仙北市
2011年11月30日
東北の逸品その24〜日本一大きい「西明寺栗」
秋の味覚と言えば、柿と並んで思い浮かぶのが栗である。秋田県仙北市の旧西木村西明寺地区には、大きさが日本一と言われる大きな栗がある。それが「西明寺栗」である。秋田藩の殿様が京都や岐阜などから栗を取り寄せて栽培を奨励させたのが始まりだそうだが、西明寺地区の農家が代々栽培を続け、自然交配による改良を続けた結果、現在のような大きな栗のなる地域となったのだそうである。藩政時代には、この大きな栗を年貢米の代わりに納めていたとも伝えられている。
西明寺栗では、通常よく市場に出回るMサイズはあまりなく、最低でも大きさが3cm超、重さが30g前後のLサイズで、その上のLLサイズがあり、さらにその上の3Lサイズがある。3Lともなると、大きさが4cmにも達する。毎年行われる「西明寺栗 年度日本一コンクール」では過去、幅5.7cm、高さ4.7cm、重さ66gという3Lサイズも超える超特大の栗が出品されたこともあるそうである。
と、数値を並べても今ひとつピンと来ないかもしれないが、この西明寺栗、「赤ちゃんのこぶし大の大きさ」とも形容される。どこかにそれを示した写真でもないかと思ったら、実際にネット上にあった(参照サイト)。写真を見ると赤ちゃんのこぶしどころか、それよりはるかに大きいのが分かる。
このように、とかくその大きさが取り沙汰される西明寺栗だが、もちろん味もよく、決して「大味」ということはない。栗ご飯にもなるようだが、渋皮が薄く、煮崩れしない特徴があるため、渋皮煮で食べられることが多いようである。
というわけで、実際にその渋皮煮を作ってみたところ、確かにおいしかった。鬼皮を剥いたりアクを抜いたりする手間はあるが、手間を掛けた分以上の満足が得られる。渋皮煮が面倒くさいという場合は、その大きさを生かして鬼皮ごと茹でて、半割にしてスプーンで食べるというのもよいそうである。
西明寺栗では、通常よく市場に出回るMサイズはあまりなく、最低でも大きさが3cm超、重さが30g前後のLサイズで、その上のLLサイズがあり、さらにその上の3Lサイズがある。3Lともなると、大きさが4cmにも達する。毎年行われる「西明寺栗 年度日本一コンクール」では過去、幅5.7cm、高さ4.7cm、重さ66gという3Lサイズも超える超特大の栗が出品されたこともあるそうである。
と、数値を並べても今ひとつピンと来ないかもしれないが、この西明寺栗、「赤ちゃんのこぶし大の大きさ」とも形容される。どこかにそれを示した写真でもないかと思ったら、実際にネット上にあった(参照サイト)。写真を見ると赤ちゃんのこぶしどころか、それよりはるかに大きいのが分かる。
このように、とかくその大きさが取り沙汰される西明寺栗だが、もちろん味もよく、決して「大味」ということはない。栗ご飯にもなるようだが、渋皮が薄く、煮崩れしない特徴があるため、渋皮煮で食べられることが多いようである。
というわけで、実際にその渋皮煮を作ってみたところ、確かにおいしかった。鬼皮を剥いたりアクを抜いたりする手間はあるが、手間を掛けた分以上の満足が得られる。渋皮煮が面倒くさいという場合は、その大きさを生かして鬼皮ごと茹でて、半割にしてスプーンで食べるというのもよいそうである。
2011年10月29日
東北をめぐる鉄道の旅その9〜秋田内陸縦貫鉄道
秋田内陸縦貫鉄道(秋田内陸線)は、秋田県の県北にある北秋田市の鷹巣(たかのす)と中央部にある仙北市の角館町とを結ぶ総延長94.2kmの私鉄である。
この94.2kmという距離は、東北新幹線の新青森延伸に伴って移管された青森県内の旧JR東北本線の青い森鉄道の121.9kmや、三陸沿岸を走る北リアス線(71.0km)と南リアス線(36.6km)を合わせた三陸鉄道の総延長107.6km(現在は震災の影響で休止中である)にこそ及ばないものの、東北の私鉄としては長い部類に属する。
南端の角館町は黒塀の武家屋敷に映える枝垂桜で有名な東北屈指の桜の名所である。春の桜の時期には、この角館からJR鷹ノ巣駅とホームを共有する北端の鷹巣駅でJR奥羽本線に乗り入れ、岩木山をバックに弘前城址に咲き誇るソメイヨシノでやはり東北屈指の桜の名所として知られる青森県の弘前市を行き来する臨時列車「快速弘前お城とさくら号」、「快速角館武家屋敷とさくら号」も走る。最近では社長を公募したことでも話題を呼んだ。
沿線には、以前紹介した私曰く「東北最後の秘境」である森吉山がある。阿仁前田駅の駅舎「クウィンス森吉」内にある温泉も名物である。この温泉、ありがちな加水・加温・循環などではなく、源泉かけ流しである。車窓から見える山里の景色の中をのんびり走る列車は、先を急ぐ旅とは無縁の、時間を贅沢に使った旅にはピッタリである。
