大館市  

2009年05月06日

東北の食べ処その18〜受け継がれ発展する秋田県北の「ラーメンの雄」の味

いろいろと意見はあるだろうが、かつて大館市にあった「飛騨ラーメン」と能代市にある「十八番」は、秋田県北を代表するラーメンと言っても過言ではないと思う。それだけに、飛騨ラーメンが閉店した時はとても残念な思いをしたし、同じ思いの人は他にも大勢いたに違いない。十八番の方は今も健在だが、こちらも一時店主の体調不良で長期閉店したことがあり、やきもきしたものである。


 その一方で、こうした多くの人を引き付けるラーメンというのは、どんな形であれ着実に受け継がれていくもののようである。と言うのも、飛騨ラーメンや十八番に影響を受けてできたラーメン店がこの地に新たに生まれ、確実にファンを獲得しつつあるからである。

 ここでは、そうした店のうち、私の知っている3つの店を紹介したいと思う。


114029孝百(こうはく)(大館市片山町3-11-32、TEL不明、11:00〜20:00、火曜定休)

 かつて飛騨ラーメンがあった場所のすぐ近くにできた、まさに飛騨ラーメンの再来かと思わせられるラーメンを出してくれる店である。この店ができたことで、飛騨ラーメンに近い味わいのラーメンがまた味わえるようになったことに感謝したい。

 店主自身もやはり飛騨ラーメンが大好きだったそうで、それがきっかけとなって試行錯誤の末にこのラーメンを生み出したのだそうである。飛騨ラーメン同様かんすいを使わない白くてモチモチ感のある麺に、化学調味料を使わない自然な旨みのスープを合わせた飽きない味のラーメンである。

 通常のラーメンの他に、1日30食限定の魚だし濃厚中華もある。


143225佐藤中華そば楼 by ねぎぼうず(大館市片山1-1-5、TEL不明、11:00〜14:40、日・月曜祝日定休)

 元は旧二ツ井町にあった「ねぎぼうず」が、大館市に移転オープンした。こちらの店主は十八番のラーメンを食べたのがきっかけで店を出したとのことである。白くて細いストレートな麺に、魚だしの効いた透明感のあるスープが特徴である。

 レモンが浮かび、いろいろな粉が沈むところは十八番を彷彿とさせるが、そこから出発してオリジナルの味を生み出すことに成功している。辛みそ、魚多め、玉ねぎ脂、しょっぱめなどのトッピングがあり、自分の好みの味にアレンジできる。昼時ともなると1時間待ちとなることすらある人気店となっている。その辺りも十八番譲りと言うべきかもしれない。


142219麺屋もと(能代市高塙213-3、TEL0185-54-8025、11:00〜15:00、月曜定休)

 能代市街から東能代方面に国道7号線を北上したところにある(K'sデンキと路地を挟んだ向かい)。ここも十八番の常連だったという店主が開いた店である。

 やはりスープにレモンが浮き、ナッツ類が入っているところは十八番の影響を感じさせるが、鶏と魚から取っただしがベースのスープは、オリジナルの味に仕上がっている。麺は十八番のものに似た細麺である。昼時のみの営業というのも十八番と同様である。



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2006年07月05日

東北の歴史のミステリーその8〜実際にあった?さだ六とシロの悲劇

5880cab9.jpg 子どもの頃、毎週土曜の夜欠かさず見ていたTBS系のアニメ「まんが日本昔ばなし」が、今水曜の夜に再放送されている。主題歌なども当時のままで、懐かしさのあまり時たま何気なく見てみたりするが、半年くらい前に「さだ六とシロ」(アマゾン該当ページ )という話をやっていた。この話、秋田の北部、鹿角での話だとのことで興味深く見た。

 話のあらすじはこうである。鹿角の山奥に、さだ六という鉄砲打ちの名手がいた。さだ六は他国の領地でも自由に猟をすることを許された将軍さまの証文を持っている。冬のある日、愛犬のシロと一緒に猟に出かけたさだ六は、他国の領地で珍しい青猪を仕留めた。ところが、関所の役人に将軍さまの証文を見せようとして、さだ六はそれを家に忘れてきたことに気づく。証文がなければ、明日、処刑される。主人の危機を察したシロは、証文を取りに家に駆け戻るが、シロが戻ってみると既にさだ六は処刑された後だった。シロは亡き主人の遺体を口にくわえて幾日も運び、山の中に埋めた。そうして毎晩毎晩山中で空に向かって悲しげに吠えていたが、やがてシロはその姿のまま岩になってしまった、という。

