東北をめぐる鉄道の旅  

2011年11月18日

東北をめぐる鉄道の旅その10〜JR五能線

111106-082258 JR五能線(ごのうせん)は、青森県田舎館村の川部駅と秋田県能代市の東能代駅とを結ぶ全長147.2kmのローカル線である。名前は、沿線にある津軽半島の拠点都市五所川原市と秋田県の能代市の頭文字から取られている。

 この五能線、今や東北地方を走るローカル線の中でも最も有名な路線と言っても過言ではないのではないだろうか。特に、鰺ヶ沢から東能代までほとんど日本海沿岸を走っていることから、車窓から間近に見られる日本海の美しい景色で知られている。JRも「観光資源」としての五能線の重要性は十分認識しているようで、青森(一部は弘前)と秋田を結ぶ全車指定席の臨時快速「リゾートしらかみ」を1日3往復運行させている他、沿線自治体とタイアップしての観光イベントの実施にも積極的に関わっている。

 「リゾートしらかみ」は、「青池」「ブナ(木偏に無)」「くまげら」という、外観と内装が異なる3つの編成で運行しており(上の写真は「ブナ」編成のリゾートしらかみ2号である)、中でも昨年導入された新しい「青池」は通常のディーゼルエンジンで走る列車とは異なり(五能線は電化されていない)、ディーゼルエンジンで発電した電気でモーターを回して走るという「ハイブリッドシステム」を採用した列車として話題を呼んだ。東北新幹線が新青森まで延伸したため、この「リゾートしらかみ」は東北新幹線と秋田新幹線の終着駅同士を結ぶ列車ともなった。なお、この「リゾートしらかみ」、「臨時快速」という扱いだが、夏季期間(今年は11/27まで)は平日も含めて毎日運行している。冬季期間は土日休日と一部の日のみの運行である。

111106-082619 青森8:21発のリゾートしらかみ2号に乗ると、終点の秋田に着くのは13:21なので、ちょうど5時間の旅である。リゾートしらかみには普通席の他に4名のボックス席もある。どちらも指定席料金は同じ510円である。私が乗った時には希望したA席の空きが普通席にはなかったのか、ボックス席が割り当てられた。ボックス席を3名以下で利用する場合は相席になる場合もあるとのことだったが、結局終点の秋田まで誰とも相席にならなかった。ちなみに、青森発でも秋田発でも、普通車指定席ではA席が海側である。ボックス席はすべて海側に配置されているが、その中でもA席とD席が窓側である。窓越しに海が見たい場合は私のようにとにかくA席を希望しておけば間違いはないはずである。

0903_001 左は車内で手に入る五能線のパンフレットにある路線図だが、これを見れば五能線がどこをどう走っているか一目瞭然である。五能線の青森側の起点である川部駅は青森駅と弘前駅の間にあるが、リゾートしらかみは青森からJR奥羽本線を南下して一旦川部を通り越して弘前まで行った後、折り返してきて川部から五能線に入る。従って、弘前から川部までは進行方向が反対になる。川部から五所川原までは線路の両側にしばらく果樹園のりんごの木々が途切れることなく続く。りんごの白い花が咲く春やりんごの赤い実がなる秋はさぞかし壮観だと思う。

 五所川原から日本海沿岸の港町鰺ヶ沢までは、向こうに津軽富士・岩木山を望む津軽平野の田園風景が続く。海沿いの景色ばかりがクローズアップされる五能線だが、果樹園のりんごの木やこの田園風景も見どころの一つだと思う。五所川原からは、津軽三味線の弾き手が2,3名乗り込んできて、車内のイベントスペースで鰺ヶ沢に着くまで津軽三味線の演奏を聞かせてくれる。揺れる車内でも乱れない演奏はさすがである。列車によってはさらに、「津軽かたりべの会」の方々の津軽弁昔語りも聞ける。

十二湖青池 鰺ヶ沢からはお待ちかねの日本海の景色である。まず、古の地震で隆起し、津軽藩の殿様が畳千畳を敷いて宴会したというところから名付けられた津軽西海岸の名勝・千畳敷海岸がある。リゾートしらかみでは最寄りの千畳敷駅を停車せずに通過してしまうが、その付近ではきちんと徐行してくれる。以前紹介したことのあるウェスパ椿山にも同名の駅があり、五能線でも楽にアクセスができる。リゾートしらかみの列車の一つ「青池」の名前の由来となった十二湖の青池(写真参照)は、本当に神秘的な青色をした池だが、十二湖駅からリゾートしらかみ発着時刻に合わせた無料送迎バスでアクセスできる。秋田県側に入った岩館駅周辺も海岸に沿ってさまざまな形の岩が連なる絶景ポイントでやはり徐行運転してくれる。

111106-112424 海にばかり目が行くが、山側に目を転じると何と言ってもこのエリアには世界遺産の白神山地がある。五能線からも白神山地を望めるスポットがいくつもあるので、そちらも実は見どころである(写真の奥にうっすらと見えるのが白神山地である)。

 東能代からは再び奥羽本線に乗り入れて秋田に向かうが、ここでまた進行方向が反対になる。普通席は座席が回転できるのでそのようにして対応している人も多い。以降、終点の秋田までは日本海の景色は見えないが、途中には右手になまはげで有名な男鹿半島の真山などが向こうに見え、その手前には八郎潟の干拓地も見える。

 先に書いたように、東北新幹線の新青森延伸により、五能線は東北・秋田両新幹線を結ぶ列車となった(新青森は始発の青森から一つ秋田寄りの駅でリゾートしらかみも停車する)。そのお陰で、首都圏からでも一旦新幹線で青森か秋田に行けば、そこからリゾートしらかみで反対側の秋田または青森を目指して移動することができ、そこからまた新幹線を利用して帰ることができる。もちろん、沿線で途中下車して、海や山のリゾートも満喫できる。

 そのようにして見ると、この五能線、首都圏から見ると、かつては東北のローカル線の中でも最も行きづらい場所にあるローカル線と言える路線だったのだが、今や新幹線を利用すれば最も行きやすい、しかも見どころの多いローカル線となったように思う。夏の晴れた日のどこまでも青い日本海も最高だが、冬の鉛色の空の下の激しい波しぶきの立つ荒々しい日本海も一見の価値ありである(ただ、あまりに天候が悪いと五能線が運休する恐れもあるが)。

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2011年10月29日

東北をめぐる鉄道の旅その9〜秋田内陸縦貫鉄道

111016-071931 秋田内陸縦貫鉄道(秋田内陸線)は、秋田県の県北にある北秋田市の鷹巣(たかのす)と中央部にある仙北市の角館町とを結ぶ総延長94.2kmの私鉄である。

 この94.2kmという距離は、東北新幹線の新青森延伸に伴って移管された青森県内の旧JR東北本線の青い森鉄道の121.9kmや、三陸沿岸を走る北リアス線(71.0km)と南リアス線(36.6km)を合わせた三陸鉄道の総延長107.6km(現在は震災の影響で休止中である)にこそ及ばないものの、東北の私鉄としては長い部類に属する。

 南端の角館町は黒塀の武家屋敷に映える枝垂桜で有名な東北屈指の桜の名所である。春の桜の時期には、この角館からJR鷹ノ巣駅とホームを共有する北端の鷹巣駅でJR奥羽本線に乗り入れ、岩木山をバックに弘前城址に咲き誇るソメイヨシノでやはり東北屈指の桜の名所として知られる青森県の弘前市を行き来する臨時列車「快速弘前お城とさくら号」、「快速角館武家屋敷とさくら号」も走る。最近では社長を公募したことでも話題を呼んだ。

 沿線には、以前紹介した私曰く「東北最後の秘境」である森吉山がある。阿仁前田駅の駅舎「クウィンス森吉」内にある温泉も名物である。この温泉、ありがちな加水・加温・循環などではなく、源泉かけ流しである。車窓から見える山里の景色の中をのんびり走る列車は、先を急ぐ旅とは無縁の、時間を贅沢に使った旅にはピッタリである。

0857_001 車窓からの「絶景ポイント」や沿線の見どころをピックアップしたパンフレットが有人の駅で手に入る。パンフレットは角館起点で書かれているが、逆に県北の方を起点として見てみる。例えば県北の中心都市大館市からは、大館発6:24のJR奥羽本線快速秋田行に乗ると、鷹ノ巣6:38着である。秋田内陸縦貫鉄道の鷹巣発6:39の角館行始発列車への乗り換え時間は1分しかないが、先に書いたように両線はホームを共有しているので、ちゃんと乗り換えができる。

111016-072059 秋田内陸縦貫鉄道の車両は、様々な色に塗られているので、列車待ち合わせ時には反対側から来る列車の色も楽しめる。駅によっては阿仁合い駅のように10分以上停車するところがあるので、列車を降りて駅舎に足を運んだりすることもできる。駅では沿線地域の観光パンフレットなども入手できる。

