2010年09月09日 

仙台散歩その42〜インド料理店よりもカレーがおいしいフランス料理店

cd35eceb.jpg  最近、私に劣らずカレー好きの職場の上司が嘆くのである。「仙台にはウマいインドカレーの店がない」と。

 なるほど、その気持ちはなんとなく分かる気がする。確かに、仙台市内にはインド料理店がいくつもある。それらはほとんど、インドの人がシェフとして腕を奮い、本場インドの味を提供してくれている。しかし、どの店もそのような方向性ということで、違いが見えにくい。結果、どの店も同じようなメニュー、同じような味になってしまってその店ならではの個性が見つけにくいのである。

 かく言う私も、そのようなインド料理店に入ってメニューと写真を見ると、だいたい味の予想がついてしまう。その予想をいい意味で飛び越えてくれる店というのが、確かに仙台市内には少ないように思うのである。

 この狭い日本であっても地域によって様々な郷土料理がある。日本の何十倍も広いインドであればなおのこと、様々なカレーがあって然るべきである。実際北インドと南インドではまったく違うカレーが食されていて、最近東京などでは南インドの料理が食べられる店が人気だそうだが、地方に行けば行くほど、そのような一般にはあまり馴染みのないカレーで勝負するというのは勇気のいることである。それで日本人の誰もがイメージするような「典型的な」インドカレーをどの店も出すのであろう。

 その意味では、むしろ日本人の出す「インドカレー」の方が、それこそオーナーが苦心の末編み出したようなオリジナルのカレーが食べられて、文字通り刺激的である。

 件の上司、東京に長期滞在していたことがあり、その時期にはそれこそ都内のいろいろな店でカレーを味わっていたそうである。そのような上司が高く評価しているのが、お茶の水の「エチオピア」である。私も何度か食べたことがあるが、確かに「エチオピア」のカレーはおいしい。普通のインド料理店のカレーとは違った方向性のスパイシーカレーである。まさに日本人のオーナーが作ったオリジナルのインドカレーの王道を行くようなカレーである。

 さて、そのような上司に仙台の街中でどこかオススメできる店があるか考えてみた。もちろん、以前紹介したシンドール」には行ってそれなりに評価くれてはいるが、やはり想定内の味であるようである。これまた以前紹介したかり〜亭」は、その意味では私的には太鼓判の押せる店であったのだが、残念ながらなくなってしまった。あとはこれまた以前紹介した国際センター近くの「パチャカリ」くらいか。でも、「エチオピア」の濃厚なスパイスのカレーに慣れている上司には今ひとつ物足りなく感じられるかもしれない。私が「天国バー」と呼んだ「RED HOT(レッド・ホット)」もおいしいとは言っていたが「絶賛」というほどではなかった。

 ちょっと前に岩手県宮古市の「カリー亭(正確には口偏に加と口偏に厘に亭である)」のレトルトカレーを紹介した。その時に、そう言えば仙台にもあそこのカレーとよく似た方向性のカレーを出す店があったということを思い出した。前フリがだいぶ長くなってしまったが、それが今回紹介する「ambrosia(アンブロジア)」である。以前、西公園の近くにあった時は時々足を運んでいたが、現在のタワービルの裏手に移転してからはご無沙汰してしまっていた。

 ここは元々フランス料理の店であるが、ランチタイムには本格的なインド風カレーが食べられる。いや、その力の入れようは、「フランス料理店」を銘打ちながらも、そこいらのインド料理店を完全に凌駕していると言っても過言ではない。まずメニューの多さである。およそ20種類もある。「カリー亭」同様(?)チキンカレーが定番だが、他に野菜、ポーク、キーマ、海老、シーフード、ビーフとあって、またそのそれぞれに野菜を加えたカレーもある(チキン野菜、ポーク野菜など。当然、「野菜野菜」はない;笑)。それだけでなく、タンドーリチキン・マサラ、タンドーリチキン・バタークリーム、ビーフ・ダヒ・コルマ、スペシャル・シーフードカレーがあり、これに季節のカレーが3種類ほど加わるなど、まさに「インド人もびっくり」の多彩さである。

 味ももちろん素晴らしい。スパイシーでありながら、コクと旨みが卓越しているのはさすがフランス料理店である。また、その味から、インド料理店のカレーとは違って、かなり煮込んで作っているのも分かる。あ、そうそう、私はインド料理店のカレーも「煮込み料理」と思っていたのだが、シンドールのシェフに聞いたら違うそうである。10分くらいで手早く作れてしまうものであるらしい。それから、中辛を1として1〜5までで辛さも調節してくれるのも嬉しいポイントである。

 フランス料理店であって本格的なカレーを出す店として私が真っ先に思い当たるのは、先に挙げた「RED HOT」だが、「ambrosia」のカレーもそれに勝るとも劣らずかなりいい。フランス料理と本格カレーの関係、非常に興味深いところである。

 そうそう、この「ambrosia」のカレー、以前はランチタイムだけのメニューだったのだが、現在では「ディナーカレーコース」など、単品ではなくコースであれば夜でも食べられるようになった。
ということで、そこいらのインドカレーでは満足しない上司に、私イチオシの店としてこの店を紹介してみようと思う。

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