車窓からの「絶景ポイント」や沿線の見どころをピックアップしたパンフレットが有人の駅で手に入る。パンフレットは角館起点で書かれているが、逆に県北の方を起点として見てみる。例えば県北の中心都市大館市からは、大館発6:24のJR奥羽本線快速秋田行に乗ると、鷹ノ巣6:38着である。秋田内陸縦貫鉄道の鷹巣発6:39の角館行始発列車への乗り換え時間は1分しかないが、先に書いたように両線はホームを共有しているので、ちゃんと乗り換えができる。
秋田内陸縦貫鉄道の車両は、様々な色に塗られているので、列車待ち合わせ時には反対側から来る列車の色も楽しめる。駅によっては阿仁合い駅のように10分以上停車するところがあるので、列車を降りて駅舎に足を運んだりすることもできる。駅では沿線地域の観光パンフレットなども入手できる。
秋田内陸縦貫鉄道のパンフレットにある「絶景ポイント」は角館寄りに多いので、後半は見どころの連続である。そのようにして車窓からの景色を楽しみつつ角館に着くのは9:21である。ここから秋田方面に向かうには、まず9:43のJR田沢湖線大曲行に乗る。JR角館駅併設の土産店を覗くくらいの時間はある。大曲には10:03着で、大曲からは10:28発のJR奥羽本線秋田行がある。やはり時間があるので、大曲駅周辺を散策する時間がある。秋田には11:20着である。
秋田方面とは逆に盛岡方面に向かおうとすると、角館発15:17発の盛岡行まで列車がないので、自動的に角館散策となる(もちろん秋田新幹線を使えば別だが)。ちなみに、土曜日や一部の休日は角館12:13発の田沢湖行があるので、この列車がある日なら田沢湖散策も可能である。
このように東北でJRの普通列車と私鉄の両方を利用する場合は、「東北ローカル線パス」が便利である。金土日か土日月の3日有効で6,000円、新幹線を除く東北地方のJR各線と、仙台市地下鉄と仙台空港アクセス線と津軽鉄道を除く東北地方の私鉄各線が乗り放題である。今年は11月26日までの発売である。
追記(2012.6.5):今年の「東北ローカル線パス」は、2月1日から4月14日(利用は2月3日から4月16日)までの期間発売されたのに続いて、東北の28エリアを博覧会場に見立てた「東北観光博」が2013年3月31日まで開催されているのに合わせて、5月31日から2013年1月26日までの長期間に亘って発売されることになった(利用は6月1日から2013年1月28日)。東北各地をローカル線でのんびり巡る旅にはうってつけである。
この94.2kmという距離は、東北新幹線の新青森延伸に伴って移管された青森県内の旧JR東北本線の青い森鉄道の121.9kmや、三陸沿岸を走る北リアス線(71.0km)と南リアス線(36.6km)を合わせた三陸鉄道の総延長107.6km(現在は震災の影響で休止中である)にこそ及ばないものの、東北の私鉄としては長い部類に属する。
南端の角館町は黒塀の武家屋敷に映える枝垂桜で有名な東北屈指の桜の名所である。春の桜の時期には、この角館からJR鷹ノ巣駅とホームを共有する北端の鷹巣駅でJR奥羽本線に乗り入れ、岩木山をバックに弘前城址に咲き誇るソメイヨシノでやはり東北屈指の桜の名所として知られる青森県の弘前市を行き来する臨時列車「快速弘前お城とさくら号」、「快速角館武家屋敷とさくら号」も走る。最近では社長を公募したことでも話題を呼んだ。
沿線には、以前紹介した私曰く「東北最後の秘境」である森吉山がある。阿仁前田駅の駅舎「クウィンス森吉」内にある温泉も名物である。この温泉、ありがちな加水・加温・循環などではなく、源泉かけ流しである。車窓から見える山里の景色の中をのんびり走る列車は、先を急ぐ旅とは無縁の、時間を贅沢に使った旅にはピッタリである。
車窓からの「絶景ポイント」や沿線の見どころをピックアップしたパンフレットが有人の駅で手に入る。パンフレットは角館起点で書かれているが、逆に県北の方を起点として見てみる。例えば県北の中心都市大館市からは、大館発6:24のJR奥羽本線快速秋田行に乗ると、鷹ノ巣6:38着である。秋田内陸縦貫鉄道の鷹巣発6:39の角館行始発列車への乗り換え時間は1分しかないが、先に書いたように両線はホームを共有しているので、ちゃんと乗り換えができる。
秋田内陸縦貫鉄道の車両は、様々な色に塗られているので、列車待ち合わせ時には反対側から来る列車の色も楽しめる。駅によっては阿仁合い駅のように10分以上停車するところがあるので、列車を降りて駅舎に足を運んだりすることもできる。駅では沿線地域の観光パンフレットなども入手できる。