 秋田内陸縦貫鉄道のパンフレットにある「絶景ポイント」は角館寄りに多いので、後半は見どころの連続である。そのようにして車窓からの景色を楽しみつつ角館に着くのは9:21である。ここから秋田方面に向かうには、まず9:43のJR田沢湖線大曲行に乗る。JR角館駅併設の土産店を覗くくらいの時間はある。大曲には10:03着で、大曲からは10:28発のJR奥羽本線秋田行がある。やはり時間があるので、大曲駅周辺を散策する時間がある。秋田には11:20着である。

 秋田方面とは逆に盛岡方面に向かおうとすると、角館発15:17発の盛岡行まで列車がないので、自動的に角館散策となる(もちろん秋田新幹線を使えば別だが)。ちなみに、土曜日や一部の休日は角館12:13発の田沢湖行があるので、この列車がある日なら田沢湖散策も可能である。

 このように東北でJRの普通列車と私鉄の両方を利用する場合は、「東北ローカル線パス」が便利である。金土日か土日月の3日有効で6,000円、新幹線を除く東北地方のJR各線と、仙台市地下鉄と仙台空港アクセス線と津軽鉄道を除く東北地方の私鉄各線が乗り放題である。今年は11月26日までの発売である。


追記(2012.6.5):今年の「東北ローカル線パス」は、2月1日から4月14日(利用は2月3日から4月16日)までの期間発売されたのに続いて、東北の28エリアを博覧会場に見立てた「東北観光博」が2013年3月31日まで開催されているのに合わせて、5月31日から2013年1月26日までの長期間に亘って発売されることになった(利用は6月1日から2013年1月28日)。東北各地をローカル線でのんびり巡る旅にはうってつけである。

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2011年01月22日

東北をめぐる鉄道の旅その8〜仙台から普通列車・日帰りでどこまで行ける?

tohoku  この冬の青春18きっぷの期間が終わった。1人で5日分(または5人で1日分なども可)、JRの普通列車が乗り放題となるこのきっぷは、その名前から若者限定のきっぷと勘違いされることもあるが、実際には誰でも使える。

 以前書いたように、仙台を起点とすると、1日で北は津軽海峡を越えて函館(その先の森)、南は姫路(上野駅でダッシュすれば播州赤穂)まで行ける。では、「日帰り」、すなわち1日でまた仙台まで帰ってくることを考えた場合どこまで行けるものだろうか。調べてみた。

 まず北に向かってみる。北は仙台6:00発の東北本線に乗ると、盛岡からIGR(いわて銀河鉄道)、JR花輪線、奥羽本線を経由して弘前まで行ける(14:20着)。弘前を14:54に発車する秋田行に乗って来た路線を戻れば、仙台には22:32に帰って来れる。厳密に言えば、弘前の2つ先の川部までは行けるが、そうなると川部14:31着、14:39発で滞在時間はわずか8分である(笑)。

 青春18きっぷの適用とはならないが、盛岡からIGRと青い森鉄道を利用してみると、野辺地まで行ける(13:30着)。どうせならそこから大湊線で下北方面までちょっとでも行ってみたいところだが、その日のうちに仙台に戻るためには残念ながら行けない。青い森鉄道でさらに青森方面に足を延ばすと、野辺地の4つ先の西平内までは行けるが、13:48着、13:55発で、滞在時間は7分である。

 盛岡から進路を東に取り、JRの山田線で三陸沿岸を目指してみると、宮古には楽々行ける。さらにそこから三陸鉄道を使うと普代まで行ける(14:04着)。普代からは14:52発の三陸鉄道に乗れば、仙台に21:32に帰って来れる。ちなみに、普代の2つ先の野田玉川までも行けるが、そうすると14:23着、14:32発で滞在時間は9分である。

 盛岡から西に向かってみたいと考えると、列車接続の関係で仙台を出るのは10:40発一関行きでよい。盛岡からJR田沢湖線を使うと田沢湖には15:18に着ける。帰りは田沢湖17:10発の盛岡行で、仙台には21:32着である。田沢湖に2時間近くいられることを考えるとこれはなかなか現実的なプランであると言える。

 盛岡まで行かずに、途中の北上から日本海側に抜けるルートを取ると、仙台6:45発の小牛田行を皮切りに、JR東北本線、北上線、横手から奥羽本線で秋田まで行ってさらにそこから男鹿線に乗れば、終点の男鹿まで行ける(14:45着)。帰りは男鹿15:17発なので、男鹿の滞在時間は32分だが、終着駅に行きたければこのルートがオススメである。男鹿線ではなく羽越本線で北上しようとすると接続が悪く八郎潟止まりである(14:48着)。いずれも仙台には22:32に着く。

 仙台から西の山形県庄内方面を目指すルートは2つある。まず、小牛田からJR陸羽東線、陸羽西線を使うルート。これだと仙台8:01発で東北本線・陸羽東線・陸羽西線を経由して酒田に12:18着。ここから北は秋田まで行け(14:36着、14:46発)、南は新潟県の村上まで行ける(15:17着、15:57発)。帰りは酒田17:48発、余目18:15発の新庄行に乗れば小牛田を経由して仙台には22:32着である。

 もう一つのルートは仙台から仙山線を使って山形方面に向かい、羽前千歳から奥羽本線で北上して新庄から陸羽西線を利用するルートである。先のルートよりも実はこちらの方が酒田まで早く着く。仙台7:07の仙山線に乗れば、酒田11:18着である。また、そこから北に向かっても南に向かっても、滞在できる時間は先のルートよりも長く、村上なら17:04発、秋田なら16:38で大丈夫である。仙台23:04着である。

 仙台から新潟方面に向かうルートは他に2つある。一つは仙台から仙山線、奥羽本線、米坂線、羽越本線を経由するルートである。これだと仙台8:15発で新発田15:43着である。新津まで行けるが16:24着、16:35発で滞在時間は11分である。新発田止まりであれば17:05発でよいので1時間半弱は滞在できる。仙台にはやはり23:04着である。

 もう一つ、仙台から東北本線、磐越西線を経由して新潟方面に向かうと、仙台7:01発で新潟まで行ける(13:36着)。帰りは新潟15:45発で、仙台着は23:14である。

 仙台から首都圏方面に向かってみる。仙台6:03発の東北本線に乗れば、乗り継いで小山11:43着、大宮12:33着、上野13:01着である。小山から上毛線に乗れば高崎に14:01着、帰りは15:30発である(高崎から3つ先の新前橋には14:50着で帰りは14:51発、滞在時間は1分である)。大宮から信越本線を利用すると横川には14:52着で帰りは14:57発、5分の滞在時間である。

 宇都宮から「湘南新宿ライン」を利用し、東海道線に出ると、大船には14:06着で帰りは15:17発、逗子には14:19着で帰りは15:05発である。ちなみに大船から6つ先の二宮まで行けるが、14:40着で帰りは14:41発である。新宿から中央本線に乗ると、上野原に14:49着、帰りが14:53発で滞在時間は4分である。いずれの場合も仙台には23:14に着く。

 仙台から常磐線経由で首都圏を目指してみると、5:29発いわき行きに乗れば、乗り継いで上野に12:40着である。そこから東京に出て内房線に乗ると木更津14:21着、その1つ先の君津には14:32着で帰りは14:50発である。外房線に乗ると上総一ノ宮には14:32着で帰りは14:38発である。いずれの場合も仙台には22:59着である。

 あれこれ書いたが、要は地図に赤で記入したところが仙台から行って帰って来れる範囲である(笑)。

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2010年12月14日

東北で地ビールが飲める店その58〜山形県長井市

101211-181010 長井市は山形県の南西部にある、人口約30,000人の市である。桜、白つつじ、あやめといった花で有名なところで、春には多くの観光客で賑わう。そこから得た「フラワー長井線」という愛称を持つ山形鉄道は、旧国鉄から移管された南陽市のJR赤湯駅から長井方面に向かう第三セクターのローカル線で、映画「スウィング・ガールズ」にも登場し、話題となった。長井駅を通りすぎて終点の荒砥駅まで行けば、以前紹介した隠れ蕎麦屋の里」である白鷹町である。

 この山形鉄道はJR奥羽本線やJR米坂線との接続がよく、ローカル線の旅にはうってつけの路線である。青春18きっぷの対象ではないが、東北ローカル線パスの対象にはなっている。

 その長井市だが、以前書いたように、ここには「桃色吐息」というさくらんぼ地ビールがあったが、今は既になく(醸造していた会津麦酒もなくなってしまったし)、地ビールに関する話題はあまりなさそうなところである。長井駅からそれほど遠くない本町通り沿いに飲食店ビルなどが点在しているが、なかなかビールの匂いのする店は見つからなかった。

 その中で、ヨークベニマルの隣りの「本町天国」というところに、ドアにドイツの国旗があしらわれた「酒菜Bar プロースト」という店があった。「プロースト」とはドイツ語で「乾杯」のことである。ドイツで乾杯と言えばまずビールだろうから、ここにはビールがあるに違いない!と思ったのだが、どうも既に店をやめてしまったようで鍵が閉まっている。

