びいる亭
2007年05月08日
東北で地ビールが飲める店その22〜秋田県鹿角市
鹿角市は秋田県の北東端に位置する市である。日本三大ばやしに数えられる花輪ばやしや、毛馬内盆踊り、大日堂舞楽などの祭りで有名である。
私が初めて鹿角を訪れた時に不思議に思ったのは、NTTのタウンページである。その頃秋田のタウンページは、大館市や能代市などの秋田県北版、秋田市を中心とする秋田中央版、横手市や湯沢市などの秋田県南版などに分かれていたが、鹿角だけ別にタウンページとハローページが一緒になった鹿角版だったのである。鹿角は元々江戸地代は南部藩(岩手県、青森県東部)の領地で明治になってから秋田県に組み込まれたので、その影響なのかもしれない。確かに祭り一つ見ても隣の大館市とも異なる独自の文化が感じられる。
さて、この鹿角で地ビールの飲める店はあるかどうか、以前新庄で聞いたように地元商工会にまず聞いてみたが、「鹿角では地ビールも作っていないし、ビールのおいしい店も特にない」との話であった。
実際、鹿角市の中心部花輪地区を隈なく歩いてみたが、ビールをウリにしている店は残念ながら見つからなかった。ただ、花輪には全国に名の知れたホルモン焼き屋「幸楽」(上写真参照、鹿角市花輪字堰向5、TEL0186-23-3736、10:00〜23:00、無休)がある。秘伝のタレに漬け込んだ豚のホルモンをキャベツや豆腐などと一緒にジンギスカン鍋で焼くというスタイルで、鍋に載せた途端に食欲をそそる匂いが広がる。これがまた1人前500円と安い。ライス200円と合わせて700円で満足が得られるので、とてもリーズナブルである。なぜ鹿角でホルモンかと問うことなかれ。仙台の牛タンや遠野のジンギスカンのように、地元の人に受け入れられ、かつおいしい店があれば立派にその土地の名物となるのである。
さて、話が本筋から離れてしまったが、結局鹿角にビールのおいしい店はなかったのか、と言うとさにあらず。鹿角から十和田湖方面に向かって北上すると大湯温泉郷がある。近くには大湯環状列石や黒又山などの「不思議系」の観光スポットのある温泉だが、ここにあるホテル鹿角(左写真参照)のレストラン「ヴィラージュ」とバー「K's BAR」には、十和田八幡平麦酒があった。これは田沢湖ビールを醸造しているわらび座によるOEMのビールだが、観光地にふさわしいオリジナルのビールを出したいという意欲を買いたい。
十和田八幡平麦酒には鹿角(ヴァイツェン)、十和田(ピルスナー)、八幡平(ケルシュ)の3種があり、例えばりんごや山ぶどうなどの果物が取れる鹿角はフルーティーな香りのヴァイツェンなど、それぞれの地名のイメージと近い種類のビールが充てられている。K's BARでは、この十和田八幡平麦酒を地元の焼物で作られたジョッキで味わうことができる。また、締めには比内地鶏のガラで取ったあっさりスープが特徴の秋田比内地鶏ラーメンを味わうことができる。
ちなみに、この十和田八幡平ビール、ホテル鹿角以外にも、隣の小坂町から十和田湖に向かう途中の七滝近くにある「滝の茶屋 孫左衛門」でも味わうことができる。十和田湖の青森県側には以前紹介した奥入瀬ビールがあり、秋田県側にはこの十和田八幡平麦酒があるという構図である。
追記(2009.7.8):鹿角市の中心部花輪地区に、昨年3月「びいる亭 KAZUNO」がオープンした。他のびいる亭同様、ヴェデット・エクストラ・ホワイトの生を始め生ビール6種、それに世界各国のビールが飲める。上記のように、これまで花輪地区にはこうしたビールが飲める店が皆無だったので、これは実に嬉しいことである。
追記(2011.10.15):「びいる亭 KAZUNO」のヴェデット・エクストラ・ホワイトの樽生、びいる亭の中でも飲めるのはここだけだそうである。私が知る限りでも、それ以外と言うと、東北では以前紹介した仙台の「RED HOT」くらいしかないのではないかと思う。ヴェデットの他にも海外のビールが84種類、瓶で揃っていて、安心して好きなビールが飲めるのがよい。
