仙台市  

2019年03月11日

震災から8年〜私的東北論その115

あの日から8年である。
8回目の3月11日は、朝から強い風と雨。
この8年で雨の日は初めてだろう。
あの日、地震に追い打ちをかけるように雪まで降ってきたことを思い出す。

8年経っても、この日だけはいつもと違う心持ちになる。
心の中が何となくざわついているような、何か胸に引っかかるものがあるような、何とも落ち着かない気分である。
その傾向は地震発生時刻の14時46分に向けて強くなるような気がするので、とても平気な顔して仕事を続ける気にもなれず、毎年この日は午後休みを取って、弟の最期の場所、仙台市の沿岸、荒浜に足を運んでいる。

WP_20190311_14_04_18_Rich_LI今年もまず、弟がいた若林区役所を訪れる。
献花場は、昨年から近くの若林区文化センターに移されたので、そちらに行って献花する。
会場では仙台市の追悼式も開催されようとしているところだったが、出る気にはならず、今年もあの日弟が通ったであろう道を自転車で一路荒浜に向かった。






WP_20190311_15_12_02_Rich_LI今年は雨風が強かったためか、例年より随分人は少なかったが、それでも旧浄土寺の慰霊碑の前や荒浜慈聖観音の前では、一心に手を合わせる人の姿があった。










WP_20190311_15_14_20_Rich_LI大津波でほとんどが倒れてしまった松林、少しずつ新たに植林が進んでいた。
何十年後か、またこの海沿いに見事な林が復活することだろう。









WP_20190311_15_17_21_Rich_LI防潮堤に登って見下ろすこの日の海は、強い風を受けて大きな波が打ち寄せていたが、はるか向こうで波しぶきが立っているだけで、あの日この防潮堤を易々と超えていった大津波とは比べるべくもない。









WP_20190311_15_52_51_Rich_LIこの地に大津波が押し寄せた15時54分に合わせて、今年も弟の遺体が見つかった南長沼に赴いて手を合わせる。
これで何がどうなるということでもないが、今や自分の中では毎年の恒例行事である。







WP_20190311_16_20_49_Rich_LI帰りに、霞目にある「浪分神社」に寄る。
江戸時代にこの地を襲った大津波が、ここで南北に分かれたと伝えられている。
つまり、過去の津波到達地点を示す神社であり、実際今回の地震でもこの神社の近くまで津波が押し寄せたが、この神社の津波に関わる伝承は残念ながら広く伝わってはいなかったそうである。
どんな教訓も、伝わらなければ意味がない。
今回の地震の教訓も、伝える努力を続けなければいけないと改めて思った。

WP_20190311_23_28_20_Rich_LIなどと振り返りながら、家に帰ってお気に入りのビールを飲む。
震災以来、この日はどんなイベントがあろうと、誰からお誘いがあろうと、家に帰ってあの日を思い起こしながら飲んでいる。
つまみは必ず、子どもの頃、弟とおやつに食べてたやきとりの缶詰である。
二人とも特に皮のついたところが大好きで、でもケンカせずに仲良く分け合って食べてたことを覚えている。
今年は昔二人の憧れだった大きな缶が手に入らなかったので、小さい缶を4段重ねである。

こうして飲み食いできるのも、生きていればこそ。今日生きていられることに感謝しつつ、もしまた明日が来てくれたなら、またいつもの一日を送りたいと思う。



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2019年02月20日

ようこそ「せんカフェ」へ(「東北復興」紙への寄稿原稿)〜私的東北論その114

せんカフェフライヤー 1月16日に発行された「東北復興」第80号では、昨年4月に始めた「せんカフェ」のことについて紹介させていただいた。左がそのフライヤーである。そこに書いてある通り、毎月1回、第3火曜日の夜7時から仙台市中心部の「エル・パーク仙台」の5階「創作アトリエ」&「食のアトリエ」が会場のカフェスペースである。

 それにしてもこの「東北復興」紙もついに80号である。編集長の砂越さんには心から敬意を表したい。












ようこそ「せんカフェ」へ

食べ物と「想い」を持ち寄るカフェ
 昨年4月から「せんカフェ」を始めた。毎月第3火曜日の午後7時から、仙台市の中心部、一番町にある公共施設、エル・パーク仙台が会場である。参加する人には、食べ物一品と自分の「想い」を持ち寄ってもらう。こちらからは飲み物を提供し、ソフトドリンクのみの人は500円、アルコール類も飲む人は1,500円を会費として支払ってもらう。医療や介護の資格のあるなし、病気や障害のあるなし、老若男女問わず、いろんな人が「ごちゃまぜ」で自分たちの地域の医療や福祉やまちづくりなどについて自由に語らう集いの場である。今回はこの「せんカフェ」について紹介したい。

「地域連携」の変遷
 私が仕事で担当している雑誌は、医療側から見た地域連携がテーマである。一昔前まで、医療は多くの場合、一病院完結型で提供されていた。つまり、入院して治療してリハビリして完治して退院、という流れだった。しかし、どこの病院もそのような体制だと、効率が悪い。それで、地域にあるそれぞれの病院が自院の強みを活かして急性期や回復期、慢性期などの医療をそれぞれ担い、連携して医療を提供する、地域完結型の医療が進められるようになった。日常の医療はまず地域のかかりつけ医となっている診療所で行い、生命の危機に関わる疾病を発症した場合はそこから紹介されて急性期の病院に入院、生命の危機を脱した後は回復期の病院に移ってリハビリなどを進め、さらに療養が必要な患者は慢性期の病院に移る、といった流れに変わった。

 そこで必要になったのが、病院内で対外的な調整を行うための部署で、それが地域連携室、医療連携室、といった名称の部署だった。そのようなわけで病院の中では比較的新しい部署だが、その連携室がまず手掛けたのは地域で患者のかかりつけ医となっている診療所との連携だった。「病診連携」と言われる。病診連携がある程度出来上がってくると、次の課題は機能の異なる病院同士の連携だった。急性期を脱した患者が円滑に次の医療を担う病院に移れるための「病病連携」である。医療の連携が密になっても、それだけでは患者の問題は解決しない。高齢化に伴い、介護が必要な患者も増加し、介護事業者との連携も必要になった。そこで「医療介護連携」のための取り組みが進んだ。

 どのようにして連携を密にしていくか、まず顔を合わせる機会をつくることが有効である。そのようなわけで、全国各地に医療職同士や医療職と介護職が交流できる場ができた。それによって医療や介護の連携は大いに進んだし、それによって医療や介護が必要な人にとっても大いにメリットがあったに違いない。

 病診連携、病病連携、医療介護連携と進んできた連携は現在、もう一ステップ先に行きつつある。医療や介護の専門職ではない、地域の様々な構成員、例えば地元の自治会、民生委員、商工会、学校などと連携する必要性が指摘されるようになってきたのである。本来の意味での「地域連携」とも言えるが、従来の連携と明確に区別するためにこうした専門職同士に依らない連携を「社会連携」と呼ぶ研究者もいる。

 ともあれ、医療同士から医療と介護へと進んだ連携は、今や医療や介護領域に限らない地域全体との連携へと駒を進めつつあるわけである。「せんカフェ」もそうした流れの中で捉えることが可能である。

「せんカフェ」の「言い出しっぺ」のこと
 さて、「せんカフェ」の「言い出しっぺ」は、実は私ではない。地域包括支援センターに勤める介護支援専門員で、一緒に「せんカフェ」の共同代表を務める荒井裕江女史こそが言い出しっぺである。彼女とは最初、仙台市内で介護職が集まっての飲み会で普通に名刺交換をしたのだが、その後小学校の時に同じクラスにいた人だということに気づいた。また、彼女とは目指す方向性に似通ったところがあった。要は、つながることの重要性、つながれる場をつくることの重要性への認識が共通していたのである。それでそれ以降、医療や介護の関係者が集まれるイベントごとを一緒に企画する機会が多くあった。

 私は先述のように、仕事柄、地域の医療や介護を成り立たせるためには関係者間でお互いの顔が見えるつながりをつくることが重要だと、様々な事例を見聞きする中で強く感じていた。彼女は彼女で、普段の仕事を通して、やはり関係職種がつながることの重要性を実感していたのだろう。

 違うのは、そこからの行動力である。「せんカフェ」にはお手本がある。東京の世田谷でやっている「せたカフェ」である。その情報を、やはり「せたカフェ」をお手本に宮崎の日南市で「にちなんもちよりカフェ」を運営していた宮崎県立日南病院の医師、木佐貫篤氏から聞くや否や、彼女は「せたカフェ」を主宰しているノンフィクションライターの中澤まゆみ氏にコンタクトを取り、実際に「せたカフェ」に参加した。それが、一昨年の9月下旬。実際に見てみて「仙台でも同じ場を作りたい!」と思ったようで、11月初めには「もちよりカフェ、仙台でも開催しない?」と連絡が来た。彼女は、医療介護の壁を超えて、一般の人も気兼ねなく集える会をつくりたい、そこでいろんな人をつなぎたい、と考えたのである。

 私は私で、仕事柄、地域の中での専門職同士のつながる場ができて、実際にそこで得たつながりが医療介護の現場でも活かされていることも見てきた。仙台市内はもとより、東北の各地域でも活発に活動している連携の会も多くある。ただ、先述のように、医療や介護を取り巻く連携が新たな段階を迎えつつある中で地域全体のことを考えた時に、専門職同士がつながるだけでは不十分だとも感じていた。専門職同士の熱意ある取り組みが地域に見えるためには、地域に開かれた場も必要なのではないか、そう考えていたところに、彼女からそのような相談があったので、もろ手を挙げて賛成して一緒にやることになったのである。

 木佐貫氏や中澤氏のことは私もよく存じ上げているし、中澤氏からは「ぜひ一度せたカフェに」、とのお誘いもいただいていたが、日々のバタバタに追われて行けないでいたところに、彼女はあっという間に行動に移して、「仙台にもみんなが気軽に集える場をつくる!」と決意して帰ってきたのである。そのパワーたるや、お見事というほかない。

 彼女は会場もみんなが集まりやすいところがいいということで中心部、少ない予算でやりくりするので公共の施設ということでエル・パーク仙台をリストアップし、出掛けていって会の趣旨を説明して協力を依頼した。そうしたところ、ロッカーやメールボックスが使用できて、会場も一般の貸出開始日よりも前に予約することができる「ロッカー・ワークステーション利用団体」として認定してもらえた。

 また、デザインに強い知り合いにリーフレット作成を依頼し、必要部数を印刷して、仙台市内の公共施設に足を運んで置いてもらえるよう依頼したり、趣旨に賛同して協力してくれそうな人たちに声を掛けて運営に協力してもらえる仲間を募ったりするなど、とにかく周りを巻き込んで精力的に動き回った。その結果、「せたカフェ」の視察からわずか半年後に「せんカフェ」をスタートすることができた。

 私がこだわったことと言えば、毎月決まった日に開催するようにしたいということであった。皆、仕事を持ちながら手弁当での運営となるので、準備の大変さなどを考慮して隔月の開催にした方がという意見もあったのだが、私としては毎月決まった日にそこに来れば必ずみんながいる、という場を作りたかった。隔月の開催だとその月はせんカフェがある月かどうか参加したい人が迷ったりすることも考えられたので、毎月開催という部分は通させていただいた。そして具体的にいつがいいか検討した結果、毎月第3火曜日夜7時からの開催ということになったわけである。

毎月第3火曜日は「せんカフェ」の日
 そのようにして、昨年4月17日(火)に、第1回の「せんカフェ」開催にこぎつけた。会場の定員ぎりぎりの50名の方に参加していただいたが、医療や介護の専門職はもちろん、障害を持った人や家族に障害を持った人がいる人も含めて様々な人に集まっていただけた。「せんカフェ」の最重要のキーワードは「ごちゃまぜ」だと常々荒井女史とは話し合っているので、その意味でもとてもよかった。

 会ではまず、会の趣旨を説明し、参加者に守っていただきたい「3つの約束」を読み上げた後、あらかじめお願いしておいた参加者お一人に「話題提供」をしていただく。参加者一人ひとり、話してみると実に多様なバックグラウンドを持っていることが分かる。その一端を披歴していただくことはとても勉強になる。その意図通り、毎回実に多彩な話題が提供されている。その後、持ち寄った食べ物を食べ、用意した飲み物を飲みながら自由に対話してもらう。グループワークではないので、テーマも定めないし、もちろんどんな話をしたか発表してもらうこともしない。一人ひとりが自由に食べ、飲み、話し、その結果今までつながっていなかった人とつながり、あわよくばそこからまた新たな何かが生まれれば、と考えている。

 第1回から第3回までは毎回定員ぎりぎりの参加があったのでできなかったが、参加者数が40名前後に落ち着いてきた第4回以降は、1人1分以内の自己紹介タイムを設けた。それによって参加しているお互いのことを知ることができればと考えてのことである。第7回以降は、定員自体を40名として、毎回自己紹介タイムを設けている。

 荒井女史は言う。「結局、地域包括ケアシステムにせよ、地域共生社会にせよ、医療介護の専門職だけじゃどうにもできなくて、その地域に住んでいる人が主役、と言うか、当事者のわけだから、その人たちと話をしないと地域は変わらないよね」と。また、「仕事で疲れた時でもフラっと参加出来て、志が一緒の方々に会えたり、繋がる事で力を貰えたり。ホッとした時間を過ごせる会が出来たらいいね」とも。「せんカフェ」は小さな取り組みではあるが、参加してくれる人にとってそのような場であればよいと私も思う。

