2011年06月25日 

私的東北論その25〜自転車活用のススメ

自転車快適性 前回、「自転車の可能性」などと大きいことを書いたが、「自転車」と言っても、いろいろな自転車がある。私の頭の中で「自転車」と言って思い浮かぶのは自分がこれまで乗ってきた、高校の時に買ってもらった通学用のドロップハンドルの自転車、大学の時にバイトで貯めたお金で買ったマウンテンバイク、そして昨年買い換えて乗っているクロスバイクといった自転車だが、他の人にとっては自転車と言えばいわゆる「ママチャリ」かもしれない。10万円単位のロードバイクを思い浮かべる人もいれば、量販店で1万円未満で買える自転車を思い浮かべる人もいるかもしれない。

 いろいろと異論はあるだろうが、乗って満足のいく自転車、走って楽しい自転車というものを考えた場合、少なくともそれは量販店などで1万円前後で買える自転車のことではない。近距離しか乗らない、とにかく走ればいい、ということならそれでもいいのだろうが、「自転車の可能性」という点では、それらは自転車というツールのごく最低限のスペックしか満たしてはいない。

 価格ですべてが決まるわけではないが、とは言え、車体(フレーム)や部品(パーツ)の強度・精度・重量・耐久性といった要素はすべて価格に反映される。安いものには安いだけの理由があるのである。前回紹介したような極めて非力な人力をより効率よく使うためには、車体は軽い方が有利だが、軽くてしかも耐久性も兼ね備えた自転車は、当然それ相応の価格になる。

 もちろん上を見ればキリがない世界である。「上」の世界になるとカーボンファイバーやチタニウム合金をふんだんに使用して数10グラム単位の積み重ねで軽量化を図っていったような自転車もあるが、そうした自転車はそれこそ数十万円単位の世界である。自分の限界に挑戦するようなアスリートならともかく、私も含めて自転車を楽しんで乗るのが目的の人にそこまでのスペックは必要ないと思う。

 ならば、その辺りのラインをどこに置くかということになる。それについても、様々な意見はあるだろうが、私は5万円前後が一つのラインだと感じている。5万円を超える自転車であれば、乗ってみて自転車のスペックという点でそうそう不満が出ることはないと思う。

 思うに、自転車の価格と快適性(楽に速く走れる)の関係は、対数曲線のようになるのではないだろうか(参照)。つまり、ある程度の価格までは、快適性がかけた金額以上の割合で急上昇していくが、ある程度の価格以上になるとその伸びは小さくなる、すなわち費用対効果が小さくなっていく、というようなイメージである。1万円の自転車と5万円の自転車では明らかに乗った感じが違う。5万円の自転車と10万円の自転車でも乗った感じは違うが、その差は1万円の自転車と5万円の自転車の違いよりも小さい、10万円の自転車と20万円の自転車ではその違いはもっと小さい、という感じである。

 あとは、自転車の可能性ということで言えば、街中を走る自転車を見てよく感じるのが、サドルの位置が低すぎる自転車が多いということである。サドルに腰を下ろした時に両足がしっかり着かないと不安という声もある。しかし、いくつかのセッティング方法はあるが、効率よくペダルを回すのに最適なサドルの高さにしようとすると、いずれの方法でもだいたい両足のつま先が辛うじて地面に着くか着かないかくらいになる。その高さよりもサドルが低いと膝が伸びないので十分に脚の力が活かされないし、膝関節に必要以上に負担がかかりそうである。そこまでの高さではやはり怖いということならば、せめて今の高さより5cmだけでもサドルの位置を高くしてみてほしいと思う。それだけで乗りやすさははっきり分かるくらい違ってくるはずである。

 タイヤの空気圧も低すぎることが多い。前に空気を入れたのはいつ?というような自転車もある。空気を入れると段差などで乗り心地が悪くなるという声も聞くが、空気圧が低いと転がり抵抗が増えて走りは重くなるし、リム打ちパンク(段差とリムの間にチューブが挟まれることによって起こるパンク)の危険性も高まる。タイヤには適正空気圧の表示があるので、その範囲の空気圧を維持することはエネルギー効率の点からも重要なことである。

 いきなり自転車に5万円以上もかけたくないということでも、サドルを今までより高くして、タイヤに空気を入れる、それだけで今までとはまったく違う走りになる自転車も多いはずである。それこそ、自転車の可能性を引き出す第一歩であると思う。

anagma5 at 19:22│Comments(2)TrackBack(0)clip!私的東北論 

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この記事へのコメント

1. Posted by あちゃーる 森   2011年06月29日 08:18
お世話様です。
いつも楽しく拝見させていただいてます。

ブログ拝見させていただいて向陽台の「キッチン 味楽」さんに通うようになりました。
あまりの楽しさに、東京の友人でもある「東京カリ〜番長」として活動している水野さんに取材に行ってもらいました。

こんど本が出るはずです。

今、東北の被災地のカレー店を支援する活動をしています。
いろいろと情報が不足する沿岸部ですが頑張ってやっていきますっ。

いつもいつも貴重な情報ばかりでいっつも参考にさせていただいて動いています。
2. Posted by 大友浩平   2011年06月29日 12:07
あちゃーる 森さん

コメントありがとうございます。
いつもおいしいカレーをご馳走様です。

「キッチン味楽」は個性的ですよね。
さらに光を当てていただいてありがとうございます。

「東京カリ〜番長」のご活躍はかねがね聞いておりましたが、ブログを拝見したところ、早速「巡礼」の記録がアップされていましたね。
2日で10軒とは、さすがは番長です。

被災地のカレー店、これまでに紹介した岩手・三陸のお店などどうなっているかなど、気になっていました。
気仙沼のイェティのご夫婦がご無事だったのはあちゃーるさんのブログで拝見してほっとしていましたが。
また東北各地でおいしいカレーが元の通り食べられるようになるように、私もできることをしていきたいと思います。

そう言えば、先日会津若松に行きましたら、インド料理店が一気に2店もできていました。
そのうち、会津若松のところに追記しておきます。

今後ともどうぞよろしくお願い致します。

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