2010年08月31日 

東北で地ビールが飲める店その54〜岩手県盛岡市その1

岩手県の県庁所在地盛岡市は、人口約29万8千人の市である。江戸時代は南部藩の城下町として栄え、今でも街中を北上川、中津川が流れる河畔の緑のきれいな、落ち着いた街並みを持っている。

 以前紹介したように、盛岡で食と言うと、わんこそば盛岡冷麺じゃじゃ麺の「三大麺」が有名だが、これまた以前触れたように東北は全国のホップ生産の98%を占める一大産地で、岩手県はその中でも全国の栽培面積の42.5%、生産量の36%を占めるホップ生産全国第1位の地である。

 これまで東北各地で地ビールの飲める店を紹介してきたが、主要都市の中でこの盛岡市だけは紹介していなかった。それは盛岡市内に地ビールが飲める店がないのではなく、逆に多すぎるのである。さすがはホップ生産第1位の県の県庁所在地である。岩手県内には他に毎年「全国地ビールフェスティバル」が開催される一関市があるので、断言するのは難しいのだが、地ビールや外国のビールが飲める店の多さやその多様性などから見ると、盛岡市は「東北の地ビールの都」と言えるのではないかと思う。

 さて、あまりの数の多さもあってこれまで盛岡には手を付けずに来たが、そろそろ一念発起して(?)盛岡市内で地ビールの飲める店についてまとめてみようと思う。ただ、1回で私の知っている店をすべて取り上げるのは不可能なので、2回に分けて紹介したい。1回目はその中でも私のオススメの店を取り上げたいと思う。

img620沢内甚句(盛岡市開運橋通5-4、TEL019-654-4860、11:30〜14:00(月〜金のみ)、17:00〜22:30、日曜定休)

 今は隣の和賀町と合併して西和賀町となったが、日本有数の豪雪地帯である旧沢内村の郷土料理が居酒屋感覚で食べられる店。春は山菜、秋はきのこの料理がおいしい。村の伝説にちなんだネーミングの、鶏もも肉一本をスパイシーな味付に仕上げた「ももどり」が名物料理である。

 旧沢内村と言うと、私のようなビール好きにとっては何と言っても銀河高原ビールである。ここでもキンキンに冷えたジョッキで銀河高原ビールが飲める。あ、ただ盛岡駅前に新しくできた系列の「ももどり駅前食堂」では銀河高原ビールは飲めないので要注意である。

 店名の「沢内甚句」というのは、旧沢内村に伝わる民謡の名前であるが、ここでは月に一度、津軽三味線のライブも開かれる。その時はこぢんまりした店内が人でごったがえす。ライブの日は、飲み放題に料理がセットになった特別料金(3,000円くらい)が設定される。


719050居酒屋・お好み焼き ぼっちゃん 駅前(盛岡市盛岡駅前通10-11、TEL019-625-6881、17:00〜4:00、無休)

 銀河高原ビールの人に教えてもらった店である。銀河高原ビールの人が盛岡に出張すると、たいていここで飲むのだそうである。海の幸からお好み焼きまでメニューが実に幅広く、サメの心臓の刺身とか、珍しいメニューもあったりする。一つひとつの料理をしっかり作って出してくれているのが見えるので、安心して食べることができる。

 銀河高原ビールはもちろん樽生で、自慢の料理と一緒に味わえる。たいていビアバーなどの店は洋風であることが多く、料理も洋風であることが多いが、上の沢内甚句と言い、このぼっちゃんと言い、おいしい和食と一緒に地ビールが飲める店があるのは嬉しい。


818031.jpgビアパブベアレン材木町

 ベアレンは盛岡市内に醸造所を持つ地ビールである。ドイツスタイルのビールが基本だが、最近はイギリスやベルギーのスタイルのビールなど、さまざまなビールを醸造している。ベアレンはこれまで外販に力を入れてきた。次回一気に(?)紹介するが、その甲斐あって、盛岡市内ではいろいろな店でベアレンビールが飲めるようになった。

