2019年02月21日 

東北で地ビールが飲める店その80〜福島県西郷村

 西郷村(「さいごう」ではなく「にしごう」と読む)は、福島県の中通り南部、手打ち麺がメインの「白河ラーメン」で有名な白河市の隣にある、人口約20,000人の村である。この20,000人という人口、村としては多いなと思って調べてみたら、やはり日本の村の中で3番目の多さだそうである。東北新幹線の駅の中で、東北の最南端の駅である新白河駅は、実は白河市ではなく、この西郷村に位置している。新白河駅は、全国の新幹線駅の中で唯一、「村」にある駅なのである。

 この、村内に新幹線駅がある西郷村に、昨年地ビール醸造所ができたと聞いたので行ってみた。他の地域のことは知らないが、少なくとも東北では初めての、村にできた地ビール醸造所である。

WP_20190123_14_29_15_Pro_LI その地ビール醸造所「ハイランドポートブルワリー」は、新白河駅からだと徒歩50分(4km)、東北本線の白坂駅からだと徒歩40分(3km)であるが、平日であれば福島交通の路線バスも利用できる。ハイランドポートブルワリーの最寄り停留所は「千本桜入口」で、同ブルワリーは12:00〜17:00の営業なので、「新白河駅高原口」12:45発の「南部循環大平・役場回り」(所要12分)か15:10発の「南部循環西原・役場回り」(所要25分)が利用できる。帰りは15:35発の「新白河駅高原口」行(所要15分)か17:30発の「白河駅前」行(新白河駅まで17分、白河駅まで27分)がある。

 あとは、飲んだ帰りは押して帰る定めとなるものの、東北本線の白河駅に併設されている観光案内所でレンタサイクルを借りて、7kmの道を行くという方法もある。ただし、3〜10月は18時まで、11〜2月までは17時までに返却しなければいけないので、それに間に合うように注意が必要である。ちなみに、軽快車(いわゆるママチャリ)は無料、クロスバイクは3時間1,000円、1日2,000円である。

 本筋とは関係のない話だが、同案内所では、レンタカーが1時間500円で借りられるので、それと比較してしまうとクロスバイクは何とも割高な料金設定のように感じる。ただ、東北の多くのレンタサイクルが冬期間は休業となってしまう中で、冬期間もレンタルできるようになっているのはありがたい。東北の特に太平洋側は冬であっても路面に全く雪のない日も多いので、こういうところがもっと増えてくれるといいなと、冬でも雪がなければ自転車に乗っている私は思う。

WP_20190123_14_20_29_Pro_LI さて、現地に足を運ぶと、自宅を開放したカフェ「お家パン オブ」があり、離れの倉庫にハイランドポートブルワリーの醸造設備がある。ハイランドポートブルワリーのビールは常時7,8種類あるが、「お家パン オブ」ではそのうち樽生が1種類つながっており、残りは瓶で飲める。大谷さんご夫妻が切り盛りしているカフェで、旦那さんがビールを造り、水曜日であれば奥さんの焼いた天然酵母の手づくりパンや焼き菓子が食べられる。ビールとパンは麦と酵母つながりである。

WP_20190123_16_47_13_Pro_LI 「ハイランドポートブルワリー」の名前の由来をお聞きしてみたところ、醸造所が新白河駅の2つある出口のうち「高原口」側にあることから、それを英訳した名前をつけたとのことである。ビールはペールエール、IPA、スタウト、ラガー、ヴァイツェンなど多彩でどれも美味しいが、ユニークなのは、ホップの使用量と地域の標高が連動したネーミングになっていることで、あまりホップを多く使わないヴァイツェンは「白河ヴァイツェン」(標高356m)、ホップを大量に使うIPAは「三本槍岳IPA」(標高1916.9m)などとなっている。西郷村特産の赤いルバーブを使った赤いビールもある。気候がよくなったらイベントなども企画したいとのことで、楽しみである。なお、村内の「まるごと西郷館」でも、ここのビールと手づくりパンを購入することができる。

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