 家に帰ってからネットで検索してみたところ、店のブログにもアクセスできないのでやはりもうやめてしまったようである。ネット上で見つけた店内の写真には「ブーン・クリーク」や「アンカースティーム」などが写っていたので、やはりここにビールがあったことは間違いなかったようである。米沢三元豚など、食材にもこだわった様子も窺える。このような店が閉店を余儀なくされるのは、何とも残念なことである。

 気を取り直して探してみたが、結局見つけられないまま、町外れ(?)のタスパークホテルに行き着いた。ここの9階には「誰主?君主!」というバーがあった。メニューを見てみると、生でレーベンブロイ、瓶でバス・ペールエールとギネスが置いてあることが分かった。ちょうど店の人が出てきたので他にビールがないかどうか聞いてみると、シメイ・レッドとサンミゲルがあるとのことだったので入ってみた。

 話を聞いてみると、ここでは夏の2ヶ月間、世界のビール10種類程度を取り寄せてフェアを行っているのだそうである。その夏に仕入れたビールのうち、まだ残っているものがあって、ありがたいことにそれで私がシメイ・レッドを飲めたというわけであった。

 というわけで、「酒菜Bar プロースト」が亡き今、長井市内でいろいろなビールが飲める可能性があるのはこの「誰主?君主!」だけであるようである。長井市内にあるだけに今回は長居しないで帰ってきてしまったが(笑)、今度は夏に行って世界のビールを堪能してみたいものである。

 そうそう、この「誰主?君主!」、なんと読むのかさっぱり分からなかった。「だれぬし?きみぬし!」?「だれしゅ?くんしゅ!」?…どちらでもなく、「たすくす」と読むのだそうである。もちろん、意味は文字の通りで「お客様であるあなたが主役ですよ」ということ、とのことである。


追記(2019.2.15):「BAR 誰主?君主?」に「タップマルシェ」が入ったので、いつでもクラフトビールが飲めるようになった。市内の「cafe dinning SENN」でも同様にタップマルシェのビールが飲める。

また、長井市内にクラフトビール醸造所「長井ブルワリークラフトマン」ができた。2月中に販売が開始され、道の駅「川のみなと長井」などで購入できるそうである。



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2010年11月26日

東北で地ビールが飲める店その57〜山形県西川町

4b75164f.jpg  以前紹介したが、山形県内にある地ビールは、厳密に言えば、前回紹介した天童市内の2箇所の醸造所が醸造しているのが発泡酒のみなので、西川町にある「地ビール月山」ただ一つである。

 その「地ビール月山」は、西川町にある「月山銘水館」(道の駅にしかわ)の中にある地ビールレストランで飲める。同じ建物内に醸造所もあるが、この「地ビール月山」は本場ドイツで厳選された原材料と、全国名水百選にも選ばれた「月山自然水」を使用した地ビールである。

 以前は、ピルスナーとヴァイツェンがレギュラーで、それ以外に季節限定のビールがある、という構成だったのだが、久しぶりに行ってみたところ、ピルスナーとミュンヒナーがレギュラーとなり、季節限定でヴァイツェンが置いてあった。ヴァイツェン好きとしては残念だが、やはり一般受けするのはピルスナー系ということなのだろう。

 ちなみに、この月山銘水館の隣には、日帰り温泉施設「水沢温泉館」があるので、温泉に入って湯上りに地ビールを飲む、という「極楽体験」ができる。東北でこれができるのは他に、岩手県西和賀町の沢内銀河高原ホテル(銀河高原ビール)、秋田県仙北市のたざわこ芸術村(田沢湖ビール)、宮城県大郷町の夢実の国(松島ビール)、宮城県加美町のやくらい薬師の湯(やくらいビール)がある。

 この水沢温泉館の温泉だが、ナトリウムー塩化物泉とあるものの、入ってみるとあまりそのような感じがしない。単純温泉かと思ったくらいである。温泉についての説明をよく見ると、「源泉の塩分濃度が極めて高いので井戸水で薄めている」、とのことであった。これはもったいないと思った。源泉の温度が高いのであれば水で薄めるのもやむを得ないだろうが(それでも工夫して水で薄めない温泉もある)、その必要のない温泉(ここの源泉の温度は39度台である)でわざわざ薄めることの意味がよく分からない。新安比温泉のように、「海水の2倍の濃度」という強塩泉を売りにしている温泉もあるのだし。そこがちょっと残念なことではあった。

 地ビールレストランでは、山形県産牛肉を使用したやわらか牛肉の地ビール煮、月山ポレポレソーセージ、あけびの肉詰め、月山豚を使った角煮、ハンバーグ、メンチカツ、カツ重、熊肉の大和煮、発芽胚芽米「月山まんま」を使ったご飯など、特徴ある料理が食べられる。地ビールだが、季節限定のヴァイツェンは芳醇な味わいの中にもきりっとした苦味が感じられる仕上がりであった。3日前迄の予約、4名以上という条件付きだが、3500円〜の飲み放題プランもある。飲み放題がついた西川牛すき焼きプラン4000円もあった。水沢温泉館の軽食コーナーでも地ビールを飲むことができる他、こちらには地ビール味のソフトクリームもある。

 さて、この「月山銘水館」、仙台からだとなかなか行きづらい。もちろん、車で行けば山形自動車道西川I.C.で降りてすぐなので行きやすいのだが、それだと地ビールが飲めない。公共交通機関で行くとなると、JRとバスを乗り継いで行くことになる。乗り継ぎの問題があまりなく一番早いのはJR山形駅前(始発は山交ビル前)から月山銘水館行きのバスに乗ることである(時刻表)。所要時間は約1時間30分で、運賃は1,360円である。

 ただ、例えば青春18きっぷ東北ローカル線パス(今年は今週末で終わりだが)などを使って行く場合は、なるべく近くまでJRを利用したいものである。その場合は、JR山形駅(またはJR北山形駅)からJR左沢線(「あてらざわ」と読む)に乗り、JR羽前高松駅まで行くのがよい。JR羽前高松駅を出て、駅を背にして右方向に200mくらい歩いて国道112号に出ると、「羽前高松駅角」というバス停がある。「月山銘水館」行きのバスはここにも停車する(その手前のJR寒河江駅前にも停車する他、JR寒河江駅前始発のバスもある)ので、ここから乗れば、バス料金は最小限で済む。その場合、所要時間は約26分で、運賃は710円となる。悩ましいのは、仙台からの場合、山形に行くJR仙山線と、このJR左沢線の接続があまりよいとは言えなくて、待ち時間が長くなることがあるということである。

 一応、「羽前高松駅角」バス停の発車時刻を挙げておくと、▲8:29、10:19、▲11:29、12:29、▲14:29、16:24、▲17:39、18:24、▲19:24(▲は土日休日運休)である。帰りのバスは、月山銘水館発が▲6:15、▲7:05(寒河江駅前止まり)7:40、▲8:40、9:40、12:30(寒河江駅前止まり)、14:20、▲16:00、▲17:40である。土日休日は羽前高松駅角10:19発に乗って行って、温泉に入って昼食を食べながらビールを飲み、14:20の最終(!)バスに乗らないと、仙台はおろか山形までも戻れなくなるので要注意である。

 10:19のバスに乗るには、仙台からは8:15発仙山線快速に乗り、JR北山形駅で乗り換え(9:26着、山形駅まで行ってしまうと乗換時間がほとんどないので、ここ重要!)、JR北山形駅発9:35の左沢線に乗ると、羽前高松駅には10:05に着く。それにしてもこれだと現地にいられる時間は実質3時間半くらいになってしまうので、のんびりするには平日に行くのがよいかもしれない(平日は温泉館の大広間も無料だし)。

 ちなみに、西川町内で他にこの「地ビール月山」が飲める店はないようである(以前紹介したように、他に飲める店で確認できているのは山形市内の山形グランドホテルと、蔵王温泉内のZAOセンタープラザレストランフレスガッセくらいである)。やはりここへ来て温泉に入ってのんびりしつつ地ビールを楽しむというスタイルが一番よさそうである。


追記(2019.2.28):別のところに書いたが、山形グランドホテルは現在地ビール月山を置いていない。山形市内だと、「ジ・アーキグラム・ブリティッシュ・パブ&カフェ」に時々樽生が入る。

西川町内では、山菜料理の「出羽屋」、「月山ポレポレファーム」のレストラン、「旅館仙台屋」、「清水屋旅館」、「かしわや」、「つたや」などに置いてある。


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2010年04月15日

東北をめぐる鉄道の旅その7&東北以外で地ビールが飲める場所その4〜JR水郡線と沿線の地ビール

 JR水郡線は福島県郡山市と茨城県水戸市を結ぶ地方交通線(いわゆるローカル線)である。都市間を結ぶ鉄道の場合、それぞれの都市の頭文字を取った名称がつけられることが多いが、この水郡線も水戸と郡山を結ぶということでその名がつけられている。東北で言えば、仙台と山形を結ぶ仙山線や、仙台と石巻を結ぶ仙石線がその例である。ちなみに、より大きな都市の名前が先に来るのが通例のようだが、この水郡線の場合、実は水戸よりも郡山の方が都市の規模は大きい。郡山の人口は仙台、いわきに次ぐ東北第3位の約33万9千人、対して水戸は約26万6千人である。それでも水戸の「水」が先に来ているのは、水戸が県庁所在地であることが影響しているのかもしれない。

