2011年01月12日 

東北で地ビールが飲める店その60〜宮城県塩竈市

101229-205645  塩竈市は、仙台市の東方にある人口約5万7千人の港町である。宮城県内には大きく4つの漁港があるがその一つである塩竈港を抱え、漁業が盛んである(他の3つは石巻、女川、気仙沼)。この4つの漁港、それぞれ「得意分野」があり、かつお、かじき、さめは前回紹介した気仙沼、たら、さば、いかは石巻、さんま、さけ・ますは女川の漁獲高が大きい。これに対して塩竈はまぐろの漁獲高が大きい。そのせいか、塩竈市内には寿司店が多い。一説によると、単位面積当たりの寿司店の数は日本一だそうである。

 ところで、この「塩竈」という字であるが、奥州一宮として崇敬される塩竈神社に由来している。この「竈」という字は非常に書きにくいので(塩竈市のサイトでは「竈」の書き順が解説されている)、「塩釜」という表記も認められている。市内にある「しおがま」の名のついたJRの駅4つは「塩釜」の表記である(「塩釜駅」と「本塩釜駅」、「東塩釜駅」、「西塩釜駅」)。ただ、元々「竈」と「釜」では字義が異なるので(「竈」は「かまど」、「釜」はいわゆる「かま」である)、正式には「塩竈」と表記する。

 さらに言えば、市名の由来となった塩竈神社は正式には「鹽竈神社」であるので、それに従えば「竈」だけでなく「塩」の方も「鹽」と書かなければいけなくなり、2つの漢字だけで画数の合計が45画というとんでもないことになるが、「竈」と違って「鹽」=「塩」なので、塩竈で問題ないという解釈のようである。いっそのこと塩も旧字体にして、「日本一画数の多い名前の市」として売り出す手もあるようにも思うが、そうなると住んでいる人には不便窮まりないかもしれない(手書きで住所を書く時とか)。

 それはさておき、この塩竈市内で地ビールなどの飲める店を探してみた。塩竈市内の先述したJRの役のうちの2つ、東北本線の塩釜駅と仙石線の本塩釜駅であるが、港に近い本塩釜駅周辺の方が中心街に近い。それもあってか塩釜駅の方の周辺では残念ながらおいしいビールが飲めそうな店は見つけられなかったが、本塩釜駅周辺の方では、駅近くの路地裏(?)にあった「TAVERNA GIRO(タベルナ・ジロ)」(塩竈市海岸通8-10、TEL022-385-6609、月18:00〜23:00、火〜土12:00〜14:00、18:00〜23:00、日12:00〜17:00、18:00〜23:00、無休)というイタリアンレストランで、表の黒板に「エルディンガー」と「ヒューガルデン」の文字を見つけたので入ってみた。

 ここは去年の1月にオープンしたという新しいお店で、本格的なイタリア料理が食べられる。もちろんワインの種類も豊富だが、ビールについても、イタリアビールの定番とも言うべきモレッティや日本代表(?)でキリンのハートランド、イギリスのギネススタウトに混じって、黒板にあったドイツのエルディンガー、ベルギーのヒューガルデンと揃っているのが素晴らしい。

 料理についても、地元の食材などを使った魚介、肉、野菜の料理の種類が実に豊富で、中でも魚料理については塩釜仲卸市場からその日仕入れた魚介類を使って作る料理などもあって行く度に楽しめそうである。もちろん、ビールに合う料理もたくさんある。

 そのビールについては、客の要望に答えていったところこのラインナップになったのだそうである。確かに、ピルスナー系、白ビール系、黒ビール系がバランスよく揃っていて、大抵のビール好きの好みに対応できそうな顔ぶれである。中でもエルディンガーは飲める店が限られているが、それを置くようになったきっかけは、オーナーシェフの古屋さんがオクトーバーフェストで飲んで惚れ込んだことだったそうである。

 この「TAVERNA JIRO」、地元の新鮮な魚介類などを使ったおいしいイタリアンを楽しみながらビールが飲めるという、塩竈ならではの店であると思った。これからも時々行ってみたい店である。


131008-215648追記(2013.10.8):飲食店が集中する尾島町にある「Sports&Smile TOO」(塩竈市尾島町8-8JK尾島ビル2F、TEL022-781-5612、19:00〜24:00、火曜定休)では、瓶で世界各国のビールが10数種類飲める。欧米やアジアのビールだけでなく、銀河高原ビールも置いてくれているのがありがたい。