 「毎月第3火曜日は『せんカフェ』の日」ということが定着するよう、今後も地道に、着実に「せんカフェ」を続けていきたいと考えている。もし関心のある人がいれば、ぜひ第3火曜日夜7時にエル・パーク仙台5階の「創作アトリエ&食のアトリエ」に来ていただければと思う。そこにはいつも、笑顔での対話がたくさんあるはずである。


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2018年01月14日

祝!「定禅寺通地ビール館」オープン!宮城におかえりなさい!〜東北で地ビールが飲める店その77

WP_20171228_21_53_59_Rich_LI  岩手県花巻市にある「夢花まき麦酒醸造所」が造るフルーツビールなどが樽生で飲める直営店「定禅寺通地ビール館」( 仙台市青葉区立町23ー16、TEL022-393-6221、22時LO、日曜定休)が昨年12月にオープンした。メディアテークの西公園よりの斜め向かいにある、「アルファホテルin定禅寺(旧ホテルプレステージ2)」の1階である。

  東日本大震災の大津波で建物、醸造設備、出来上がったビールなど全てが流されてしまった宮城県亘理町の地ビール醸造所「鳥の海ブルワリー」が、震災から1年9ヶ月後の2012年12月に岩手県花巻市に場所を移して「夢花まき麦酒醸造所」として復活したことは以前このブログでも紹介した

  かつて飲めたフルーツをふんだんに使ったビールも、ペットボトル入りのビールも復活してそれはとても嬉しかった。仙台で9月に開催される「仙台オクトーバーフェスト」には毎年東北の地ビール醸造所も何か所か出店するが、2013年からは「夢花まき麦酒醸造所」も出店してくれるようになった。まさに「里帰り」である。

  それはそれで嬉しかったのだが、なにぶんにも普段は花巻である。仙台では日常的にはなかなか飲める機会がなく、ほんのちょっと残念に思っていた。かつて、仙台駅近くの名掛丁アーケード街には、「鳥の海ブルワリー」直営の居酒屋があって、フルーツビールを樽生で飲むことができたので、よく通ったものである。仙台駅周辺と言えば、ここか夕焼け麦酒園が私の行きつけの店だった。あの時みたいに飲める店、それが無理ならせめて「ペットボトルビール」を置いてくれる店があればなぁと思っていた。

WP_20171228_21_59_07_Rich_LI  そうしたところになんと、「鳥の海ブルワリー」が「夢花まき麦酒醸造所」として復活してからちょうど5年経って、ついに、ついに「宮城帰還」である。これは嬉しい。心から「おかえりなさい」と言いたい。定禅寺通りに新しくビールメインの店ができるらしいという話は、アンバーロンドの田村さんに教えてもらっていて知っていたのだが、まさかそれが「夢花まき麦酒醸造所」の店だとは思いもよらなかっただけに、嬉しさもひとしおである。昨年中はプレオープンで、1月4日に正式オープンしたが、「いちご&紅花」、「りんご&はちみつ」、「ぶどう」のフルーツビールなど6種類のビールが樽生で飲める。

WP_20171228_22_18_19_Rich_LI  「夢花まき麦酒醸造所」にもあった飲み放題もあって、現在オープン記念でなんと60分950円である(1月19日からは1,400円)。他に料理と飲み放題がセットになった宴会プランもある。料理も充実していて、しかも美味しい。写真のジャンボソーセージは無添加ソーセージで知られる勝山館ソーセージである。ランチではスープカレーも食べられる。まだ食べてはいないが、こちらもぜひ食べてみたい。

  1月14日現在、ウェブ上で「定禅寺通地ビール館」の情報を検索してみても、求人情報がヒットするくらいで、お店の情報はまだないようである。美味しいビールが美味しい料理と一緒にリーズナブルに楽しめる店なので、ぜひたくさんの人に足を運んでもらえたらと思う。特に、フルーツビールは「ビールは苦手」という人にもぜひ味わってみていただきたい。あ、ただし、このフルーツビール、飲みやすい割にアルコール度数が他のビールよりも高めなので、そこだけ要注意である。


追記(2018.2.5):その後、ホットペッパー内にお店のページができて、コース、料理、ドリンクなどが確認できるようになった。
 また、お店のツイッターも始まっている。「是非皆様1度でいいのでいらして下さい!」と控えめなPRなのが何となく好ましい。

追記(2018.11.19):しばらくの間「店内改装中につき休業中」との張り紙があり気になっていたのだが、「定禅寺通地ビール館」は閉店してしまったようである。
現在は別のフレンチビストロの店に代わってしまった。
残念なことである。


追記(2018.2.15):「定禅寺通地ビール館」は閉店したが、新聞報道によると今年8月に名取市閖上東地区に新工場「ゆりあげ麦酒醸造所」(仮)がオープンする予定とのことである。岩手県花巻市内の「夢花まき麦酒醸造所」では震災前の3分の1程度の量しか醸造できていなかったそうだが、この新工場では震災前と同等の60kLの醸造が可能となるそうである。これまで同様のイチゴ、リンゴ、ブドウを使ったフルーツビールに加えて、名取産のメロンを使ったビールも造る予定とのことである。

また、塩竈市北浜の「第一漁協会館」2階に60席のビアホールを開設するとのことである。ビアホールは3月下旬から4月上旬のオープンとのことで、工場直送のビールが飲めるそうである。

塩竈市内には今年1月にブルーパブ「アルゴンブリューイング」もオープンしており、2月には阿部善商店が「松島ビール」に委託して造った「塩竈ビール」も販売が開始している。塩竈のビールシーン、今年は殊の外盛り上がりそうである。


追記(2018.2.16):朗報である。「定禅寺通地ビール館」が閉店した後にできたのが「フレンチビストロ  ラ・テール(French Bistro La terre)」(TEL022-395-8355、11:00〜14:30、17:00〜21:30LO、不定休)であるが、同店では「夢花まき麦酒醸造所」の「いちご&紅花」、「ぶどう」、「ラガー」の3種が飲めるそうである。


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2017年09月29日

私的東北論その100〜「観光とは外向きのことだけではない」(「東北復興」紙への寄稿原稿)

 8月16日刊行の「東北復興」第63号では、前号に引き続いて仙台の観光について、前橋と金沢との比較で考えてみた。それぞれ仙台にとって参考になりそうなことがあり、とても興味深かった。

 それにしてもこのブログの中の「私的東北論」、ついに100本目の記事である。よもや地ビールの話題よりも先に100に到達するとは思ってもいなかった(笑)。東北について毎回好き放題に書いているが、恐らくこれからもそのスタンスは変わらないものと思われる。とりあえず、以下が今回の全文である。


観光とは外向きのことだけではない

仙台のイメージとは

 前回は仙台市の観光について、普段あまり比較されることのない前橋市と金沢市との比較で考えてみた。今回も引き続き、この両市との比較で仙台市の観光を考えてみたい。

 まず、仙台市の観光について考える材料としては、「平成27年度仙台市観光客動態調査報告書」が参考になる。インターネットと仙台市内での聞き取りで仙台市のイメージや観光資源の認知状況、来訪者の動向などを調査したものだが、これを見ると、仙台が外からどのように見えているのかがよく分かる。

 まず、仙台の「情緒イメージ」として多く挙げられているのが、「歴史のある」(52.6%)、「伝統がある」(38.0%)、「文化的な」(25.6%)、「落ち着いた」(20.8%)などである。これらは同じ政令指定都市と比べても仙台が優位なイメージである。例えば、「歴史のある」は名古屋25.8%、福岡21.3%、札幌20.0%、「伝統がある」は名古屋19.1%、福岡18.0%、札幌15.6%、「文化的な」は札幌17.6%、福岡13.4%、名古屋13.2%であるので、仙台はこれらの都市よりもかなり「歴史のある」、「伝統がある」、「文化的な」都市と見られているのである。

 せっかく他の政令指定都市よりもこのようなイメージで仙台を捉えてもらっているにも関わらず、仙台はその強みを活かし切れていないように見える。「歴史のある」、「伝統がある」、「文化的な」仙台に行きたいと思った人が実際に仙台に来たとして、仙台のどこに行けば、これらを体感できるのかと考えてみると、甚だ心許ない気がするのである。

 ちなみに、金沢は「歴史のある」が69.8%、「伝統がある」が64.8%、「文化的な」が45.6%と、いずれも仙台のポイントを上回っており、金沢はこうした情緒イメージが仙台よりも強いことが分かる。金沢の場合、金沢城&兼六園、茶屋街といった観光資源があり、足を運べば歴史や伝統を体感できる。また、金沢には「金沢なんでも体験プログラム」という、加賀友禅、金箔工芸、九谷焼、加賀蒔絵といった金沢の伝統工芸や伝統芸能などを気軽に体験できるプログラムが用意されており、まさに金沢の文化を体感できる体制が整っているのである。このように金沢は、仙台以上に「歴史のある」、「伝統がある」、「文化的な」と評価されたイメージを、実際に体験できるハードやソフトがあるわけである。そのことによってさらにこれらのイメージが強化されるという好循環が生まれているのではないだろうか。仙台が金沢に学ぶべき点はまずここにあると思われる。

海から山までつながっている仙台

 ちなみに、同報告書では、「観光資源イメージ」についても調べている。それによれば、仙台の観光資源イメージとして、「美味しい食べ物・飲み物がある」が53.8%、「美しい自然や景勝地に恵まれている」が43.0%、「伝統的文化がある」が28.5%と高い。

 「美味しい食べ物・飲み物がある」は札幌(71.0%)、福岡(61.5%)よりは低いが名古屋(47.8%)や金沢(47.6%)よりは高い。これは恐らく、牛たんと海産物が牽引しているものと思われるが、こうした明確なイメージを持ってもらえるアイテムがあるのは強みであることが分かる。

 「美しい自然や景勝地に恵まれている」も、金沢(49.2%)や札幌(46.8%)よりは低いが、福岡(12.4%)や名古屋(7.8%)よりは圧倒的に高い。これは「杜の都」のイメージや、実際に自然が多く残されていることによるものと思われるが、このことが体感できるスポットが青葉通りや定禅寺通りだけというのではやはり不十分である。

 あまり普段意識されていないことだが、仙台は太平洋から奥羽山脈までを含む多様な地域である。太平洋沿岸から山岳地帯までが全てある、自然の様々な姿を見ることのできる貴重な地域である。これは大きな強みであると思うのだが、このことを前面に出した観光案内などは今のところないように思う。海も平地も山も、全部の自然を体験できるパッケージができるとよいのではないだろうか。

 「伝統的文化がある」は金沢(55.3%)には比ぶべくもないが、名古屋(19.1%)、福岡(13.6%)、札幌(11.1%)を上回っている。先に紹介した「金沢なんでも体験プログラム」のようなソフトの充実が望まれる。

前橋に学ぶ伝える工夫
 観光に関しては、どう伝えるかも大変重要である。せっかくいい観光資源を持っていても、その存在やそのよさが伝わらなければ観光にとっては意味がない。その点で、前橋に行った時に手に取った観光パンフレットが実に秀逸だった。

およそ観光パンフレットとは思われない「kurun」の表紙 手書き風の文字で「kurun」と書かれ、そばに「まえばし くるん」と小さく書かれているが何のことかよく分からない。表紙は饅頭か何か、あまり見たことのない食べ物らしきものを目のところに持ってきている女性の写真で、下の方にはこれまた手書き風の文字で「Take Free」と書かれているが、表紙だけ見た限りでは、これが何の冊子なのか分かる人はそういないのではないかと思われる。

 中を開いてみると赤城神社、るなぱあく、弁天通り、チーズ工房、前橋の地酒、アーツ前橋などがグラフ雑誌のような感じで紹介されていき、焼きまんじゅうのところに来てようやく表紙のよく分からない食べ物が焼きまんじゅうという前橋の名物であることが分かる。他にも、自転車、まつり、音楽、文学などのことが書かれ、裏表紙まで来てようやく「くるん」というのが「来る?」の群馬方言で、かつ「前橋市に来たくなるように作られた冊子」であることが説明され、「前橋市観光パンフレット」という記載を見てようやくこれが前橋市のつくった観光パンフレットであることが分かるという寸法である。

 通常、パンフレットというのは、その地域の観光資源についての情報をこれでもかというくらいに詰め込んでいて、網羅性はあるもののインパクトに欠ける面がどうしても残る。その結果、読み手の印象に残らず、実際に足も運ばれないということになってしまう恐れがあるわけである。

 この「kurun」はその点を見事にクリアしている。他の地域にはない、前橋ならではの観光資源だけをピックアップし、その魅力をインパクトのあるタイトル、デザイン、写真でこれでもかというくらいに強調しており、それらを読み手に深く印象付けられる構成となっている。

 観光パンフレットというのは、その地域の「名刺」とでも言うべきものである。「私はこういう者です」ということを初対面の相手に伝える役割を持っているものである。ビジネスで初対面の相手にいかに自分のことを覚えてもらうかが大事であるのと同様に、その地域のことを分かってもらい、実際に足を運んでもらうことが観光パンフレットのミッションであるとするならば、その中身については、名刺が様々に工夫されているのと同様にもっと工夫されてしかるべきであると思う。

 なお、「kurun」はウェブ上でも閲覧できるのでぜひ一度見てみていただきたい。

金沢に学ぶ目指す都市像の明確化

 一方の金沢については、観光についての戦略やプランが実に充実している。観光を都市運営の柱にしようという強い意志と意欲が感じられる。金沢市のサイトを見てみると、「金沢魅力発信行動計画」(2012年2月)、「世界の『交流拠点都市金沢』をめざして」(2013年3月)、「金沢市国際交流戦略プラン」(2015年3月)、「金沢市観光戦略プラン」(2016年3月)、「世界の交流拠点都市金沢重点戦略計画」(2017年2月)など、観光や国際交流を強く意識して、そのために金沢として何を重視し、何を実践していくかを折に触れて明確にしているその姿勢がよく表れている。

