東北のオススメスポット  

2006年11月11日

東北のオススメスポット番外編〜自転車が充実しているカー用品店

ef19ac13.jpg 秋田市内の新国道と呼ばれる通り沿いにダイリンというカー用品店がある(秋田市八橋新川向13-30、TEL018-824-6601)。たまに大手チェーン店にないようなカー用品があったりして面白いのだが、この店の本当の面白さはそんなところにあるのではない。この店の2階は実は自転車売り場なのだが、この自転車売り場が何と言うかすごいのである。品揃えが極めて豊富と言うべきなのだろうが、どうも普通の自転車量販店とは品揃えの豊富さの方向性が違うのである。

 私は、以前にちょっと書いたが、けっこう自転車好きである。きっかけはと振り返ってみると、高校の入学祝いに両親に自転車を買ってもらったことである。当時通学に自転車を使っていた高校生の恐らく過半数は乗っていたであろうと思われるのがブリヂストンのロードマンというドロップハンドル、12段変速の自転車である。

 この、車で言うとトヨタカローラに当たるのではないかと思われるロードマンのちょっと上のランクであったロードマン・スーパーコルモというのを買ってもらって、それで毎日自転車で走っているうちに自転車でどっか行くのが楽しくなったという筋書きなのだが、自転車に乗るのが楽しくなると、自転車自体をあちこちいじってみたくなる。いじってより速く、より快適に走れるようにしたくなるのである。私が高校の頃だから、今からかなり昔のことである。

 なぜそんな昔の話をしたかと言うと、このダイリンには私がその頃我が愛車につけたり、つけてみたかったりした自転車パーツが展示物として、あるいは売り物として所狭しと展示されているのである。こんな店は東北に数多くある自転車店の中にすら、恐らく一店舗たりともないだろう。自転車好き(しかもある一定の年齢層以上の)以外には分からないと思われるが、私も愛用していたシマノ600EX(現在のULTEGRA)のコンポーネントだとか、これまたこだわってつけていたダイヤコンペのセンタープルブレーキだとかが、いまだに売っているのである。今ほとんど見かけなくなった一枚皮のサドルも売るほどある(と言うか売っているのだが;笑)。いったい誰が買うのだろうと思ってしまうほどレトロでマニアックである。

 ただ、ここに有り余るほどあるパーツを使えば、これまた今やクロスバイクやマウンテンバイクに取って代わられてほとんど死語と化してしまったスポルティーフとかランドナーとかいった車種も組み上げられると思う。それはそれは貴重な店なのである。

 パーツのことばかり書いてしまったが、完成車の品揃えもすごい。私が子供の頃の自転車の乗り換えのパターンというのは、最初は補助輪付の自転車、次にそれを外して乗り、それが小さくなったら5段変速でツインのライトとかウインカーとかいろいろとついた黒塗りのジュニアスポーツ車、そしてもっと大きくなったら12段変速のドロップハンドルのロードマン、というパターンだったと思うが、ダイリンには今ではあまり見かけなくなった黒塗りのジュニアスポーツ車がこれまた所狭しと並んでいるのである。

 それらのほとんどは昭和55年製とか昭和62年製とか書いてあるが、使い古しではなく、なんと新品として売られているのである。他にも、聞いたことのないようなロードモデルがあったかと思うと、昔のだるま自転車が88万円で売っていたりする。摩訶不思議なのは、これだけこだわりの品揃えをしている自転車コーナーがあるにも関わらず、表から見ると自転車を扱っていることすら分からない店なのである、このダイリンという店は(写真参照)。一度、オーナーに会って話を聞いてみたい気もする。とにかく、何と言うか、自転車好きには一見の価値のある稀有なる「カー用品店」である。

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2006年10月19日

東北のオススメスポットその7〜「東北最後の秘境(?)」秋田県北地方

58d9ca65.jpg 秋田と言えば…、と言って思い起こせるものはいろいろある。民謡「秋田音頭」に出てくるものだけでも、八森のハタハタ、男鹿のぶりこ(ハタハタの卵)、能代の春慶、檜山の納豆、大館の曲げわっぱがあるし、それ以外にもきりたんぽ、しょっつる、とんぶり、じゅんさい、比内地鶏といった料理・食材、角館の武家屋敷&枝垂桜、田沢湖、十和田湖、八幡平、鳥海山、といった観光スポット、竿燈まつり、土崎港曳山祭り、花輪ばやし、西馬音内盆踊り、飾山ばやし、なまはげ柴灯まつり、かまくら、紙風船上げといった個性的な祭りなど、様々な「秋田」がある。