秋田内陸縦貫鉄道のパンフレットにある「絶景ポイント」は角館寄りに多いので、後半は見どころの連続である。そのようにして車窓からの景色を楽しみつつ角館に着くのは9:21である。ここから秋田方面に向かうには、まず9:43のJR田沢湖線大曲行に乗る。JR角館駅併設の土産店を覗くくらいの時間はある。大曲には10:03着で、大曲からは10:28発のJR奥羽本線秋田行がある。やはり時間があるので、大曲駅周辺を散策する時間がある。秋田には11:20着である。
秋田方面とは逆に盛岡方面に向かおうとすると、角館発15:17発の盛岡行まで列車がないので、自動的に角館散策となる(もちろん秋田新幹線を使えば別だが)。ちなみに、土曜日や一部の休日は角館12:13発の田沢湖行があるので、この列車がある日なら田沢湖散策も可能である。
このように東北でJRの普通列車と私鉄の両方を利用する場合は、「東北ローカル線パス」が便利である。金土日か土日月の3日有効で6,000円、新幹線を除く東北地方のJR各線と、仙台市地下鉄と仙台空港アクセス線と津軽鉄道を除く東北地方の私鉄各線が乗り放題である。今年は11月26日までの発売である。
追記(2012.6.5):今年の「東北ローカル線パス」は、2月1日から4月14日(利用は2月3日から4月16日)までの期間発売されたのに続いて、東北の28エリアを博覧会場に見立てた「東北観光博」が2013年3月31日まで開催されているのに合わせて、5月31日から2013年1月26日までの長期間に亘って発売されることになった(利用は6月1日から2013年1月28日)。東北各地をローカル線でのんびり巡る旅にはうってつけである。
2006年04月13日
東北で地ビールが飲める店その10〜秋田県仙北市
いわゆる「平成の大合併」によって、全国的に市町村合併が頻繁に行われた結果、平成16年4月1日時点で3,100だった市町村は、今年3月31日時点で2,289にまで減少した。中でも秋田県は65あった市町村が25になり、東北で最も市町村の減少率が大きく、市町村合併が最も進んだ県と言える。合併後は中核となる市の名称をそのまま引き継ぐ例もあるが、新たな名称となった市も多い(北秋田市、潟上市、仙北市、大仙市、由利本荘市、にかほ市など)。
この中で、秋田県仙北市は、旧田沢湖町、旧角館町、旧西木村の3町村が合併してできた人口33,000人余りの市である。合併によって日本一の水深423mを誇る田沢湖と武家屋敷群で有名な「みちのくの小京都」角館という秋田の2大観光地を有することになった。余談だが、これら2つに比べてあまり目立たないものの、旧西木村で毎年2月に行われる「紙風船上げ」はとても幻想的で一見に値する祭りである。
ところで、この仙北市に属する旧田沢湖町には、地ビールの醸造所が2箇所ある。同じ市町村に複数の地ビール醸造所がある場所は、東北では他に「ステラ・モンテ」と「ベアレン醸造所」がある盛岡市と、「天童タワー」と「湯坊いちらく」がある山形県天童市くらいである。旧田沢湖町にある2つの地ビールは、以前紹介した秋田にある3つの地ビールのうちの2つ、「田沢湖ビール」と「湖畔の杜ビール」である。どちらも田沢湖にちなんだ名前がついており、正直知らない人は混同してしまう恐れもありそうだが、中身はそれぞれ個性的できちんと差別化ができているところが素晴らしい。
まず「田沢湖ビール」は秋田県の地ビール第1号であり、いわゆる地ビールらしい地ビールである。麦芽と水とホップ、酵母のみから作り、その酵母をいっさい濾過しないという、典型的な地ビールである。アルト、ケルシュ、ヴァイツェン、ダークラガー、ピルスナーなど地ビール好きには馴染みのビールの他、秋田のブナの樹から採れた日本で初めての「ブナ天然酵母」と日本一のブナの巨木を有する奥羽山脈和賀山塊の「ブナの水」を用いた「ぶなの森ビール」や、秋田県麦酒醸造技術研究会で共同開発したホップポリフェノールを多く残した「ヴィーナス」や桜の木から取れた酵母を使用した「桜酵母ビール」がある。
醸造しているのは、主に東北を題材にしたミュージカルを手掛けて固定ファンも多い、劇団わらび座である。このわらび座の劇場がある「たざわこ芸術村」は、田沢湖からは離れるが、わらび劇場、ブルワリーレストラン(写真参照)、温泉ゆぽぽ、ホテルゆぽぽ、お食事処ばっきゃ、森林工芸館、デジタル・アート・ファクトリー、化石館、民族芸術研究所などからなる複合的文化エリアである。温泉もホテルもあるので、温泉にのんびり浸かって、風呂上がりに地ビールという「極楽体験」ができる。ブルワリーレストランではイタリアンやフレンチを中心とした洋食(メニュー)、お食事処ばっきゃでは和食(メニュー)が味わえる。どちらも地元の食材などを上手に利用したメニューが中心で、こだわりのビール同様こだわりの料理が味わえる。