 それはともかく。東北にあるローカル線で東北以外の地域にまで延びている路線はこの水郡線の他は、福島県会津若松市と新潟県魚沼市を結ぶJR只見線くらいである。…と思ったら、何と!以前紹介した、青森と函館を結ぶ津軽海峡線もJRの区分ではローカル線であるのを発見してびっくりした。どう見ても幹線(いわゆる本線)である。

 それもともかく。この水郡線、東北と関東、内陸と沿岸という、2つの意味で異なる地域を結ぶローカル線である。郡山駅を出て水戸駅に着くまでの147kmを約3時間かけて走る。距離から考えるといかにもローカル線らしい時間のかかり方である。車窓にはいかにも東北らしいのどかな田園風景が続く。のんびり旅をするにはぴったりの路線である。

 それからこの水郡線、実は沿線に地ビール醸造所が2つある、「地ビール線」(?)でもある。地ビール醸造所だけでなく、以前紹介したように郡山市内にも地ビールが飲める店もあるし、もちろん県庁所在地だけあって水戸市内にもある。

 2か所あるその地ビール醸造所はいずれも茨城県側にあるが、一つは常陸大子(ひたちだいご)駅が最寄り駅の、「やみぞ森林のビール」を醸造する大子ブルワリー、もう一つは常陸鴻巣(ひたちこうのす)駅が最寄り駅の、「常陸野ネストビール」を醸造する木内酒造(きうちしゅぞう)である。

moriizumisen.jpg  「やみぞ森林のビール」の大子ブルワリーへは常陸大子駅からは茨城県北バスの盛泉(もりいずみ)線を利用することになるが、水郡線との接続があまりよいとは言えない。うまく時間が合わないと、私のように駅から約8.5kmの道のりを走って行くことになる(笑)。

 ネット上には常陸大子駅からの発車時刻の記載はあったが、常陸大子駅に帰ってくる便の発車時刻が見当たらなかったので、現地で入手した時刻表をアップしておきたいと思う(写真参照)。赤枠で囲った「盛泉線」の欄がそれである。醸造所最寄のバス停は「志那志口(しなしぐち)」だが、そこの通過時刻は盛泉の発車時刻に4分を加えた時刻であった。ちなみに、常陸大子駅からはバスで15分ほどである。

131059.jpg  醸造所併設のレストラン(写真参照)はログハウス風の周囲の自然に溶け込んだ建物で、奥久慈シャモやこんにゃく、ゆばなど地元の名産品を使った料理などもおいしい。地ビールはピルスナー、ヴァイツェン、へレス、それに季節のビールがある。私が訪れた時にはデュンケルがあった。

 私の好きなヴァイツェンは、よく飲んでいる銀河高原ビールのヴァイツェンよりも濃厚ではないすっきり味で、大手ビール会社のビールに慣れ親しんだ人にもそれほど抵抗なく飲める味に仕上がっていると思う。店員の方々の応対にも好感が持てた。

222216.jpg  何より一般にはほとんど流通していない、特に東北ではまず手に入らないここのビールは、私にとっては「貴重品」であり、私のようなビール好きにとってははるばる足を運ぶ価値のあるスポットである。もちろん、お土産にも買ってきた(写真参照)。









163720.jpg  一方、木内酒造へは常陸鴻巣駅から徒歩で約5分とアクセスがいいのがありがたい。ここが醸造する「常陸野ネストビール」は、並みいる地ビールの中でも大手の部類に属し、やまやにも時たま並ぶ他、これまで紹介したように(ここここここここ、それにここで紹介したTHE ARCHIGRAM British Pub & Cafeにあることもある)東北の飲食店の中でも置いてある店がいくつかある。

 木内酒造の中では、敷地内の直販店の中に「利き酒」のできるスペースがあって生のビールが味わえる他、隣接する「な嘉屋(なかや)」でも味わえる。「な嘉屋」では、水を使わず酒で打った珍しい手打ちそばが味わえる。「常陸野ネストビール」はビールの種類も豊富で、ベルギースタイルのホワイトエール、ドイツスタイルのヴァイツェン他、さまざまな種類のビールがあり、ここではそれらのうちの何種類かが生で味わえる。

 水郡線の終点、水戸市にも地ビールの飲める店がいくつもある。木内酒造の「な嘉屋」の水戸店もある他、「創作和食Chaya須賀井」、「T`s四季菜楽bar」(水戸市宮町2-3-2、TEL090-8082-1581、18:00〜0:00、日祝日は〜22:00、不定休)には常陸野ネストビールの樽生があった。「Irish Pub Kells(アイリッシュ・パブ・ケルズ)」には珍しい常陸野ネストビールのリアルエールがある。他にも「Ale House S.H.I.(エールハウス スウィッチ)」や「The Drunken Duck(ザ・ドランケン・ダック)水戸店」には常陸野ネストビールのアンバーエール、ホワイトエールの瓶が置いてあった。

 他にも、「THE BRAVE HEART(ザ・ブレイブ・ハート)」、「ドイツ麦酒館MITOホフブロイハウス」(水戸市泉町3-2-7ポケットモールビル2F、TEL029-231-9245、11:30〜14:00(平日)、17:00〜0:00、日曜定休)、「BEER HOUSE BIBERE(ビベーレ)」など、世界各国のビールが飲める店が複数あるところは、さすがに関東圏の県庁所在地だけのことはある。


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2008年10月16日

東北をめぐる鉄道の旅その6〜「青春18きっぷ」を使った関西方面の旅

7de5ebd7.jpg 帰りであるが、えきねっとの「乗換・運賃案内」で検索してみると、京都が起点の場合、平日は京都6:14発に乗って仙台22:59または仙台23:13着となり、土日祝日の場合は京都を5:30に出て仙台22:09着か、京都を6:39に出て仙台22:59着という行程になるようである。大阪が起点だともっと早く出ることになるだろう。

 しかし、せっかくはるばる関西まで前日16時間以上もかけて来て、睡眠時間も含めた滞在時間が8時間あるかないかというのではちょっともったいない。せめて1日くらいは街中を散策したり、おいしいものを食べたりしたいところである。そうなると問題は宿泊費である。元々それほどお金をかけずに旅できるのが青春18きっぷのメリットの一つなのだが、ここで2泊分もの宿泊費を負担するのはちょっとイタい(そう思うのは私だけかもしれないが)。その解決策として「快速ムーンライトながら」を使う手がある。

 「快速ムーンライトながら」については、いろいろなサイトで解説されているので詳細はそちらを参考にしていただきたいが(例えばここここ)、東京と大垣を1日1往復結んでいる夜行列車である。夜行列車と言っても、全席指定ではあるものの特急や急行ではなく快速なので、指定席券料510円は必要ながら乗車券は青春18きっぷが使える。これを使えば、2泊目の宿泊代を負担することなく、昼間の時間を十分に活用することができる。ちなみに指定席はリクライニングシートになっており、高速バスのシート程度には倒すことができるが、車内灯は一晩中ついたままなので、明るいと眠れない人はアイマスクがあるとよいかもしれない。

 具体的な行程としては、京都21:30発の新快速米原行きに乗って22:23米原着。その後、米原22:31発の大垣行き普通列車に乗ると23:02大垣着で、大垣23:19発の快速ムーンライトながら東京行きに乗る。ちなみに、日付が変わる駅は大府で、京都を起点とした場合乗車券代が2,940円となり、青春18きっぷの1日当たりの金額(2,300円)を上回るので、京都から大垣までの分も青春18きっぷを使用した方がおトクである。東京には5:05に到着する。

 ここから一刻も早く仙台に帰りたければ、上野5:47発の宇都宮行きに乗って乗り継いでいけば12:16に仙台に到着するが、それほど急がないのであればその日は夕方まで東京に滞在することもできる。上野16:23発の宇都宮行きがその日仙台まで帰るための最終列車となるが、これに乗れば23:13に仙台着である。

 まとめれば、青春18きっぷ3日分と1泊の宿泊費、510円の指定席券代で、2泊3日の関西方面旅行(&東京散策)が実現するわけである。ちなみに、青春18きっぷが利用できる期間中のムーンライトながらの指定席はけっこう人気なので(特にお盆、年末年始など)、早めの予約が肝心である。

 さて、「東北で地ビールが飲める店番外編」の続きだが、京都市の街中で飲める地ビールのもう一軒は、キンシ正宗が醸造する京都町家麦酒(「堀野記念館」の「京都町屋麦酒醸造所」をクリック)が味わえる「ダイニングバー堺町ほっこり」(写真参照)である。京都町家麦酒にはケルシュアルト黒ビール、それにエールタイプの「同志社ビール寒梅館」があり、この堺町ほっこりでは隣接している醸造所(写真参照)で作られた出来立てのビールを味わうことができる。毎年お盆期間中は「舞妓と楽しむ京町家ビアホール」と称して、地ビールが90分飲み放題(おつまみ付)で舞妓さんが客席を回って歓談してくれるというイベントもある。要事前予約だが、当日空きがあれば飛び込みで参加できることもある。