 その中で忘れてはならないのが秋田杉である。秋田杉は青森ヒバ、木曽ヒノキと並んで、日本三大美林の一つとされている。

 その秋田杉であるが、確かに秋田県内にもあちこちに杉林はあるものの、そのほとんどは人工林である。秋田杉の天然林は、秋田杉が藩政時代から有名でどんどん切り出されたということで、県内を見渡しても今ではほとんど残っていない。

 その秋田杉の天然林が辛うじて残っているのが、秋田の県北地方なのである。前回取り上げた森吉山の山麓、桃洞渓谷と佐渡谷地にある秋田杉の天然林は「桃洞・佐渡のスギの原生林」として国の天然記念物に指定されている。他に、青森県との県境の矢立峠付近にも秋田杉の天然林が残っている。また、面積の94%が森林という上小阿仁村にある上大内沢自然観察教育林も、700本以上の天然の秋田杉で構成される林である。ここには古くから地域の御神木として崇められ、林野庁の「森の巨人達百選」にも選ばれた「コブ杉」がある。

 このような天然の秋田杉と人工林の秋田杉とでは、素人目に見ても違いが分かる。それはその大きさである。天然林の秋田杉は樹齢が平均でもおよそ250年に達しており、林齢が長くても80年の人工林とは、一本一本の杉の「存在感」がまるで違う

 そうした天然の秋田杉が見られるスポットの中で、今回は能代市の旧二ツ井町にある仁鮒水沢スギ植物群落保護林を紹介したい。ここには日本一高いと言われる杉の木があるのである。

 場所は旧二ツ井町の中心部から車で30分ほど南に下った山中である。面積18.46haの林の中に天然の秋田杉が2,812本あり、それらの樹齢は180年〜300年と言われている。その中に樹高58mの日本一高い杉があるのである。

 駐車場に車を止めて林に入っていくと、ちょっと行った所に「見学の皆様へのお願い」という立て札が立っている。それによると、杉の語源は『直ぐ』の木から来ているそうで、まっ直ぐ伸びるその性質は群生するほどに良く現れるそうである。ここには日本一高い杉の木以外にも50m級の天然秋田杉が林立しており、林としても日本一の杉林と言えるとあった。

 面白かったのは次の文言である。

「道路沿いなどによくある人工林とは段違いのスケールを誇る巨木林です。ただ目が慣れると感激が薄れてしまいますのでご注意ください」

 前半部分は分かる。確かに、一歩林の中に足を踏み入れると同時に、その杉の木々の存在感には圧倒される。これが杉の木の本来の姿なのか、という印象である。人工林の杉林とはまるで違う。太さもさることながら、何よりもその高さがすごい(写真参照)。しかし、後半部分には異議を申し立てたい。「ご注意ください」と言われてもどうすりゃいいんですか、という感じである(笑)。どこを向いてもめったに見られないような巨木が目に映るので、確かにそういうこともあるかもしれないが…。

 日本一高い天然杉までは、林の入り口から普通に歩くと20分くらいだろうか。日本一と言われるだけあって、確かに高いようだ。が、周りにも同じくらい高い杉の木があり、離れてはそれらの木に隠れて見えないし、逆にすぐそばでは木自身の葉や枝にさえぎられててっぺんまで見えない。案内板によれば、この木の高さは58メートルあって、これは15階建てのビルに相当するそうである。私の職場が15階にあるので、その高さと同じだと言うと確かにすごい。職場からは仙台平野が一望でき、太平洋が望めるのである。

 太さは164cmで林内一とのことだが、太さ自体に関して言えばこれを上回るような杉は全国あちこちにある。私が見た中では、屋久島の縄文杉がもちろんそうであるし、前回紹介した白山中居神社からさらに山の手に入ったところにあるいとしろ大杉もそうであった。なお、材積は40立方mあって、この木一本で建物面積53坪の木造住宅一戸が建てられるそうである。

 ちなみに、この「きみまち杉」と名づけられている「日本一の杉」、秋田営林局が平成7年から8年にかけて、国内各地の高いとされている杉を実測したところ、実際にはどれも50m程度であったため、晴れて日本一を宣言した、とのことであるが、現在でも他に「日本一」を主張する杉の木がある。愛知県にある鳳来寺山の傘杉や高知県にある杉の大杉(南大杉)などである。傘杉はきみまち杉を上回る59.27mとされている。また、杉の大杉も樹高60mとある。