なお、昼間は「カレーな時間(とき)」という名前の、カレーやパスタが食べられる店として営業している。以前、大館の「cafe shokudo 山舘」で食べられた薬膳カレーやスパイシーカレーが食べられるようである。
私が初めて鹿角を訪れた時に不思議に思ったのは、NTTのタウンページである。その頃秋田のタウンページは、大館市や能代市などの秋田県北版、秋田市を中心とする秋田中央版、横手市や湯沢市などの秋田県南版などに分かれていたが、鹿角だけ別にタウンページとハローページが一緒になった鹿角版だったのである。鹿角は元々江戸地代は南部藩(岩手県、青森県東部)の領地で明治になってから秋田県に組み込まれたので、その影響なのかもしれない。確かに祭り一つ見ても隣の大館市とも異なる独自の文化が感じられる。
さて、この鹿角で地ビールの飲める店はあるかどうか、以前新庄で聞いたように地元商工会にまず聞いてみたが、「鹿角では地ビールも作っていないし、ビールのおいしい店も特にない」との話であった。
実際、鹿角市の中心部花輪地区を隈なく歩いてみたが、ビールをウリにしている店は残念ながら見つからなかった。ただ、花輪には全国に名の知れたホルモン焼き屋「幸楽」(上写真参照、鹿角市花輪字堰向5、TEL0186-23-3736、10:00〜23:00、無休)がある。秘伝のタレに漬け込んだ豚のホルモンをキャベツや豆腐などと一緒にジンギスカン鍋で焼くというスタイルで、鍋に載せた途端に食欲をそそる匂いが広がる。これがまた1人前500円と安い。ライス200円と合わせて700円で満足が得られるので、とてもリーズナブルである。なぜ鹿角でホルモンかと問うことなかれ。仙台の牛タンや遠野のジンギスカンのように、地元の人に受け入れられ、かつおいしい店があれば立派にその土地の名物となるのである。
さて、話が本筋から離れてしまったが、結局鹿角にビールのおいしい店はなかったのか、と言うとさにあらず。鹿角から十和田湖方面に向かって北上すると大湯温泉郷がある。近くには大湯環状列石や黒又山などの「不思議系」の観光スポットのある温泉だが、ここにあるホテル鹿角(左写真参照)のレストラン「ヴィラージュ」とバー「K's BAR」には、十和田八幡平麦酒があった。これは田沢湖ビールを醸造しているわらび座によるOEMのビールだが、観光地にふさわしいオリジナルのビールを出したいという意欲を買いたい。
十和田八幡平麦酒には鹿角(ヴァイツェン)、十和田(ピルスナー)、八幡平(ケルシュ)の3種があり、例えばりんごや山ぶどうなどの果物が取れる鹿角はフルーティーな香りのヴァイツェンなど、それぞれの地名のイメージと近い種類のビールが充てられている。K's BARでは、この十和田八幡平麦酒を地元の焼物で作られたジョッキで味わうことができる。また、締めには比内地鶏のガラで取ったあっさりスープが特徴の秋田比内地鶏ラーメンを味わうことができる。
ちなみに、この十和田八幡平ビール、ホテル鹿角以外にも、隣の小坂町から十和田湖に向かう途中の七滝近くにある「滝の茶屋 孫左衛門」でも味わうことができる。十和田湖の青森県側には以前紹介した奥入瀬ビールがあり、秋田県側にはこの十和田八幡平麦酒があるという構図である。
追記(2009.7.8):鹿角市の中心部花輪地区に、昨年3月「びいる亭 KAZUNO」がオープンした。他のびいる亭同様、ヴェデット・エクストラ・ホワイトの生を始め生ビール6種、それに世界各国のビールが飲める。上記のように、これまで花輪地区にはこうしたビールが飲める店が皆無だったので、これは実に嬉しいことである。
追記(2011.10.15):「びいる亭 KAZUNO」のヴェデット・エクストラ・ホワイトの樽生、びいる亭の中でも飲めるのはここだけだそうである。私が知る限りでも、それ以外と言うと、東北では以前紹介した仙台の「RED HOT」くらいしかないのではないかと思う。ヴェデットの他にも海外のビールが84種類、瓶で揃っていて、安心して好きなビールが飲めるのがよい。