 ベアレンはまた、ビールのことをもっと地元の人に知ってもらおうと、毎月第2木曜日、後で紹介するヌッフ・ドゥ・パプで「ニモクビールの会」という会を、醸造所でも定期的に「工場ビール祭り」を開催している。地元でビール好きの裾野を広げようというこうした取り組みは、100万都市でありながら地ビールがない仙台に住む身としては実にうらやましい話である。

 他に、毎月A4サイズの「BAEREN NEWS」を発行し、スタッフの声や限定醸造のビールの案内など、様々な情報を提供している。「BAEREN NEWS」はJR盛岡駅でも入手できる。こうした地域密着のための数々の取り組みは、並み居る東北の地ビール醸造所の中でもベアレンビールが最も積極的であるように見える。

 さて、そのようなベアレンが初めて作った直営店がこのビアパブベアレンである。ここでは、レギュラー、季節限定のベアレンの樽生が飲める。料理は地元の食材を使った洋風料理で、これもまたおいしい。

 この店でも「ニモクビールの会」とは別に月1回第4木曜日に「新ビアパブビール会」というビールのイベントを開催している。地域密着を貫く姿勢がこの店にも現れている。


0322023ビアバーベアレン中ノ橋

 最近オープンしたベアレンの直営第2号店。名前の通り、上のビアパブベアレンが「パブ」で食事も楽しめる方向性の店であるのに対して、こちらは「バー」としてよりビールに特化した店となっている。その象徴となっているのが、アメリカから直輸入したという注ぎ口が12もあるビアサーバーで、これのお蔭でここではいつも、ベアレン全種類を含め12種類の樽生が楽しめる。

 私が訪れた折には、ベアレンのクラシック、シュバルツ、アルトの定番ビールの他、ヴァイツェン、岩手の小麦のビール、ピルスナーといった季節のビール、それにドイツのドラフトビールとして、ビットブルガーピルスナー、シュレンケラーメルツェン、ヴェルテンブルガーアッサムボック、ベルギーのドラフトビールとしてイヒテヘムズ アウトブライン、モルトガット、ヴェデット、イギリスのドラフトビールとしてフラーズのロンドン・プライドがあった(ん?数えてみると1つ多い。このどれかは品切れだったかも)。

 これだけの国内外の樽生が常時飲めるのは、東北では間違いなくここだけである。ビール好きにはとことん楽しめる店である。立ち飲みスペースもあるので、気軽に立ち寄れる。


img732多国籍料理ステラモンテ

 「あさ開(あさびらき)」と言えば、岩手を代表する日本酒の一つである。考えてみれば、一関のいわて蔵ビールと言い、遠野のズモナビールと言い、岩手には日本酒の蔵元が手掛ける地ビールが多い。盛岡にあるここあさ開も実は地ビールを醸造している。が、それはいわて蔵ビールやズモナビールほど知られていない。同じ盛岡のベアレンに比べても知られていない。

 それもそのはず、あさ開の地ビールは、敷地内にある直営の多国籍レストラン「ステラモンテ」でしか味わえないのである。それ以外の外販などは一切していないため、ある意味「幻の地ビール」となっているのである(以前はJR盛岡駅内にあった系列の自然食バイキングレストラン「めぐみいわて」でも飲めたが、同店が閉店したため、本当に1箇所だけになった)。

 「ステラモンテ」にあるあさ開のビールは、ベルギーの白ビールタイプの「ホワイト・ステラ」と、チェコのピルスナータイプの「ステラ・ピルス」、それに季節のビールの3種がある。レストランに併設されて醸造所があるので、作りたてのビールが飲めるのがいい。料理の方も、日本、アジアからヨーロッパまで様々な地域の料理があって楽しめる。


1190400ビアレストランアリーブ盛岡店

 以前、北上店を紹介したが、アリーブは盛岡にもある。と言うか、私にとってはこちらの店の方がなじみ深い。ホテル東日本の地下にあるこの店では、銀河高原ビールのヴァイツェン、ベアレンのシュバルツ等3種、それにいわて蔵ビールの岩手の誇る3つの地ビールの樽生が飲める。