 樹高を正確に測定するのは意外に難しいらしく、それゆえ「きみまち杉」を含めて日本一を称する杉が各地に存在しているわけであるが、仮にきみまち杉が日本一の高さでなかったとしても、他にも樹高50mを超える杉が多数存在して見る者を圧倒せずにはおかないこの林は、「団体戦」では間違いなく日本一だと言える。

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2006年10月05日

東北のオススメスポットその6〜「東北最後の秘境(?)」秋田県北地方

33e305c2.JPG 東北で「秘境」と言うと、どこだろうか。ちょっと考えて思いつくのは、以前紹介した東北の北端である下北半島、あるいはこれまた以前紹介した津軽半島であろうか。確かに、仙台を起点にして考えた場合、下北半島も津軽半島も東京に行くよりも、距離的にも時間的にも、さらには心理的にもはるかに遠い。

 しかし、これらの地は確かに本州の北端ということで、「最果ての地」というイメージはあるかもしれないが、実際には石川さゆりの歌う「津軽海峡冬景色」に登場する竜飛崎ライブカメラ)を抱える津軽半島、本州最北端の尻屋崎、日本三大霊場の恐山を抱える下北半島とも知名度は高く、訪れる人も多いので、必ずしも秘境ではない。

 ちなみに、私はここで「秘境」という言葉をこんな意味で使っている。行ってみる価値が大いにあるにもかかわらず、いまだにあまり知られていない場所あるいは地域、である。だから、極端な話、行ってみる価値がそれほどなさそうな場所であれば、それは今のまま人に知られなくても構わないのである。

 ちょっと前までは、秋田県と青森県の県境に広がる世界一のブナの森である世界遺産・白神山地は間違いなく「秘境」であった。しかし、世界遺産登録後、その知名度は格段に上がり、一躍東北屈指の観光スポットとなり、今では逆に手付かずの自然をいかに保全するかが大きな課題となっているほどである。

 さて、では東北の秘境はどこにあるかであるが、それは秋田県の県北地方にある、と私は言いたい。この地域には、もちろん手付かずの自然があり余るほどある。が、ただそれだけでなく、それらは見る人を魅了せずにはおかない魅力を持っているのである。にもかかわらず、あまりに知られていない。秋田県北地方と言えば十和田湖八幡平が代表的な観光地であり、それぞれ魅力的なエリアであるが(参照サイト)、それらは「秘境」ではない。

 秋田県北地方の中で、私が特にオススメなのは2つのエリアである。一つは北秋田市の旧森吉町・旧阿仁町の森吉山周辺、もう一つは能代市の旧二ツ井町にある仁鮒・水沢スギ植物保護林である。今回は前者を紹介したい。

 森吉山は標高1454mの独立峰で、山麓には白神山地と同様ブナの原生林など豊かな自然がそのまま残っている。6月から10月までは太平湖という人造湖に遊覧船が出るので、それに乗るのがオススメである。遊覧船の着いた先からは森吉山登山にも挑戦できるが、登山道に入らなくても「三階の滝」まで続いている小又峡の遊歩道は軽装で気軽に自然を満喫できる。小又峡を流れる水は驚くほどきれいで、また場所によって様々な表情を見せる。三階の滝は、この遊歩道の締め括りとしてはうってつけのスポットである。

 秋田県内には滝が多いが、ここ森吉山にはとりわけ多くの滝がある。つい10年ちょっと前にも地元のマタギの間に古くから「神々の滝」と言い伝えられてきたという「九階の滝」が実際に発見されて話題になった。他にも「桃洞(とうどう)の滝」など個性的な滝が多いので本格志向の方は十分な装備をした上でこうした滝を訪ね歩いてみるのもよい。

 冬は北側斜面の森吉スキー場と反対側の阿仁スキー場でスキーが楽しめる。雪質は地元の人が東北随一と自慢するだけあって、正真正銘のパウダースノーである。北側の森吉スキー場の方が雪質は良さそうだが、南側の阿仁スキー場は標高が高いので、大差はない。阿仁スキー場では樹氷も見られる。