 太宰治の「走れメロス」の「間に合わなかったバージョン」とでも言うような、悲しい話である。なんとなく印象に残った話だったので調べてみたところ、鹿角の隣の大館の葛原という集落の山中に、この忠犬シロを祀った老犬神社という神社があることが分かった(写真参照)。人ではなく、動物が神社に祭神として祀られるのはとても珍しい例である。いかにも忠犬ハチ公を輩出した秋田らしいと言えばそうであるが。現実に神社として祀られているくらいであるから、このさだ六とシロの話は単なるつくり話ではなく、それに類するような出来事がかつて実際にあったのかもしれない。

 そこで、実際に老犬神社に行ってみた。神社の入り口にある案内板によれば、この話は江戸時代の中ごろの話で、南部領の草木というところにさだ六(「定六」と記されていた)という又鬼(マタギ=猟師)がいた。定六の先祖は、源頼朝が富士で巻狩を行った際、目覚しい働きをしたということで全国通用の「子孫永久又鬼免状」を頼朝より拝領し、それを代々相伝している家柄であったという。

 定六を襲った悲劇については、概ね「まんが日本昔ばなし」で紹介された通りのことが書かれていたが、案内板では、定六が追いかけた獲物がカモシカであったこと、シロ(案内板には犬の名は記されていない)は定六の妻と一緒に葛原に移り住んだ後、食を一切取らずに定六の後を追って死んだことなどが紹介されており、これらの部分が異なっていた。また、定六が入り込んだのが三戸領内(現在の青森県三戸町周辺)だったことも記されていた。そして、村人はシロの忠義の心に感じて現在の地にシロの遺骸を葬って祀ったとあった。

 この話は他にも、大館にある社団法人秋田犬保存会のサイト内(該当ページ)や大館市のサイト内(該当ページ)、鹿角市のサイト内(該当ページ)でも確認することができ、地元では有名な話であるようである。

 秋田犬保存会のサイトでは、さだ六は「佐多六」と記され、シロは「白」と記されている。そして、佐多六を埋めて毎晩白が山中で咆哮を続けた後間もなく、この地に地震が起こり、佐多六を殺した人々は何れも死んだと書かれている。

 また、大館市のサイトでは、さだ六は「貞六」と記され、定六の妻とシロが葛原に移った後、シロの姿が見えなくなり、ある日白骨化した死骸が近くの丘で発見されたとされている。それから後、武士が馬でこの丘を通りかかると突然馬が暴れだし、落馬して大けがをする、ということが幾度となく繰返されたため、村人は主を殺した武士に対するシロの怨念だと恐れ、供養しようと山腹に神社を建ててシロを祀ったと書かれており、神社にあった案内板とはシロを祀った動機が異なって紹介されている。

 一方、鹿角市のサイトでは、さだ六は「左多六」と記され、シロが三戸城に向かって恨みの遠吠えを幾夜も続けた森が今でも「犬吠森」と言われていることや、左多六の死後、三戸には地震や火事など良くないことばかり続き、町の人が左多六の崇りだと噂したということ、左多六の罪のために左多六の妻とシロは所払いとなって南部領の草木から秋田領の葛原に移ったこと、災難にあった葛原の村の人を何度も助けたシロがいつからか「老犬さま、老犬さま」と呼ばれるようになったこと、あるとき村人の乗った馬が村外れでまったく歩けなくなり、不思議に思ってその辺りを探してみたらシロが死んでいたこと、村人はシロを哀れに思って南部領の見える丘にシロを埋めたこと、などが紹介されている。

 それぞれのサイトで語られている内容は少しずつ異なっているが、いずれもさだ六とシロにまつわる悲劇をそれぞれの語り口で伝えている。私にとってもう一つ印象的だったのは、さだ六が持っていた「他国の領地でも自由に猟をすることを許された将軍さまの証文」の将軍さまというのが、このブログで何度も登場している、かの源頼朝だったということである。とすると、さだ六の祖先がこの証文をもらったのは1200年頃、そこから江戸時代の中ごろというのだから1700年代とすると、さだ六の代まで延々500年くらいにわたってさだ六の家は猟師を続け、その間この頼朝の証文を後生大事に持っていたということになる。ちなみに、秋田犬保存会のサイトによると、この「又鬼猟師免状証文」は、宝物として今も老犬神社に残っているという。

