2008年03月29日 

東北で地ビールが飲める店その30〜福島県会津若松市

dd4b398b.jpg 前にも書いたが、仙台に一極集中している宮城県と違って、福島県は東北第二の都市、いわき市を中心とする浜通り、県庁所在地の福島市と仙台市に次ぐ経済圏を謳っている郡山市が並び立つ中通り、そして会津若松市を中心とする会津の3つの地域に分かれている。

 このうち会津若松市は人口約13万人で、福島の他の拠点都市に比べると人口こそ少ないが、戌辰戦争時の白虎隊の悲劇で知られる旧会津藩の城下町であり、今も街を歩くと至る所に歴史ある建物が普通に建っているその街並みは福島県の他のどの都市よりも特徴的である。古きものを大切にし、守り、受け継いでいこうという、会津の人たちの気質を感じる。

 さて、この会津若松市で地ビールと言うと、以前も書いたことがあるが、何と言っても会津麦酒である。ドイツ系アメリカ人のジョン・シュルツ氏の醸造する会津麦酒は、基本的にはドイツスタイルだが、それだけにとどまらず、地元会津特産の黒米を使った会津黒米ビールや、イギリスのアンバーエールを範とした赤べこアンバーエールなど、多彩である。

 ところが、この会津麦酒直営のビアレストラン會や(あいや)が残念ながら昨年末に閉店してしまっていた。しかたないので、いつものように地ビールの飲める店を現地で足で探してみた。そうして見つけたのが「和風れすとらん くいしん坊」(会津若松市中町4-31、TEL0242-26-8239、11:00〜21:00、無休)である。ここでは、その名の通り、会津名物ソースかつ丼を始めとしてお腹が満足しそうなメニューがたくさんあってよいが、それに加えてニュージーランド産のホップとオーストラリア産のモルト、会津特産の黒米が原料のパシフィックラガーの生と、ウィーン風ダークラガー(メルツェン)のベートーベンの生、そして先述の赤べこアンバーエールの会津麦酒3種を味わえた。

 しかし!ここのおかみさんからショッキングな話を聞いた。なんと、会津麦酒は先月2月21日まででビール醸造を取り止めてしまったというのである。これまで醸造を止めた地ビールと同じく採算面でのことかと思ったら、そうではないらしい。ビール醸造についてシュルツ氏と周囲との間に意見の相違があり、その結果シュルツ氏が帰国してしまったのだそうである。確かに会津のみやげ物店のどこにも会津麦酒がなくなっていたのでおかしいとは思っていたのだが…。何とも残念なことである。

 シュルツ氏と親交のあったおかみさんはシュルツ氏からその話を聞き、既に醸造したビールは廃棄処分にしなければいけないと聞いて、店の冷蔵庫に入るだけ会津ビールの樽生を仕入れたそうである。そのようなわけで、「くいしん坊」ではしばらくは会津麦酒が飲めるが、なくなるのは時間の問題である。恐らくあと半年は持たないだろうとのことであった。会津麦酒の、それも生を味わいたい人は今のうちに「くいしん坊」に行くことをお勧めする。

 「くいしん坊」以外に会津麦酒の味わえるところはというと、私が見つけたところではJR七日町駅の中にある「駅Cafe」で会津黒米ビールが味わえるが、見たところ残り3本であった。それからJR会津若松駅の中にある郷土料理店「一會庵(いちえあん)」にも会津麦酒ののぼりが立っていたので、今のうちなら会津麦酒が味わえるかもしれない。やはり郷土料理店の「籠太」にも以前会津麦酒があったが、ひょっとすると今はもうないかもしれない。

img838 会津麦酒以外では、「大町ガス燈」(左写真参照、会津若松市中町4-16、TEL0242-29-5725、11:30〜14:30、17:00〜23:00)には、スコットランドのマックワンズ・スコッチエール、ベルギーのヒューガルデン・ホワイト、同じく禁断の果実、デリリュウム・トレメンス、シメイ・ブルー、2年熟成紅茶ビール、フローリス・ミックスフルーツ、同じくストロベリー、モンゴゾ・バナナ、セントルイスカシス、スリランカのライオンスタウト、オーストリアのサミクラウス、中国のチンタオ、ドイツのレーベンブロイがあった。料理も会津黒米を使った料理や会津名物桜肉料理などを中心に種類豊富であった。会津麦酒にこだわらなければ、ビールの種類では会津若松市内でここが最も多いと思う。

