2011年07月21日 

私的東北論その27〜自転車活用のススメ

110424-132041 前回前々回と自転車のメリットについてつらつら書いたが、自転車とて万能ではない。ちょっと考えてみただけで、いろいろなリスクを思いつく。例えば、パンク雨・雪などの悪天候夜間交通事故盗難などである。これらへの対策についても考えてみたい。

 まず、パンクについては、ほぼ解決できると思う。パンクの大部分は前回紹介したように空気圧の低下したタイヤで段差などを越えた時に起こる。だから、定期的に空気圧をチェックし、適正空気圧を維持していれば、パンクのリスクは相当程度解決できる。

 とは言え、道路に落ちている鋭利なものを踏んでしまったことによるパンクもある。自転車の走る道路の端にはなぜかガラスの破片やら釘やら金属片やらがよく落ちている。運悪くそれを踏んでしまうと空気圧が適正でもやはりパンクしてしまうことはある。それを解決するにはパンクに強いタイヤを使用することが有効だと思う。技術革新が進んで、一頃とは比べ物にならないくらい、耐パンク性能で優れたタイヤが出てきている。

 自転車乗りの間でパンクに対して「最強」と絶大な信頼を得ているのは、シュワルベマラソンというタイヤである。このタイヤ、耐パンク性能は驚異的だそうである。1分1秒を争うレースならともかく普段の使用であれば、パンクをすればするほど時間をロスしているわけであるから、パンクしにくいタイヤを使った方が長い目で見ればトータルの移動時間は少なくて済む。世界一周をしている人も愛用しているようである(参照サイト)。

 ただ、このシュワルベのマラソン、普段使うにはあまりにも重い、と私は感じる。700×25Cというロードバイクにつけるサイズのタイヤで何と500gもある。ちなみに、レース用の高級タイヤの代表例と言えるミシュランのPRO3 Raceの同じサイズの重さは215gである。通常、車輪外周部の軽量化は、わずか50gの減少でも車体全体で1kg軽量化させたのと体感的には同等とも言われるので、それを考えると500gのタイヤは重さも「最強」である(笑)。なので、私はパナレーサーリブモPTを愛用している(参照PDF)。これなら同じサイズの重さは330gである。パンクのリスクを考えた場合、これくらいならガマンできる。このタイヤも同社の従来品と比較すると、貫通パンクのしにくさは100倍になっているそうである。実際、私は震災後、道路の至る所に瓦礫が散乱していた仙台市若林区荒浜地区にこのタイヤを履いた自転車で何度も出掛けたが、一度たりともパンクすることはなかった。他に、最近ミシュランから出たパンクの自己修復機能を持ったチューブもある(参照サイト)。まだ適用サイズが多くないが、要注目である。

 雨や雪については、確固たる解決策は私はまだ持っていない。と言うか、雨や雪の日は自転車に乗らないのが最良である(笑)。私は、雨の日は自転車に乗らずに公共交通機関を使うようにしているが、もし帰りに雨が降ったらレインウェアを着て、低速で走るようにしている。タイヤのグリップ力が格段に落ちるからである、という理由の他に、私の自転車には泥除けがついていないので、自分や周囲に泥ハネが飛ぶのを避けるという理由もある。経験から言えば、濡れた路面なら時速15km/h以下、水たまりなどは時速10km以下まで速度を落とすと泥ハネはほとんど飛ばない。

 このレインウェアであるが、ゴアテックスでできたものが雨を通さず汗は発散させて快適らしいが、高いしかさばるので、私はポンチョを使用している。ポンチョはバックパックごとかぶれるし、蒸れないので重宝しているが、体に密着せず風になびくので高速走行には向かない(前述のとおり雨の日はゆっくりしか走らないので支障はない)。レインコートやポンチョを着るのが煩わしいという人は、屋根付き自転車という手もある(笑)(参照サイト)。