田沢湖ビールは、OEM(相手先ブランド製造)にも力を入れている。最近話題を呼んだところでは日本で最初にビールが醸造された東京都品川区の立合川商店街の「品川縣ビール研究会」からの委託で、日本最古の酵母「エド酵母」を使用した「品川縣麦酒」を開発している。他にも、なのはなビール(青森県横浜町)、ねぷたビール(青森県弘前市)、種市ビール(岩手県洋野町(旧種市町))、十和田八幡平麦酒(秋田県鹿角市、岩手県松尾村など十和田・八幡平周辺)、アテルイビール(岩手県奥州市)、緑のビール(秋田県五城目町)、男鹿麦酒(秋田県男鹿市)、秋田竿灯麦酒(秋田市)、角館麦酒(秋田県仙北市(旧角館町))、かまくらBeer(秋田県横手市)、ゆざわビール(秋田県湯沢市)、象潟サンセットビール(秋田県にかほ市(旧象潟町))、小安峡ビール(秋田県湯沢市(旧皆瀬村))、小町ビール(秋田県湯沢市(旧雄勝町))、鳥海ビール(山形県遊佐町)、菜の花ビール(兵庫県淡路島)、秘湯ビール(「日本秘湯を守る会」の宿)などなど、各地の観光協会や各種団体とタイアップしてかなりの数のOEMビールを醸造している。
マネージャーの浮辺厚夫氏によると、田沢湖ビールでは「品川縣麦酒」などでの成功を受けて、今後も地域の商店街などとタイアップしたオリジナルビールづくりにも積極的に取り組んでいくとのことである。活性化を考えている商店街は、話題づくりにオリジナルビールの開発を検討してみてもよいかもしれない。関心のある方は、浮辺氏に直接問い合わせていただきたい(メール、TEL0187-44-3988、FAX0187-44-3983)。
一方の「湖畔の杜ビール」は、その名の通り、田沢湖畔のホテル街に醸造所兼レストラン「ORAE」(秋田弁で「私の家」の意)を持っている。鮮やかな青色の湖面が特徴の田沢湖を眺めながら、地ビールとおいしい料理を堪能できる。
「湖畔の杜ビール」は「田沢湖ビール」や他の多くの地ビールと違って、これまでのビールの飲みやすさや喉越しを追求しているという。立ち上げに当たっても、他の多くの地ビール醸造所のように外国人醸造技師の力を借りずに、これまで日本で受け入れられてきたピルスナーを軸に据えて慣れ親しんだ味を信じて醸造したという。
確かに、同醸造所の主力の「あきたこまちラガー」や「風そよぐピルス」は、他の多くの地ビール同様無濾過ではあるが、地ビール特有の風味から「地ビールはちょっと…」と敬遠していたような人にも抵抗なく飲めるビールに仕上がっている。「あきたこまちラガー」はその名の通り副原料にあきたこまちを使ったビールであり、日本の大手メーカーのビールの原料構成と似ているが、例えばアサヒスーパードライを上回るような喉越しとキレが感じられる。他に黒ビールのデュンケルもあるが、これも同様に飲みやすい。「湖畔の杜ビール」は地ビール好きにはもちろんだが、地ビール嫌いの人にこそ飲んでみてほしいビールである。それ以外にも、こちらにもホップポリフェノールを多く残した「花 hanaビール」や桜の木に自生する酵母を使用した「さくら酵母ビール」など、共同開発で誕生したビールがある。
「ORAE」の料理も、人気ナンバーワンの「行者にんにくソーセージ」に代表されるように、地元の食材を上手に使った洋食のメニューが主体で、これまたとてもおいしい。季節ごとにメニューが変わり、今は山菜を使ったメニューが豊富である(メニューの一部)。
この「湖畔の杜ビール」、車で行くとやはり飲めないので、近くのホテルに宿を取って滞在しながらじっくり味わうのがよいだろう。また、各種プランもあって、中には田沢湖高原温泉郷のホテルの宿泊とセットになったプランもある。これらのプランを使うとJR田沢湖駅からレストランまでの送迎、レストランから宿泊先までの送迎などもしてくれるので、JRなどを利用して訪れる場合にはそれらのプランを利用するのもよいかもしれない。
追記(2007.2.15):岩手県の旧宮守村は昨年合併して遠野市に編入された。旧宮守村には「わさびビール」で有名な「宮守ブロイハウス」が、一方遠野市には「ZUMONAビール」の「遠野麦酒」がある。合併によって遠野市も、地ビール醸造所が2箇所ある自治体になったわけである。