 先に紹介した「じろく亭」もだが、どちらの店も京都の食材を活かした和食メニューが豊富で、いずれも日本酒醸造元らしく水にこだわった(京都麦酒は「伏水」、京都町家麦酒は「桃乃井の名水」)地ビールと共に堪能することができる。

 なお、ムーンライトながらで東京に着いたら、まず一風呂浴びたいと思うかもしれない。そのような時は、東京駅から中央線快速で二駅の御茶ノ水駅から徒歩5分の神田アクアハウス江戸遊がオススメである。朝8:00までやっており、「せんとうコース」なら3時間まで450円である。リンスインシャンプーとボディソープは備え付けてあるので、自前のタオルがあれば快適に入浴できる。

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2008年10月15日

東北をめぐる鉄道の旅その5〜「青春18きっぷ」を使った関西方面の旅

95843242.jpg 以前、青春18きっぷで仙台を起点にすると、1日で北は函館、さらにその先の森まで行けることを紹介した。対して、南は姫路までは行けることをその時に少し紹介した。北方面に比べて南方面で移動距離が長く取れるのは、乗り継ぎの便利さ、列車本数の多さ、最終列車発車時刻の遅さなどが関係しているが、今回はこの南方面の実際を見てみたいと思う。

 仙台6:04発東北本線上り郡山行きに乗ると郡山に8:23着、そこから郡山9:06発の黒磯行き(ここで駅構内で朝食を取る時間がある)に乗り換えて10:08黒磯着、黒磯10:14発の宇都宮行きで宇都宮11:05着である(または黒磯10:26発宇都宮11:16着の次列車でも間に合う)。ここで宇都宮11:21発上野行き(上野13:09着)に乗り換えたくなるところだが、これよりも次の宇都宮11:39発の湘南新宿ライン逗子行きに乗る方が東京を通り抜けるのが早い。横浜(13:46着)か大船(14:03着)で東海道本線の快速アクティ熱海行きに乗り換えが出来る(横浜13:58発、大船14:13発)。熱海15:07着で、次の熱海15:16発の沼津行きに乗り換える。三島(15:31着)か終点沼津(15:38)で乗り換えができるが、座席の確保のことを考えると三島乗り換えの方がよいかもしれない。三島15:37発(沼津15:46発)浜松行きに乗り換えて掛川(17:35着)か浜松(18:02着)で乗り換える。掛川17:45発(浜松18:13発)の豊橋行きで豊橋18:47着となる。

 ここから先は平日か土日休日かで異なるが、平日は豊橋18:50の特別快速大垣行に乗り、金山(19:35着)か名古屋(19:39着)か終点大垣(20:12着)で次の快速米原行きに乗り換える(金山19:46発、名古屋19:50発、大垣20:28発)。米原には21:08に着く。一方、土日休日は豊橋19:06の新快速米原行きに乗れば、米原に21:11に着く。ここから米原21:37新快速網干行きに乗れば、姫路には日付が変わった0:02に着く。

 しかし、さすがに姫路まで行ってしまうと着いても何もできずにホテルにチェックインして寝るというようなことになってしまいそうなので、その手前の京都(1本前の米原21:15発普通列車に乗って22:22着)か大阪(22:58着)辺りを目的地にしておいた方がよいように思う。

 ちなみに、東北本線よりも早い仙台5:29発の常磐線上りいわき行きに乗るという方法もある。この列車だといわき8:28着で、その後いわき8:43発水戸行きに乗って勝田(10:09着)か水戸(10:14着)で上野行き(勝田10:14発、水戸10:20発)に乗り換えると上野に12:40に着くことができる。これだと上記の行程よりももっと早く関西方面に着けるように見えるのだが、そのためには東京12:53発の快速アクティに乗る必要がある。その乗り換えがギリギリで、平日だと上野12:42発の京浜東北線快速大船行きに飛び乗らないといけない(東京12:48着)。

 常磐線が到着する上野駅の10番線から京浜東北線が発車する4番線まで2分で乗り換えというのはけっこうシンドいと思うので、万人に勧められる方法ではない。ましてや、土日休日はこの京浜東北線のダイヤに変更があり、上野発が12:41になってしまう。これでは乗り換えはほぼ無理である。次の列車は上野12:46発の快速磯子行きだが、これだと今度は東京着が12:52で、東京発の東海道本線の乗り換えまで1分となってしまう。すなわち、仙台始発の常磐線から東京12:53発の快速アクティへの乗り換えは、平日なら頑張れば何とかなるかもしれないが、土日休日は極めて難しいということになる。ただ、何とかこの東京12:53発の快速アクティに乗ることができれば、京都には21:48、大阪には22:18、姫路には23:22に着ける。

 なお、函館の時と同様、「東北で地ビールの飲める店番外編」として京都を見てみると、京都にも地ビールがあり、京都の街中でそれらを堪能できる店がある。そのうちの一軒は、黄桜が醸造する京都麦酒を味わえる「京おばんざい酒房じろく亭」(写真参照)である。京都麦酒は京都初の地ビールだそうで、ケルシュアルト、そして日本酒醸造元らしい清酒酵母を使用した「蔵のかほり」があるが、最近では古代エジプトのビールを再現したというホワイト、ブルー、ルビーの3種類のナイルシリーズが話題を呼んだ。じろく亭では、常時ケルシュ、アルト、蔵のかほりのうちの2種が飲めるようになっている。もし、22時前に京都に着ければ、ちょっと急ぐがこのじろく亭で飲み食いすることは辛うじて可能である。

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2006年02月06日

東北をめぐる鉄道の旅その4〜東北と首都圏を結ぶ「第四」の路線

920d6d8a.jpg 東北に長らく住んでいると、私鉄がほとんどないこともあって「鉄道=JR」というイメージが出来上がっている。したがって、どこへ行くにもJR中心に移動経路を見てしまうところがある。出張の多い仕事をしているため時刻表とよくにらめっこをするが、そうすると当然のことながら特に首都圏ではJRより私鉄を利用する方が安く上がったり、短時間で移動できたりして新鮮な驚きを味わったりする。

 しかし、こと東北については私鉄と言えば、JRが赤字で廃止しようとした路線を自治体が中心となって第三セクターを立ち上げて生き残りを図ろうとするような路線がほとんどで、少なくともJRに代わるようなイメージはなかった。ましてや首都圏に行くには必ずJRを利用しなければならないものだ(北東北なら航空機も利用できるが)と思っていた。具体的には、東北の真ん中のほぼ同じところを東北新幹線と東北本線が走り、太平洋沿岸に常磐線、日本海沿岸は羽越本線で新潟まで出てから上越新幹線または上越線・高崎線、というのが、東北から首都圏に出るルートの全てである、と思っていた。

 ところが違ったのである。福島県の会津地方の人はJRを使わずに、私鉄だけで会津地方の中心地会津若松から首都圏(浅草)まで移動できてしまうのである。これは時刻表を見ていての発見であった。会津鉄道線(会津鉄道、西若松〜会津高原)、会津鬼怒川線(野岩(やがん)鉄道、会津高原〜新藤原)、東武鬼怒川線(東武鉄道、新藤原〜下今市)、東武日光線(東武鉄道、下今市〜東武動物公園)、東武伊勢崎線(東武鉄道、東武動物公園〜浅草)と、路線名と会社は変わっていくが、福島の会津若松から東京の浅草まで一本の線路でつながっている(線路は2本だが)。

 たまたま私用で東京に出た帰り、ちょうど喜多方ラーメン参照サイト)が食べたかったこともあり、目的地を喜多方に定めて「JRではない鉄道」の旅を楽しむことにした。

 同路線には「特急スペーシア」が走っているが、さほど裕福ではない私は快速を使って喜多方まで行くことにした。まず浅草発7:10の快速会津田島行に乗る。北千住、春日部、栃木、新鹿沼、下今市といった駅を過ぎると、JRでは通ったことのない地域に入る。鬼怒川温泉や川治温泉などは名前しか聞いたことがなかったが、この路線の沿線である。これまた話にだけ聞いていた東武ワールドスクエアもこの沿線である。東北新幹線や東北本線よりも山沿いを走っているので景色も変化に富んでいて飽きない。男鹿(おじか)高原駅(ツッコミどころ満載の興味深い駅である、参照サイト)を越えると福島の会津地方に入る。

 終点の会津田島駅で降り(10:40着)、21分後にやってくる鬼怒川温泉始発の快速AIZUマウントエクスプレス号喜多方行を待つ。この列車、会津若松から先はさらにJR磐越西線に乗り入れて喜多方まで行っている、喜多方ラーメンを食べに行くにはうってつけの列車である。会津田島駅内にあるステーションプラザでは南会津地方の土産物を扱っており、列車を待っている間はそれを物色できるので退屈しない。

