2009年04月21日 

東北のオススメスポットその9〜あまり知られていない本州最東端の地

img955 以前端っこは「秘境」ではないというようなことを書いた。東北の最北端の下北半島・大間崎(おおまさき)やその対岸の津軽半島・竜飛崎(たっぴざき)は、東北でも著名な観光スポットである。

 事のついでに、他の端っこも調べてみた。東北の最西端はこれまた有名な男鹿半島の入道崎か、と思いきや、東北日本が北東に伸びていることもあって、山形県鶴岡市の新潟県境付近が最西端のようである。ここは鼠ヶ関(ねずがせき)という奥羽三古関の一つがある、東北の日本海側の玄関口である。

 また、最南端は東北で最も温暖で最も早く桜が咲くことで有名ないわき市小名浜(おなはま)かと思いきや、これまたさにあらず、「合併しない宣言」で注目を集めた山間の矢祭町であった。東北の最北端は本州の最北端でもあり、それで下北半島は有名なのだろうが、最西端や最南端は他地域と隣接している、あくまでも東北域内での端っこであるので、あまり目立たないのだろう。

 では、東北の最東端はどこかと言うと、それは岩手県宮古市にある魹ヶ崎である。これまた地名の読みづらさだけが原因ではないと思うが、同じ東北でもあまりに知られていない感がある。「とどがさき」と読むこの東北の最東端は、実は本州の最東端でもある。千葉県銚子市の犬吠崎が本州最東端と思われていたりすることが多いのだが、本当はこちらが最東端である。と説明しなければいけないくらい、知名度が低いのである。

 もっとも、本州最東端だから陽が昇るのも本州一早い、というわけではない。緯度の関係で陽が昇るのは犬吠崎の方が早い。この辺も本州最東端について誤解される一因になっているかもしれない。

img957 もう一つ、本州最東端にして東北最東端であるこのスポットがあまり知られていない大きな理由は、そのアクセスの悪さにあるのではないかと思う。三陸のリアス式海岸の真っただ中にあるこの岬は、海のそばとは思えないくらい山である(笑)。駐車場で車を降りてから最東端まで、「山道」を3.8km歩いていかないとたどり着けないのである。対岸に北海道が望めて旅情が掻き立てられ、観光バスが行き交う下北半島や津軽半島と違い、観光ツアーに組み込みづらいというのが、この本州最東端の地が目立たない一番の理由かもしれない。

 この3.8kmの山道、普通に歩くと1時間半といったところだろうか。私が訪れた時は既に日暮れ時で辺りは暗くなり始めていた。せっかくここまで来て本州最東端の地に足を踏み入れずして引き返すのも残念である。何せ、この本州最東端(?)の駐車場まで来るにも車で山道を延々来なければいけないのである。かと言って山道の途中で暗くなられると困るので、行くなら完全に暗くなる前に行って戻ってこなければいけない。

 というわけで、私はこの山道を走って岬を目指した。そうしたら、何とか片道22分で岬にたどり着くことができた。突如鬱蒼と茂る木々が途切れ、三陸海岸で最も明るいという灯台が出迎えてくれる(上写真参照)。最東端であるがゆえに視界の左右は開けている。目の前には何も遮るものがない、見渡す限りの三陸の海がある(中写真参照)。いい景色である。もちろん、本州最東端の碑もある(下写真参照)。

img962 灯台守の悲喜交々の生活を描いた映画「喜びも悲しみも幾歳月」は、実在の灯台守の妻の手記が原作であるが、その灯台守夫婦もこの魹ヶ崎灯台で7年を過ごしたとのことである。よくぞこのような場所に7年も、と思わせられるような場所である、この魹ヶ崎は。端っこの地にして「秘境」という、東北でも稀有なスポットである。

 と、ひとしきり最東端の秘境に浸った後は、来た道を再び全速力で目指す駐車場まで走ったのであった。今度来る時は昼間、もう少し余裕を持って歩いてみたいと思う。

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