なお、昼間は「カレーな時間(とき)」という名前の、カレーやパスタが食べられる店として営業している。以前、大館の「cafe shokudo 山舘」で食べられた薬膳カレーやスパイシーカレーが食べられるようである。
2005年10月18日
東北で地ビールが飲める店その1〜秋田県大館市
以前も書いたかもしれないが、私はビールが好きである。ビール党と言われる人は全国各地にいるが、その東北本部宮城県支部仙台出張所所員くらいできるのではないかと自任しているほどである。
ビールと言っても、アサヒ、キリン、サッポロ、サントリーといった大手メーカーのビールではなく、地ビールや外国のビールが好きである。そのようなわけで、仕事や旅行などでどこかへ行った時の私の楽しみの一つは、その地域で作っている地ビールを味わうことである。
ただ、不満なのは、そうした形でビールを味わえる店が少ないということである。地酒はもちろん、最近はブームに乗って全国各地の様々な焼酎を出す店も増えてきているのだが、ことビールに限って言えば大手メーカーのビールを出して事足れりとしている店が多いのである。その結果、私は旅先で個性的なビールが飲める店を探すのに苦労することになる。
ところで、東北には地ビールが多い。その理由の一つは、ホップ(写真参照)の生産量が多いということが挙げられるかもしれない。ビールに欠かせないホップの国内生産量は平成16年度で459tだが、そのうち450t、実に98%を東北で生産しているのである。(東北農政局「東北の地域特産物」より)生産量のシェアを県別に見ると、岩手が44%で、次いで秋田が28%、山形20%、青森8%となっている。
ただし、これらのホップのほとんどは大手ビール会社との契約栽培で作られており、地ビールに回る分はそれほど多くない。従って、大部分の地ビールは原料となる麦もホップも海外から輸入して作られており、必ずしもその土地に関わりの深い味となっていないケースも多いのだが、それでも地ビールは醸造所によって味が異なるので、そこでしか飲めないビールという点ではローカル色豊かであると言える。
さて、新コーナーでは東北で地ビールなど個性的なビールが飲める店を紹介していきたい。これはネットを検索しても意外に情報が少ない。一番充実しているのは、日本地ビール協会のサイトの中の「地ビール・輸入ビールが飲める店」だと思われるが、特に東北について言えばまだまだ情報が少ないようである。
今回、久しぶりに秋田県北の都市大館市に滞在した。ここはかつて紹介したようにハチ公の故郷であり、きりたんぽのおいしい町であるが、おいしいビールが飲める店についての情報はネット上になかった。それならばと現地で足で探し回った。
大館の繁華街はJR花輪線の東大館駅周辺であり、ここを歩き回ったがビールのおいしそうな店はなかった。唯一「ビアホール」と銘打っていた店は閉店しており、これは酒屋で銀河高原ビールを買ってホテルに帰って飲むしかないかとあきらめかけた。と、その時とある焼肉屋から出てきた4、5名のグループの一人が「この流れはこのまま『びいる亭』かあ」などと言っているのが聞こえた。
そう、「びいる亭」(大館市大町79大町ビル1F、TEL0186 -49-6714)。この店のことを忘れていた。名前だけは聞いたことがあったが、行ったことはまだなかった。でも名前からしてここならきっとおいしいビールがあるに違いないと思い、そのグループの後についてびいる亭に行った。
入ってみて、期待通りここはビール好きにふさわしい店だと思った。地ビールこそ置いていないが、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、オセアニア、アフリカなど、世界の様々な地域の代表的なビールが置いてある。特にベルギーやドイツといった私の好みのビールの種類が多いのがうれしかった。