 この老犬神社、毎年4月17日に祭典が行われるということだが、その日は地元はもとより遠方からも愛犬家がたくさん訪れるとのことである。また、社殿には全国から奉納された「犬の絵馬」が所狭しと飾ってある。昔も今も変わらない人間と犬との関わりを、この老犬神社は物語っているようである。

 この老犬神社のある場所は非常に説明しにくいが、老犬神社からそう遠くないところにある松下酒店のサイトの中にある案内が分かりやすい(該当ページ)。

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2006年06月16日

東北の歴史のミステリーその7〜泰衡は本当に凡愚の将だったのか

08134ec7.jpg 奥州藤原氏四代泰衡は、源頼朝に追われ、蝦夷地に逃れようとして、贄の柵(にえのさく、現在の大館市二井田付近)の河田次郎を頼って立ち寄ったところを、河田次郎の裏切りにあって殺されてしまう。ここに奥州藤原氏は滅亡したわけである。文治5年(1189年)9月3日のことである。

 泰衡の首は河田次郎が頼朝の元に持参するが、頼朝は「譜第の恩を忘れ主人の首を梟」したことを責め、河田次郎を斬罪に処した。その後、首のない泰衡の死体は、里人が錦の直垂に大事に包んで埋葬したという。その墓が「にしき様」と呼ばれ、錦神社となり(写真参照)、今に至っている。泰衡の死から800年以上経った今も、泰衡の命日である旧暦9月3日には、お祭りが催されているという。

 ところで、河田次郎がどのように泰衡を殺害したかについては、吾妻鏡には詳しくは記されていないが、地元ではその経緯を詳しく語り伝えている。それによると、河田次郎は泰衡をかくまって罪になるより、泰衡を討って頼朝から恩賞を得ようと考え、主人殺しの罪にならずに泰衡を討つ計画を練った。そして旧暦9月3日の夜、河田次郎は多くの家来を使って、頼朝の大軍が贄の柵に攻め入ったように見せかけ、泰衡が観念して切腹するように仕向けた。この計画は成功して、河田次郎は泰衡の首をはねたのだという。

 江戸時代の紀行家菅江真澄は享和3年(1803年)にこの地を訪れ、錦神社にまつわる村人の心やさしいはからいと、泰衡の命日にちなむ行事を「贄能辞賀楽美(にえのしがらみ)」という紀行文に書き残し、泰衡が頼みにしていた旧臣に裏切られ、露のように命を散らせたことを偲んで、「たのみつる その木のもとも 吹風の あらきにつゆの 身やけたれけむ」という歌を詠んでいる。

 ちなみに、泰衡最期の地である贄の柵があった場所は正確には特定されていないそうであるが、大館市二井田の中心部に程近い、それも贄ノ里という地名の所には八幡神社がある。そして、この八幡神社には泰衡も合祀されているのだという。現地を訪れたが、残念ながら神社の由来などが書かれたものがなく、詳細は不明だった。

 ただ、周囲よりも若干高台にあり、近くには犀川という川が流れており、柵として適した場所であるように思えた。この八幡神社の辺りがかつて贄の柵のあった場所かもしれない。泰衡がここに祀られているのもそうした理由であれば合点がいく。さらに想像を膨らませれば、八幡神社は源氏の守り神である。かつて贄の柵だった泰衡最期の地に八幡神社を建立し、泰衡を祀ったのは実は頼朝その人だったのではないかという気もする。

img113 一方、錦神社から南西に直線距離にして約3kmほど離れた大館市比内町八木橋字五輪台には西木戸神社という神社がある。この神社は、泰衡の妻北の方を祭神とする神社である。

 北の方は、平泉を逃れて贄の柵を目指す泰衡の後を追うが、この地にたどり着いた時、泰衡が既に4日前に河田次郎の変心によって討たれたと聞かされた。絶望した北の方は、従者由兵衛に後事を託して自害した。里人がその心根を憐れんで祠を建立し、五輪の塔を納めて北の方の霊を慰めたのが、この神社の始まりなのだという。現在残る五輪台の地名もそこに由来するが、以来800年以上の長きにわたって里人の寄進が続けられているという。

 この西木戸神社は、泰衡の死体が埋められた錦神社の方を向いているのだそうである。夫泰衡に再会することなくこの世を去った北の方の思いを少しでも叶えてあげたいというこの地の人々のやさしい心を感じさせる事実である。