 宿泊は森吉山の北側にある国民宿舎森吉山荘がオススメである。国道から延々1時間近く山の懐に入ったところにある「秘境の宿」だが、それだけに静かで自然に抱かれてのんびりできる。温泉もある。数年前に改築されてきれいになった。道も以前は車一台すれ違えるかどうかの狭い道だったが、最近は随分拡張されたので行きやすくなった。他に、温泉通であれば、その森吉山荘に温泉を供給している杣温泉(そまおんせん)がオススメである。また、大人数でわいわい泊まるのであれば、森吉山麓にある「妖精の森コテージラウル」がよい。森吉スキー場には森吉ヒュッテもある。

 南側の阿仁は「マタギの里」として知られる。こちらにも「安の滝(やすのたき)」という名瀑がある(写真参照)。日本三大名瀑に数えられる仙台の秋保(あきう)大滝のような、圧倒的な水量による迫力があるわけではないが、流れ落ちる水の軌跡が美しい、優しげな表情の滝である。こちら側であれば宿泊は、打当温泉(うっとうおんせん)がよい。少し前に新館「マタギの湯」もオープンした。近くの熊牧場も楽しい。人を見ると立ち上がって手を叩いて遠くから餌をせがむ、やけに人馴れしたツキノワグマたちの姿が愛らしい。

 打当温泉から先の林道をそのまま行くと、峠を越えて八幡平エリアにある、かの玉川温泉の手前に出る。阿仁・森吉エリアから八幡平エリアに出る最短ルート(距離的には)で私はよく使う道だが、ほとんど通る車はない。決して万人にオススメはしないが、林道マニアにはオススメの道である。


追記(2009.9.14):その後森吉スキー場は閉鎖されてしまった。残念である。阿仁スキー場は健在である。

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2005年02月28日

東北のオススメスポットその5〜庄内

349e2990.JPG  庄内とは、山形県の日本海沿岸地域のことである。今でこそ内陸の最上、村山、置賜と共に山形県の一部だが、藩政時代は庄内藩として内陸とは別の藩であった。そのせいか、今でも内陸とは言葉も食文化なども異なっている。

 この地域の見所は、海と温泉である。海は遠浅の浜が続き、夏は波静か、水もきれいで海水浴に最適である。私はずっと仙台に住んでいるが、子どもの頃夏休みは毎年泊りがけで庄内に海水浴に連れていってもらったものである。季節風の関係で、夏の太平洋側は曇り空の日が多く、夏らしい太陽を拝める日というのは限られているが、日本海側は夏は晴れの日が多く、その意味でも海水浴にはもってこいである。それとやはり海に沈む夕日の素晴らしさはなんとも言えない。

 新潟県境付近から国道7号は天候が荒れる日は道路に波しぶきがかかるほど海岸すれすれを走っており、海を見ながらのドライブにもってこいである。7号が内陸に入る由良地区で海岸を走る国道112号に入ると、引き続き海を見ながらのドライブを湯野浜まで続けることができる。

 この地域のもう一つの特徴として温泉が多いことが挙げられる。庄内三楽郷と言われる湯野浜温泉、あつみ温泉、湯田川温泉が特に有名である。湯野浜温泉は目の前が砂浜のリゾート温泉地。温海温泉は海岸から山の手の方に登っていったところにあるが、「萬国屋」など高級旅館があり、朝市でも知られる。「大清水」という湧き水で打った手打ちそばを出すお店も有名である。湯田川温泉は春の「孟宗汁」が名物の、山あいにある落ち着いた、ひなびた雰囲気の温泉である。

 で、私のオススメはそれら庄内三楽郷とは別の由良温泉、…だったのだが、この由良温泉の中にあって、子どもの頃毎年夏に家族で泊まってお気に入りだった国民宿舎由良荘が、数年前廃業してしまった(参照サイト)。由良荘がなくなって、由良温泉の宿は、今は高級リゾートホテルのホテル八乙女と民宿数軒だけになってしまった。それでも、目の前の海はきれいだし、新鮮な海の幸は食べられるし、白山島という小さな島にも橋を渡って行けるし、やはり好きな場所である。夕日にシルエットになって浮かぶ白山島はとても絵になる風景である(写真は白山島から見た夕焼け)。


追記(2007.9.7):閉鎖した国民宿舎由良荘だが、民間に売却されて「ホテルサンリゾート庄内」としてこの4月にオープンしたようである。建物などは国民宿舎時代のものをそのまま使っているが、露天風呂付客室や岩盤浴の設備など、内装にはかなり手が加えられているようである。室数限定だが安価なビジネスプランもあり、使い勝手はよさそうである。