 雪の日は雨の日以上に危険なので乗らない。どうしてもということであれば、自転車用のタイヤチェーンやスパイクタイヤもあるようであるが(参照サイト)、使ってみたことはないので、実際にどの程度有効なのかは分からない。雨、雪、いずれの場合も、とにかく傘さし運転はもっての外である。

 夜間については、自動車から身を守るためにも、とにかく目立つことが大事である。その意味では、無灯火の自転車に乗るのは、私から見ると間違いなく自殺行為である。ダイナモで走りが重くなるのが嫌でライトをつけないで走っている人もいるようだが、それならばハブダイナモを内蔵したホイールを使うという手がある(参照サイト)。こういうのも1万円の自転車にはもちろんついていない。乾電池式のライトを使う手だってある。電池代が掛かるのがイヤだというのなら、エネループなどの充電池を使うのが経済的である。乾電池式のフロントライトには点滅が可能なものもあり、恐らく電池の消耗を避けるためなのであろう、点滅状態で走っている自転車も見掛けるが、自動車に対して存在を知らせるという意味はあっても、路面を照らすという点ではまったく意味をなさないので、必ず点灯とすべきである。

 前照灯に関しては、各都道府県の公安委員会が定めることになっているが、例えば東京都では「白色又は淡黄色で、夜間、前方10メートルの距離にある交通上の障害物を確認することができる光度を有する前照灯」となっており、他の県も概ね同様のようであるので、この基準を満たすフロントライトが必要である。

 フロントライトはもちろんであるが、できればリアライトも装備しておきたい。リアライトについては、「赤色(他の道府県は橙色又は赤色)で、夜間、後方100メートルの距離から点灯を確認することができる光度を有する尾灯」となっているが、「夜間、後方100mの距離から、基準に適合する前照灯で照射したとき、その照射光を照射位置から容易に確認でき」て、「反射光の色は、橙色又は赤色である」ような反射器材を備え付けていればリアライトはなくてもよいとされている。ただ、やはりリアライトもつけておくに越したことはないと思う。ライトが当たって初めて光る反射板と、ライトが当たらなくても光っているリアライト、どちらが安全かは言うまでもないことである。

 これも凝り出すと深みにハマるパーツなのだが(笑)、私は、前照灯はステムにつけられ(つけられるのはたいていハンドルバーでステムにつけられるライトは現状ほとんどない)、かつものすごく明るいSupernovaというドイツのメーカーのAirstreamという、充電式のいわゆるバッテリーライト(乾電池式と違って大電流が得やすく明るいが高価である)、リアライトはWiiリモコンと同じ加速度センサーを内蔵し、自転車の動きを感知してブレーキング時にもライトが点灯するSungoという台湾のメーカーのMaxxon MX-050というリアライトを使用している。

 交通事故については、私は自動車の動向を把握しやすいようにバックミラーを付けている。もちろん、バックミラーだけに頼るのではなく、絶えず周囲の状況に目を配ることが必要である。それからいつも荷物がいっぱいのバックパックを背負っているが、それがいざという時には背中の保護にも少しは役立つかもしれない(笑)。頭部にはもちろんヘルメットである。高校の頃から、日本人の頭の形に合わせて作っているという、OGKのヘルメットをかぶっている。基準(JCF(財)日本自転車競技連盟公認など)をクリアしているとは言え、通気性や軽量さを重視した、周りに自転車しか走っていない自転車レース用のヘルメットが、公道での事故発生時にどれくらい役に立つのか疑問が残るが、ないよりはいいに違いないということで必ず着用している(が、ヘルメットの着用については賛否両論があるようである)。

 ヘルメットの安全基準ということについて言えば、世界で最も厳しいスネル規格を満たしたヘルメットであればより安心かもしれない。スネル規格の認証を得たヘルメットはスネル財団サイト(英語)で検索できる。規格は何年かに一度改訂され、改訂されるたびに基準が厳しくなっているが、自転車用ヘルメットの最新の基準はB95A、B95Cである(B95Cは子供用)。国産では私がかぶっているOGKのものも含め、フルフェイスタイプのものを除いてほとんどスネル規格をクリアしたヘルメットはないが、海外のものではクリアしているものがいくつもある。日本で手に入りやすいものという点で考えてみると、例えばスペシャライズドS-Worksなどがそうである(ただし、B95Aの前の基準のB90Aの認証である)。