メニューにはそれぞれのビールについて分かりやすい解説もつけられており、それを見ているだけで勉強になった。単価はほとんど一瓶800円から1000円くらいで、それほど安いわけではないが、この品揃えを見ればそれも頷ける。これほどの種類のビールを揃えている店は仙台市内にもないのではないかと思われる。いい店を見つけたと思った。
びいる亭を出ていい気分で歩いていてもう一軒見つけた。白樺苑(大館市字桂城14、TEL0186 -42-0352)という中華料理店であるが、表のメニューによると、ここでは秋田市の地ビール、あくらビールのAボック、Qボックが飲める。中華料理店だけあって中華のメニューも豊富だが、目を引いたのは自家製手打ち麺のラーメン類であった。今回は行けなかったが、次はぜひ行ってみようと思う。
追記(2011.10.18):上記の「びいる亭」だが、「白生」(ヒューガルデンの樽生)や「赤生」(ベルビュークリークの樽生)がなくなって、ドイツやベルギーを始めとする海外のビールは、瓶のみとなっていた。それでも、84種類ものビールを揃えているのはさすがである。
白樺苑の方は、あくらビールがなくなっていた。残念である。ラーメンも麺が替わって、中太のストレートの麺になっていた。
追記(2013.11.11): 「居酒屋WASABI」は、比内地鶏や秋田純米牛など地元の食材をふんだんに使った料理が美味しい店だが、ここでは何と、あくらビールの樽生が常時4種類飲める。もちろん、秋田県北で唯一ということである。
ビールと言っても、アサヒ、キリン、サッポロ、サントリーといった大手メーカーのビールではなく、地ビールや外国のビールが好きである。そのようなわけで、仕事や旅行などでどこかへ行った時の私の楽しみの一つは、その地域で作っている地ビールを味わうことである。
ただ、不満なのは、そうした形でビールを味わえる店が少ないということである。地酒はもちろん、最近はブームに乗って全国各地の様々な焼酎を出す店も増えてきているのだが、ことビールに限って言えば大手メーカーのビールを出して事足れりとしている店が多いのである。その結果、私は旅先で個性的なビールが飲める店を探すのに苦労することになる。
ところで、東北には地ビールが多い。その理由の一つは、ホップ(写真参照)の生産量が多いということが挙げられるかもしれない。ビールに欠かせないホップの国内生産量は平成16年度で459tだが、そのうち450t、実に98%を東北で生産しているのである。(東北農政局「東北の地域特産物」より)生産量のシェアを県別に見ると、岩手が44%で、次いで秋田が28%、山形20%、青森8%となっている。
ただし、これらのホップのほとんどは大手ビール会社との契約栽培で作られており、地ビールに回る分はそれほど多くない。従って、大部分の地ビールは原料となる麦もホップも海外から輸入して作られており、必ずしもその土地に関わりの深い味となっていないケースも多いのだが、それでも地ビールは醸造所によって味が異なるので、そこでしか飲めないビールという点ではローカル色豊かであると言える。
さて、新コーナーでは東北で地ビールなど個性的なビールが飲める店を紹介していきたい。これはネットを検索しても意外に情報が少ない。一番充実しているのは、日本地ビール協会のサイトの中の「地ビール・輸入ビールが飲める店」だと思われるが、特に東北について言えばまだまだ情報が少ないようである。
今回、久しぶりに秋田県北の都市大館市に滞在した。ここはかつて紹介したようにハチ公の故郷であり、きりたんぽのおいしい町であるが、おいしいビールが飲める店についての情報はネット上になかった。それならばと現地で足で探し回った。