 これらの文書を見て感じるのが、金沢が目指す都市像が、観光政策というフィルターを通して明確になっているという事実である。自分たちの住む都市がどのようなもので、これから何を目指すのか、ということは、多くの場合、意外に明確になっていないし、そこに住む人たちの間の共通理解にもなっていない。金沢では、観光政策という対外的な対応策の立案という形を借りて、そこの部分を明確にしている。言ってみればこれは、外に向けているようでいて、実は内に向けても発信しているように見えるのである。

 例えば、「金沢魅力発信行動計画」では、「金沢が培ってきた文化の継承・活用・育成」について、真っ先に「歴史遺産・伝統芸能等の文化に対するアイデンティティの形成」を挙げている。「歴史遺産や伝統芸能等の文化による魅力あるまちづくりを進めていくためには、まずその前提として、市民自らが金沢の文化の重要性や固有性を十分認識することが不可欠」と、そこには書かれている。つまり、観光を通じて、自分たちが何者なのか、何を大事にする(しようとしている)住民なのかを明確にしているのである。

 「世界の『交流拠点都市金沢』をめざして」には、世界の交流拠点都市としての機能を高めていくためには、「市民協働によるまちづくりを進めていくことが重要です」とある。してみるとこれは、一見観光政策のように見えて、実はまちづくりのことを謳っているのだということに気づく。この、観光とは結局のところ、自分たちが何者なのかを問い直し、明確にし、発信する一連のプロセスであると規定して、それを実際に実践している金沢の在り方は、大いに参考にすべきであると思う。

 その手掛かりとして、他からどう見えているのかを知り、その強みを活かす、強化することは重要である。その意味で、冒頭に紹介したような調査は有用であると思うが、肝心なのはその結果を踏まえた対応である。すなわち、金沢のように、具体的に何をするかを平易な言葉で内外に伝えようとするアクションである。金沢の「金沢市観光戦略プラン」には「かがやく」、「ひろげる」、「つどう」、「めぐる」、「もてなす」、「そだてる」、「つなげる」という、分かりやすく書かれた7つの基本戦略とそれに伴う主要施策が明示されている。観光を通して、自分たちの目指す都市像を自分たちで描く努力をすることが、自分たちにとっても重要であることに気づくべきである。


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2017年08月18日

私的東北論その99〜「観光都市としての仙台を三都市の比較で考える」(「東北復興」紙への寄稿原稿)

 7月16日刊行の「東北復興」第62号では、観光都市としての仙台について考えてみた。5月に機会があって前橋市と金沢市を訪れた際にそれぞれ印象的だったことがあったので、この2つの都市と仙台との比較の中から何か新しい視点が見出せないかと考えてみた次第である。

 以下がその全文である。


観光都市としての仙台を三都市の比較で考える

前橋、金沢、仙台

 東北における観光については、本連載でも何度か取り上げている。その中では特に、東北各県同士の観光領域における連携の促進について書いて来たように思う。今回は、東北全体ということではなくて、一都市に絞って見てみようと思う。具体的には私の住む仙台市である。

 今年5月に、前橋市と金沢市に足を運ぶ機会があった。観光に関してそれら2都市で感じたことはいろいろとあった。仙台が何かの領域で比較される場合、比較の対象となるのは大抵同じ政令指定都市であることがほとんどである。観光についてもしかりで、都市間比較の対象というのは仙台の場合、同じ政令指定都市、とりわけ札幌市、広島市、福岡市辺りと比較されることが多かった。

 もちろん、前橋市、金沢市と仙台市とでは、人口など都市の規模の面では異なるわけで、それで今まであまり比較されてこなかったわけだが、そうした差異をこの際度外視して見てみると、仙台の今後を考える際に参考になりそうなことが意外に多くあることに気がつく。

 今回はそうしたことについて取り上げてみたい。

三都市の比較
 まず三都市の比較である。前橋市は人口約33万5千人、金沢市は約46万6千人、仙台市は約108万5千人である。面積は前橋市が311.59㎢、金沢市が468.64㎢、仙台市が786.3㎢である。人口は仙台市が最も多く、前橋市が最も少ないが、仙台市は面積も大きく、前橋市は面積も小さいので、人口密度は三都市でそれほど大きな差はない。1平方キロメートル当たり前橋市が1,080人、金沢市が994人、仙台市が1,380人である。

 次に、三都市の特徴を見てみる。三都市とも県庁所在地で旧城下町であることは共通しているが、まず前橋市は赤城山の南麓に位置する内陸の都市で、寒暖の差は大きい。冬は「赤城おろし」と呼ばれるからっ風が吹き下ろし、雪は少ない。市の中心部にあるJR前橋駅は上越新幹線や上越線からは外れており、高崎駅での乗り換えが必要である。この高崎駅のある高崎市は人口で前橋市を上回っており、両市は群馬県内において「ライバル」と見なされることが多いようである。この辺りは福島県における県庁所在地福島市と人口で上回る郡山市の関係に似ているかもしれない。前橋市も仙台市と同様、戦災で市街地が焼けた歴史を持つ。かつ仙台市と同様、ケヤキが街路樹として植えられており、また街中を「広瀬川」が流れている。農業産出額は全国の市町村中16位で、特に畜産業の産出額は全国6位である。豚と乳用牛が突出しているが、前橋市では「TONTONのまち前橋」と銘打って、オリジナル豚肉料理を売りにしている。

 金沢市は、言わずと知れた旧加賀藩百万石の城下町であり、戦災の被害を受けなかったことから今でも江戸時代以来の街並みが残る。国の出先機関や企業の支社・支店が置かれることが多く、北陸三県の中の中心的都市でもある。日本海側気候で冬期の積雪は多い。元々、日本三名園の一つである兼六園や市内に3か所ある茶屋街、長町武家屋敷跡などの歴史的な建造物、加えて金沢21世紀美術館などの観光資源は特に著名だったが、北陸新幹線が延伸したことで首都圏からのアクセスが飛躍的に向上し、観光客増につながっている。伝統野菜である加賀野菜と豊富な海産物を用いた加賀料理、老舗の和菓子、日本酒などの評価も高い。最近では金沢カレーも有名である。加賀友禅、金沢箔などの伝統工芸もよく知られている。

 最後に仙台市である。伊達六十二万石の城下町として栄えたが、戦災によって歴史的建造物はあまり現存していない。江戸時代から防風・防火のための植林が奨励されたために伝統的に街中に樹木が多く、そのために明治時代の終わり頃から「杜の都」と称されている。この伝統は戦災復興の際にも受け継がれた。太平洋側気候で冬期の積雪は東北の中でも少ないが、奥羽山脈から乾燥した北西の季節風が吹き下ろすことが多く体感温度は低く感じる。夏期は海風の影響で気温はあまり上昇せず、真夏日や熱帯夜は比較的少ない。夏の「仙台七夕まつり」を始め、「仙台青葉まつり」、」「SENDAI光のページェント」、「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」、「みちのくYOSAKOIまつり」など一年を通して様々なイベントが開催される。主な産業は卸売業・小売業、サービス業で、総生産額の約8割を占める。食では牛たん、笹かまぼこ、ずんだ餅などが有名で、三陸の魚介類、仙台牛、ブランド米も知られる。

 私の理解している範囲では三都市はだいたい以上のようなプロフィールを持っている。

観光に関する三都市の現状
 さて、それではこれら三都市の観光についての現状を見てみよう。

 前橋市の観光入込客数は2015年に668万2千人。群馬県内からが528万9千人で、県外からは139万3千人である。宿泊客数は25万9千人である。群馬県全体の数字しか見つからなかったが、宿泊客のうち東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県の一都三県で全体の約6割を占め、外国人宿泊客の割合は0.8%となっている。この割合を前橋市の宿泊客数に当てはめてみると外国人宿泊客数は3千人弱と際立って少ない。東京が近いことがあって、前橋市に宿泊するという外国人は少ないのであろう。

 金沢市の観光入込客数は北陸新幹線が開業した2015年に1006万4千人と初めて一千万人を超えた。このうち兼六園には308万9千人、金沢21世紀美術館には237万3千人が訪れていて、この2つが金沢市内で最大の観光資源であると言える。一方、金沢市近郊の湯桶温泉には6万4千人と、それほど多くの人は訪れていない。観光客の発地は、石川県内が350万8千人、関東が251万5千人で新幹線開業前の139万人から倍近い伸び、関西からは105万2千人となっている。宿泊客数は約343万6千人である。若干古いデータになるが、2013年の外国人宿泊客数は15万6千人であった。

 仙台市の観光入込客数は2015年で2229万4千人と初めて二千万人を超えた。宿泊客数は575万2千人であり、このうち外国人宿泊客数は11万6千人である。市内の主要観光地への観光客数は、秋保温泉が116万1千人、宮城県総合運動公園に147万3千人、楽天koboスタジアム宮城に141万4千人、仙台城址・瑞鳳殿・仙台市博物館が90万人、定義如来に84万9千人、八木山動物公園等に69万8千人となっている。

 興味深いのはイベントへの参加人数で、最も人が多く集まるイベントは今や「仙台七夕まつり」ではなく「SENDAI光のページェント」で301万人、次いで「仙台七夕まつり」が217万7千人、その次は「みちのくYOSAKOIまつり」で96万7千人、以下「仙台青葉まつり」96万人、「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」が70万人などとなっている。

 仙台市は前橋市の3.3倍、金沢市の2.2倍の観光客が訪れているわけだが、人口比で見ると前橋市は人口の19.9倍、金沢市は21.6倍、仙台市は20.5倍で、さすがに金沢市が若干高いが、三都市でそれほど大きな違いはない。際立って異なるのは外国人宿泊客数で、前橋市が極めて少なく、仙台市は全体の数の割に金沢市よりも外国人宿泊客数が少ない。金沢市が前橋市、仙台市より明らかに外国人宿泊客数が多いのは、歴史遺産の数の差であるように思われる。戦災で焼け野原となった前橋市と仙台市は、歴史を感じさせる建造物やスポットが金沢市に比べて圧倒的に少ない。その差が外国人宿泊客数の差となって現れているのではないだろうか。

 金沢市を訪れた際に特に印象的だったのは、平日だったにも関わらず、観光客の数が非常に多いということであった。兼六園とそれに隣接する金沢城はもちろん、ひがし茶屋街、近江町市場など、どこに行っても観光客と思しき人たちが大挙して歩いていた。特に目立ったのはやはり外国人観光客であった。

検討に値する四ツ谷用水の復活
 ところで、私が金沢市でいいなと思ったのは、街中に江戸時代からの水路が今も残っていることである。表通りから一本路地に入るとそこには鞍月用水が流れていた。他にも中心部には辰巳用水、大野庄用水という、合わせて3本の水路があり、これが都市景観に文字通り「潤い」を与えている。前橋市でも金沢市ほどの規模ではないが、同様に水路があった。先に書いた「広瀬川」が実は江戸時代に整備された用水で、現在は河畔緑地が整備されてやはり素晴らしい都市景観をつくり出している。

 仙台の広瀬川は街中からはやや外れたところを流れているため、街中でこうした「水のある風景」を見ることはない。実は仙台にも江戸時代に造られた「四ツ谷用水」という用水があり、現在の市街地の至るところを流れていた。ところが、上下水道の整備によって生活用水としての利用が減少したことや、車社会の到来で水路にフタがされたことによって、地上から姿を消す部分が多くなり、今では街中ではほとんどその姿を見ることができなくなっている。

 一度地上から姿を消した用水を復活された事例が仙台市の隣の山形市にある。同じく旧城下町である山形市にもかつて山形五堰と呼ばれる水路があったが、やはり時代の移り変わりと共に暗渠となり、その存在すら知らない市民も多かったという。そうした現状に対して、街中にオアシスのような空間を創造するということで、中心部の七日町商店街の店主らがまちづくり会社「七日町御殿堰開発株式会社」を設立、7年前に五堰の一つ「御殿堰」を「水の町屋七日町御殿堰」として街中に復活させたのである。この御殿堰、新たな観光スポットとして市民や観光客の憩いの場となっている。

 仙台でも昨年、四ツ谷用水の一部である「桜川」を歴史遺産として復活させようという「仙台『桜川』を復活する市民の会」が立ち上がった他、仙台市の環境共生課も6年前から「四ツ谷用水再発見事業」として各種イベントを開催している。こうした官民の動きがうまく合わされば、四ツ谷用水の復活も現実味を帯びてくるのではないだろうか。

 現在、戦災で焼失した仙台城の大手門を復元させる動きも出ているが、合わせて四ツ谷用水も復活させることで、より旧城下町に相応しい歴史を感じさせる街並みとなるに違いない。

 これまで「杜の都」として売ってきた仙台市だが、四ツ谷用水を復活させて旧仙台藩の時と同様、樹木が豊富で水路が巡る「杜と水の都」としてバージョンアップできれば、観光都市としての仙台市の魅力はより高まるのではないかと考える。


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2017年06月07日

ついにできた!仙台初の地ビール!〜東北で地ビールが飲める店その75

DSCN0649 ことあるごとにぼやいていたのだが、日本の百万都市の中で地ビールがないのは仙台だけである。
 宮城県内には4つの地ビールがあるが、いずれも仙台市ではない。
 誰か造ってくれないかなぁと常々思っていたのだが、今年の初めくらいから、どうやら仙台にブルーパブ(ブルワリーとパブが一体となった店舗兼醸造所)ができるらしい、という話をあちこちで聞いた。
ただ、その詳細がさっぱり分からず、いつ、どこで、誰が始めるのか分からないままでいた。