 震災後にオープンしたそうだが、マスターの松野さんによると、震災で親しかった人が亡くなるのを見て、 自分もいつ死ぬかわからないのだからやりたいことをやろう!と考えて、前々からやりたかった店を始めたという経緯だったそうである。それで、その時の思いを忘れないようにと、店の名前も「3・11」の数字(Three,One,One)の頭文字を取って「TOO」と名づけたとのことであった。


150418-220426追記(2015.4.18):上記の「TAVERNA GIRO(タベルナ・ジロ)」の古屋さんに教えていただいたのだが、これまた上記の「Sports&Smile TOO」の向かいにある「Bar Argon」(塩竈市尾島町7-13、TELなし、20:30〜25:00、土曜20:30〜27:00、日曜定休)では、海外のビールが飲めた。ベルギービールを中心に、ドイツビールやイギリスビールなど、瓶で18種類くらい置いてあった。そのベルギービールも、「キャスティール」2種など、私が飲んだことのない珍しいものがあった。

 表から見ると、そのような表記もなく、そもそも店名すら小さく書かれているだけなので、まったくビールの気配が感じられない店だが、まさに隠れ家的な店である。私が訪れた時には偶然、某地ビール醸造所の醸造士の方も飲んでおられた。


追記(2017.2.28):上で紹介した「Sports&Smile TOO」だが、閉店してしまった。残念である。別の形で再出発するとのことだったので、また今後に期待したい。


追記(2018.2.7):上で紹介した「Bar Argon」だが、昨年いっぱいで閉店した。マスターの武藤さんは今春から、本塩釜駅近くに地ビールを醸造し、そこで飲むこともできる「ブルーパブ」を立ち上げるべく準備を進めているそうである。店名もまだ決まっていないようだが、楽しみな話である。


追記(2018.8.1):「Bar Argon」の武藤さんのブルーパブの名前は、「Argon Brewing」となるそうで、9月中にはオープン予定とのことである。「Sports & Smile TOO」は、松野さんの予告通り、「Curry & Happy TOO」(塩竈市白菊町3-19-3、TEL080-3326-3004、11:00〜18:00、第一・第三水曜定休)となり、オリジナルカレーが食べられる店として移転オープンとなった。


WP_20190110_21_38_37_Rich_LI追記(2019.2.1):「Argon Brewing(アルゴン・ブリューイング)」(塩竈市海岸通10-8、TEL090-3758-1211、16:00〜24:00、月曜定休)が1月4日オープンした。JR本塩釜駅の近く、「TAVERNA GIRO(タベルナ・ジロ)」の並びである。店内で醸造したビールが常時5種類飲める、キャッシュオンデリバリー方式の店である。ビールに合うフードもいくつかあって、気軽に楽しめる雰囲気の店である。

その「TAVERNA GIRO(タベルナ・ジロ)」では、最近「いわて蔵ビール」や「福島路ビール」なども飲めるようになっている。

2月1日からは、地元でおでんやかまぼこなどで有名な阿部善商店が「松島ビール」に委託して造った「塩竈ビール」の販売が開始した。ベースは「松島ビール」のボックだが、塩竈の魚介類に合うようにチューニングされているそうである。

また、3月下旬から4月上旬には、「夢花まき麦酒醸造所」が塩竈市北浜の「第一漁協会館」2階に60席のビアホールを開設するとのことで、工場直送のビールが飲めるそうである。塩竈のビール、今年は特に大きな盛り上がりを見せている。

「Sports&Smile TOO」の松野さんは、2月1日、隣の多賀城市のJR多賀城駅近くに「DINING BAR TOO」(多賀城市中央1-5-2、TEL080-3326-3004、11:00〜14:00※平日のみ、17:00〜24:00)をオープンさせた。「Curry & Happy TOO」のカレーも食べられ、かつビールも7種類置いてある素晴らしいお店である。「塩竈ビール」も飲める。



この記事へのコメント

1. Posted by ミシェ   2011年01月27日 00:53
あ!こちらのお店だったんですね☆

車で行ってしまったので飲めなかったのですが
今度は運転手付きで飲みに行きたいです

電車と言う手もありますが(*・д・*)

地ビールってやっぱり美味しいですよねぇ
2. Posted by 大友浩平   2011年01月30日 11:56
ミシェさん、コメントありがとうございます。
はい、先を越されたというのはこの「タベルナ・ジロ」です。
いいお店ですね。

あ、ちなみに塩竈の知り合いに聞いたのですが、ここの斜め向かいにあるシェヌーってフレンチのお店も有名だそうですね。
ビールの匂いがしなかったので行かないでしまいましたが…(笑)。

「地ビール発見伝」は続きます。
今後ともよろしくです。

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