 イタリア製の石窯で焼かれるピザを始めとするイタリアンもおいしい。岩手の地ビールを飲み比べるのであればイチオシの店である。



121520ヌッフ・デュ・パプ

 ベアレン樽生3種と銀河高原ビール樽生が飲める。他にレーベンブロイ、ヒューガルデン、バス・ペールエール、ベルビュークリークの樽生も飲める。瓶でシメイブルー、レッド、オルヴァル、デュベル、缶でよなよなエールも置いてある。地元岩手の食材を使った各種料理もおいしい。

 前述のように、ベアレン主催の「ニモクビールの会」の会場でもある。ちょっと発音しにくい(私だけか?)店名は、南フランスのローヌ地方にあるワインの名産地「シャトー・ヌフ・デュ・パプ」から取ったそうである。


820360la CUCINA new york kitchen(ラ・クッチーナ・ニューヨーク・キッチン)

 発音しにくいことでは上のヌッフ・デュ・パプと双璧をなす(?)洋風居酒屋。ただ、ビールの品揃えという意味でも、盛岡市内では以前からヌッフ・デュ・パプと双璧をなす存在である。

 ここではベアレンが全種類置いてある。このうち季節限定のものは樽生で、定番のビールは瓶でそれぞれ味わうことができる。他に、ベルギーなど海外のビールも瓶で揃っているのでそちらも楽しめる。

 こちらの店でも岩手の食材をふんだんに使った、とにかくおいしそうな料理がたくさんある。ベアレンとだと、ビールも料理も進みそうである。


img731ビアレストラン熊福

 何となく居酒屋のような店名だが、ここはベルギービールがいろいろ揃っているビアレストランである。サンフーヤンのトリプル、ブロンド、グリゼット・ブロンシュ、グリゼット・フリュデボア、デュポンのウルション、セゾン・ヴォアザン、セゾン・デュポン、ルフェーブルのバルバール、ブリュノオのトラディション、ブロンシュ・バイオロジーク、ビレッジ、アベイデロックなど、私もよく知らない(笑)ベルギービールの瓶が常時10数種類揃っている。

 他に、ベルギービールの樽生1種とベアレン・クラシックの樽生も置いてある。私が訪れた際にはサンフーヤンのブロンドが樽生としてあった。

 料理も宮古直送の海の幸や契約農家から届く野菜を使った和洋中の料理が充実しており、おいしい。


森の食堂 燻製屋 Velvo

 自家製手作りの燻製とスープカレーが味わえる店である。ベアレンも数種類置いてあり、地ビールを飲んでカレーが食べられる、私にとっては嬉しい店である。盛岡市内で夜遅くまでカレーが食べられる店はここ以外ほとんどなかったので貴重な店だった。

 昨年移転して飲食店が集中している大通りとは駅を挟んで反対側に移転してしまったので、このところはすっかりご無沙汰してしまっているが、たまに食べたくなるカレーである。


東日本ビアホールホテル東日本盛岡(のビアホール

 ホテル東日本では、毎年7月初めから9月中旬までビアホールを開いている。ビアホールでは、前売3,900円(当日4,200円)でホテルメイドの料理が食べ放題、ビールなど各種飲み物が飲み放題である。

 ホテル東日本の親会社である東日本ホームが、当時子会社であった銀河高原ビール株式会社を清算して以来途絶えていた、このビアホールでの銀河高原ビールの飲み放題が、嬉しいことに昨年復活した。従って、昨年から再び銀河高原ビールを好きなだけ飲みながら、和洋中のいろいろな種類のおいしい料理をめいっぱい食べる、ということが可能になったわけである。

 今年は、「中華激辛三銃士」として、「激辛中華風手羽先」、「激辛四川風麻婆豆腐」、「激辛牛モツ肉屋台風」が登場した。私のような辛いもの好きにはうれしいポイントである。

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