大館の繁華街はJR花輪線の東大館駅周辺であり、ここを歩き回ったがビールのおいしそうな店はなかった。唯一「ビアホール」と銘打っていた店は閉店しており、これは酒屋で銀河高原ビールを買ってホテルに帰って飲むしかないかとあきらめかけた。と、その時とある焼肉屋から出てきた4、5名のグループの一人が「この流れはこのまま『びいる亭』かあ」などと言っているのが聞こえた。
そう、「びいる亭」(大館市大町79大町ビル1F、TEL0186 -49-6714)。この店のことを忘れていた。名前だけは聞いたことがあったが、行ったことはまだなかった。でも名前からしてここならきっとおいしいビールがあるに違いないと思い、そのグループの後についてびいる亭に行った。
入ってみて、期待通りここはビール好きにふさわしい店だと思った。地ビールこそ置いていないが、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、オセアニア、アフリカなど、世界の様々な地域の代表的なビールが置いてある。特にベルギーやドイツといった私の好みのビールの種類が多いのがうれしかった。
メニューにはそれぞれのビールについて分かりやすい解説もつけられており、それを見ているだけで勉強になった。単価はほとんど一瓶800円から1000円くらいで、それほど安いわけではないが、この品揃えを見ればそれも頷ける。これほどの種類のビールを揃えている店は仙台市内にもないのではないかと思われる。いい店を見つけたと思った。
びいる亭を出ていい気分で歩いていてもう一軒見つけた。白樺苑(大館市字桂城14、TEL0186 -42-0352)という中華料理店であるが、表のメニューによると、ここでは秋田市の地ビール、あくらビールのAボック、Qボックが飲める。中華料理店だけあって中華のメニューも豊富だが、目を引いたのは自家製手打ち麺のラーメン類であった。今回は行けなかったが、次はぜひ行ってみようと思う。
追記(2011.10.18):上記の「びいる亭」だが、「白生」(ヒューガルデンの樽生)や「赤生」(ベルビュークリークの樽生)がなくなって、ドイツやベルギーを始めとする海外のビールは、瓶のみとなっていた。それでも、84種類ものビールを揃えているのはさすがである。
白樺苑の方は、あくらビールがなくなっていた。残念である。ラーメンも麺が替わって、中太のストレートの麺になっていた。
追記(2013.11.11): 「居酒屋WASABI」は、比内地鶏や秋田純米牛など地元の食材をふんだんに使った料理が美味しい店だが、ここでは何と、あくらビールの樽生が常時4種類飲める。もちろん、秋田県北で唯一ということである。
2004年10月13日
東北の食べ処その3〜秋田県北地方
秋田県の北部も個性的でおいしい店の多い所である。特に、大館市は秋田の代表的な郷土料理であるきりたんぽの店が多い。きりたんぽ発祥の地は隣の鹿角市だそうだが、店の数や知名度で言えば大館の方が上である。
大館と言えば、かのハチ公の故郷でもある。それにちなんで、実はJR大館駅前にも渋谷駅前と同様にハチ公の銅像が立っている。しかし、JR大館駅が街中から少し外れていることもあって、こちらのハチ公前で待ち合わせをする人はほとんどいない(笑)。
昔のきりたんぽや(写真、大館市大館75-5、TEL0186-43-4040、11:30〜14:00、17:00〜20:00(9月中旬〜5月中旬のみ営業)、月曜定休)
ここのご主人は、漫画「美味しんぼ」にも実名で登場して、「本物のきりたんぽ」について熱く語っている。事実、比内地鶏と野菜から何時間もかけてつくるスープ、手作りで炭火で焼くきりたんぽなど、敢えて手間をかけてつくるここのきりたんぽ鍋は、文句なくおいしい。
私はそれまできりたんぽは好きではなかったが(仙台でも出す店があるがおいしいと思わなかったのである)、ここのきりたんぽを一たび食べて、今や大好物へと変わったくらいである。