追記(2008.10.8):田沢湖ビールは、秋田県立大学との共同開発で、国内初の、原料がすべて県内産という地ビール「秋田まるごと自然仕込み あきた麦酒 恵」が発売された。限定醸造で、二条大麦と六条大麦の2種類ある。
追記(2009.11.9):今年も「あきた麦酒 恵」が発売された。今年も二条大麦と六条大麦の2種類だが、今年は県内大潟村産のこれらの大麦のモルトづくりも自社工場で行うという徹底ぶりで、原料の栽培から醸造まで全て秋田県内という「完全地ビール」となった。モルトの製造設備を持つ地ビール醸造所は国内でも数えるくらいしかないそうで、実際田沢湖ビールでは、依頼を受けて他の地ビール醸造所用のモルトも製造しているそうである。
すっきりとした味わいが特徴の二条大麦の「恵」と、ほろ苦さが特徴の六条大麦の「恵」と、原料の大麦が違うと麦酒の味わいがこれだけ違うのだということが、これら2種類の「恵」を飲み比べてみるとよく分かる。ちなみに、ビールによく使われるのが二条大麦、麦茶にしたりご飯に混ぜたりするのが六条大麦である。
この中で、秋田県仙北市は、旧田沢湖町、旧角館町、旧西木村の3町村が合併してできた人口33,000人余りの市である。合併によって日本一の水深423mを誇る田沢湖と武家屋敷群で有名な「みちのくの小京都」角館という秋田の2大観光地を有することになった。余談だが、これら2つに比べてあまり目立たないものの、旧西木村で毎年2月に行われる「紙風船上げ」はとても幻想的で一見に値する祭りである。
ところで、この仙北市に属する旧田沢湖町には、地ビールの醸造所が2箇所ある。同じ市町村に複数の地ビール醸造所がある場所は、東北では他に「ステラ・モンテ」と「ベアレン醸造所」がある盛岡市と、「天童タワー」と「湯坊いちらく」がある山形県天童市くらいである。旧田沢湖町にある2つの地ビールは、以前紹介した秋田にある3つの地ビールのうちの2つ、「田沢湖ビール」と「湖畔の杜ビール」である。どちらも田沢湖にちなんだ名前がついており、正直知らない人は混同してしまう恐れもありそうだが、中身はそれぞれ個性的できちんと差別化ができているところが素晴らしい。
まず「田沢湖ビール」は秋田県の地ビール第1号であり、いわゆる地ビールらしい地ビールである。麦芽と水とホップ、酵母のみから作り、その酵母をいっさい濾過しないという、典型的な地ビールである。アルト、ケルシュ、ヴァイツェン、ダークラガー、ピルスナーなど地ビール好きには馴染みのビールの他、秋田のブナの樹から採れた日本で初めての「ブナ天然酵母」と日本一のブナの巨木を有する奥羽山脈和賀山塊の「ブナの水」を用いた「ぶなの森ビール」や、秋田県麦酒醸造技術研究会で共同開発したホップポリフェノールを多く残した「ヴィーナス」や桜の木から取れた酵母を使用した「桜酵母ビール」がある。
醸造しているのは、主に東北を題材にしたミュージカルを手掛けて固定ファンも多い、劇団わらび座である。このわらび座の劇場がある「たざわこ芸術村」は、田沢湖からは離れるが、わらび劇場、ブルワリーレストラン(写真参照)、温泉ゆぽぽ、ホテルゆぽぽ、お食事処ばっきゃ、森林工芸館、デジタル・アート・ファクトリー、化石館、民族芸術研究所などからなる複合的文化エリアである。温泉もホテルもあるので、温泉にのんびり浸かって、風呂上がりに地ビールという「極楽体験」ができる。ブルワリーレストランではイタリアンやフレンチを中心とした洋食(メニュー)、お食事処ばっきゃでは和食(メニュー)が味わえる。どちらも地元の食材などを上手に利用したメニューが中心で、こだわりのビール同様こだわりの料理が味わえる。
田沢湖ビールは、OEM(相手先ブランド製造)にも力を入れている。最近話題を呼んだところでは日本で最初にビールが醸造された東京都品川区の立合川商店街の「品川縣ビール研究会」からの委託で、日本最古の酵母「エド酵母」を使用した「品川縣麦酒」を開発している。他にも、なのはなビール(青森県横浜町)、ねぷたビール(青森県弘前市)、種市ビール(岩手県洋野町(旧種市町))、十和田八幡平麦酒(秋田県鹿角市、岩手県松尾村など十和田・八幡平周辺)、アテルイビール(岩手県奥州市)、緑のビール(秋田県五城目町)、男鹿麦酒(秋田県男鹿市)、秋田竿灯麦酒(秋田市)、角館麦酒(秋田県仙北市(旧角館町))、かまくらBeer(秋田県横手市)、ゆざわビール(秋田県湯沢市)、象潟サンセットビール(秋田県にかほ市(旧象潟町))、小安峡ビール(秋田県湯沢市(旧皆瀬村))、小町ビール(秋田県湯沢市(旧雄勝町))、鳥海ビール(山形県遊佐町)、菜の花ビール(兵庫県淡路島)、秘湯ビール(「日本秘湯を守る会」の宿)などなど、各地の観光協会や各種団体とタイアップしてかなりの数のOEMビールを醸造している。