 やってきた会津田島11:02発快速AIZUマウントエクスプレス号は外見も座席も特急列車を思わせる車両で、さらに快適な移動ができた。会津鉄道沿いにも温泉が多く、湯野上温泉などはぜひ一度じっくり入ってみたい温泉である。会津若松に到着すると、ようやくJRで見慣れた風景になる。喜多方到着は昼食にちょうどよい12:20、浅草から5時間10分の旅であった。

 喜多方では、真っ先に「食堂なまえ」(喜多方市字永久7693-3、TEL0241-22-6294、10:00〜19:30、不定休、写真参照)に行った。「坂内食堂」、「まこと」、「安部食堂」など、喜多方ラーメンの定番的な店から見ると、「食堂なまえ」は知名度はやや落ちるかもしれない。しかし、喜多方にラーメン屋数多しと言えども、「手打ち」をウリにしているところは実はそう多くない。喜多方ラーメン元祖の「源来軒」が今も手打ち麺を貫いているのはさすがであるが、「食堂なまえ」もその数少ない手打ちラーメンを出す一軒である。ここの「極太手打ちラーメン」はその名の通り、太めの縮れ麺が特徴の喜多方のラーメンの中でもかなりの極太麺である。そのモチモチした食感に、透明感のあるあっさりスープが絡んで実においしい。私にとっては、喜多方ラーメンと言えばまず「食堂なまえ」のこのラーメンである。

 もちろん、手打ちラーメンがすべてではない。手打ちを標榜していなくても、やはり喜多方にはおいしいラーメン屋が多い。喜多方に来ると一軒だけで終わらせるのがもったいなくて、ついラーメン屋をハシゴしてしまう。この日もさらにもう一軒ハシゴして、心身ともに満たされて仙台までの帰途についたのであった。


追記(2011.9.16):上で紹介した「源来軒」と「食堂なまえ」以外に手打ちラーメンが食べられる喜多方市内の店としては、「信貴亭」、「せせらぎ食堂」、「大黒天」などがある。

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2006年01月22日

東北をめぐる鉄道の旅その3〜「青春18きっぷ」による東北縦断の旅

a229af89.JPG 函館市街を一望できる函館山の山頂にはロープウェイで登れるが、冬季の下りロープウェイの最終は21:00ちょうどなので、夜景を見たければ20:05にJR函館駅に着いてすぐ函館山に向かわなければいけない。市電を使えば函館山の山麓駅の近く、十字街まで行ける。20:11函館駅前発があるので函館駅を出てダッシュでそれに乗りたい。

 十字街から水道局の角を左に曲がって坂を上っていくとロープウェイの山麓駅がある。ロープウェイは10分間隔で運行しているが、道に迷わなければ20:30の便には乗れる。山頂までは所要時間3分である。山頂から見える函館市街の夜景は東洋一とも言われる。反対側に目を凝らすと、青森県側の下北、津軽の町の明かりがほのかに見える。

 さて、そのままロープウェイの最終便が出る21:00まで夜景を楽しんでいてもよいのだが、函館にはおいしい地ビールがある。「東北で地ビールが飲める店」番外編として、ここではぜひとも地ビールを楽しみたい。その地ビール「はこだてビール」のレストランは22:00閉店なのだが、ラストオーダーが21:20なのである。ロープウェイからの移動時間を考えると、ここは一つ前の山頂20:50発のロープウェイで降りてきたい。「はこだてビール」は十字街の一つ手前の魚市場前の近くなので、早足で移動すれば21:10には到着できる。

 「はこだてビール」には、 五稜の星 (ヴァイツェン)、明治館 (アルト)、北の一歩 (エール)、 北の夜景(ケルシュ)など、素敵な名前のついたいろいろなビールが味わえる。いずれも函館山の地下水を100%使用したまさに地元のビールである。他に、「社長のよく飲むビール」という、通常の2倍の量のモルトを使用して1ヶ月間熟成させて作るアルコール度数が約10%のビールもある。料理も北海道ならではのメニューが揃っている。

 そうそう、楽天トラベルじゃらんネットを見ると、函館市内には安く泊まれるホテルがたくさんある。青春18きっぷを使ったコストをかけない旅の強い味方である。翌日も早いので函館駅前に宿を取った方が便利であるが、駅前にも安い宿が何軒かある。

 函館と言えば、札幌のみそラーメン、旭川のしょうゆラーメンと並んで、塩ラーメンでも知られる。ただ、駅周辺に遅くまでやっているラーメン屋がないので、地ビールを飲んで宿に帰る途中で塩ラーメンをというパターンが取りづらい。しかし、駅周辺には夜になると、「バスラーメン」が現れる。私が知っているところでは、函館駅のすぐ近くと、函館プラザホテルの近くに出没する。このバスラーメンで塩ラーメンを食することができる。

 翌日は、その日のうちに仙台まで帰るためには函館7:04発の海峡線の列車に乗る必要があるが、その前に早起きをして函館朝市を見たい。冬でも朝6時前からやっており、特に魚介類が豊富である。値段を見ると、市価とそれほど変わらないが、かなりまけてくれるので、やはり安く買える。ただ、青春18きっぷで1日移動という旅では、魚介類を持ち歩くわけには行かないので、どうしてもという場合にはクール便で送ってもらうのがよい。函館朝市内には、その豊富な魚介類を使った食堂がたくさんある。そこで朝食を取るのもよい。

 一方、JR函館駅内の商業施設「ピアポ」の1階部分は6:30にオープンする。モーニングを取れるベーカリーカフェ「@cafe st.」や駅弁「みかど」、書店「bookshopステーション」、それに「コンビニキヨスク函館」がある。北海道の土産物は「コンビニキヨスク函館」でも買える。六花亭のチョコなどの菓子類や大沼ビール、乾物などが置いてある。

 函館7:04発の江差行に乗ると、車窓から見える海が綺麗である。晴れていれば津軽海峡をはさんで彼方には下北半島と津軽半島も望める。乗換駅の木古内には8:05に着く。次に乗るべき特急「スーパー白鳥14号」は9:30発なので時間があり、ここで朝食を取りたいと思うものだが、木古内駅前の店はどこも空いていない。この時刻で空いているのは本町にある和菓子店「末廣庵」くらいであるので、待合室でのんびり本でも読んでいるのがよいかもしれない。

 特急「スーパー白鳥14号」に乗って再び青函トンネルをくぐると蟹田に到着するのが10:24である。ここで特急を降りるが、次に乗る津軽線青森行の発車まで78分あるので、のんびり蟹田駅周辺を散策できる。蟹田駅を出て最初の信号を左に曲がり約20分ほど歩くと、津軽から対岸の下北半島に渡れるフェリーの埠頭と海水浴場、そして旧蟹田町(現在は合併して外ヶ浜町)が作った観光物産館を兼ねた展望台「風のまち交流プラザ・トップマスト」がある。

 108段の階段を伝って無料で展望スペースに上れるのはよいが、階段も展望スペース自体も足元がすべて「道路の排水溝の格子蓋」状でかなりスリルがある。高所恐怖症の人にはオススメしない。地上30mの展望台のてっぺんからは陸奥湾が一望でき(写真参照)、はるか彼方に函館を望むことができる。1階には津軽地方の物産品を扱ったコーナーや軽食喫茶のコーナー、フェリー窓口などがある。

 蟹田11:42発の普通列車に乗ると青森には12:23に着く。ここで次に乗るべき列車は14:00発の秋田行になるのだが、前日も青森でゆっくりしているので、ここは一つ前の13:02発の弘前行に乗りたい。弘前着13:47で、本来乗るべき青森発14:00の列車が弘前に到着するまで69分の時間が確保できるので、私としてはここでぜひ以前紹介したことのあるカリ・マハラジャのカレーを食べたい。カリ・マハラジャまでは弘前駅からは歩いて10分余である(木曜定休)。

 弘前発14:56の大館行に乗ると15:38に大館に到着する。大館駅構内で土産物などを物色して大館発16:00の花輪線盛岡行に乗ると盛岡には19:02に着く。次の東北本線一関行の発車は19:09と7分しか待ち合わせがないのでここでは脇目も振らずに1階のいわて銀河鉄道の改札を出て2階に上がり、JRの改札に入って乗り換えである。一関には20:47着。ここから次の仙台行の発車までは10分あるので、21:00閉店の「NEWDAYS」で買い食いしたりする時間は辛うじて確保できる。そうして20:57発の仙台行に乗れば22:31、仙台到着である。

 なお、帰りは、移動距離は長くなるが別ルートも選べる。弘前から乗った奥羽本線の列車を大館で降りずに、そのまま秋田まで行くのである。秋田には17:27着。そこから奥羽本線17:33発の新庄行に乗ると、新庄に20:25着である。20:49発の山形行まで24分あるので、ここで新庄駅周辺にて夕食を調達するのがよいだろう。20:49発の山形行に乗って羽前千歳で降りて(21:49着)、羽前千歳21:54発の仙山線仙台行に乗れば、先のルートからおよそ30分遅れの23:08に仙台到着である。なお、山形行列車で終点の山形まで行ってしまうと、この最終の仙山線とすれ違いになってしまうので乗り過ごさないように注意が必要である。