運がいいと、栽培ものではない天然ものの舞茸が入ってくることもある。きりたんぽを出す店の多い大館市内でも、きりたんぽだけを出す専門店はここともう一軒くらいしかない。
夏になるときりたんぽを作る米の味が下がるからと言って、夏の間は店を閉め、新米が出る季節になるとまた店を開く。一日に作る量が決まっているので、予約してから行った方が確実。
おすすめ:もちろん、きりたんぽ鍋
飛騨ラーメン(大館市片山町3-5-38 、TEL0186-49-4254、11:00〜19:30、不定休)
大館にはひそかにラーメンのおいしい店が多いが、ここはその代表格。手打ちの麺に魚のダシが効いた濃い色の醤油のスープがよく合う。元はフランス料理のシェフをしていたというご主人のコック帽がチャームポイント。
飛騨は奥さんの実家なのだと言う。確かに、飛騨に行った時に食べたラーメンも醤油味で魚の旨みが効いたあっさり味のラーメンだった。
元々評判はよかったが、最近では「行列のできる店」となってしまった。東京などに行くと行列のできる店は数多いが、人口5万人の町で行列ができるこの店の方がすごいと思う。
おすすめ:中華そば
安好る(あんこうる)(大館市清水1丁目1-76-1、TEL0186-42-0306 、11:30〜15:00、17:00〜19:00、月曜定休)
大館では比較的新しいお店だが、やはりあっさり醤油味のおいしいラーメンを食べさせてくれる。カレーも素朴な味でおいしいのでどっちも頼みたくなる。
ただし、両方頼む場合は、味の濃いカレーは後に出してもらうのがよいと思う。先にカレーを食べてしまうと、ラーメンの方の微妙な旨みがよく分からなくなる可能性が大なので。
おすすめ:中華そば、カレーライス
十八番(能代市追分2-50、TEL0185-52-7535、11:00〜14:00、土日祝日定休)
平日の昼の間しか営業していないのでなかなか行きづらいが、ここでは他のどこのとも違うラーメンが食べられる。「トッピング」のレモンの切れ端やスープに浮かぶ大小のナッツ類、「調味料」としてテーブルに置かれたアルカリイオン水など、すべてがどこのラーメンとも似ていないここだけのオリジナル。そして、おいしい。
ここも昼は地元の人が行列を作っている。ガイドブックなどにはほとんど出てこないが、実に味わい深い。
おすすめ:みそラーメン、しょうゆラーメン、しおラーメン、どれもおいしい
切田屋(鹿角市花輪下花輪168、TEL0186-23-2083、11:00〜18:30、月曜定休)
鹿角市は江戸時代は今の岩手県と同じ南部藩だった。そのせいかどうか、鹿角地方の「タウンページ」は大館や能代の「秋田県北版」とは別になっていて、とても薄いのでハローページも一緒になっている。
岩手県は現在山形県や福島県の会津地方と並ぶ東北のそば処だが、鹿角市の中心部花輪にあるこの店でもその岩手県と同じような細打ちの手打ちそばが食べられる。狙い目は限定の10割そば。デザートにはそばシャーベットもおいしい。
おすすめ:手打ち十割そば、そばシャーベット
追記(2005.10.18):ショック!大館の飛騨ラーメンがこの8月末で店を閉めたらしく、今月久々に行ってみたら既に別の店になっていた。新しい店はいろんな地域のラーメンが食べられるというありがちな店だったので、入らなかった。
安好るは健在で、あっさり味の中華そばはやっぱりおいしい。ただ、能代の十八番の影響か、レモンのかけらが入るようになっていた。口に残るような木の実は入っていないが、何かがスープに浮いていた。これも十八番の影響かも。
その十八番は長らく休業中だったが、今月行ったら店を開いていた。ただし、休日がこれまでの土日祝に水曜も加わったので注意。相変わらずおいしかった。
