2010年10月01日 

仙台散歩その44〜ノンアルコール地ビール(?)を作ってみた

5b44eff2.jpg  キリンビールが「キリンフリー」を出して以来、ノンアルコールビールがちょっとしたブームである。これまでのノンアルコールビールは「ノンアルコール」とは言っても0.1〜0.9%程度アルコールが含まれているものがほとんどで、例えば車を運転しなければいけない場面で本当に飲んでも大丈夫かどうか一抹の不安があったようだが、キリンが出したフリーはそのような不安に応えて「0.00%」と表記し、ドライブシミュレーターで実験して飲んでも運転能力に影響がないことまで確認するなどしたことが成功したようである。それを見て他社も次々に追随したが、つまり本当にアルコール分が含まれないノンアルコールビールができたということで、飲みたくても飲めないシチュエーションで飲めるということで重宝されているそうである。

 実は今まで、私はこのノンアルコールビールについては否定的であった。「酔えないビールなんて…」という感じである。飲んではいけない場面なら飲まなければいいではないかと思っていた。それに味についても「どうせ…」と思っていた。発泡酒やいわゆる「第三のビール」の味に満足のいかない私がノンアルコールビールの味に満足できるわけがない、と端から思い込んでいた。

 しかし、実際に飲んでみて思ったのは、「これはこれでありかな」、ということであった。酔いたくはないがビールの味を味わいたいということが、ビール好きにはたまにあるのではないかと思った。例えば飲み過ぎた翌日とか(笑)。いや、そのような日はそれこそ飲まなければよいのだが、それでもビールのあの味は味わいたいなと思ったりすることもあるものである。そのような時にノンアルコールビールはよいと思った。味も、アルコールが入っていないのにこれくらいビールの味わいや泡立ちなど再現できていればよしとすべきだろう。私からすれば、発泡酒や「第三のビール」と比べても、味にそれほど大きな違いはないように思える。ビールの本場ヨーロッパにもノンアルコールビールがあるが、こちらはビールと同じ麦芽100%で作られたりしている。これらは味わいという面から言っても、なかなかクオリティが高い。

 しかし、唯一物足りない面がある。当たり前と言っては当たり前なのかも知れないが、これらのノンアルコールビール、すべて「ピルスナータイプ」なのである。私のようにドイツのヴァイツェンやベルギーのホワイトエールのような「にごり酒」ならぬ「にごりビール」をこよなく愛する者にとっては、これらのノンアルコールビール、アルコールが入っていないというだけでなく、「にごっていない」という点でも物足りなさが残る。

 日本の地ビール醸造所の中にもノンアルコールビールを手掛けているところがいくつかあるが、ビールはにごっていてもノンアルコールビールはにごっていないことがほとんどのようである。酵母を残すと発酵が進んでしまうのでやむを得ないのだろうが(キリンフリーなどは最初から酵母を使っていない)、「にごったノンアルコールビール」があればいいのになと思った。

 そこで、自分でノンアルコールビールの「にごりビール」版を作ってみた。作ってみたと言っても、別に密造したわけではない。何のことはない、ただ単にノンアルコールビールに「ビール酵母」を入れてみただけである(笑)。

 折からの健康ブームで、昨今ビール酵母も注目されているらしい。特に最近では「ビール酵母ダイエット」なるものも提唱されているようである。大手のビール会社のビールは製造過程でビール酵母を取り除くので、ビール酵母は一種の「産業廃棄物」である。その廃棄物が健康食品として売れるので、ビール会社としては願ったり叶ったりである。だからなのだろうが、いわゆるサプリメントの中でもビール酵母は比較的安価に手に入れることができる。

 そのような訳で薬局などに行くと、ビール酵母の錠剤などが手に入る。ところが、このビール酵母、ネット上の感想などを見るとかの独特の匂いや味でとても摂取しづらいようである。そのままはもちろん(錠剤で飲んでしまえばよいのだろうが)ヨーグルトや料理などに混ぜてもちょっと…という感じのようである。それはそうである。もともとがビール醸造に使われるものなのだから。

 だったら、元あったところに戻せばよいのではないだろうか。元々ビールの中にあったのだから、ビールに混ぜれば違和感がないのではないだろうか。そしてビール酵母を入れればピルスナータイプのノンアルコールビールも、ヴァイツェンのようなにごりノンアルコールビールになるのではないか。そう思って実際にやってみた。

 使ったのはキリンフリー350ml缶1本と、アサヒビールの関連会社アサヒフードアンドヘルスケアが出している、ビール酵母を固めただけの「エビオス錠」。ビール酵母の錠剤には他にビタミンやアミノ酸等の成分をさらに添加したものもあるのだが、今回の「プロジェクト」(笑)にはそのようなものは余分なので、ビール酵母だけのものを選んだ(錠剤にするためにそれにも添加物は入っているが)。本当は粉末のものもあるようでその方が都合がよかったのだが、近所の薬局にはなかったのでやむなく錠剤にした。

 やり方は簡単、この錠剤をすりこぎでつぶして粉末にし(笑)、それをビールを飲むグラスに入れて、そこにキリンフリーを注ぎ(もちろんそれ以外でもOKである)、かき混ぜるだけである。エビオス錠、1回10錠を1日3回と書いてあるが(そんなに飲まないといけないものなのか!)、350mlのノンアルコールビールにその10錠分くらいが「にごりビール」づくりにはちょうどよいようである。

 見た目は写真のとおりであるが、なかなかヴァイツェンしている(笑)。間違いなくにごっている。匂いもいつも飲んでいるビールに近づいたような気がする。何より泡立ちがものすごいことになっている(笑)。

 お味の方は、というと、さすがにちょっと粉っぽい気もするが(粉なのだから当たり前である;笑)、けっこうヴァイツェンやホワイトエールの雰囲気で飲めるのではないかと思った。興味ある人(勇気ある人とも言う;笑)は一度試してみていただきたい。

 あ、それからこのビール酵母、健康面でいろいろなメリットがあるように喧伝されているが、実際には人体における有効性については確実なデータはまだ十分ないようである。この辺りは国立健康・栄養研究所のサイト内にある「『健康食品』の素材データベース」に詳しい。ビール酵母に限らず、今世間でPRされている「健康食品」で謳われている「薬効」がいかに根拠の薄いものか、ここで調べてみるとよく分かる。まあ、ビール酵母にはビタミンB群や各種ミネラルが含まれるので、ビタミン剤くらいの効果は期待してもいいかもしれない。

 と言うか、前回も今回も「仙台散歩」のカテゴリーにしているが、全然散歩してないかも(笑)。いや、前回は白ビールを買いに「やまや」まで、今回はエビオス錠を買いに近所の薬局まで「散歩」したからよしとしよ(笑)。


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