり、つけてみたかったりした自転車パーツが展示物として、あるいは売り物として所狭しと展示されているのである。こんな店は東北に数多くある自転車店の中にすら、恐らく一店舗たりともないだろう。自転車好き(しかもある一定の年齢層以上の)以外には分からないと思われるが、私も愛用していたシマノ600EX(現在のULTEGRA)のコンポーネントだとか、これまたこだわってつけていたダイヤコンペのセンタープルブレーキだとかが、いまだに売っているのである。今ほとんど見かけなくなった一枚皮のサドルも売るほどある(と言うか売っているのだが;笑)。いったい誰が買うのだろうと思ってしまうほどレトロでマニアックである。

 ただ、ここに有り余るほどあるパーツを使えば、これまた今やクロスバイクやマウンテンバイクに取って代わられてほとんど死語と化してしまったスポルティーフとかランドナーとかいった車種も組み上げられると思う。それはそれは貴重な店なのである。

 パーツのことばかり書いてしまったが、完成車の品揃えもすごい。私が子供の頃の自転車の乗り換えのパターンというのは、最初は補助輪付の自転車、次にそれを外して乗り、それが小さくなったら5段変速でツインのライトとかウインカーとかいろいろとついた黒塗りのジュニアスポーツ車、そしてもっと大きくなったら12段変速のドロップハンドルのロードマン、というパターンだったと思うが、ダイリンには今ではあまり見かけなくなった黒塗りのジュニアスポーツ車がこれまた所狭しと並んでいるのである。

 それらのほとんどは昭和55年製とか昭和62年製とか書いてあるが、使い古しではなく、なんと新品として売られているのである。他にも、聞いたことのないようなロードモデルがあったかと思うと、昔のだるま自転車が88万円で売っていたりする。摩訶不思議なのは、これだけこだわりの品揃えをしている自転車コーナーがあるにも関わらず、表から見ると自転車を扱っていることすら分からない店なのである、このダイリンという店は(写真参照)。一度、オーナーに会って話を聞いてみたい気もする。とにかく、何と言うか、自転車好きには一見の価値のある稀有なる「カー用品店」である。

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