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2004年11月20日

東北のオススメスポットその4〜下北半島

79e71808.JPG 下北半島は、東北の他の場所とは少し違った独特の雰囲気を持っている半島である。どちらかと言うと北海道に近い雰囲気が感じられる気がする。

 横浜町菜の花畑は有名である(写真参照)。日本一の規模を誇る。菜の花を使った食べ物やおみやげが多いが、菜の花ソフトがおいしい。

 下北半島はまさかりのような形をしているが、そのまさかりの刃の付け根に位置するむつ市は下北の中心地である。釜臥山から見たむつ市の夜景はアゲハチョウが羽を広げたように見える。以前は道が細く夜間車で行くことができなかったが、今は道がよくなり、車で行けるようになった。

 下北と言えばもっとも有名なのは恐山である。日本三大霊場の一つであり(他の2つは比叡山と高野山)、日本三大地獄の一つでもある(他の2つは富山の立山と秋田の川原毛地獄)。おどろおどろしいイメージが先行しているが、実際には硫黄の吹き出す火山地帯を地獄に、そしてその隣りにある波静かな宇層利湖を極楽に見立てた、いわば「仏教のテーマパーク」とも言える場所である。

 むつ市から北西に向かうと突端の大間崎本州最北端である。晴れていれば北海道は目の前に見える。逆に北東に向かうと尻屋崎である。寒立馬という馬が放牧されている。冬の風雪に耐えて立っている姿はたくましいの一言に尽きる。

 大間崎からむつ湾の方に回ると仏ヶ浦天然の造型による奇岩怪岩の連続。恐山の奥の院とも言われる。さらに南下した脇野沢村は、最近悪さが過ぎて問題になっているが、天然記念物である北限のニホンザルがいる。「野猿公苑」で見ることができる。

 宿泊は大間崎の近くにある大間温泉海峡保養センターがおすすめ。本州最北端の温泉である。むつ市を拠点にするのであれば、街中にあるシティホテルのプラザホテルむつか、少し離れた高台にあるむつグランドホテルがよい。グランドホテルは温泉である。

 他にも、下北にはあまり知られていないが、鄙びたいい温泉が多い。薬研(やげん)温泉奥薬研温泉下風呂温泉などがその代表である。そうそう、あまり知られていないが、恐山の中にも温泉があって(参照サイト)、誰でも入れるようになっている。

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2004年09月30日

東北オススメスポットその3〜田沢湖・八幡平

50375106.JPG 田沢湖写真参照)は水深423mで全国で一番深い湖。上流の玉川温泉から強酸性の水が流れ込んでいるために魚は住んでいなかったが、大規模中和施設の完成で、再び魚が住める湖になってきている。湖面は海とも他の湖とも違う独特の色を見せる。この田沢湖を一周する道は、20kmほどの手軽で楽しいドライブコースである。

 田沢湖から乳頭岳の方に上っていくと、水沢温泉郷、田沢湖高原温泉郷、そしてその先には乳頭温泉郷がある。水沢温泉郷、田沢湖高原温泉郷は近代的な温泉ホテルやペンションが建ち並ぶ。それに対して、その先の乳頭温泉郷は国民休暇村を除けば、ほとんどが乳頭岳に抱かれたひなびた一軒宿のイメージ。

 特に鶴の湯温泉や黒湯温泉などを訪れると100年以上タイムスリップしたような感覚を受ける。実際、鶴の湯は江戸時代は佐竹藩のお殿様の湯治場だったところで、今もその頃を彷彿とさせるような建物である。ただ、昨今の秘湯ブームでだいぶ訪れる人も増え、あのような山奥にも関わらず、一番人気の鶴の湯などはゴールデンウィーク中は行列ができるほどだと言う。ひなびた雰囲気を味わいたいなら、観光シーズンを外すか、黒湯や孫六、蟹場(がにば)などに逗留するのがオススメ。

 田沢湖を北上すると八幡平(はちまんたい)がある。八幡平は秋田県と岩手県の県境にある、霧が峰などと同じ日本には珍しい楯状火山で、緩やかな山容が特徴。この八幡平の山麓には、昨今の「偽温泉騒動」とはまったく無縁の良質の温泉が多い(秋田県側はここ、岩手県側はここを参照)。