 そうしたところ、塩竈市内で私の行きつけのお店の一つである「Bar Argon」のマスターの武藤さんから、仙台でブルーパブを立ち上げるという人と会った、という話を聞いた。
 武藤さんもゆくゆくは塩竈で地ビールを醸造しようと準備している人なのだが、そのために税務署主催の講習会に参加した折に、その人と会って連絡先を交換してきた、とのことだった。
 そこで武藤さんが聞いたというその人の電話番号を教えてもらい、電話してみた。

 電話の相手は今野高広さんという方で、ちょうど去年の6月から準備を進めていたそうである。
 これまではいつ醸造免許が得られるか分からなかったので積極的には情報を発信していなかったそうだが、その醸造免許が順調にいけばこの8月にも得られる見通しとなったので、ちょうど情報を発信し始めようとしていたところだったとのことであった。
 今野さんはベルギービールがお好きで、それで当初はベルギービールのお店を始めようと考えていたが、仙台市内には既にダボスを始め、ベルギービールのお店が複数あったことから、差別化を考えてブルーパブを始めることにしたそうである。

 ぜひ中を見せていただきたいとお願いしたところ、準備中のそのブルーパブを見せてくださるということで早速足を運んでみた。
 場所は若林区穀町(こくちょう)の穀町郵便局の斜め向かい辺りで、既にお店の内装はほぼ出来上がっていた。
 自宅を改装して造ったカウンター席が6席のお店で、やはり自宅内にある醸造所でできた出来立てのビールが飲める。

 住所としては若林区石名坂だが、ビールの名称は「穀町ビール」、そしてブルーパブの名称は「ビア兄(にいに)」となるそうである。
 元々ベルギービールがお好きということで、ハイアルコールのビールなども醸造する予定とのことであった。

 素晴らしいと思ったのは、この「穀町ビール」、県外には卸さないつもりだということである。
 その心は、このビールが飲みたいということであればぜひ仙台に足を運んでほしい、という願いからで、そうでなくてどこでも手に入るようだと地域活性化にはつながらないという問題意識が今野さんにはおありだった。
 逆に仙台市内では飲めるお店をここ以外にもつくりたいそうで、早くも既に10くらいの飲食店が「穀町ビール」を置いてくれることになっているそうである。
 また、宮城県内の地ビールは店に置きたいと考えているとのことであった。

 醸造免許は8月にも得られる見通しとのことで、そこから醸造を始めて、順調にいけば8月末から9月には開店できるようである。
 この穀町、私の職場から徒歩で5分くらいのところである。
 そのような場所にブルーパブができてしまったら毎日のように通ってしまうのではないかと今から心配であるが、とにかく開店が待ち遠しいところである。


追記(2017.9.29):ブルーパブ「ビアニーニ」(最終的にこの表記になったらしい)の開店日が決まった。1か月後、10月29日(日)の昼12時とのことである。楽しみである。

追記(2017.9.29):10月29日(日)は1日限定のプレオープンとのことであった。11月以降については、仕込みの日程が決まり次第改めてアナウンスがあるそうである。

追記(2017.10.29):
DSCN0917 「穀町ビール」の醸造所兼店舗である「ビア兄(にいに)」のプレオープン、12時からとのことで、12時に行ってみたら既に行列ができていた。
 この日はプラカップで1杯500円で提供されていたが、その場で飲む人の他に、瓶での購入を求める人も多くいて、用意した瓶はあっという間に品切れとなっていた。


DSCN0918 この日飲めた「穀町エール」は濃褐色のアルコール度数10%のビールであるが、濃厚ながらとても飲みやすい味に仕上がっていた。
ベルギーのトラピストビールと同系統の味、と言うとベルギービールが好きな人には分かってもらえるかもしれない。
ハイアルコールのビールを作りたいというお話は以前伺っていたが、よもやそれを最初に造ってしまうとはすごいの一言である。
これからどんなビールが出てくるか楽しみである。

DSCN0922 お店の方は今野さんご夫妻が切り盛りされていたが、ご近所の方、今野さんご夫妻のお知り合い、そして私のようなビール好きが、初対面ながらお互いに和気あいあいと話しながら仙台初の地ビールとなるこの「穀町エール」を飲んでいた。
人と人の距離を近づけるビール、そしてお店であった。

 なお、正式オープンは11月20日(月)となるそうで、それ以降は、月・木・金の19時から22時までの営業となるとのことである。
また、荒町の及川酒造店で瓶が購入できる他、一番町の「旨い屋 楓」、国分町の「仙一ホルモン」、「アナログガーデン」でも「穀町ビール」が飲めるそうである。


追記(2017.11.10):瓶の「穀町エール」がこれである。
171110-183330アルコール度数10%を表す「」があしらわれている。
今のところまだ一般には販売されていないが、及川酒造店では11月20日(月)から販売開始とのことであった。

 なお、明日11月11日(土)も19時から22時まで、「ビア兄」が臨時オープンするそうである。
プレオープンには行けなかったが20日(月)の正式オープンの前に飲みたい、という人にはうってつけである。


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2017年06月06日

「東北絆まつり」は「東北地ビールまつり」だった!〜東北で地ビールが飲める店 番外編その36

map6月10日(土)、11日(日)に「東北絆まつり」が仙台市内で開催される。
東日本大震災の犠牲者の鎮魂と東北の復興のために震災のあった2011年の7月に仙台から始まった東北六魂祭は昨年の青森で東北六県の県庁所在地を一巡したが、その後継イベントとして、「多彩な東北が、熱い絆でひとつになる」をコンセプトとして再度仙台を皮切りに開催されることになった今年初開催のイベントである。

東北六魂祭と同様、東北六県の県庁所在地の夏祭り、すなわち青森市の青森ねぶた祭、盛岡市の盛岡さんさ踊り、仙台市の仙台七夕まつり、秋田市の秋田竿燈まつり、山形市の山形花笠まつり、福島市の福島わらじまつりが一堂に会するが、それだけでなく、会場には東北各地のグルメや物産も集まる。

その中で、国分町の元鍛冶丁公園で「牛たんと東北地ビール祭り」が開催されることはサイトの情報で知っていたのだが、実はこの「東北絆まつり」、それだけには留まらなかった。
アンバーロンド」の田村さんに教えてもらったのだが、この「牛たんと東北地ビール祭り」では岩手県一関市のいわて蔵ビールと、アンバーロンドがチョイスした12種の東北の樽生地ビールが飲めるとのことだが、それ以外の会場でも実は東北の地ビールが飲めるそうである。
具体的には、東北絆まつりのメイン会場である西公園では秋田市のあくらビールと盛岡市のベアレンビールが、「みやぎきずな市」が開催される市役所の南側の市民広場では宮城県加美町のやくらいビールと宮城県角田市の仙南クラフトビールが、「東北うまいもの広場」が開催される勾当台公園では秋田県仙北市の田沢湖ビールと福島市のみちのく福島路ビールが、それぞれ4〜6のタップで用意されるとのことである。

加えてこの両日は東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地である楽天Koboスタジアム宮城で「クラフトビールと餃子WEEK」が開催中であり、そこでは岩手県遠野市のZUMONAビール、いわて蔵ビール、やくらいビール、神奈川県厚木市のサンクトガーレンなどが飲める。
また、国分町にある「CRAFT BEER MARKET」でもこの両日は、30タップのうち半分が東北の地ビールとなることになっている。
これらを合計すると、「東北絆まつり」の期間中、仙台市内では一部重複はあるものの、なんと90種類近くの地ビールが樽生で飲めるのである。

これだけ多くの地ビール、それも特に東北の地ビールが集まる機会というのは、東北各地で開催されるビールフェスティバルでもそうそうあるものではない。
その意味では、この「東北絆まつり」、実は「東北地ビールまつり」と言い換えることもできるのではないだろうか。
ビール好きの人にとっては堪えられない2日間になりそうである。


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2017年03月22日

私的東北論その91〜「楽都」への道(「東北復興」紙への寄稿原稿)

 11月16日に発行された「東北復興」第54号では、「楽都」について書いてみた。東北では仙台と郡山が「楽都」を自称しており、それぞれそれを名乗るに値する、音楽についての充実した取り組みがある。以下がその全文である。


「楽都」への道

音楽イベントの多い街・仙台
 私事であるが、今年から男声アカペラグループに所属している。活動を始めて今年で17年目になる、仙台でも老舗と言えるグループで、男声のみ、しかも無伴奏というグループは多くのバンド、グループが活動する仙台でも稀である。

 11月5日は第15回仙台ゴスペル・フェスティバルが開催され、仙台市中心部の11のステージで104の演奏が繰り広げられた。お目当てのグループの演奏を聴きに来た人はもちろん、歩いていた足を止めて演奏に聞き入る人の姿も各所で見られた。

 考えてみると、ここ仙台は年間を通して音楽関連のイベントが多い土地であるように思う。私の属するグループも1年に5回ほど演奏を行うが、そのうち4回は仙台市内の音楽イベントである。6月の「とっておきの音楽祭」、7月の「太白区民合唱祭」、9月の「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」、そして今回のこの「仙台ゴスペル・フェスティバル」である。

 これら以外にも仙台市内の音楽イベントは数多い。5月に「仙台コレクション」(昨年までは9月の開催だった)、6月には「ジャズ・プロムナード in 仙台」、7月に「伊達ロックフェスティバル」、「若林区合唱のつどい」、8月の仙台七夕まつり時期に開催される「スターライト・エクスプロージョン」と「七夕ヴィレッジ」、9月に「秋保温泉MUSIC BAR」、10月に「仙台クラシックフェスティバル」、「伊達な街四丁目アカペラストリート」、「MWGA☆ROCKS」、12月に「ビッグバンドJAZZ・クリスマスコンサート」、「学都×楽都コラボレーション」、「クリスマスヴィレッジ」などが開催され、他に3年に1回仙台国際音楽コンクールが開催される。

 それだけではない。「仙台・杜の響きコンサート」には、仙台市内で開催される音楽イベントの予定がまとめられているが、ここを見ると、毎月かなりの数の音楽イベントが仙台市内各地で開催されていることが分かる。

 こうしたあまたある音楽イベントの中でも、9月に開催される「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」は、今や国内最大の市民音楽イベントと言われる。市民の発案で始まったこの音楽イベントは、26回目を迎える今年、国内外の760のバンドが集まり、70万人が集まった。市民が中心となって運営し、市民が無料で気軽に聴けて、街角そのものがステージというスタイルで始まったこのイベントは、全国各地の音楽イベントにも影響を与えた。仙台市内はもとより他の地域でも同様のスタイルを取る音楽イベントが数多く誕生した。宮城県内では「鳴子音楽祭『湯の街ストリートジャズフェスティバル in SPA鳴子』」、東北では秋田の「ザ・パワーオブミュージックフロムアキタ」と「アキタミュージックフェスティバル」などがある。

もう一つの東北の「楽都」・郡山
 このように音楽イベントがあまた催されることもあって、仙台は「楽都」と称することがある。ただ、「楽都」は仙台だけの専売特許ではない。東北ではもう一つ、福島の郡山市も「楽都」を称している。郡山の「楽都」への道は戦後すぐ始まったとのことで、かなりの歴史を持っているようである。敗戦直後の荒廃の中で郡山では、音楽が戦災からの復興を目指す市民の心の拠り所となり、当時難しかったオーケストラを招いての演奏会を実現させた。その後「良い音楽を安く多くの人に」とのスローガンのもとで進められた勤労者音楽協議会の企画で著名団体の公演などが相次いで実現し、注目を集めたそうである。1964年には毎月第3金曜日をコーラスの日とし、街頭でコーラスを歌い、広めるという「十万人コーラス」運動が興り、翌年には「二十万人コーラス市内パレード」なども実施された。

 現在、郡山でも仙台と同様に年間を通じて音楽イベントは多いが、郡山で特筆すべきは学校音楽のレベルの高さである。特に合唱においては、中学校では郡山市立郡山第五中学校女声合唱団、郡山市立郡山第五中学校混声合唱団、郡山市立郡山第二中学校合唱部、郡山市立郡山第七中学校合唱部などが、高校では福島県立安積黎明高等学校合唱団や福島県立郡山高等学校合唱団などが、また小学校では郡山市立大島小学校などが、全日本合唱コンクールや「Nコン」ことNHK全国学校音楽コンクールなどで上位入賞の常連校となっている。これは郡山市内の音楽活動のすそ野の広さや教育の熱心さなどを如実に示しているものと言える。

 ちなみに、福島県内では会津若松市も郡山に負けず劣らず、中学校や高校の合唱部がレベルが高い。中学校では会津若松市立第二中学校合唱部、会津若松市立第四中学校合唱部、会津若松市立一箕中学校合唱部、高校では福島県立会津高等学校合唱団がやはりコンクールの上位常連校である。会津若松市は特に「楽都」を名乗っていないが、充分それに値する存在であると言える。

「楽都」ウィーンに学ぶこと
 世界的に「楽都」と言えばオーストリアの首都ウィーンのことである。ハプスブルク家の音楽好きに端を発する、少なくとも500年以上の伝統、モーツァルトやベートーヴェン、シューベルトといったウィーンを拠点として活動した著名な作曲家の存在、全世界に衛星生中継されるニューイヤーコンサート、現在少なくとも8つはあるオーケストラなど、まさに「楽都」と称するにふさわしい要素があまたある。

 これらに加えて特筆すべきは、音楽を楽しむ環境の充実ぶりである。ウィーンには一度足を運んだことがあるが、「すごい」と思ったのは、ウィーン国立歌劇場管弦楽団とウィーンフォルクスオーパー管弦楽団という、ウィーンを代表するオーケストラによるオペラが、ウィーンではほぼ毎日上演されているということである。それだけではない。もちろんウィーンでもいい席は日本円にして2万円くらいはするが、それだけでなく、学生やお金がない人でも楽しめるように、立見席が用意されており、その値段は日本円で500円くらいなのである。