追記(2007.1.13):函館市内で地ビールを飲みたいと思ったら、他にやはりはこだてビールがやっている、西波止場にあって函館港を一望できる地ビールレストラン「はこだて海鮮倶楽部」がある。その名の通り、「はこだてビール」のお店よりもさらに海鮮料理が充実している。

 あとは、同じく赤レンガ倉庫の中に「はこだてビヤホール」がある。サッポロビール系のビアホールのようだが、赤レンガ倉庫をイメージした色合いの「函館赤レンガビール」や明治時代のレシピに基づいて醸造した「開拓史ビール」など、オリジナルのビールがある。

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2006年01月19日

東北をめぐる鉄道の旅その2〜「青春18きっぷ」による東北縦断の旅

ad324a2f.JPG では、仙台を起点に青春18きっぷを使って実際に函館まで行ってみると、どのような旅になるだろうか。まず仙台6:00発の東北本線一ノ関行に乗る。一ノ関は仙台−盛岡間のほぼ中間であり、1時間半の行程である。

 この列車で7:30に一ノ関着。次に乗る列車の発車まで13分しかないが、改札を出て駅構内をぶらっとする余裕はある。一ノ関駅構内には、食事ができる「こけし茶屋」、焼きたてパンの「エトワール」、東日本キヨスクのコンビニ「NEWDAYS」、地元の土産物を扱う「ぐるっと遊」などがあり、「こけし茶屋」以外は着いた時刻に営業している。駅から外に出ると朝6:30から営業している食堂「いわぶちや」があるが、さすがに13分では食べられないだろう。一関市というと「ソースかつ丼」が有名だが、駅前でこのソースかつ丼を出す「竹」はこの時刻はまだ開店していない(開店していても時間的に食べられないが)。

 続いて7:43発の東北本線盛岡行に乗り換える。盛岡には9:11着でやはり1時間半程度の行程。次に乗る花輪線の大館行は9:43発で30分以上時間があるので、ここで駅構内で朝食を取ってもいいかもしれない。盛岡駅構内は北東北の玄関口だけあり、さすがに施設が充実している。特に改札のある2階はリニューアルしたばかりである。「北出口」の改札を出ると東北の主だった駅弁が揃う「駅弁屋」、洋菓子の「タルトタタン」、土産物の「大地館」、コーヒーショップ「ドトール」、そば処の「こけし亭」、「NEWDAYS」などがある。「北出口」から「南出口」方面にぐるっと回るとカレー&カフェの「GOOD TIMES CAFE」もある。「こけし亭」は立ち食いそば屋だが、「いわての7割そば」がある(ざるそば450円)のが、そば処岩手の面目躍如である。南出口には待合室と一体化した「ドトール」と「ぐるっと遊」、牛丼・麺類の「はやて」がある。

 次に乗る花輪線は1階にあるいわて銀河鉄道の改札口から乗る。1階に下りるとやはりリニューアルしたばかりのショッピングモール「FESAN」があるが、1階部分はこの時刻で既に開店している。中には「さわや書店」があるので、ここで車内で読む本を調達するのもオススメである。パスタ&サンドイッチの「ポールショップカフェ」もある。外に出ると左手に「TULLY'S COFFEE」もある。他に様々な特産品を扱う店が集まっている「おでんせ土産館」もあるが、じっくり見ていると乗り遅れそうになるので要注意である。

 花輪線(ガイドマップ)は奥羽山脈を横切るルートのローカル線だが、そのルートのかつておよそ900年前に奥州藤原氏の初代藤原清衡が整備した白河関(福島県白河市)から外ヶ浜(青森市)までを結ぶ「奥大道(おくたいどう)」のルートに一部(大更−十和田南間)沿った路線でもある。いわて銀河鉄道を経由し、好摩駅から秋田の大館駅までがJRの花輪線である。大規模スキー場で有名な安比、それに湯瀬温泉、大滝温泉といった秋田県北の代表的な温泉を経由し、日本では珍しいアスピーテ(盾状火山)である八幡平や東北屈指の観光地である十和田湖の入り口にも近い。豊かな自然の真っ只中を走る魅力的な路線であり、「十和田八幡平四季彩ライン」の愛称がつけられている。大館には12:43着。ディーゼル列車によるのんびり3時間の旅である。

 大館からは奥羽本線の青森行に乗るが、発車まで25分あるので、駅前のハチ公の銅像を見る時間はありそうである。大館駅には待合室内に売店、駅を出て右手に「NEWDAYS」があり、どちらでも秋田や大館の土産物を買うことができる。大館駅と言えば、60年以上の歴史を誇る駅弁「鶏めし」が有名なので、昼食にいいかもしれない。待合室内の売店でも売っているが、駅のすぐ向かいに製造元の「花善」があって和風レストランと弁当直売所があるので、そちらでも求めることができる。

 13:08発の青森行に乗ると青森には14:40に着く。次に津軽半島の蟹田まで移動することになるが、乗る列車の選択肢は2つ。青森市内に66分とどまって15:46発の津軽線三厩行に乗るか、120分とどまって16:40発の蟹田行に乗るかである。前者に乗ると蟹田で北海道に渡る特急「白鳥」に乗るまで78分待ち、後者は23分待ちである。蟹田駅周辺を散策する時間は帰りにもたっぷりあるので、ここでは後者を選択し、青森市内でゆっくりランチを取る。

 青森駅には「正面出口」に出る途中にある売店「詩季彩」、改札を出ると「ドトール」、「NEWDAYS」、「ぐるっと遊」などここまでですっかりおなじみの店が揃う。「ぐるっと遊」ではその場で焼いている「津軽路せんべい」が目を引く。他に駅弁の店もある。外に出ると「そば処あじさい」や「駅なか食堂つがる路」がある。駅を出て右手前方にある「駅広市場」では青森特産のりんごや魚介類などを安く買える。駅の左手前方にある「駅前銀座」の居酒屋のうちの何軒かはこの時刻もやっている。

 私は、なんと言ってもカレー好きなので、ランチにはカレーを食べたい。青森は、ここ数年で本格的なカレー店が相次いでオープンしている、私の「評価基準」によると成熟した街である。「タンドールアクバル」、「タージマハール」(青森市新町1-8-5、TEL017-775-3113、水曜定休)、「マサラマサラ」(青森市新町1-9-5、TEL017-735-9066、日祝定休)など、私が思わずハシゴしたくなる店が駅近くにできており、嬉しい限りである。

 このうち「タージマハール」はインドカレーと欧風カレーの2系統のカレーがある。インドカレー系の「まぜカレー」は大阪の自由軒のカレーを思わせる、カレーを和えたご飯の上に生卵が乗ったカレーである。辛さは好みに応じて調整してくれる。一方、「マサラマサラ」はカレーとライスだけのAセットからサラダ、ドリンク、インド料理3品がつくDセットまでの中から1つ選び、その日ホワイトボードにある数種類のカレーの中から好きなカレーを選ぶスタイル。豚マドラスカレーは深炒りスパイスの風味が印象的である。パパドやゆで卵、スープなどは自由に食べられるようになっている。ただ、超辛でも辛さはさほどでもないので、私のような辛いもの好きは、置いてある辛みスパイスで辛さを追加した方がよい。「タンドールアクバル」は市内で最も本格的なインド料理店である。

 青森16:40発の蟹田行に乗ると、蟹田には17:25に着く。蟹田で待ち合わせ時間が23分あるが、蟹田駅のキヨスクは17:00で閉店である(日曜定休)。蟹田駅を出ても駅前には商店はない。あるのは「道前」という食堂兼居酒屋、それに「炭び焼きとりやす」である。「炭び焼きとりやす」では、「チキンおむすび」や「チキンクレープ」がいずれも150円で買えるので、小腹が空いたらそれらを買うのもよいかもしれない。

 その後、蟹田17:48発の特急「白鳥19号」に乗る。青森県と北海道を結ぶ青函トンネルは、海底240メートルのところを通る総延長53.85Kmの世界最長のトンネルである。トンネルの上に海があるというのは、何とも不思議な感じがするものである。特急列車の座席はさすがに快適で、そのまま函館まで行きたくなるかもしれないが、「定め」に従って木古内で降りる。木古内には18:37着で、海峡線函館行の発車までは22分ある。「本町方面」の出口から出ると、木古内駅前には軽食&喫茶「タック」、「名代急行食堂」、焼肉「名代富士食堂」がある。「名代富士食堂」の名物「やきそば弁当」が気になるところだが、夕食はやはり函館で取りたいところ。

 木古内18:59発の函館行に乗ると、途中、海の向こうに見える函館の街の夜景がとても綺麗である。夜景を楽しみながら1時間ほど、6:00に仙台を出ておよそ14時間後の20:05、ついに函館に到着である。函館山の夜景(写真参照)はこの時刻からでも見に行ける。