追記(2007.4.3):大館市にあるカレー&パスタ専門店「cafe shokudo 山舘(やまだて)」(大館市山館字田尻197-2、TEL0186-43-5828、11:00-15:00、17:00-21:00、水曜定休)は、恐らく秋田県北で本格的なカレーが食べられる唯一の店である。以前紹介した(ココとココとココ)「びいる亭」に「名刺」が置いてあったので、「びいる亭」の関連店なのだろう。
中辛の「山舘カレー」(印度カシミールカレー)、辛口の「薬膳カレー」(ひき肉&20種類のスパイス)、甘口の「昔のカレー」(三種の刻み野菜入)の他、「チキンとじゃがいものカレー」、「オムレツカレー」、「ラムカレー」(いずれも中辛)の6種のカレーがある。辛さ指定もできるが、辛さの度合いに応じて追加料金がある。
私はカレーしか食べていないが、パスタはスパゲッティだけでなく、ペンネやらせん状の形のフスィリなどのショートパスタも含めて47種類もある。中でも「大館名物パスタ」と銘打った「漬物あんかけパスタ」、「ネバずるパスタ」(多分納豆)、「いぶりガッコの和風クリーム」が気になるところである。でも、多分次もカレーを食べてしまうに違いない。
同じ建物内には他に、「名所居酒屋 はずれ」(大館のはずれにある新名所というのがネーミングの由来だそうである)がある。「はずれ」に対してやはり同じ建物内には最初七輪焼きの店でその後予約貸切宴会場となった「あたり」があったが、この4月5日からは「御食事居酒屋 馬肉×蒸し料理 うまが、会う」として新装オープンすることになったそうである。一連のネーミングのセンス、何とも言えない味がある。
大館と言えば、かのハチ公の故郷でもある。それにちなんで、実はJR大館駅前にも渋谷駅前と同様にハチ公の銅像が立っている。しかし、JR大館駅が街中から少し外れていることもあって、こちらのハチ公前で待ち合わせをする人はほとんどいない(笑)。
昔のきりたんぽや(写真、大館市大館75-5、TEL0186-43-4040、11:30〜14:00、17:00〜20:00(9月中旬〜5月中旬のみ営業)、月曜定休)
ここのご主人は、漫画「美味しんぼ」にも実名で登場して、「本物のきりたんぽ」について熱く語っている。事実、比内地鶏と野菜から何時間もかけてつくるスープ、手作りで炭火で焼くきりたんぽなど、敢えて手間をかけてつくるここのきりたんぽ鍋は、文句なくおいしい。
私はそれまできりたんぽは好きではなかったが(仙台でも出す店があるがおいしいと思わなかったのである)、ここのきりたんぽを一たび食べて、今や大好物へと変わったくらいである。
運がいいと、栽培ものではない天然ものの舞茸が入ってくることもある。きりたんぽを出す店の多い大館市内でも、きりたんぽだけを出す専門店はここともう一軒くらいしかない。
夏になるときりたんぽを作る米の味が下がるからと言って、夏の間は店を閉め、新米が出る季節になるとまた店を開く。一日に作る量が決まっているので、予約してから行った方が確実。
おすすめ:もちろん、きりたんぽ鍋
飛騨ラーメン(大館市片山町3-5-38 、TEL0186-49-4254、11:00〜19:30、不定休)
大館にはひそかにラーメンのおいしい店が多いが、ここはその代表格。手打ちの麺に魚のダシが効いた濃い色の醤油のスープがよく合う。元はフランス料理のシェフをしていたというご主人のコック帽がチャームポイント。
飛騨は奥さんの実家なのだと言う。確かに、飛騨に行った時に食べたラーメンも醤油味で魚の旨みが効いたあっさり味のラーメンだった。
元々評判はよかったが、最近では「行列のできる店」となってしまった。東京などに行くと行列のできる店は数多いが、人口5万人の町で行列ができるこの店の方がすごいと思う。
おすすめ:中華そば
安好る(あんこうる)(大館市清水1丁目1-76-1、TEL0186-42-0306 、11:30〜15:00、17:00〜19:00、月曜定休)
大館では比較的新しいお店だが、やはりあっさり醤油味のおいしいラーメンを食べさせてくれる。カレーも素朴な味でおいしいのでどっちも頼みたくなる。
