2004年08月31日 

東北の食べ処その1〜青森県弘前市

45f139e3.jpg 食は生きていくに欠くことのできない営みであると同時に大きな楽しみでもある。東北は海の幸、山の幸に大いに恵まれており、それらを生かしたおいしい店が数多くある。観光ガイドに必ず登場するような店もあるが、あまり知られていない店もある。

 あまり知られていない店が、人が来ないがために閉店してしまうと私が困るので(笑)、この東北ブログでは、私がおいしいと思った東北各地の店も紹介したい。初回は青森県弘前市の店である。


カリ・マハラジャ写真参照弘前市土手町132 、TEL0172-35-7344 、11:00〜15:00、17:00〜20:00、木曜定休(祭日を除く))
 ここはすごい。無農薬米やホールスパイス(粉末は香りが飛びやすいし、何が混入されているか分からないのだという)、アルカリイオン水の使用など、材料を吟味することはもちろん、火を絶やさずに煮込み続け、完成まで3週間もかけるという、一切の妥協を排して生まれた、オリジナルのスパイスカレーの店である。

 インド料理店では一般的なナンも作らない。添加物として膨らし粉を使わなければならないからだと言う。代わりに添加物を使わないで作れる素朴なチヤパティを出す。インドでは実はむしろナンよりチヤパティの方が一般的とのことである。ライスは無農薬米にターメリックで色をつけたターメリックライスである。サフランを使うのが一般的だが、薬効はターメリックの方が高いのだと言う。

 私が三度の飯よりカレーが好きなことは知っている人は知っているが、その私があちこちでカレーを食べて、今のところ一番おいしいと思う店である。テイクアウトも可。全国発送もやっている。

 ご主人は以前食品会社に勤めていたそうだが、そこで遭遇した食べ物軽視、消費者軽視の実態に我慢ならず、本当に身体にいいものを提供したいと店を開いたのだという。そんなご主人の執念にも似た思いがここのカレーには表れている。ただ、カレー作りに打ち込むあまり、ご主人が体調を崩してしまったりもし、気掛かりである。身体をいたわって、いつまでも身体においしいカレーを作り続けてほしい。

 カレーは大きく分けてとろみのある「マハラジャカレー」とスープ状の「マハラニカレー」があり、それぞれ具と辛さを選べる。私のオススメはマハラジャチキンカリー+ターメリックライス。

 カレーのことばかり書いたが、デザートもおいしい。自家製ヨーグルトのラッシー、中でも季節限定のストロベリーラッシーもおいしいし、タピオカデザートもぜひ頼んでほしい。タピオカの粒が大きいのが目を引く。しかも食感がいい。見慣れたタピオカはすぐ柔らかくなるので使いやすいが、この店で使っているタピオカは柔らなくするのに一晩煮込まなくてはならないそうだ。ここのご主人はデザートにも手を抜かないのだ。


山唄弘前市大町1-2-4 、TEL0172-36-1835 、17:00〜22:40LO、第1、第3月曜定休)
 JR弘崎駅前にあり、津軽三味線の名手山田千里さんとそのお弟子さんによる津軽三味線の演奏が聞ける「ライブハウス」である。飲食のメニューはだいたい通常の居酒屋と同等だが、「津軽」を感じさせる帆立のけやぐ(貝焼き)がいい。

 別の機会に紹介しようと思うが、青森市には甚太古という店があり、そこでは伝説の津軽三味線奏者高橋竹山の一番弟子だった高橋竹苑さんの演奏が聞ける。高橋竹苑さんの津軽三味線は「三味線は叩くものではない」という高橋竹山の教えを受け継いだ繊細な音色だが、山田千里一派の演奏はそれとは違い、リズム感を前面に出した迫力のある演奏が特徴である。一般の人の津軽三味線のイメージは、恐らくこちらの方が近いと思う。

 10数人の奏者による合奏はまさに圧巻で、飲み食いする手を止めて聞き入ってしまう。ここでは津軽三味線が何よりのごちそうなのである。


緑屋弘前市大字豊田1-1-2、TEL0172-27-0411 、11:00〜売り切れ終了、月・火曜定休(1月〜3月は土日祝日のみ営業))
 弘前にはおいしい中華そば屋が多いが、ここはその代表格。手打ちのちりちり細麺に旨みたっぷりの醤油スープがよく絡む。昼は人で溢れている。ご主人が朝の3時から仕込んだこの手打ちラーメンは1日100食限定で、なくなり次第終了となる。


 津軽の人の気質を表す言葉として「じょっぱり」がある。「負けず嫌い」「強情っぱり」というような意味だが、ここに紹介したいずれも店も、そうした津軽のじょっぱり気質が垣間見える気がする。


追記(2009.6.18): 弘前市内に初めての本格的インド料理店キンスカバブ(弘前市大字田園4-7-4ケイエスハイツ1F、TEL0172-26-9378、11:30〜14:30、17:30〜21:30、水曜定休)が昨年11月にできた。カリ・マハラジャが休みの木曜日にもやっているということで、私にとってはありがたい。

 また、津軽弘前屋台村かだれ横丁には、インド料理の屋台カンティプール(店のパンフレットには「カンティプル」とあるが一応かだれ横丁の方の表記に従っておく)がある。11:00〜14:00と17:00〜2:00の営業で、無休であるので、夜飲んだ帰りにカレーが食べたくなったという時などに重宝しそうである。

 5月末にはこのカンティプールの弘前駅前店東横イン弘前駅前の1Fにオープンした(TEL0172-55-0371、11:00〜24:00、無休)。ホテルに入っているインド料理店というのは珍しい。東北では他には八戸市内のよねくらホテルのインド料理レストランゴールデンパルキがあるくらいだろう。


追記(2014.6.19):上記「カリ・マハラジャ」、店主の海老名さんがこの5月に急逝されたために、当分の間休業するとのことである。残念である。海老名さんとはもっといろいろとお話をしたかった。急に亡くなられたとのことで、ご家族の悲しみたるやいかばかりかと思う。この先のことなど考える余裕すらない状況とも思う。いつかまた、海老名さんがゼロから作り上げたあのカレーを守り継いで再開していただけたら、と思う。

anagma5 at 19:26│Comments(0)clip!東北の食べ処 

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1. [津軽] 圧巻だった津軽三味線  [ *takka BLOG* ]   2004年09月18日 13:34
僕が毎年必ず行くところがあります。 それが青森県弘前市。 皆さんご存じのとおり、桜やねぷたで有名なところです。 今日、弘前で検索をかけていたら、 素晴らしいサイトを発見しました。 「東北ブログ」さん。 東北のオススメスポット、東北の食べ処、東北の歴史、

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