マネージャーの浮辺厚夫氏によると、田沢湖ビールでは「品川縣麦酒」などでの成功を受けて、今後も地域の商店街などとタイアップしたオリジナルビールづくりにも積極的に取り組んでいくとのことである。活性化を考えている商店街は、話題づくりにオリジナルビールの開発を検討してみてもよいかもしれない。関心のある方は、浮辺氏に直接問い合わせていただきたい(メール、TEL0187-44-3988、FAX0187-44-3983)。
一方の「湖畔の杜ビール」は、その名の通り、田沢湖畔のホテル街に醸造所兼レストラン「ORAE」(秋田弁で「私の家」の意)を持っている。鮮やかな青色の湖面が特徴の田沢湖を眺めながら、地ビールとおいしい料理を堪能できる。
「湖畔の杜ビール」は「田沢湖ビール」や他の多くの地ビールと違って、これまでのビールの飲みやすさや喉越しを追求しているという。立ち上げに当たっても、他の多くの地ビール醸造所のように外国人醸造技師の力を借りずに、これまで日本で受け入れられてきたピルスナーを軸に据えて慣れ親しんだ味を信じて醸造したという。
確かに、同醸造所の主力の「あきたこまちラガー」や「風そよぐピルス」は、他の多くの地ビール同様無濾過ではあるが、地ビール特有の風味から「地ビールはちょっと…」と敬遠していたような人にも抵抗なく飲めるビールに仕上がっている。「あきたこまちラガー」はその名の通り副原料にあきたこまちを使ったビールであり、日本の大手メーカーのビールの原料構成と似ているが、例えばアサヒスーパードライを上回るような喉越しとキレが感じられる。他に黒ビールのデュンケルもあるが、これも同様に飲みやすい。「湖畔の杜ビール」は地ビール好きにはもちろんだが、地ビール嫌いの人にこそ飲んでみてほしいビールである。それ以外にも、こちらにもホップポリフェノールを多く残した「花 hanaビール」や桜の木に自生する酵母を使用した「さくら酵母ビール」など、共同開発で誕生したビールがある。
「ORAE」の料理も、人気ナンバーワンの「行者にんにくソーセージ」に代表されるように、地元の食材を上手に使った洋食のメニューが主体で、これまたとてもおいしい。季節ごとにメニューが変わり、今は山菜を使ったメニューが豊富である(メニューの一部)。
この「湖畔の杜ビール」、車で行くとやはり飲めないので、近くのホテルに宿を取って滞在しながらじっくり味わうのがよいだろう。また、各種プランもあって、中には田沢湖高原温泉郷のホテルの宿泊とセットになったプランもある。これらのプランを使うとJR田沢湖駅からレストランまでの送迎、レストランから宿泊先までの送迎などもしてくれるので、JRなどを利用して訪れる場合にはそれらのプランを利用するのもよいかもしれない。
追記(2007.2.15):岩手県の旧宮守村は昨年合併して遠野市に編入された。旧宮守村には「わさびビール」で有名な「宮守ブロイハウス」が、一方遠野市には「ZUMONAビール」の「遠野麦酒」がある。合併によって遠野市も、地ビール醸造所が2箇所ある自治体になったわけである。
追記(2008.10.8):田沢湖ビールは、秋田県立大学との共同開発で、国内初の、原料がすべて県内産という地ビール「秋田まるごと自然仕込み あきた麦酒 恵」が発売された。限定醸造で、二条大麦と六条大麦の2種類ある。
追記(2009.11.9):今年も「あきた麦酒 恵」が発売された。今年も二条大麦と六条大麦の2種類だが、今年は県内大潟村産のこれらの大麦のモルトづくりも自社工場で行うという徹底ぶりで、原料の栽培から醸造まで全て秋田県内という「完全地ビール」となった。モルトの製造設備を持つ地ビール醸造所は国内でも数えるくらいしかないそうで、実際田沢湖ビールでは、依頼を受けて他の地ビール醸造所用のモルトも製造しているそうである。
すっきりとした味わいが特徴の二条大麦の「恵」と、ほろ苦さが特徴の六条大麦の「恵」と、原料の大麦が違うと麦酒の味わいがこれだけ違うのだということが、これら2種類の「恵」を飲み比べてみるとよく分かる。ちなみに、ビールによく使われるのが二条大麦、麦茶にしたりご飯に混ぜたりするのが六条大麦である。
これだけの手間暇をかけて、値段は他の田沢湖ビールと変わらない価格(330ml498円)で提供されているのがまたすごいと思う。
2005年04月01日
東北の食べ処その5〜秋田県南地方のカレー