 また、自転車の場合、対自動車で被害者になるというケースの他に、歩行者などを相手に加害者側になってしまう可能性もある。歩道を我が物顔で走るのは論外(自転車は原則車道左端走行である)であるが、交通規則を守っていたとしても、いつ何時事故に遭遇するかは分からない。そのリスクを考えて、自動車同様保険加入も考えた方がよいと思う。私は日本サイクリング協会(JCA)の賛助会員になると自動的についてくる「JCA自転車総合保険」に加入している。

 盗難については堅牢な鍵の使用が必須である。毎日の通勤・通学に耐えうる快適さと丈夫さを持った自転車を買おうと思ったら5万円台以上の自転車がおススメだと前回書いたが、その自転車が盗難に遭ったとすれば経済的・精神的ダメージは大きい。自転車の価格が高くなればなるほど、鍵にもお金をかけるべきである。例えば、信頼性で言うなら、多関節ロック参照サイト)やU字ロック太さが15mm以上のワイヤーロックなどを複数組み合わせるのが理想である。耐切断性が高くなるほど重くなり価格も高くなるので、どの辺で折り合いをつけるかは乗っている自転車や財布と相談である(笑)。

 駐輪するときには、何かに括り付けるようにすること(「地球ロック」と言うらしい)も重要である。そうでないと、鍵のついたまま車などに積んで運び去られてしまうかもしれない。それと、前輪と本体を結びつけておくことも必要である。でないと前輪だけ盗まれる、あるいは鉄柱などにくくりつけた前輪だけ残して本体が盗まれることがありうる。それから、駐輪中は、自転車についているスピードメーターやライトやバッグなどはできるだけ外すのも大事である。サドルは高さ調節がしやすいようにクイックリリース式になっていることが多いが、これだとサドルだけ盗まれて「立ち漕ぎ専用自転車」となってしまうこともある。一流選手ともなるとサドルの高さの数mmの違いでパフォーマンスが変わるということだが、私を含めて普段そう頻繁にサドルの高さは変えないはずなので、サドルはネジ式の方がよいと思う。

 昨今、自転車に乗る人が増えてきたのは喜ばしいことなのであるが、交通マナーが行き届いてない場面にもよく遭遇する。自転車に乗るなら絶対にやめてほしいと思うのは、  
 1.右側通行
 2.夜間無灯火
 3.雨天時の傘差し運転
 4.携帯電話を操作しながらの走行
 5.歩道の通行
 6.並列走行

などである。これらが複数組み合わさっているケースもある。夜間、無灯火で道路の右側を走っている自転車などは命知らずの極みである。雨天時に傘を差しながら歩道を激走する自転車も危ないことこの上ない。もし歩道沿いの店や家などから歩行者が突然出てきたり、前方を歩いている歩行者が急に方向転換したりしたらどう対処するのだろうか(繰り返すが自転車は車道走行が原則である)。イヤホンで音楽を聞きながらの走行も賛成しない。自転車走行時に耳から入ってくる情報をあえてスポイルしてまで音楽を聞く必要はない、と個人的には思っている。

 要は、自転車の可能性がよく理解されていないということと表裏一体だと思うのだが、自転車がともすれば凶器ともなりうるということが、街中を自転車で走っている人の間でまだ十分認識されていないということなのだろう。自転車も車両の一つであり(「軽車両」という区分である)、乗るには交通法規を遵守することが求められるということを肝に銘じておく必要がありそうである。そうでないと、ゆくゆく自転車に乗るにも免許や講習が必要となったりするかもしれない。人力を最も効率よく活用できる自転車が、人にとって最も身近な乗り物であり続けるために、乗る人の姿勢が問われていると思う。

anagma5 at 00:00│Comments(0)TrackBack(0)clip!私的東北論 

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