 500円でオペラ鑑賞などとは日本ではおよそ考えられないことであるが、ウィーンではその気になれば毎日、500円でオペラを楽しむことができる。このように、市民が音楽を身近で気軽に楽しめることが、「楽都」の「楽都」たる所以であるように思った。

 日本で同様の環境は望むべくもないが、少なくとも仙台や郡山で開催されているたくさんの音楽イベントは、市民自らが演奏したり、その演奏を気軽に聴いたりできるということで、そこに住む人自身が音楽を楽しむ環境をつくるのに大いに貢献しているということは言える。「楽都」にとってそこが最も重要な要素であるように思う。

「楽都」同士の連携を
 ちなみに、Googleで「楽都」と入力して検索候補として表示される地名は仙台、郡山の他に、松本、堂山、四国中央があった。これらの都市がどのような趣旨でどのような活動を行っているかについて情報を得る機会は日常ほとんどない。そう言えば、同じ東北であっても、仙台と郡山の間でも「楽都」連携はほとんどなされていないのではないだろうか。恐らく、仙台市民のかなりの割合の人は、自分たちの住んでいる仙台が「楽都」と称していることについてはある程度知っていても、郡山も「楽都」を称していることは知らないだろうし、ましてや郡山が「楽都」としてどのような取り組みをしているかについてもほとんど知らないのではないだろうか。

 しかし、「楽都」としてウィーンになることは難しくても、お互いにその取り組みについて情報交換をし、学び合うことで、「楽都」としての取り組みをより充実させ合うことはできるはずである。そもそもウィーンと違って、日本国内であれば「楽都」は一つの都市だけが名乗れるといったようなものではなく、同時多発的に複数の「楽都」があってまったく問題ないはずである。いや、むしろたくさんの「楽都」があれば、それだけ音楽を楽しめる環境が多くあるということになり、望ましい。「楽都」を自称する都市が集まって、年に1回くらい「楽都サミット」を開催してみてはどうだろうか。

 東北の中だけでもできることはありそうである。まずは先に述べた、仙台と郡山という「楽都」同士が連携する体制をつくることが必要だが、それに加えて、東北の主だった都市間で音楽に関する取り組みについて情報交換する場があるとよいと思う。

 なぜそのように思うかと言えば、最初に述べた「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」と同様のスタイルで始まった東北の音楽イベントの中には、何回か開催されたもののその後開催されなくなってしまったものもいくつかあるからである。これは実にもったいないことである。

 何か新しいことを始めることはもちろん大変だが、新しく始めたことをその後も続けることは実はもっと大変なことである。始めたことをその後どのように続けるかについてのノウハウは、始めたことを現在も続けているところが持っている。運営体制の構築や維持、引継ぎや予算確保、プロモーションといった実務上のことからコミュニケーションの方法やモチベーションの維持といったメンタル面のことまで、長く続けているところには必ず工夫がある。それを共有することで、せっかく始めたことが一過性のものとして終わるのではなく、息の長い取り組みとして続き、そうすればその取り組みは地域に根付く。「楽都」はそうしたことの積み重ねの先にある。

 郡山の「楽都」への取り組みが戦後の復興を支えたことを考えても、音楽の持つ力を東北が前に進むために活かすことは必要であると思う。そのためには東北のあちこちに「楽都」ができるのがよいのではないだろうか。


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2016年09月29日

私的東北論その85〜東北の観光における復興の現状とこれから(「東北復興」紙への寄稿原稿)

 6月16日に発行された電子新聞「東北復興」の第49号では、東北の観光の現状とこれからについて取り上げた。震災後、大きく落ち込んだ東北各地の観光客数だが、ここへ来てようやく震災前の水準に回復してきている。東北にはいい場所、いいものがたくさんある。それをぜひ多くの人に確かめに来ていたただきたいと思うものである。

 以下がその全文である。


東北の観光における復興の現状とこれから

過去最多となった仙台への観光客
新しい画像 仙台を訪れた観光客の数が昨年2015年、初めて2,000万人を超えて過去最多になったことが仙台市の調査で分かったそうである(左図は「データで見る仙台の産業 平成28年度」による)。正確には22,293,853人とのことで、仙台市が目標に掲げている2017年度までに2,300万人という数字も現実味を帯びてきたことになる。

 これまでの推移としては、震災前の2009年が1,937万人、2010年が1,979万人で、そのままいけば翌年は2,000万人を超えそうだったが、翌2011年は東日本大震災の影響で1,621万人まで観光客数は落ち込んだ。2012年が1,855万人、2013年も1,867万人と震災前の水準には戻らなかったが、2014年にようやく1,975万人と震災前の水準に戻っていた。

 2015年の2,229万人は、前年の12.9%増という伸びとなったわけだが、その要因としては震災の風評被害が一定程度収まったことや、仙台うみの杜水族館が開業したことなどが挙げられている。

 また、市内の外国人宿泊者数も115,947人で、これも2008年の98,210人を抜き、初めて10万人を超えて過去最多となったそうである。外国人宿泊者数は、震災のあった2011年には24,071人と激減し、その後も2012年57,297 人、2013年55,871人、2014年68,834人となかなか震災前の水準には戻らなかったが、2015年は前年比168.4%という高い伸びとなった。この要因としては、この年の3月に国連世界防災会議が開催されたことが挙げられている。

 外国人宿泊者を地域別に見てみると、アジアが70,996人で最も多く、次いで北中南米が16,392人、 欧州が11,028人、オセアニアが1,894人、アフリカ1,589人などとなっている。国・地域別に見てみると、台湾が37,660人で最も多く、次いで中国が13,787人、アメリカが13,452人、タイが6,967人、韓国が4,124人、香港が3,458人などとなっている。


仙台の観光は仙台だけでは成り立たない
 しかし、仙台だけ観光客が増えたと喜んでいてはいけない。そもそも、仙台の観光は他地域と組まないと成り立たないという側面がある。

 例えば、観光庁は今年3月、「東北6県の観光魅力100件」を選定した。これは、「東北の観光資源について広く国内・海外に情報発信を行い、東北への来訪促進を図るための新しい試み」とのことで、応募のあった1,264件の中から「見るもの」「食べもの」「買いもの」「体験」の各カテゴリで合計100件を選定したものなのだが、この100件の中で、仙台に関する観光資源は実に 「仙台七夕まつり」ただ1件だった。つまり、仙台の観光資源は東北の他地域と比較すると決して多いとは言えないのである。このことから考えても、仙台の観光は仙台だけでは決して成り立たず、むしろ、東北各地の観光情報の発信基地となるべき立場であるのである。

 ちなみに、「100件」を県別に見ると、青森が28件と最も多く、次いで秋田が21件、宮城が18件、岩手が16件、福島が15件、山形が11件となっている(複数県にまたがる観光資源もあるので合計は100を超える)。青森や秋田に「東北のベスト」の観光資源が多いことが分かる。


仙台駅の新たな取り組み
 たまたま仙台駅3階のみどりの窓口で切符を買おうとしたら、壁面のディスプレイで「ヨリ未知 SENDAI」と題した、東北の名所、名産品を紹介するプロモーションビデオを流していた。JRがつくったビデオだけあって、一つひとつ、仙台駅を起点とした場合の経路や所要時間まで図示されて、いざ行ってみようと思った時に役立ちそうな内容だった。キャッチコピーが「冒険しよう、陸(みち)の奥へ。」で、「『ヨリ未知 SENDAI』が目指すのは“どこかへ『寄り道』したくなる情報が集まった駅”」とある。

 まさに、仙台の立ち位置はこれで、JR仙台駅はそれを十分意識しているように思える。この「ヨリ未知 SENDAI」プロジェクト、3月の仙台駅東西自由通路のオープンに合わせて始まったもののようで、「東北の未だ知られざる多くの魅力を仙台駅から発信する」ことが目的だそうである。これは素晴らしい試みである。実際、私が目にしたプロモーションビデオ以外にも、東北のこけしや漆器、民芸玩具が展示してあったり、宮城の80種の食がミニチュアで紹介されていたり、東北の花見スポットや名峰が紹介されていたりといった工夫が駅の中のあちこちにあるようである。

 唯一残念なのは、この「ヨリ未知 SENDAI」、ウェブページにある情報は仙台駅とその周辺のみの情報にとどまり、プロモーションビデオで紹介していたような東北各地の情報がないことである。これは「東北の未だ知られざる多くの魅力を仙台駅から発信する」という趣旨から言えば不十分と言わざるを得ない。せめて、駅の中で流していたプロモーションビデオをウェブ上で公開するだけで もずいぶん違うと思うのだ が、それも今のところないようである。

 そのような残念な点はあるものの、その趣旨には大いに賛同する。他の地域の人によく「仙台って大きな街なんですね」と言われる。「東京から1時間ちょっとで着くんですね」ともよく言われる。 こうした声から分かるのは、とにかく情報が少ない、知られていないということである。仙台駅は言うまでもなく、東北で最も多くの人が利用する駅である。そこでの情報発信の効果はとても大きい。今後も積極的に情報を発信していってほしいものである。


世界に向けて何をどう発信するか
 復興庁の資料によると、外国人宿泊客の数は、全国では2010年の2,602万人から、2014年には4,207万人と、実に161.7%の大幅増となっている。しかし、これを東北に限って見てみると、2010年の51万人から2014年には35万人と、なんと逆に70%に減少している。2010年比で外国人宿泊客が減少している地域は東北だけで、いわば東北の「一人負け」状態なのである。

 その背景にはもちろん、いまだに東日本大震災の影響があることは間違いのないところだろうが、そうした風評を払拭するだけの情報発信ができていないということでもあるわけである。

 こうした状況を受けて、観光庁は今年度、東北六県の観光振興を目指して、全世界を対象にした初めての大規模キャンペーンを行うそうである。震災復興関連予算から10億円を確保して、海外の著名人を起用したテレビ番組の制作、各国のメディアや旅行会社を招くツアーなどを実施して、東北の観光情報を集中的に発信するとのことである。

 国は今年度を「東北観光復興元年」と位置付けているとのことで、それは大変ありがたく心強いことではあるが、一方でせっかくお金を掛けるのであれば、他にも考えておいた方がよいこともありそうである。

 観光庁が今年1月から3月まで訪日外国人を対象に行った調査で注目すべきは、「出発前に得た旅行情報源で役に立ったもの」という質問への回答である。ここでは「日本政府観光局ホームページ」(16.7%)や「旅行会社ホームページ」(16.6%)、「地方観光協会ホームページ」(6.2%)などを抑 えて圧倒的に多かったのが 「個人のブログ」(31.4%)であったのである。

 このことからは、公式な情報よりも、個人の発信した情報を参考にするという傾向が見て取れる。国が予算を確保しての公式なレベルでの情報発信を行ってくれることはありがたいが、 それのみでは決して十分とは言えないわけである。むしろこの領域で影響力のある各国の個人ブロガーを招いて東北に関する情報を発信してもらうこといった取り組みの方が必要なのではないだろうか。また、日本側でも、東北の情報を発信する個人ブログなどを、各国語対応も含めてどう充実させていくかということの方が、効果の面で言っても取り組むべき喫緊の課題であると言える。


東北の強みを活かした観光復興を
 同じ観光庁の資料では、「訪日前に期待していたこと」について、最も多かったのが「日本食を食べること」(70.0%)で、次いで「ショッピング」(53.0%)、「自然・景勝地観光」(43.5%)、「繁華街の街歩き」(37.3%)、「温泉入浴」(35.5%)が多く、ちょっと下がって「旅館に宿泊」(21.4%)、「日本の酒を飲むこと」(20.9%)とな っている。「テーマパーク」(15.3%)、「日本の歴史・伝統文化体験」(14.8%)、「日本の日常生活体験」(13.6%)、 「四季の体感」(12.4%)などはそれほど多くはない(ただし国によってかなり ばらつきはある)。

 東北の得意分野でこうしたニーズに対応することを考えると、まず「ショッピ ング」や「繁華街の街歩き」 などでは他地域をしのぐような対応は難しい。これらについては首都圏など大都市圏に強みがある。

 東北で力を入れるべきは、 何と言っても、「日本食を食べること」、「自然・景勝地観光」、「温泉入浴」であろう。これらに対応することを重点的に考えていくのが東北の観光復興には最も良いのではないかと思われる。東北の食、自然、温泉は、日本の他地域に比べても、かなり良いものを持っている。それを外国人向けに大いに情報発信すると同時に、いざ来てくれた際の受け入れ態勢もしっかりと整えることがこれから必要なことであるのではないだ ろうか。

 食に関して言えば、「最も満足した飲食」で多かったものの中で、「寿司」が一番なのは予想がつくとして、次いで「ラーメン」が来て、その次は「肉料理」で、この3つが圧倒的であった。これらもまた、東北でも美味しい食べ物である。 海外に向けた東北のこれらの料理のマップを作るなどの工夫も必要であろう。


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2016年06月29日

田沢湖ビールの直営店が仙台にオープン!〜仙台散歩その54

追記(2018.7.8):大変残念なニュースが入ってきた。下記で紹介している「田沢湖ビール -SENDAI-」、リニューアルに向けて休業中とのことだったのだが、「諸般の事情により営業終了の運び」となったそうである。
 田沢湖ビールが常に全種、樽生で飲める、仙台では貴重なお店だっただけに残念である。



160629-150522 秋田県第一号の地ビールである田沢湖ビールが、仙台市内に直営店「田沢湖ビール−SENDAI−」(仙台市青葉区一番町三丁目6-12菊地ビル2F、TEL022-796-2988)を7月1日(金)にオープンさせる。場所は、中央通りの「マーブルロードおおまち」の一角、千足屋仙台店とAOKI仙台一番町店の間にある菊地ビルの2階である。