町の「成熟度」を測る方法はいろいろあるだろうが、私が個人的に意識しているのは、インド料理店の有無である。普通のカレーショップではなく、インド料理店である。インド料理店に限らず、タイ料理やベトナム料理でもよいのだが、要するにそうした店がやっていけるような、「異文化」を受け入れる余地がある町かどうかが、その町の成熟度を測る一つの目安になるのではないか、と勝手に思っている。大きな町にインド料
理店が複数あるのはそうした意味ではごく当然と言えるが、小さな町では1軒でもあるかないかで、町の印象はずいぶん違う(と思う)。
と前置きしておいて、今回は秋田の県南地区でインドカレーなどアジア系の料理を食べられる店を紹介したいと思う。いずれも、町の規模から言えば、こうした料理を食べられる店がなくても不思議ではない町であるが、実際には1軒ずつでも店があり、存続している、私の基準から言えば「成熟した」町である。
インドカレーロダン(由利本荘市出戸町字八幡下157 、TEL0184-24-3418、11:00〜14:00、17:00〜21:00、火曜定休)
秋田県の沿岸南部で本格的なインドカレーが食べられる貴重なお店である。普通のカレーとインドカレーの2種類があって、それぞれいろいろな種類のカレーがあるが、ここに来たらインドカレーを食べないと意味がない、と断言したい。
インドカレーはブイヨンと20種類のスパイスで煮込んだもので、くどくなくあっさりしていて飽きのこない味である。テイクアウトも可である。
辛いのが好きなら、注文時に頼めば辛口にしてくれる。+50円で煮込んだにんにくの粒を入れてくれるが、これがまたホクホクしてて美味である。
おすすめ:チキンインドカレー(辛口)+にんにく粒
ムーンライト(大仙市大曲黒瀬町10-10-1、TEL0187-62-3238、18:00〜24:00、日曜定休)
無国籍料理の居酒屋だが、その日何があるかはマスターの気分次第である。注文は店の壁に掛けられている黒板を見て、その日そこに書いてあったものの中か ら選ぶことになる。でも、時々つくってくれるグリーンカレーはとてもおいしい。どうしても食べたいなら、行く前に電話をしておくのがいい。
「作るのに時間がかかるから」という理由でいまだにお目にかかっていない、幻のインドカレーも死ぬまでに一度は食べてみたいものである。
おすすめ:グリーンカレー
歩空(横手市安田字ブンナ沢80-47、TEL0182-32-5025、11:30〜23:00(日曜は21:30まで)、無休)
歩空と書いて「ぽから」と呼ぶ。ポカラとはネパールの都市の名前である(参照サイト)。ここはすごい。店の外観、内装、いずれもアジア系の香りぷんぷんで個性的である(写真参照)。 夜などはますます怪しげな雰囲気を醸し出している。
まずは同店のサイトを見ていただきたい。この店が並みのカレー屋でないことが分かる。「歩空経典」など を見ると、「怪傑ゾロリ」もびっくりのオヤジ系ギャグのオンパレードである。「ご予約はお電話で」と書きながら、電話番号がそばに書いてなかったり、「超!地図」はなんと銀河系外からの道順が書いてあったり、ツッコミどころ満載である。
ご主人はおいしい紅茶が飲みたくてしょっちゅうインドに行っているうちに、店を開いてしまったそうだが、紅茶だけでなくインドカリーもなかなかのもので ある。インドカリー以外にもタイカリーやその他様々なオリジナルメニューもあり、まさにアジアの多様さを体現したような店である。辛いのが好きな人は頼めば辛くしてもらえる。
おすすめ:チキンマハラジャカリースペシャル
ワンミント(仙北市角館町岩瀬字花場下6-4、TEL&FAX0187-54-1315、11:00〜17:00(夜は4,5名から要予約))
2年前、武家屋敷の街角館に初めてできた本格的なカレー店。カレー以外にもコーヒーとジャズ音楽もウリ。カレーは、コクのある欧風カレーの「母さんカ レー」、サラッとした南インド風の「父さんカレー」、母さんカレーと父さんカレーが半分ずつの「息子カレー」(笑)、そして父さんカレーにトマトと辛味を 加えた「娘カレー」(?)の4種があって、値段は650〜750円くらいである。
私は大抵父さんカレーか娘カレーを食べるが、スパイスの効いた味わいで、 カレー好きにも満足できる味である。
ご夫婦二人でやっている店だが、カレーもコーヒーもジャズももともとは旦那さんの趣味だそうである。にも関わらず、店は奥さんが一人で切り盛りしてい る。それもそのはず、旦那さんは公務員だそうで、兼業ができないのであった。閉店が17:00と比較的早いのも、旦那さんの夕食の準備があるからなのであった。旦那さんの定年まで、頑張れ!