 他に、オリジナルアクセサリー・革製品ショップの「MAGENDO JAPAN(マゲンド・ジャパン)」(会津若松市駅前町8-24、TEL0242-24-1067、19:00〜2:00、月曜定休)は、夜はショットバーもやっており、ビールの種類も豊富である。タイのシンハー、オランダのグロールシュ、イギリスのシルクマスター、ドイツのレーベンブロイ、ベルギーのステラアルトワ、ヒューガルデン、キリンのハートランド、中国のチンタオ、オランダのハイネケン、アメリカのバドワイザー、アンカースティーム、アンバーラガー、ジーマ、クアーズ、アイルランドのギネスエクストラ、デンマークのカールスバーグ、クアーズ、メキシコのコロナ、それに会津麦酒の赤べこアンバーエール、会津黒米ビールも何本かあった。マスターは会津麦酒の件を知らなかったので、これらが超貴重品であることをお知らせしておいた。料理は、私が訪れたときには自家製スモーク、パン・グラタン、こだわりのビーフジャーキー、チーズタップリ・リゾットがあったが、それ以外にチーズクラッカーや手作りシフォンケーキ、野菜たっぷりのスープなどマスターお手製の料理をいただいた。

 会津麦酒の件は返す返すも残念だが、そのストックがなくなっても会津には他にもビールのおいしい店が複数あることが分かってとりあえずは一安心ではあった。


追記(2009.5.13):会津麦酒がなくなって1年余り経つ。上で紹介した「和風レストラン くいしん坊」では、会津麦酒のポスターの代わりに福島県内工場直送と銘打ったアサヒスーパードライのポスターが貼られていた。

 「大町ガス燈」ではビールの品切れが多く、置いてあったのはヒューガルデン・ホワイトと禁断の果実、シメイブルー、セントルイスカシスのベルギービール4種だけだった。ん〜、この品揃えで観光案内所で配っている「會津うまいものガイドブック」に「世界のビールあり」と記載するのはちょっとどうかという気がする。

173422.jpg 一方、会津麦酒がなくなった代わりに猪苗代地ビールが飲める店があるのを発見した。念のため、事前に猪苗代地ビール館に電話して尋ねたところ、会津若松市内で猪苗代地ビールが飲めるのは、郊外の東山温泉にある老舗旅館「向瀧」だけとのことだったが、実際に街中を歩いてみたら、駅前の「はなの舞 会津若松駅前店」(写真参照、会津若松市駅前町420-1F・2F、TEL0242-37-0223)で猪苗代地ビールが飲めるのを見つけた。

 正直、チェーン店、しかも御殿場高原ビール系列の居酒屋で猪苗代地ビールが飲めるとは思っていなかった。店員さんに聞いたら、この店独自の判断で仕入れているとのことだった。ここの店、会津の郷土料理なども置いてあり、他の店舗にはない独自の工夫が見られるのがとてもよいと思う。猪苗代地ビールは、ここと会津若松市役所前店(会津若松市栄町213-1、TEL0242-37-1287)でも飲めるそうである。

 もう一店、かつて会津麦酒が飲めた「会津桜鍋 鶴我 会津本店」(会津若松市東栄町4-21、TEL0242-29-4829、11:30〜14:00、17:00〜22:00、不定休)でも、その代わりに今は猪苗代地ビールが飲める。


220716.jpg追記(2010.3.14):会津若松市内唯一のアイリッシュバーがあるということを地元ミニコミ紙に出ていた広告で知り、早速行ってみた。店の名前は「Irish Bar Craic(アイリッシュ・バー・クラック)」(会津若松市栄町8-8、TEL0242-22-4867、17:30〜3:00、金・土17:30〜4:00、月曜定休)で、3年ほど前にアイリッシュ・バーとなったそうである。

 これまでの私の探索では見つけられなかったが、それもそのはず、このクラックがある路地は非常にわかりにくい。店主自ら「よく見つけられましたね」と言うくらいの場所なのである(笑)。実際、住所を基に地図を見ながら行ったにも関わらず、なかなかたどり着けなかった。

 そのような目立たない路地にあるアイリッシュ・バーだが、やはりギネスが好きな人や外国の人などがよく訪れているそうである。生はギネスとキルケニー、それにハートランドだったが、瓶でピルスナーウルケル、オーガニックビール、ベックス、コロナ・エキストラ、シメイ・レッド、ステラ・アルトワ、バス・エール、ニューキャッスル・ブラウンエールなどがあった。落ち着いた雰囲気で飲めるいい店である。ギネスやキルケニーだけでなく、今後地ビールの樽生も置きたいとのことで、今後が楽しみである。

 この路地、目立たない割にバーが5軒も軒を連ねる若松でも有数の(?)通りだそうだが、その中にもう一軒ビールを揃えているバーがあるそうである。よなよなエールの缶などもあるそうである。店の名前は聞かなかったが、ひょっとすると同じ通り沿いで店の前にバドワイザーやコロナのロゴがあった「BAR BO-KU」がそうかもしれない。

221412.jpg 一方、昨年秋にできたばかりという「BAR ENZYU」(会津若松市馬場町1-45サンコープラザ3F、TEL0242-32-4571)にはヒューガルデン・ホワイトの生が置いてあった。元々はカクテルなどがメインのバーのようだが、そのようなバーでヒューガルデンが生で飲めるのは私にとっては嬉しいことである。実際、ヒューガルデンの生が飲めるのは会津若松市内ではここだけだと思う。その意味で貴重な店である。