 中でも圧巻は玉川温泉。大噴(おおぶけ)と名づけられた源泉からは湯温98℃、PH1.2の塩酸を主成分とする強酸性のお湯が毎分9000箸眇瓩出している。ちなみに、この湯温、PH、湯量(一つの源泉としては)、いずれも日本一である。この強烈な成分の温泉が川底に沈殿して結晶化して積み重なると、北投石という微量の放射線を発する岩石になる。この北投石、玉川温泉以外には台湾の北投温泉にしかないという貴重な岩石で国の特別天然記念物に指定されている。

 玉川温泉は薬効がきわめて高いとされ、全国から様々な病気を持った人が訪れる。「アトピーが治った」「がんが消えた」という体験談がメディアで取り上げられたりして知名度が上がったため、宿泊の予約は非常にとりにくくなった。玉川温泉は、普通の温泉のように湯船につかるのはもちろん、飲泉(そのままではとても飲めないので水で10倍に薄めて飲む。それでもかなり酸っぱい)や岩盤浴もよく行われている。岩盤浴は源泉近くの岩場(地熱で温かい)にござを敷いて横になるものだが、温泉に入るより効くと言う人もいる。

 宿泊施設は旅館部と自炊部を備えた玉川温泉(という名前の宿)1軒だけだったが、最近近くにバリアフリーの近代的な施設、新玉川温泉ができ、また今年5月にはぶなの森玉川温泉湯治館そよ風もオープンし、快適に宿泊できるようになった。

 他にも、「馬で来て 足駄で帰る 後生掛」と言われた後生掛(ごしょうがけ)温泉や八幡平最古の歴史を誇る蒸の湯(ふけのゆ)温泉、県境を越えて岩手県側には東北で最も高所(標高1,400m)にある藤七(とうしち)温泉、松川渓谷沿いに3軒の宿がある松川温泉などもあり、いずれも八幡平山麓の名湯である。


追記(2004.10.31):秋の松川温泉「松楓荘」に泊まった(参照サイト)。松川温泉には3軒の宿があると書いたが、その1軒1軒が離れているので、一軒宿のような感じである。

 松楓荘には内湯と露天風呂の他、橋を渡って川の対岸に行くとある洞窟露天風呂もある。お湯の質は他の多くの八幡平山麓にある温泉と同様、白濁した硫黄泉でいかにも温泉という感じのよい泉質である。

 夕食でご飯のお櫃を開けたら、普通の白いご飯ではなくきのこご飯が入っていて感激した。他にも山の幸がいっぱいの夕食でとてもよかった。ああいった山の宿でまぐろの刺身などが出ると途端に興ざめしてしまう方なのである、私は。 

 川の流れる音の他は何も聞こえない。日常の諸々の雑事を忘れてのんびりと命の洗濯をするには実によい宿である。

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2004年09月11日

東北のオススメスポットその2〜津軽半島

e60f7ff5.JPG 前回は男鹿半島などを紹介したが、青森県西部の津軽半島もおすすめである。青森市内にある観光物産館アスパムに隣接する「青い海公園」に立つと、右手に下北半島と夏泊半島、左手に津軽半島が見え、思わず「あそこまで行ってみたい〜」と思う、のは私だけだろうか(笑)。

 下北半島は次回以降に紹介することとして、青森市から津軽半島の北端、石川さゆりの「津軽海峡冬景色」で有名な龍飛崎竜飛崎とも)を通って津軽西海岸に至る道は絶好のドライブコース。龍飛崎からは北海道が目の前に見える。龍飛崎を過ぎた所にある鳥瞰台からの眺めはさらに絶景

 日本海側に出て小泊崎に立つと、津軽富士・岩木山が海に浮かんでるように見える。そこからさらに南下すると十三湖に至る。ここは鎌倉時代から室町時代にかけて水軍で名を馳せた中世の豪族安東氏の拠点として栄華を極めた場所とされるが、今はただの小さな漁村であり、歴史の移り変わりを感じさせる。

 町外れの展望台からは津軽半島が地図の通りの形に見渡せる。十三湖はしじみ漁が盛んであり、他の地方のしじみよりも大粒のしじみが取れる。市浦村の食堂ではそのしじみを使ったしじみラーメンが食べられる。塩味のスープにしじみの味が十分溶け込んでおり、おいしい。