おすすめ:父さんカレー、娘カレー
LUSH LIFE(湯沢市表町1-2-32、TEL0183-73-5676、10:00〜19:00、木曜定休)
湯沢駅通り商店街から路地に入ったところにあるジャズ喫茶なのだが、ここの「特製印度カレー(辛口)」はかなりのものである。他にも「ビーフライス(牛丼)」、「ホットサンド(ツナ)」、「ピザトースト(サラミ)」などのメニューがあるが、脇目も振らず私はいつも「特製印度カレー(辛口)」である(笑)。
ただし!ランチタイム終了後(14時)から夕方までの時間帯が要注意である。店は開いてるのに誰もいないという状況に遭遇することがある。まったく不用心である(笑)。ま、それでも何もないということは、湯沢という街の平和さを物語っているようで好ましい。ただ、この時間帯に訪れる際には事前に店に連絡を入れておくのがよいと思う。
おすすめ:特製印度カレー(辛口)
と前置きしておいて、今回は秋田の県南地区でインドカレーなどアジア系の料理を食べられる店を紹介したいと思う。いずれも、町の規模から言えば、こうした料理を食べられる店がなくても不思議ではない町であるが、実際には1軒ずつでも店があり、存続している、私の基準から言えば「成熟した」町である。
インドカレーロダン(由利本荘市出戸町字八幡下157 、TEL0184-24-3418、11:00〜14:00、17:00〜21:00、火曜定休)
秋田県の沿岸南部で本格的なインドカレーが食べられる貴重なお店である。普通のカレーとインドカレーの2種類があって、それぞれいろいろな種類のカレーがあるが、ここに来たらインドカレーを食べないと意味がない、と断言したい。
インドカレーはブイヨンと20種類のスパイスで煮込んだもので、くどくなくあっさりしていて飽きのこない味である。テイクアウトも可である。
辛いのが好きなら、注文時に頼めば辛口にしてくれる。+50円で煮込んだにんにくの粒を入れてくれるが、これがまたホクホクしてて美味である。
おすすめ:チキンインドカレー(辛口)+にんにく粒
ムーンライト(大仙市大曲黒瀬町10-10-1、TEL0187-62-3238、18:00〜24:00、日曜定休)
無国籍料理の居酒屋だが、その日何があるかはマスターの気分次第である。注文は店の壁に掛けられている黒板を見て、その日そこに書いてあったものの中か ら選ぶことになる。でも、時々つくってくれるグリーンカレーはとてもおいしい。どうしても食べたいなら、行く前に電話をしておくのがいい。
「作るのに時間がかかるから」という理由でいまだにお目にかかっていない、幻のインドカレーも死ぬまでに一度は食べてみたいものである。
おすすめ:グリーンカレー
歩空(横手市安田字ブンナ沢80-47、TEL0182-32-5025、11:30〜23:00(日曜は21:30まで)、無休)
歩空と書いて「ぽから」と呼ぶ。ポカラとはネパールの都市の名前である(参照サイト)。ここはすごい。店の外観、内装、いずれもアジア系の香りぷんぷんで個性的である(写真参照)。 夜などはますます怪しげな雰囲気を醸し出している。
まずは同店のサイトを見ていただきたい。この店が並みのカレー屋でないことが分かる。「歩空経典」など を見ると、「怪傑ゾロリ」もびっくりのオヤジ系ギャグのオンパレードである。「ご予約はお電話で」と書きながら、電話番号がそばに書いてなかったり、「超!地図」はなんと銀河系外からの道順が書いてあったり、ツッコミどころ満載である。
ご主人はおいしい紅茶が飲みたくてしょっちゅうインドに行っているうちに、店を開いてしまったそうだが、紅茶だけでなくインドカリーもなかなかのもので ある。インドカリー以外にもタイカリーやその他様々なオリジナルメニューもあり、まさにアジアの多様さを体現したような店である。辛いのが好きな人は頼めば辛くしてもらえる。
おすすめ:チキンマハラジャカリースペシャル
ワンミント(仙北市角館町岩瀬字花場下6-4、TEL&FAX0187-54-1315、11:00〜17:00(夜は4,5名から要予約))
2年前、武家屋敷の街角館に初めてできた本格的なカレー店。カレー以外にもコーヒーとジャズ音楽もウリ。カレーは、コクのある欧風カレーの「母さんカ レー」、サラッとした南インド風の「父さんカレー」、母さんカレーと父さんカレーが半分ずつの「息子カレー」(笑)、そして父さんカレーにトマトと辛味を 加えた「娘カレー」(?)の4種があって、値段は650〜750円くらいである。
私は大抵父さんカレーか娘カレーを食べるが、スパイスの効いた味わいで、 カレー好きにも満足できる味である。
ご夫婦二人でやっている店だが、カレーもコーヒーもジャズももともとは旦那さんの趣味だそうである。にも関わらず、店は奥さんが一人で切り盛りしてい る。それもそのはず、旦那さんは公務員だそうで、兼業ができないのであった。閉店が17:00と比較的早いのも、旦那さんの夕食の準備があるからなのであった。旦那さんの定年まで、頑張れ!
おすすめ:父さんカレー、娘カレー
LUSH LIFE(湯沢市表町1-2-32、TEL0183-73-5676、10:00〜19:00、木曜定休)
湯沢駅通り商店街から路地に入ったところにあるジャズ喫茶なのだが、ここの「特製印度カレー(辛口)」はかなりのものである。他にも「ビーフライス(牛丼)」、「ホットサンド(ツナ)」、「ピザトースト(サラミ)」などのメニューがあるが、脇目も振らず私はいつも「特製印度カレー(辛口)」である(笑)。
ただし!ランチタイム終了後(14時)から夕方までの時間帯が要注意である。店は開いてるのに誰もいないという状況に遭遇することがある。まったく不用心である(笑)。ま、それでも何もないということは、湯沢という街の平和さを物語っているようで好ましい。ただ、この時間帯に訪れる際には事前に店に連絡を入れておくのがよいと思う。
おすすめ:特製印度カレー(辛口)