追記(2007.1.13):蟹田駅の近くに「ヤマザキデイリーストア」がオープンした。これで、蟹田駅のキヨスクが閉まっていても、ちょっとした買い物ができそうである。


追記(2011.9.16):上記の一ノ関駅前の「いわぶちや」だが、このところ朝閉まっていることが多いなと思ったら、開店時刻が11時に変わっていた。また、青森市の「タンドール アクバル」は移転して、「亜久葉瑠(アクバル)」(青森市中央1丁目21-12、TEL017-777-3955、11:00〜15:00、17:00〜23:00、第2・第4日曜日定休)となった。また、「タージマハール」は別の店に替わってしまっていた。「マサラマサラ」はそのまま健在である。

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2006年01月16日

東北をめぐる鉄道の旅その1〜「青春18きっぷ」による東北縦断の旅

0030379e.jpg 「青春18きっぷ」というJRグループの切符をご存知だろうか(写真参照)。 JR全線の普通列車の普通車自由席が自由に乗り降りできる切符で、1枚のきっぷで一人が5回または5人のグループが1回利用といった使い方ができる。春、夏、冬など、長期の休みがある期間に発売、利用できて、価格は11,500円である(詳細はえきねっと)。ちなみに、名前に「青春」、「18」とあるが、年齢制限はなく老若男女、「青春時代」を過ぎていようがいまいが、あらゆる人が利用できる(笑)。広い東北をのんびり回るにはうってつけの切符である。

 その名前や普通列車のみ乗り放題という切符の性格から、「若者の貧乏旅行の手段」というイメージが強いが、今や若者とは言いづらくなってきた私も実はこの切符が好きでたまに利用している。「普通列車の旅=時間がかかる旅、座りっぱなしでお尻が痛くなる旅」、というようなイメージがあるかもしれないが、決してそんなことはない。なぜなら、今の普通列車というのは、新幹線が発達した影響で、非常に細切れになっているからである。例えば、仙台から東京に行く場合、東北本線経由で行こうとすると、だいたい福島、郡山、黒磯、宇都宮の4回乗り換えなければ東京(上野)まで着かない。お尻が痛くなる前に有無を言わさず立って歩かなければならないのである。

 この乗り換えも、一般には「面倒」、「重い荷物を抱えて大変」、「時間の無駄」などマイナスのイメージが付きまとうが、これはこれで楽しい。乗り継ぎ列車の発車まで時間があれば、改札口を出て駅周辺を散策してみるのもいい(青春18きっぷは途中下車自由である)。例えば、栃木のJR黒磯駅の駅前商店街には老舗の菓子店が2店ある。このうち、その名の通り明治元年に創業した「明治屋」の温泉饅頭や大福は私の黒磯でのお目当ての一つとなっている。また、黒磯駅の待合室の隣にある立ち食いそば屋さんの「もりそば」も「事前期待」を裏切るおいしさだった。このようなことも新幹線や飛行機で出発地から目的地まで一足飛びに移動していてはわからないことである。

 言ってみれば、「青春18きっぷ」での普通列車の旅は、「プロセスを楽しむ旅」であると言える。私にとって何よりありがたいのは、本を読んだり音楽を聴いたりするためのまとまった時間が確保できるということである。本を読むのに飽きたら、車窓を流れる風景に目を楽しませればよいし、心地よい揺れに身を委ねて居眠りもできる。むしろ、日常を離れてありあまる時間を自由に活用できる贅沢な旅と言えるかもしれない。

 ところで、仙台を起点にすると、「青春18きっぷ」で1日でどこまで行けるのだろうか。例えば、東京までであれば、仙台からはほぼ7時間の旅である。東北本線を経由すると、朝6:05発の普通列車に乗れば13:07に上野(または池袋)に着く。一方海岸沿いの常磐線を経由すると、朝5:30の普通列車に乗れば12:40に上野に着く。常磐線のいい所は乗り換えが少ないので、かなりまとまった時間が手に入ることと(列車を選べば「いわき」1回で済む)、いわき周辺や日立周辺などところどころから海が望めることである。上野から先は東京に出て東海道本線を乗り継いで行けば、その日のうちに姫路までは行ける(23:58着)。ただ、さすがに東海道本線は本数も多く乗り継ぎも便利で、あまり駅周辺を散策したりする時間はなさそうである。

 こうしたことを時刻表を片手に確かめてみたりするのも楽しい。乗り継ぎ時間、乗れる列車などの「制約条件」をクリアしつつプランニングすることはパズルにも似た知的好奇心を満たす作業でもある気がする。特に、乗り継ぎができずダメだと思ったら違うルートがあって見事につながったりするのを見つけると、嬉しさのあまり思わず「おぉっ」とか言ってしまいそうになる。

 南は姫路まで行けることが分かった。それでは、朝一番で仙台を出ると北はどこまで行けるのだろうか。北に目を向けた時に「制約条件」となるのが、盛岡以北の東北本線の第三セクター化と青函トンネルを走る普通列車の廃止である。東北本線は盛岡から北、八戸までが東北新幹線の八戸開業に伴い、岩手県側がいわて銀河鉄道、青森県側が青い森鉄道という別会社の路線となった。「青春18きっぷ」はJRグループの切符なので、これらの路線では別料金がかかる。

 しかももともと赤字路線だけあって、JRと比べると割高である。新幹線と在来線では若干距離が異なるものの、JRの東北新幹線の盛岡−八戸間の乗車券は1,620円なのに対し、いわて銀河鉄道と青い森鉄道を乗り継いで普通列車で盛岡から八戸に行くと2,960円もかかる。せっかく青春18きっぷを使ってなるべくお金を使わずに旅行するためには、北に向かうに当たって盛岡以北の東北本線は事実上避けなければならないことになる。

 ならばどうするか。真っ先に思いつくのが日本海側を走る各線である。しかし、仙台を起点にすると、仙台から仙山線で山形に抜け奥羽本線で北上しても、仙台から小牛田まで行って陸羽東線を使って新庄に出て奥羽本線か陸羽西線と羽越本線を使って北上しても、仙台から北上(きたかみ)まで行きそこから北上線で横手に出て奥羽本線で北上しても、最終的にはその日のうちに青森までしか行けない。仙台から太平洋沿いに三陸沿岸を北上する手もあるが、それだとその日のうちに八戸着がやっとである。

 北に向かうとその日のうちに東北を抜けることはできないのだろうか。そこで改めて時刻表と路線図に目を向けると、抜け道があった。盛岡まで東北本線で北上、その後JR花輪線(盛岡から沼宮内までいわて銀河鉄道乗り入れ)で秋田の大館に向かえば、午後の早いうちに青森に到着できる(14:40着)。これだと盛岡から沼宮内までの分のいわて銀河鉄道の料金630円を払えば済む(それでも距離に比べて割高な感は否めないが)。

 そうすると北海道が見えてくるが、ここでまた「制約条件」となるのが、青函トンネルを走る普通列車が今はないことである。青森県と北海道を結ぶ青函トンネルには、以前は快速列車が走っていたが、今は特急しか走っていない。「青春18きっぷ」は通常特急に乗ると、自由席であっても特急券の他に乗車券までも必要となってしまう。しかし、これにはJRグループも例外条件を認めてくれていて、青森県側の蟹田から北海道側の木古内までなら普通列車が走っていないということで特急券さえ買えば、特急「白鳥」と「スーパー白鳥」に乗れる。ただし、この区間の前後も引き続き特急に乗ってしまうとやっぱり特急券の他に乗車券が必要になってしまうので、行きは北海道側の木古内、帰りは青森県側の蟹田で必ず特急から降りて普通列車に乗り換えなければならない。

 いずれにせよ、朝一番に出れば仙台からその日のうちに北海道に渡り、函館には行ける(20:05着)。そこから先は列車の関係で森までが限界で(22:10着)、札幌までは残念ながらたどり着けない。ちなみに、盛岡から大枚はたいて(?)いわて銀河鉄道、青い森鉄道を経て青森まで行っても、青森から蟹田まで行く列車が少なく結果は同じであった。

 なお、JR東日本の東北の路線図はここ(PDF形式)、JR北海道道南の路線図はここである。


追記(2007.1.13):「青春18きっぷ」とほぼ同時期に発売される「北海道&東日本パス」なら、「いわて銀河鉄道」や「青い森鉄道」も利用できる。そうすると、仙台発がもっと遅くても同じ時刻に函館にたどり着ける。目的地が北海道方面であれば利用を考えてもいいかもしれない。ただし、「北海道&東日本パス」は10,000円と「青春18きっぷ」より安いものの、期間内の連続5日間の使用に限られる。5日間まとまってのんびり旅行できる人(うらやましい!)以外にはメリットが小さいと言えるかもしれない。


追記(2011.9.16):「北海道&東日本パス」は昨年夏から「連続7日間で10,000円」とさらにお得になった。長期の休みがある学生で、東日本を旅行する人にはうってつけの切符である。

anagma5 at 21:16|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!