160629-151912 最近、仙台市内でも地ビールが飲める店が増えてきているが、こと地ビール醸造所直営の店に限って言えば、以前あった銀河高原ビールの直営店「サトゥラギ」以来、久々のオープンとなる。「田沢湖ビール−SENDAI−」では、レギュラービール6種類に季節限定のビール2種類の合わせて8種類の田沢湖ビールが常時樽生で飲める。これまで一つの醸造所のいろいろなビールが樽生で飲める店は、仙台駅前にあって銀河高原ビールが樽生で3種類飲める「夕焼け麦酒園」を除くとほとんどなかったので、その意味でもとても嬉しい。まして、醸造所直営ということで、ビールのコンディションについても心配することなく、いつでもベストな状態で飲めるというのもありがたいことである。

160629-152109 フードの方は秋田名物いぶりがっこにクリームチーズを載せたものや、秋田の安藤醸造の味噌を使ったピザ、秋田のポルミートのソーセージといった、秋田の食材を使った料理を始め、ビールに合いそうな洋風料理がいろいろある。また、男鹿産の魚介類も毎日直送されるそうで、その新鮮な魚介類を使ったその日のおススメメニューも登場するそうである。




160629-154246 ビールはレギュラーグラス(300ml)が480円、ラージグラス(510ml)が780円と、一般に流通している田沢湖ビールの330ml瓶が500円弱であるのを考えると実に格安で、この辺りも醸造所直営ならではのありがたい価格設定である。そしてまた、これら2種類のサイズのグラスに加えて、ここには「田沢湖グラス」と名付けられた1,000mlサイズが1,500円で飲める。このグラスはとてもインパクトがある。ベルギービールの「パウエルクヮック」のグラスを大きくしたような形だが、日本一深い湖である田沢湖の深さ432mにちなんだ、高さ432mmのグラスである。お気に入りのビールをとことん味わいたい時にはピッタリである。

160629-154213 店内は合計25席で、今のところパーティープランなどはないが、相談があれば、貸切対応や飲み放題などについても検討するとのことである。営業時間は11:00〜14:30(14:00LO)と17:00〜23:00(フード22:00LO、ドリンク22:30LO)で、定休日は日曜日である(祝日を含む連休の場合は連休最終日が定休日)が、7月3日(日)は通常営業するとのことである。




 ビールに加えて、店内には田沢湖ビールの母体であるあきた芸術村や秋田の観光情報のパンフレットなども置いてあり、秋田に関する情報の発信基地にもなりそうである。今まで仙台市内で田沢湖ビールが常時飲める店はなかったが、醸造所自らが直営店をオープンさせてくれたお蔭で、麦芽100%のドイツ式製法に特化した自慢のビールがいつでも飲めるようになるのは、ビール好きにとっては大変ありがたいことである。ぜひ足を運んでみていただきたい。


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2015年10月04日

東北で地ビールが飲める店 番外編その33〜仙台で初のクラフトビールのイベントが開催!

0633_001 仙台でビールイベントと言うと、年に2回のオクトーバーフェスト、昨年から始まったベルギービールウィークエンド、それにコボスタ宮城で年に3回ほど開催されるビールイベントなどがメインである。もちろん、オクトーバーフェストで飲むドイツビールも、ベルギービールウィークエンドで飲むベルギービールも美味しいのだが、地ビール好きの立場からすると、一関市で毎年開催されている全国地ビールフェスティバルin一関のようなイベントもあればな、などと思っていた。

 秋のオクトーバーフェストには東北の地ビール醸造所も何箇所か出店してくれるので、私などは会場ではもっぱら、東北の地ビールばかり飲んでいるのだが、どうしてもドイツビールが主役のイベントということで、東北の地ビールは主役ではなく脇役、もしくはホストではなくゲストのイメージであった。

 そうしたところ、なんと今年、10月の三連休の最終日、10月12日(月)に勾当台公園の市民広場で、クラフトビールがメインのイベント、「仙台クラフトビールフェスティバル」が開催されることになった。これは地ビール好きのみならず、ビール好きにとって朗報である。

0634_001 当日は、宮城県内にある4つの地ビール、やくらいビール、仙南クラフトビール、松島ビール、鳴子の風を始め、東北の地ビールのうち6つ、いわて蔵ビール、遠野麦酒ズモナ、田沢湖ビール、あくらビール、みちのく福島路ビール、猪苗代地ビールの計10醸造所の50近いビールが樽生で味わえる。しかもそれが300mlで500円というリーズナブルな価格で飲めるのも嬉しい。

 ビールを飲むと美味しいフードも欲しくなるが、会場では仙台の11の飲食店がそれぞれ、「ビールが進むフード」を提供する。飲食店の中には、アンバーロンドやグッドビアマーケットエン、クラフトマン仙台やオステリア・ガブなど、日頃からこだわりのビールを提供している店も多くあるので、きっと腕によりをかけた「ビールが進むフード」が並ぶに違いない。

 仙台は元々、「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」や「SENDAI光のページェント」など、市民の発案で始まり、今や全国的に知られるようになったイベントがいくつもある。この仙台クラフトビールフェスティバルも、今回は東北のみの10の地ビールで、1日のみの開催だが、 5年後、10年後には東北屈指のビールイベントになっているかもしれない。その記念すべき第一回、しかと足を運んでみようと思う。

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2015年05月22日

仙台散歩その53〜仙台のカレー新店2店+α

150521-183751 仙台一高の向かいにあった蕎麦店「茶畑庵」が閉店して、いつの間にかカレー店になっていた。「カレーの山道」(仙台市若林区元茶畑31-6、TEL022-290-9330、11:00〜14:00、17:00〜21:00、土日祝日定休)である。








150514-125133 早速入って見ると、メニューに載っているカレーが面白い。曰く、梵カレーライス、梵カレーうどん、そして梵カレーGOLDである。
 





150514-130000 写真はチキンカレーとベジカレーの2種のカレー、それにおまかせトッピングがつく「梵カレーGOLD」である。ライスが見えないくらいトッピングがテンコ盛りである。そのライスは玄米が使われていた。私は玄米のライスで食べるカレーも好きなのだが、この界隈で玄米のライスを出すカレー店は他に、以前紹介した 南國堂が最近始めたくらいなので、その意味でも貴重である。

 カレーもスパイシーで(辛いという意味でなく)、とても美味しい。店主はネパールで数ヶ月修業して帰国し、この3月のこの店をオープンさせたとのことである。従ってカレーもその流れを汲むカレーなのだろうが、同じネパールでもこれまた以前紹介した仙台駅東口のカトマンドゥのスープ状のカレーとは対照的なとろみのあるカレーである。

 他に、自家製のうどんを使った梵カレーうどんはこのカレーに出汁が合わさってまた美味しいし、デザートにある自家製バナナアイスもよかった。

 日替わりのお惣菜もいろいろあるのだが、夜はそのお惣菜一種とお酒一杯で1,000円の「晩酌セット」がある。ビールはネパールの「エベレスト」と「ネパールアイス」があった。

 そうそう、店名は、ヒマラヤ山脈に向かう山道から来ている、のではなく、店主が山道さんという苗字なのであった。

150519-134133 一方、長町南にある広南病院の並びには4月に「Curry spot 祭(sai)」(仙台市太白区長町南4-12-16、TEL022-395-4117、11:00〜14:30LO、17:00〜21:00LO、木曜定休)がオープンした。こちらはインド風とも違うオリジナルのスパイシーなカレーが美味しい。煮込んだ鶏ガラスープに、30種の野菜を加え、15種類のスパイスを配合し、2日間寝かせて作るのだそうである。鶏肉のカレーと豚肉のカレー、それに限定のカレーがある。





150520-133521_m 上が鶏肉のカレー、下が豚肉のカレーであるが、それぞれの肉に合うようにスパイスの調合を変えているそうである。辛さは辛さなしの0から大辛の3まであるが、辛いもの好きにとってはもう少し上があってもいいと思える辛さである。

 チャイやラッシーもしっかり自家製なのもいい。チャイのスパイス配合もオリジナルで、ラッシーも美味しかった。
 

150519-135043 こちらも各種肉巻や手羽元などつまみになりそうな料理があり、かつ海外のビールが6種類ほどあったので、夜来ても楽しそうである。







150521-135655 他に、新店ではないが、緑ヶ丘で「カレーのお店 Greenひるず」(仙台市太白区緑ヶ丘2-23-7、TEL022-797-9562、9:30〜15:00)という店を見つけた。欧風カレーの店とのことだが、辛口チキンカレーはけっこう本格的な辛さでスパイシーな味であった。上で紹介した「祭」のカレーの最上位の3の辛さとほぼ同等くらいはあるのではないだろうか。ほぐし肉にとろみのある辛口ソースがよく馴染んで美味しい。店内では朝取り新鮮野菜が売られているが、サラダやスープに入ってる野菜も美味しかった。

150521-140508 メニューには他に甘口ビーフカレーもあるが、それでも市販の中辛くらいの辛さがあるそうなので、全体的に少し辛めと言えるかもしれない。チキンとビーフが両方食べられるダブルカレーもある。

 この店、震災後閉店したままだったスーパーの空き店舗を利用して、一昨年からやっているとのことである。そのためふんだんにあるスペースをカルチャースペースや貸しギャラリーとしても活用している。


 以上、3店のカレー店を紹介したが、いずれも他のどことも違うカレーを出していて、かつそれが美味しいというのが嬉しいところである。カレー好きとして、選択肢が多くなるのは歓迎したい。


追記(2017.2.28):上で紹介した「カレーの山道」だが、閉店してしまった。現在はまた蕎麦店になっている。店主は時々海外を放浪するので、またどこかに行っているのかもしれない。帰ってきたらまたどこかで店を開いてほしいものである。


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2014年04月28日

仙台散歩その52〜map版「仙台で地ビール・輸入ビールが飲める店まとめ」

仙台で地ビール・輸入ビールが飲めるお店まとめ 以前、「仙台で地ビール・輸入ビール(ドイツビール・ベルギービールなど)飲める店」を、「国分町・一番町界隈」、「仙台駅周辺」、「仙台市内その他地域」に分けてまとめて紹介したことがあった。必要があってそれらの店が仙台市内でどのように分布しているか、Google Map上にプロットしてみたが、せっかく作成したので、公開することにした。

 上の画像か下記のリンクをクリックすると作成したマップに飛ぶ(はずである)。地図上に本ブログに掲載した際の説明や写真も付加したので、美味しいビールが飲める店を探す際に役立てていただければありがたい。

 「仙台で地ビール・輸入ビールが飲める店マップ」 

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2013年04月13日

仙台散歩その51〜地ビールの充実した新店2店

 常々思うのだが、百万都市でありながら地ビール醸造所がない都市は、日本中で仙台くらいではないだろうか(と思って調べてみたら、さいたま市にもなかった)。東北では秋田や盛岡、福島のように、人口規模では仙台よりはるかに小さいながらしっかりと地元に根付いた地ビール醸造所があり、訪れる度にうらやましく思う。

 そんなわけで私は、仙台市内でおいしいビールが飲める店はないものかと飲み歩いて探すことになるのだが(と、自分を正当化する)、最近地ビールが、しかも樽生で飲める店が増えてきたのは私にとっては嬉しいことである。ことに最近相次いでオープンした2つの店は、意識的に地ビールを店の売りの一つに据えているのが特徴的である。

130224-195023 一つは昨年8月にオープンした「Restaurant waon(レストラン・ワオン)」(仙台市青葉区一番町1-1-8青葉パークビルB1、TEL022-395-7496、11:30〜13:30LO、18:00〜20:30LO、無休) である。その名の通り、知る人ぞ知る、ここでも以前紹介した「癒.酒.屋わおん」の2号店となるフランス料理店である。「癒.酒.屋わおん」でもやくらいビール新潟麦酒が瓶で常時飲め、また夏(と今季は冬にも開催されたが)に各地の地ビールを集めた「地ビールフェア」を開催するなど、元々地ビールが充実した店だったのだが、この「Restaurant waon」ではなんと、やくらいビール3種、福島路ビール2種、新潟麦酒1種の計6種が常時樽生で飲めるのである。新潟麦酒はここで紹介した「TEMAKAKE KITCHEN STYLE ENN」でも飲めるが、やくらいビールが飲めるのは加美町にある醸造所併設のレストランぶな林以外ではここだけである。また、福島路ビールの樽生が飲めるのも仙台では今のところここだけであり、それだけでも貴重な店である。

 もちろん、料理の方もさすがである。「癒.酒.屋わおん」同様地元の美味しい食材を使い、「上野精養軒」、「レストラン・ランデブー・ド・シャス」といったフレンチの名店で活躍した堀田英司シェフが調理した、おいしいフランス料理が食べられる。

 フランス料理でビールが特徴の店と言うと、私的には以前紹介したRED HOT」も思い浮かぶが、「RED HOT」はベルギーやドイツのビールの樽生とフランスの家庭料理、こちらは日本の地ビールと一般的にイメージするフランス料理なので、自ずとうまく差別化ができている。この「Restaurant waon」では、コース料理だけでなく、アラカルトも充実しているので、地ビールを楽しみに足を運べるところもいいところである。