 さらに南下するといわゆる津軽西海岸である。ここから見る夕日も格別である(写真参照)。道端で売ってるイカのポッポ焼きがおいしい。

 宿泊は深浦町のコテージ「ウェスパ椿山」がおすすめ。ヨーロッパの建物を思わせるような石造りのコテージと海を見ながら入れる開閉式ドームの露天風呂が特徴である。

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2004年08月29日

東北のオススメスポットその1〜男鹿半島・大潟村

b463b4f8.JPG 大学を卒業して今の仕事に就いて以来、東北のいろいろな場所に行く機会が増えた。実のところ、就職する前は秋田県の北部や青森県には行ったことがなかった。しかし、実際にそれらの地を訪れてみると、実に魅力的なスポットが多いことに気づいた。

 どうも東北の人には謙虚で奥ゆかしい人が多い。自分のことを語るのが上手でない。私が仕事で担当している雑誌に執筆の依頼をしても、東北の人は「いやいや、私のやってることなんて載せていただくほどのものではないですよ」と言って辞退しようとされる方が多い。「ウチはよくやってますよ」と言って、二つ返事で引き受けてくれることの多い関西圏の方と対照的である(たまたまかもしれないが)。

 そんな東北人気質が、こと観光にも影響しているように思われる。例えば、蕎麦どころと言われて多くの人が思い浮かべるのは信州、長野だろう。でも、最近ようやく知られるようにはなってきたが、実は山形や岩手もそれに勝るとも劣らない蕎麦どころである。ことほど左様に、魅力的なスポットも数多いのに、それをうまくPRできていない。非常にもったいないことである。

 前置きが長くなったが、というわけで、東北ブログでは私の個人的なお気に入りスポットも紹介していこうと思う。これはけっこうネタが続きそうである。すなわち、それくらい魅力的な場所が多いのである。

 初回は秋田県の男鹿半島大潟村を紹介したい。私の一番好きな場所である。秋田市街から土崎港から国道7号線を外れて海沿いの道を北上していくと、左手に青い海が広がり、その先の真っ正面に海の上にぽっかり浮かんでいるように男鹿半島が見える。晴れた日の日本海はどこまでも青い。海を左手に見ながら男鹿半島まで続いているこの道は晴れている時には格好のドライブコースである。

 全山芝生で覆われた寒風山(かんぷうざん)は標高は低いが、車で行ける山頂には回転展望台もあり、360度パノラマ(西は真山しか見えないが)で見晴らしはとてもよい。真山(しんざん)はかの有名なナマハゲの故郷。悪い子や怠け者を懲らしめる正義の鬼である。伝承館ではそのナマハゲ体験ができる。

 男鹿半島ドライブの目的地は西端の入道崎になるが、男鹿半島の中心街男鹿市からはまっすぐ入道崎への道を行かず、半島西岸の道を行くのがオススメ。西岸の道はアップダウンが多く、あまり通る人はいないが、断崖から見下ろす日本海はどこまでも青くきれいである(写真参照)。

 突端の入道崎から見る夕日は格別である。白黒縞模様の灯台がお洒落。北緯40度を示すモニュメントもある。男鹿温泉郷などの温泉もあり、もちろん海の幸もおいしい。男鹿温泉郷では、海の幸や野菜を入れた桶に焼いた石を入れて一気に調理する石焼料理が名物。

 宿泊は海のすぐそばにあるその男鹿温泉郷か、入道崎から北上した若美町にある夕日温泉WAOのコテージがおすすめ。WAOは、温泉あり、水のとても透き通った海水浴場ありの、言うことなしのロケーション。

 大潟村は男鹿半島の東、日本で琵琶湖に次いで2番目に大きい湖だった八郎潟が埋め立てられてできた村。だから、土地はどこまでも平らで田畑の区割りが大きく、風景は大陸的。10km以上続く直線道路の両側はどこまでも続く平原。車で走ると開放感に浸れる。ただし、警察の交通取締りには注意。

 春は道の両側に桜と菜の花が咲き、はるか向こうまでピンクと黄色のラインが続く。夏のひまわりもきれい。

 宿泊はサンルーラル大潟がおすすめ(と言うよりここしかない)。昔湖だったところから今は温泉が湧いている。JA大潟村でつくっている、村でとれたかぼちゃを使ったパンプキンパイはとってもおいしい。

 そうそう、大潟村の隠れた観光スポット(?)として日本一低い大潟富士(標高0m)と日本で唯一10度単位の経線と緯線が交わる経緯度交会点がある。

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