ただし、両方頼む場合は、味の濃いカレーは後に出してもらうのがよいと思う。先にカレーを食べてしまうと、ラーメンの方の微妙な旨みがよく分からなくなる可能性が大なので。
おすすめ:中華そば、カレーライス
十八番(能代市追分2-50、TEL0185-52-7535、11:00〜14:00、土日祝日定休)
平日の昼の間しか営業していないのでなかなか行きづらいが、ここでは他のどこのとも違うラーメンが食べられる。「トッピング」のレモンの切れ端やスープに浮かぶ大小のナッツ類、「調味料」としてテーブルに置かれたアルカリイオン水など、すべてがどこのラーメンとも似ていないここだけのオリジナル。そして、おいしい。
ここも昼は地元の人が行列を作っている。ガイドブックなどにはほとんど出てこないが、実に味わい深い。
おすすめ:みそラーメン、しょうゆラーメン、しおラーメン、どれもおいしい
切田屋(鹿角市花輪下花輪168、TEL0186-23-2083、11:00〜18:30、月曜定休)
鹿角市は江戸時代は今の岩手県と同じ南部藩だった。そのせいかどうか、鹿角地方の「タウンページ」は大館や能代の「秋田県北版」とは別になっていて、とても薄いのでハローページも一緒になっている。
岩手県は現在山形県や福島県の会津地方と並ぶ東北のそば処だが、鹿角市の中心部花輪にあるこの店でもその岩手県と同じような細打ちの手打ちそばが食べられる。狙い目は限定の10割そば。デザートにはそばシャーベットもおいしい。
おすすめ:手打ち十割そば、そばシャーベット
追記(2005.10.18):ショック!大館の飛騨ラーメンがこの8月末で店を閉めたらしく、今月久々に行ってみたら既に別の店になっていた。新しい店はいろんな地域のラーメンが食べられるというありがちな店だったので、入らなかった。
安好るは健在で、あっさり味の中華そばはやっぱりおいしい。ただ、能代の十八番の影響か、レモンのかけらが入るようになっていた。口に残るような木の実は入っていないが、何かがスープに浮いていた。これも十八番の影響かも。
その十八番は長らく休業中だったが、今月行ったら店を開いていた。ただし、休日がこれまでの土日祝に水曜も加わったので注意。相変わらずおいしかった。
追記(2007.4.3):大館市にあるカレー&パスタ専門店「cafe shokudo 山舘(やまだて)」(大館市山館字田尻197-2、TEL0186-43-5828、11:00-15:00、17:00-21:00、水曜定休)は、恐らく秋田県北で本格的なカレーが食べられる唯一の店である。以前紹介した(ココとココとココ)「びいる亭」に「名刺」が置いてあったので、「びいる亭」の関連店なのだろう。
中辛の「山舘カレー」(印度カシミールカレー)、辛口の「薬膳カレー」(ひき肉&20種類のスパイス)、甘口の「昔のカレー」(三種の刻み野菜入)の他、「チキンとじゃがいものカレー」、「オムレツカレー」、「ラムカレー」(いずれも中辛)の6種のカレーがある。辛さ指定もできるが、辛さの度合いに応じて追加料金がある。
私はカレーしか食べていないが、パスタはスパゲッティだけでなく、ペンネやらせん状の形のフスィリなどのショートパスタも含めて47種類もある。中でも「大館名物パスタ」と銘打った「漬物あんかけパスタ」、「ネバずるパスタ」(多分納豆)、「いぶりガッコの和風クリーム」が気になるところである。でも、多分次もカレーを食べてしまうに違いない。
同じ建物内には他に、「名所居酒屋 はずれ」(大館のはずれにある新名所というのがネーミングの由来だそうである)がある。「はずれ」に対してやはり同じ建物内には最初七輪焼きの店でその後予約貸切宴会場となった「あたり」があったが、この4月5日からは「御食事居酒屋 馬肉×蒸し料理 うまが、会う」として新装オープンすることになったそうである。一連のネーミングのセンス、何とも言えない味がある。