 なお、上で紹介した「はなの舞」には、猪苗代地ビールのオリジナルビール、ゴールデン・エンジェルの生が置いてあった。この「はなの舞」、チェーン店の居酒屋でありながら、同系列の他店のメニューと違い、棒たら煮、馬刺し、鰊の山椒漬け、こづゆといった会津の郷土料理があるのも嬉しい。いわゆる地ビールが生で飲めるのは会津若松市内では今のところここだけだそうである。



110622-204044追記(2011.6.24):会津若松市内で銀河高原ビールが飲める店を見つけた!「会津葡萄酒倶楽部(あいづわいんくらぶ)」( 会津若松市西栄町6-40、TEL:0242-27-0947、19:00〜23:00、金・土・日18:00〜23:00、 第1、第3、第5日曜定休)である。ここはその名の通り、様々なワインを気軽に楽しめるワインバーだが、唯一置いてあるビールが、銀河高原ビールのヴァイツェンの樽生なのである!これは嬉しい。地元の食材や郷土料理などをワインに合うようにアレンジした料理もおいしくかつリーズナブルで、とてもよい店である。

 この店でビールばかりを飲む客というのは私以外そう多くないだろうなと思ったので、「ワインバーに来てビールばっかり飲んですみませんね」とマスターに言ったら、さらっと「いや、別に構わないですよ」と言ってくれたので、これからも遠慮なく銀河高原ビールを飲みに行こうと思う。せっかく行くのだから、ワインについてもいろいろと教えてもらうのもいいかなと思う。

 これで、会津若松市内では、上で紹介した「はなの舞」で猪苗代地ビールが飲める他に、銀河高原ビールが飲める店があったということで、飲む地ビールの選択肢が広がった。ありがたいことである。

 その「はなの舞」だが、猪苗代地ビールが飲めるのは「会津若松駅前店」のみだった。「会津若松市役所前店」には置いてなかったので、猪苗代地ビールが飲みたい人は迷わず「会津若松駅前店」に行くべし。また、「会津桜鍋 鶴我 会津本店」の猪苗代地ビールは、常時置いてあるわけではなく、事前の予約が必要とのことである。

 一方、「Irish Bar Craic(アイリッシュ・バー・クラック)」では、今月からヒューガルデン・ホワイトの樽生を置くようになった。これは嬉しい。会津若松市内でヒューガルデン・ホワイトの樽生がは私が知る限り、上で紹介した「BAR ENZYU」に続いて2店目である。通常のレギュラーサイズ(420ml)以外にラージサイズ(820ml)もあり、レギュラーサイズの750円に対して1,200円で飲めるのでとてもお得である。そもそもラージサイズ自体、東北で飲めるのは他に以前紹介した仙台の「barbe」くらいしか知らない。レギュラーサイズのグラスをそのまま大きくしたようなあのグラスはインパクト大で、一見の価値ありである。


150217-215450追記(2015.2.18):市役所通りの「ステーキ・リーベ」の2階にいいお店を見つけた。「時さえ忘れて」(会津若松市栄町1‐40-2F、TEL0242-22-0530、17:00〜2:30LO、日曜15:00〜23:30LO、月曜定休)である。看板のない、隠れ家的なバーである。昨年12月にオープンしたばかりとのことだが、地ビールや海外のビールが常時2種類、樽生で飲めるのが嬉しい。私が訪れた時は長野のよなよなエールとスコットランドのブリュードッグのハードコアIPAがあった。他にもウィスキーや日本酒もいろいろと揃っていて、どんなお酒が好きな人でも他の締めそうである。お酒と書物をこよなく愛するマスターのいる、雰囲気のいいお店である。



150218-113558 そのマスターに、「Soupcurry & Dining tipu(スープカレー&ダイニング・ティプ)」(会津若松市東栄町6-24三進ビル104、TEL0242-77-4037、月、水〜金11:00〜13:30LO、17:30〜24:30LO、火曜定休)にはブリュードッグが瓶で置いてあると教えてもらい、早速行ってみたところ、確かにブリュードッグのパンクIPAとデッドポニークラブがあり、その他にもヒューガルデン・ホワイト、シメイ・ブルーなどが瓶で置いてあった。カレーもスパイシーで美味しかった。ビールとカレー、私にとって実にいい組み合わせである。





150217-203239 それから、「うまいもの家 旬の蔵」 (会津若松市金川町14-26、TEL0242-22-7400、11:00〜14:00、17:00〜21:00LO、月曜定休(月曜が祝日の場合は翌火曜が休み))は、喜多方ラーメンや会津の山塩を使ったという山塩ラーメン、磐梯山の有機玄蕎麦を使ったざる蕎麦、会津若松のご当地グルメ、ソースカツ丼やカレー焼きそばが食べられるお店だが、ここに埼玉のコエドビールの「瑠璃」と「漆黒」が瓶で置いてあった。

 なお、駅前の「はなの舞」は「こだわりやま」に変わったが、猪苗代地ビールがなくなってしまっていた。残念である。また、「大町ガス燈」は2月28日を以て閉店だそうで、これまた残念である。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