2011年10月29日 

東北をめぐる鉄道の旅その9〜秋田内陸縦貫鉄道

111016-071931 秋田内陸縦貫鉄道(秋田内陸線)は、秋田県の県北にある北秋田市の鷹巣(たかのす)と中央部にある仙北市の角館町とを結ぶ総延長94.2kmの私鉄である。

 この94.2kmという距離は、東北新幹線の新青森延伸に伴って移管された青森県内の旧JR東北本線の青い森鉄道の121.9kmや、三陸沿岸を走る北リアス線(71.0km)と南リアス線(36.6km)を合わせた三陸鉄道の総延長107.6km(現在は震災の影響で休止中である)にこそ及ばないものの、東北の私鉄としては長い部類に属する。

 南端の角館町は黒塀の武家屋敷に映える枝垂桜で有名な東北屈指の桜の名所である。春の桜の時期には、この角館からJR鷹ノ巣駅とホームを共有する北端の鷹巣駅でJR奥羽本線に乗り入れ、岩木山をバックに弘前城址に咲き誇るソメイヨシノでやはり東北屈指の桜の名所として知られる青森県の弘前市を行き来する臨時列車「快速弘前お城とさくら号」、「快速角館武家屋敷とさくら号」も走る。最近では社長を公募したことでも話題を呼んだ。

 沿線には、以前紹介した私曰く「東北最後の秘境」である森吉山がある。阿仁前田駅の駅舎「クウィンス森吉」内にある温泉も名物である。この温泉、ありがちな加水・加温・循環などではなく、源泉かけ流しである。車窓から見える山里の景色の中をのんびり走る列車は、先を急ぐ旅とは無縁の、時間を贅沢に使った旅にはピッタリである。

0857_001 車窓からの「絶景ポイント」や沿線の見どころをピックアップしたパンフレットが有人の駅で手に入る。パンフレットは角館起点で書かれているが、逆に県北の方を起点として見てみる。例えば県北の中心都市大館市からは、大館発6:24のJR奥羽本線快速秋田行に乗ると、鷹ノ巣6:38着である。秋田内陸縦貫鉄道の鷹巣発6:39の角館行始発列車への乗り換え時間は1分しかないが、先に書いたように両線はホームを共有しているので、ちゃんと乗り換えができる。

111016-072059 秋田内陸縦貫鉄道の車両は、様々な色に塗られているので、列車待ち合わせ時には反対側から来る列車の色も楽しめる。駅によっては阿仁合い駅のように10分以上停車するところがあるので、列車を降りて駅舎に足を運んだりすることもできる。駅では沿線地域の観光パンフレットなども入手できる。

 秋田内陸縦貫鉄道のパンフレットにある「絶景ポイント」は角館寄りに多いので、後半は見どころの連続である。そのようにして車窓からの景色を楽しみつつ角館に着くのは9:21である。ここから秋田方面に向かうには、まず9:43のJR田沢湖線大曲行に乗る。JR角館駅併設の土産店を覗くくらいの時間はある。大曲には10:03着で、大曲からは10:28発のJR奥羽本線秋田行がある。やはり時間があるので、大曲駅周辺を散策する時間がある。秋田には11:20着である。

 秋田方面とは逆に盛岡方面に向かおうとすると、角館発15:17発の盛岡行まで列車がないので、自動的に角館散策となる(もちろん秋田新幹線を使えば別だが)。ちなみに、土曜日や一部の休日は角館12:13発の田沢湖行があるので、この列車がある日なら田沢湖散策も可能である。

 このように東北でJRの普通列車と私鉄の両方を利用する場合は、「東北ローカル線パス」が便利である。金土日か土日月の3日有効で6,000円、新幹線を除く東北地方のJR各線と、仙台市地下鉄と仙台空港アクセス線と津軽鉄道を除く東北地方の私鉄各線が乗り放題である。今年は11月26日までの発売である。


追記(2012.6.5):今年の「東北ローカル線パス」は、2月1日から4月14日(利用は2月3日から4月16日)までの期間発売されたのに続いて、東北の28エリアを博覧会場に見立てた「東北観光博」が2013年3月31日まで開催されているのに合わせて、5月31日から2013年1月26日までの長期間に亘って発売されることになった(利用は6月1日から2013年1月28日)。東北各地をローカル線でのんびり巡る旅にはうってつけである。

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