130310-215300 もう一つは、この3月にオープンしたばかりの「GOOD BEER MARKET ENN(グッド・ビア・マーケット・エン)」(仙台市青葉区国分町2-8-12 国分町Kビル5F、TEL022-224-6511、18:00〜2:00LO、月曜定休)である。こちらは、先にちょっと触れた「TEMAKAKE KITCHEN STYLE ENN」の2号店である。「TEMAKAKE KITCHEN STYLE ENN」では世界の煮込み料理に加えて世界のビールや地ビールが飲めるスタイルの店であったが、今回の「GOOD BEER MARKET ENN」では、その名の通りビールをより前面に出して、地ビールや各国のビールなど様々なビールを樽生と瓶で飲んでもらおうという趣旨の店である。私が訪れた時にはベルギーのヴェデットの樽生や茨城の常陸野ネストビールの樽生があった。これから特に東北の地ビールを充実させていきたいとのことで、とても楽しみである。

 「Restaurant waon」も「GOOD BEER MARKET ENN」も、1号店でのビールのこだわりが2号店でさらに高じているところが共通しているように見える。このような店がもっともっと仙台に増えてくれると、仙台のビールを取り巻く状況も変わっていくのではないかと思う。毎年開催される仙台でのオクトーバーフェストのこの上ない盛り上がりを見るにつけ、仙台におけるビールの潜在需要の一端を垣間見る思いがする。

 そうそう、仙台のオクトーバーフェストは今年もまず6月に開催される。時期は今のところ未定だが、6月上旬に「東北オクトーバーフェスト2013」として開催されるようである。これまた楽しみである。


130508-212146追記(2013.5.28):先日、仙台駅東口を歩いていたら、新しいお店ができているのを見つけた。ふと中を覗いてみると、カウンターになんとビールサーバーのタップがズラリと 9つも並んでいるではないか。これは入ってみねばと思って入ってみたお店が、「SK7 Bistro & Bar(サカナ ビストロ & バル)」である。2013年2月にオープンしたそうで、「SK7」と書いて「サカナ」と読ませるユニークな店名のビストロ・バルである。

 ズラリと並んだビールサーバーで飲めるのはオリジナル地ビール 「尾張千種」、「伊達政宗麦酒」、それにハートランド、バドワイザー、エビス、エビス・クリーミートップ、ヒューガルテン、バスペールエールで、他に毎月東北の地ビールが入荷するとのことである。伊達政宗麦酒が樽生で飲めるのはこれまで「和醸良酒 ○たけ(マルタケ)」のみだったので貴重である。海鮮をメインにした料理もおいしい。


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2012年09月14日

東北で地ビールが飲める店 番外編その20〜仙台オクトーバーフェスト2012と東北各地の秋のビールイベント

追記(2019.1.19):2019年版はこちら

追記(2018.4.9):2018年版はこちら

追記(2017.1.28):2017年版はこちら

追記(2016.1.20):2016年に東北各地で開催されるビールイベントについては、こちらを参照していただければ幸いである。

120914-203949_m 仙台オクトーバーフェスト2012が9月14日(金)から23日(日)の予定で始まった。早いもので今年で7年目だが、すっかり仙台市内のビールイベントとして定着した感がある。今年も1,800人を収容できるセンターステージ付きのメインテントが準備された他、会話を楽しみたいという声にも応えてステージのない600人収容の「こかげテント」も設けた。また、この時期は雨天も多いことから、通路に特殊プラスチック製の床を敷いた。テントやステージの装飾にも工夫を凝らし、本場ミュンヘンの装飾を取り入れている。

 また、今回は仙台のオクトーバーフェスト初登場のビールもあり、さらに楽しめる。ドイツからはフランツィスカーナーシュパーテンホフブロイヴァイエンシュテファンアルピルスバッハー・クロスターブロイフレンスブルガーラーデベルガーシェッファーホッファーのビールが、地ビールではいわて蔵ビールズモナビール田沢湖ビール松島ビール仙南クラフトビールPDF)など、東北のお馴染みのビールが揃っている。

 フードも充実しており、これまた仙台のオクトーバーフェスト定番となった岩出山家庭ハムグルックルの地元のハム・ソーセージに、横浜のインビス・アイネ・ファミリエ、ドイツのフランツグリルが加わり、さらに中嘉屋食堂麺飯甜かきや no Kakiyaオッジ・ドマーニ五橋周平本町おやじ・せがれがそれぞれ自慢の料理を出している。

 今回のこの仙台オクトーバーフェストで今年の東北の主だったビールイベントはほぼ終了、と言いたいところだが、決してそうではない。これから秋にかけても東北各地でビール関連のイベントは引き続き開催される。まず宮城県角田市では9月30日(日)に「仙南シンケンファクトリーDream  LIVE」が予定されており、仙南クラフトビールや地場産の食材を用いた多彩な料理が楽しめる。

 福島市内では10月6日(土)、7日(日)に「第6回全国やきとリンピックinふくしま」と「がんばろう!ふくしま復興やきとりまつり」が開催される。福島市近郊には伊達鶏(だてとり)と川俣軍鶏(かわまたしゃも)という2つのブランド鶏肉があり、焼き鳥店も多い。10月6日(土)、7日(日)、8日(月・祝)に福島ガス主催で「世界の屋台」というイベントが開催される。この会場で福島路ビールあくらビール牛久シャトービールが飲めるそうである。

 一方、盛岡市では、以前も少し紹介したが10月7日(日)、8日(月・祝)、盛岡市内のベアレン醸造所で、「オクトーバーフェストINベアレン2012」が開催される。オリジナルジョッキが付いた前売り券が2,500円で、時間制限なしでベアレンビールが飲み放題である。また、今年はこの2日間のためだけに仕込んだスペシャルフェストビールも登場するそうである。

 10月8日(月・祝)には秋田市内で「秋田醸しまつり」が開催される(「あきたかもしまつり」と読む)。地酒、地ビール、地ワイン、味噌、醤油、豆腐、寒麹の漬物、創作発酵料理など、秋田が誇る自慢の発酵食品が勢揃いするイベントである。地ビールでは、秋田県内のあくらビール田沢湖ビール湖畔の杜ビールが揃う。


 10月13日(土)、14日(日)には福島市内で「全国餃子サミット&餃子万博inふくしま」が開催され、地元福島市、宇都宮市、浜松市を始め、全国各地の餃子が集結するが、その会場には福島路ビールも出展する。餃子とビール、とてもよく合いそうである。

 山形市内のLondon亭では、「London Night」が11月3日(土)に開催される。男性5,000円、女性2,000円で料理付き2時間飲み放題である。ただ、参加は2名以上からで10月27日(土)までに電話で申込が必要である。

 以上のように、まだまだビールのシーズンは終わっていないようである。追加情報があれば随時追記していきたい。


追記(2012.9.14):そうそう、直近になってしまったが、盛岡市では9月15日(土)、16日(日)の「IBCまつり in OROパーク2012」に、ベアレン醸造所ステラモンテが出展する。特にステラモンテのビールは同店以外ではなかなか飲めないので貴重な機会である。なお、ベアレン醸造所は同じ15日(土)、16日(日)、そして17日(月・祝)の3日間、ベアレンビールが1杯300円で飲める「ベアレンビアガーデン」(PDF)を開催する。


追記(2012.9.24):「秋田オクトーバーフェスト2012」が今年は10月21日(土)、22日(日)の2日間開催される。 第3回となる今回は、あくらビール田沢湖ビール湖畔の杜ビールの秋田県内の地ビール3社にドイツビールが加わる。また、手造りチーズなどのローカルフードも出店する他、同時開催として「秋田ソーセージフェスティバル」が開催されるので、きっとビールによく合うおいしいソーセージも食べられるものと思われる。


追記(2012.10.3): 上記で福島路ビールあくらビール牛久シャトービールが飲める、と紹介した福島市内のイベントは、「やきとリンピック」&「やきとりまつり」ではなく、「世界の屋台」というイベントであった。間違いのないように該当箇所を修正させていただいた。


追記(2012.10.4):10月6日(土)に、秋田市内で「第1回アキタ・バール街」が開催される。1冊5枚つづりのチケット(前売3,500円、当日4,000円)を購入すると、半券1枚で1ドリンク&1ディッシュ(おつまみ)が楽しめ、市内55店の参加店舗(参照PDF)をハシゴして回れるというイベントである。当日は、エリア内各所で音楽やダンスも披露されるそうである。

 このアキタ・バール街に、あくらビールビア・カフェ あくらレストラン・プラッツ、それに酒場 戸隠も参加するので、これらの店をハシゴすれば地ビールが楽しめる。酒場 戸隠では、「1ドリンク」では富士桜高原麦酒のヴァイツェンとスワンレイクビールのアンバーエールを準備し、「1ディッシュ」では同店自慢の「ヤバ旨チキン」(ハーフサイズ)と「八幡平ポーク串焼き」(2本)を出すそうである。


追記(2012.10.11):秋田市内の「酒場 戸隠」では10月27日(土)、「大人のハロウィン IN 山王 2012」を開催する。前日までにエントリー、当日は19時までに仮装して来店、3,000円でビュッフェ形式のおつまみ付フリードリンク、その後23時から仮装したまま市内山王地区をパレードするという、店主の三浦さん曰く「大人だからこその馬鹿馬鹿しいハロウィン仮装大会」である。

 フリードリンクとして、アメリカの サラナック・パンプキンエールと地ビール樽生一種他、厳選地酒2種、カクテル、サワー、梅酒、ウイスキー(ハイボール含む)、ワイン、ソフトドリンクが揃うそうである。


追記(2012.11.2):秋田市のあくらビールでは、今年11月1日で醸造開始から15年となったのを記念して、15周年記念イベントを開催する。12月2日(日)の14時〜19時(入場は18時まで)で、敷地内のレストランプラッツビアカフェあくらにおいて、会費3,500円であくらビール飲み放題に料理とお土産までつくということである。

 当日は15周年記念醸造のヴァイツェンや過去に製造した「秘蔵のビール」も登場するそうである。また、バンドの演奏もあるとのことで、盛り上がりそうである。


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2012年07月25日

仙台散歩その50〜仙台の街中の本格カレー屋さん

 だいぶ以前、仙台の街中のカレー店を紹介した。そのうち、お気に入りだった「かり〜亭」が閉店し、また別のところで紹介した「パチャカリ」も閉店して寂しい思いをしたが、私のお気に入りの「RED HOT」や「ambrosia」は健在である。「Kitchen プラス1」も「Curry & Bar yaman」も「旅カフェ サマルカンド」もある。
 
 そうしたところ、最近街中を徘徊していると、ほうぼうでカレー屋さんが新しくオープンしているのを見掛ける。カレー好きにとっては喜ばしい限りである。今回はその中から、私的にオススメのお店を3軒紹介したい。


120723-133937カレーの店 南國堂(仙台市太白区八本松1-1-50、TEL022-246-7510、11:00〜15:00、18:00〜22:00、水曜定休)
 
 6月にオープンしたばかりの新しいカレー店。小麦粉、化学調味料を使わず、油分を極力抑えたという「インド式ヘルシーカレー」が食べられる。

 ケララ風チキンカレー、ポークカレー、パニールカレー、3種類のキーマカレー、それに野菜カレー数種などがメインメニューで、それ以外にスパイスを用いたインドの惣菜も日替わりで数種類ある。ランチタイムにはそれらの惣菜と自家製ラッシーもつく。ライスの量は250gで、これくらいあると大飯食らいの私にもちょうどよい(笑)。

 ご主人は、健康維持に役に立てるカレーを作っていきたいということで、日々研究を重ねているそうで、今後も新メニューなどが出てくるかもしれないとのことである。

120614-132327仙台カレー食堂(仙台市青葉区一番町2-11-12、TEL022-265-8901、11:30〜14:30、17:00〜21:00、日祝定休)
 
 3月にオープンしたカレー店。都内のインド料理店で修行を重ねたというご主人が作るオリジナルのインドカレーが食べられる。

 ランチでは黒こしょうのチキンカレー(辛口)、しょうがのポークカレー(中辛)、本日の野菜カレー(中辛)、ずんだマサラ(枝豆とほうれん草のキーマカレー、甘口)の中から2種選べる「カレー2種合いがけ」が700円で、ライス大盛りも無料である。

 夜はランチタイムのカレーに加えて、限定の牛たんカレーが登場する。ずんだや牛たんといった仙台の食材を使ったカレーなど、オリジナルなメニューが印象的である。


120518-155300喫茶ホルン(仙台市青葉区立町26-17-202、TEL022-711-5520、12:00〜21:00、日曜12:00〜19:00、月曜定休)
 昨年3月にオープンした喫茶店。喫茶店ということで、フレンチプレスで抽出するスペシャルティ珈琲などがウリであるが、もう一つのウリが南インドカレーである。

 チキン・ココナッツ・マサラ、ポーク・ビンダルー、エッグ・マサラ、チキン・レバー・カレー、キャベツのムング・ダール・クートゥ、大根のサンバル、ナスとパプリカのサンバル、カリフラワーのサンバル、小豆のトマトクリームカレーなどの中から日替わりで2種がメニューに並ぶ。その日何が食べられるかは、店のサイトで確認できる。

 ライスの量は通常180gだが、希望によって少なめの150gや、多めの210gにもできる。2種盛りも可能である。


追記(2017.2.28):上で紹介した「仙台カレー食堂」だが、昨年12月で営業を終了した。残念である。またいつか再出発するとのことなので、今後に期待したい。



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2012年06月12日

東北で地ビールが飲める店 番外編その18〜オクトーバーフェスト in 仙台

120612-195211 震災の影響で昨年は9月のみだったオクトーバーフェストが、今年は例年通り6月と9月の2回開催されることになり、6月の方の「オクトーバーフェスト in 仙台」が10日(日)から17日(日)の予定で開催されている。

 これまで6月の方は「ジャーマンフェスト」という名称だったが、やはりオクトーバーフェストの名の方が通りが良いのか、今年は「オクトーバーフェスト in 仙台」という名称となった。ちなみに、9月の方は「仙台オクトーバーフェスト2012」という名称である。微妙に名称が異なるが、それは6月の「オクトーバーフェストin仙台」と9月の「仙台オクトーバーフェスト2012」とで主催者が異なることによるもののようである。

 6月の方は東京にあってお台場や日比谷、芝、豊洲、神戸、長崎など各地でオクトーバーフェストを開催している「オクトーバーフェスト実行委員会」が主催で、9月の方は仙台に事務局を置く「仙台オクトーバーフェストプロジェクト」が主催なのである。もちろん、ビール好きにとってはおいしいビールが飲めるのであれば、主催者の違いなど与り知らぬことではある(笑)。

 さて、今回の「オクトーバーフェストin仙台」で特筆すべきは、何と言ってもドイツビールの種類の多さである。この辺りはさすがに各地でオクトーバーフェストを開催している主催者の底力という感じだろうか。私が好きなヴァイツェン系のビールだけ取ってみても、おなじみのエルディンガー・ヴァイスビアヴァイスビア・デュンケルパウラナー・ヘーフェ・ヴァイスビアとヴァイス・デュンケルに加え、バイエルン王家のヴァイツェンというケーニッヒ・ルートヴィヒ・ヴァイスビア・ヘル、ミュンヘンの6大醸造所に数えられるハッカープショールのへーフェ・ヴァイスビア、DLGドイツ最高金賞、ドイツ連邦栄誉賞を受賞した醸造所のエンゲル・ヴァイスビア、現存する最古の醸造所と言われるヴァイエンシュテファンのヘフェ・ヴァイスビア、これに仙台のオクトーバーフェストではすっかりおなじみとなった山梨の富士桜高原麦酒のヴァイツェンも加わり、何度通ったらすべて飲み比べられるのだろうという感じである(笑)。

 例年通り、6月の方は東北の地ビールの出展は少なめだが、地元宮城県の仙南クラフトビール松島ビールが飲め、茨城県の常陸野ネストビールも飲める。また、サイトには出ていないが、富士桜高原麦酒のブースには福島県の福島路ビール猪苗代地ビール、長野県の志賀高原ビールもある。フードメニューも今回は本場ドイツのソーセージなどがメインだが、地元仙台の居酒屋北の一チェーンが「東北応援ブース」として出展して、唯一地鶏焼きなど和風の料理を出している。

120612-192812 例年会場を盛り上げるバンド演奏も健在で、今年はミュンヘンのオクトーバーフェストで毎年演奏を行っているというディー・キルヒドルファーが、連日演奏を行っている。仙台を含む東北南部は9日に梅雨入りしたが、雨にも負けず本場ドイツに先駆けて行われるこの仙台のオクトーバーフェストを楽しみたいと思う。

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2011年09月16日

東北で地ビールが飲める店 番外編その17〜仙台オクトーバーフェスト2011

110916-191554 今日から25日までの日程で、今年も錦町公園を会場に、仙台オクトーバーフェスト2011が開幕した。

 今年は、震災の影響で、6月に行われていた仙台ジャーマンフェストが中止となり、この仙台オクトーバーフェストも一時は開催が危ぶまれたが、関係各位の尽力によって、例年通り開催されることになった。喜ばしい限りである。

 私もひょんなことから思いがけず今日、会場を訪れることになったのだが、ご覧の通り、例年通りの「大入り満員」状態である。今年も、エルディンガーのヴァイスビアとヴァイスビア・デュンケル、ビットブルガー・プレミアム・ピルス、ケストリッツァー・シュヴァルツビア、フランツィスカーナのへーフェ・ヴァイスビアとヴァイスビアドュンケル、シュパーテンのミュンヘナーヘル、オプティメーター、プレミアムボック、ミュンヘナー・ヴァイスビール、ホフブロイのオリジナルラガー、シュヴァルツヴァイスビア、デュンケル、そしてドイツのオクトーバーフェスト限定のオクトーバーフェストビールなど、魅力的なドイツビールの樽生が目白押しで、それにやはりドイツ直輸入のオクトーバーフェストオリジナルソーセージやアイスバイン、ラビオリ、イエガーシュニッツェルなどのドイツ料理も食べられる。

 それだけでなく、この仙台オクトーバーフェストのいいところは、地元の料理や地ビールも味わえることで、今年は岩手のいわて蔵ビールズモナビール、秋田の田沢湖ビール、宮城の伊達政宗麦酒、それにこの会場ですっかりお馴染みになった、山梨の富士桜高原麦酒が軒を連ねている。料理でも、岩出山家庭ハムソーセージファクトリー・グルックルなど地元のハム、ソーセージを始め、酒房せんこま中嘉屋食堂麺飯甜仙台魚河岸、それに以前紹介した Oggi Domani(オッジ・ドマーニ)がそれぞれ腕によりをかけた料理を提供している。

 今回、私から見て特筆すべきは2点。一つは、以前ここに追記し、今年も10月1日に発売される田沢湖ビールの、すべて秋田県内産の原料を使い、モルトづくりから醸造まですべて秋田県内で製造したオール秋田の「あきた麦酒 恵(めぐみ)」が、発売に先行して、しかも樽生で飲めるということである。もちろん、二条大麦のものと六条大麦のものがある。これの樽生を一度たざわこ芸術村まで行って飲んでみたいと思っていたので、これは嬉しい!

 もう一つは、ここに追記した、今年7月末で残念ながら醸造をやめてしまった「八戸シャトービール」の樽生が、富士桜高原麦酒のゲストビールとして、この会場で飲めることである。飲めるのはヘレスで、富士桜高原麦酒の方に聞いたところ、シャトーカミヤ八戸が醸造した最後の樽を持ってきたとのことで、貴重品である。なくなり次第終了とのことなので、八戸の名水「蟹沢の水」で仕込んだこのビール、お別れの意味でも最後に味わっておきたい。

 このオクトーバーフェスト、今回もTakeo Ischi & Drei Winkler をはじめ、8つのバンドが音楽でフェスティバルを盛り上げる。今年はステージが大テントの中央に設置され、より観客(酔客?)との一体感が増しそうである。開催時間は11:00〜21:00(平日は16:00〜)である。


追記(2011.9.19):東北で「オクトーバーフェスト」が開催されるのは仙台だけではない。まず、盛岡市では、10月2日(日)に「オクトーバーフェスト in ベアレン 2011」が、醸造所前の特設会場で開催される。季節ごとに開催しているベアレンのイベントの中でも最大規模のイベントとのことで、前売り2,500円、当日3,000円でベアレンビールが飲み放題ということもあって、多くの人が集まりそうである。

 また、秋田市では、10月16日(日)に「第2回秋田オクトーバーフェスト」があくらビール中庭にて開催される。こちらは、秋田のあくらビール、田沢湖ビールの他、茨城のシャトー・カミヤ、栃木の栃木マイクロブルワリー、静岡のビアベリーなどが出展し、中でもシャトー・カミヤはフェストビールの「秋あがり」を出品するとのことである。こちらは、おつまみ付飲み放題で4,000円(予価)とのことである。

 季節はようやく夏から秋に移り変わりつつあるが、東北のビールイベント、まだまだ続きそうである。


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2011年08月24日

仙台散歩その49〜おいしいカレーライスが食べられる洋菓子店

110729-130919 久々にカレーネタである。カレーと言えば、以前紹介し前回もちらっと触れた泉区の「あちゃーる」のオーナーの森さんは、「カレーの力を信じてる」という名の、「全国のカレー屋さんとそのお客さんによる被災地のカレー屋さんと被災者を支援する」プロジェクトを立ち上げて、精力的に活動している。その活動の一端は、同プロジェクトのブログに詳しい。まさに、「カレー屋さん」ならではの支援を被災地各地で行っていて頭が下がる思いである。

 実は私も、かつて紹介した(ここここ)三陸沿岸や気仙沼のカレー屋がどのような状況なのか気になっていたが、雑事に追われてまったく確認できないでいた。森さんに聞いていろいろと状況が分かった。気仙沼の「イェティ」は津波の被害を受けたものの7月に再開、大船渡の「EAST ASIA」も津波の被害を受けたものの元気に営業中、釜石の「あゆとく」は営業しているもののカレーは休止中、などなど。ついでに、ネット上で調べてみたところ、宮古の「カリー亭」はオーナーの小幡さんのブログによると営業再開、ただ私が行ってみたいと思っていた「焼き鳥 とりもと」は津波の被害を受けて再開に向けて準備中のようである。

 さて、仙台市地下鉄河原町駅からちょっと歩いたところにある「Salon de tea Amandier(サロン・ドゥ・テ・アマンディエ)」は、フランス菓子の店である。ショーケースに並ぶケーキや、カゴにところ狭しと並んでいるクッキーなどの洋菓子は、見た目にもとてもおいしそうで、実際とてもおいしい。

 テイクアウト以外に、店内でコーヒーや紅茶と一緒に食べることもできるのだが、このアマンディエ、12:00〜14:00のランチタイムには食事もできる。カルボナーラ、きのこ、トマトと茄子、バジリコ、トマトソース、ペペロンチーノなど、パスタが充実しているのだが、この店での私のお目当ては、「自家製カレーライス」である。

 ここのカレー、みじん切りにして炒めた玉ねぎがベースのカレーに、大きめのポークが乗り、その上に刻んだゆでたまごがトッピングされている。全体的にはスープ状で、その意味では同じ「フランス」ということもあって、以前紹介したRED HOT」のスープカレーを連想させる。辛さはさほどでもないにも関わらず、とてもスパイシーでおいしいというところは、これまた以前紹介したキッチン味楽」のインドカレーを思い出させる。

 いずれにしても、ここのカレー、カレー好きなら一度食べてみてほしい味である。もちろん、本業である、ご主人自慢のケーキも、である。

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2011年08月23日

仙台散歩その48〜いろんなビールが飲めるおいしいハンバーガー店

110822-184331 以前書いたように、泉区には大瓶でベルギービールを置いてある稀有なカレー店「あちゃーる」くらいしか、いろいろなビールが飲める店はない、と思っていたのだが、今回ついでがあったので、改めて泉中央周辺を散策してみたところ、1軒、ベルギービールやアメリカのビールが飲めるいい店を見つけた。それもバーなどではなく、何とハンバーガー店である。それが「Happy Buruger & Cafe KAME HOUSE(カメハウス)」である。

 仙台でハンバーガーと言えば、何と言っても国分町にある「ほそやのサンド」(仙台市青葉区国分町2-10-7大内ビル1F、TEL022-223-9228、11:30〜22:00、お盆と正月のみ休業日あり)である。戦後まもなくの1950年に創業した日本でも屈指の老舗ハンバーガー店で、創業者の細谷正志さんが1個1個丁寧に作り続けたハンバーガーは、2002年には何と100万個にも達した。

 ここのハンバーガーはとてもおいしい。おいしくて、昔懐かしい味である。そう言えば、私が子供の頃はこのような、いかにも手づくりということを感じさせる味のハンバーガーがあちこちで食べられた気がする。いつの間にか、ハンバーガーというとマクドナルドに代表される、全国どこでも均質の(それはそれですごいことだが)「あの味」がメジャーになってしまったが、「ほそやのサンド」のハンバーガーは、そうした時代の流れとは関係なく、創業当時の味を今に伝えてくれている。

 創業者の細谷さんは昨年4月83歳で亡くなった。その1ヶ月半くらい前に定番の「ほそやのハンバーガー」を食べたが、その時は元気そうに見えたので亡くなったと聞いた時には驚いたものである。今は息子さんがしっかりと後を継いで、その味を守っている。心残りと言えば、いつか食べようと思っていた「ほそやのジャンボハンバーガー」を、細谷さんの生きているうちに食べないでしまったことである。今度、息子さんがつくるジャンボハンバーガーを食べに行ってみようと思う。

 さて、泉にあるこの「KAME HOUSE」、一昨年にオープンしていたそうである。ちっとも知らないでしまったが、ここのオーナーの星さんは自らもハンバーガーが大好きで、肉の挽き加減や練り方、ソースの調合に至るまで研究を重ね、納得できる味のオリジナルハンバーガーを完成させて店を開いたのだそうである。そのハンバーガーはどれもボリュームたっぷりで食べ応え抜群である。中でも「カメハメハバーガー」は、ラーメンで言えば「全部入り」に当たるメニューで、バンズの間にソース、タマゴ、パイナップル、チーズ、ベーコン、ハンバーグ、玉ねぎ、トマト、レタス、マヨネーズという、同店でバンズに挟むアイテムのうち、アボガドを除くすべてのものが挟まれたハンバーガーである。

 「おいしいハンバーガーを食べてハッピーになってもらいたい」との思いから店名に「Happy Burger」を冠しているそうで、確かにこのハンバーガーだけでハッピーな気分になれそうだが、私にとってはさらにビールが充実していることでもハッピーな気分になれる(笑)。バドワイザーの樽生の他、ベルギービールではヒューガルデンホワイトとデュベル、アメリカのビールではブルックリンラガーやアンカースティーム、ハワイのツナミやタヒチのヒナノも置いてある。ブルックリンラガーは仙台市内でも置いてある店が少ない貴重なビールである。また、私的には以前書いたハワイのツナミが置いてあるのが嬉しい。…と思ったら、私が行った時には残念ながら品切れだった…。ハンバーガー以外につまみになりそうなサイドメニューもあるので、それで好きなビールを楽しんだ後、締めにハンバーガーにかぶりつくというパターンがオススメである。


追記(2015.1.31):この「KAME HOUSE」、2014年9月下旬で閉店してしまった。あのハンバーガーがもう食べられないと思うととても残念である。ご本人のツイッターを見ると、「今は次のステージへ向けて準備中!」とあるので、どのような形で戻ってこられるのか期待して待ちたいと思う。

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