 なお、この西木戸神社の名前の由来ははっきりとはしていないが、この神社のある一帯が泰衡の異母兄西木戸太郎国衡の采邑地だったから、と地元では伝えられている。

 これら2つの神社の存在を見ても、もちろん「怨霊を恐れた」ということもあったのかもしれないが、泰衡という人がその時代の庶民に慕われた存在だったことが窺えるようにも思える。志半ばにして斃れた君主とそれを手厚く葬り、その跡を800年以上もの間大切に守ってきたその地の人々。やっぱりどうも、凡愚のイメージとは結びつかない気がするのである。

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2006年01月19日

東北をめぐる鉄道の旅その2〜「青春18きっぷ」による東北縦断の旅

ad324a2f.JPG では、仙台を起点に青春18きっぷを使って実際に函館まで行ってみると、どのような旅になるだろうか。まず仙台6:00発の東北本線一ノ関行に乗る。一ノ関は仙台−盛岡間のほぼ中間であり、1時間半の行程である。

 この列車で7:30に一ノ関着。次に乗る列車の発車まで13分しかないが、改札を出て駅構内をぶらっとする余裕はある。一ノ関駅構内には、食事ができる「こけし茶屋」、焼きたてパンの「エトワール」、東日本キヨスクのコンビニ「NEWDAYS」、地元の土産物を扱う「ぐるっと遊」などがあり、「こけし茶屋」以外は着いた時刻に営業している。駅から外に出ると朝6:30から営業している食堂「いわぶちや」があるが、さすがに13分では食べられないだろう。一関市というと「ソースかつ丼」が有名だが、駅前でこのソースかつ丼を出す「竹」はこの時刻はまだ開店していない(開店していても時間的に食べられないが)。

 続いて7:43発の東北本線盛岡行に乗り換える。盛岡には9:11着でやはり1時間半程度の行程。次に乗る花輪線の大館行は9:43発で30分以上時間があるので、ここで駅構内で朝食を取ってもいいかもしれない。盛岡駅構内は北東北の玄関口だけあり、さすがに施設が充実している。特に改札のある2階はリニューアルしたばかりである。「北出口」の改札を出ると東北の主だった駅弁が揃う「駅弁屋」、洋菓子の「タルトタタン」、土産物の「大地館」、コーヒーショップ「ドトール」、そば処の「こけし亭」、「NEWDAYS」などがある。「北出口」から「南出口」方面にぐるっと回るとカレー&カフェの「GOOD TIMES CAFE」もある。「こけし亭」は立ち食いそば屋だが、「いわての7割そば」がある(ざるそば450円)のが、そば処岩手の面目躍如である。南出口には待合室と一体化した「ドトール」と「ぐるっと遊」、牛丼・麺類の「はやて」がある。

 次に乗る花輪線は1階にあるいわて銀河鉄道の改札口から乗る。1階に下りるとやはりリニューアルしたばかりのショッピングモール「FESAN」があるが、1階部分はこの時刻で既に開店している。中には「さわや書店」があるので、ここで車内で読む本を調達するのもオススメである。パスタ&サンドイッチの「ポールショップカフェ」もある。外に出ると左手に「TULLY'S COFFEE」もある。他に様々な特産品を扱う店が集まっている「おでんせ土産館」もあるが、じっくり見ていると乗り遅れそうになるので要注意である。

 花輪線(ガイドマップ)は奥羽山脈を横切るルートのローカル線だが、そのルートのかつておよそ900年前に奥州藤原氏の初代藤原清衡が整備した白河関(福島県白河市)から外ヶ浜(青森市)までを結ぶ「奥大道(おくたいどう)」のルートに一部(大更−十和田南間)沿った路線でもある。いわて銀河鉄道を経由し、好摩駅から秋田の大館駅までがJRの花輪線である。大規模スキー場で有名な安比、それに湯瀬温泉、大滝温泉といった秋田県北の代表的な温泉を経由し、日本では珍しいアスピーテ(盾状火山)である八幡平や東北屈指の観光地である十和田湖の入り口にも近い。豊かな自然の真っ只中を走る魅力的な路線であり、「十和田八幡平四季彩ライン」の愛称がつけられている。大館には12:43着。ディーゼル列車によるのんびり3時間の旅である。

 大館からは奥羽本線の青森行に乗るが、発車まで25分あるので、駅前のハチ公の銅像を見る時間はありそうである。大館駅には待合室内に売店、駅を出て右手に「NEWDAYS」があり、どちらでも秋田や大館の土産物を買うことができる。大館駅と言えば、60年以上の歴史を誇る駅弁「鶏めし」が有名なので、昼食にいいかもしれない。待合室内の売店でも売っているが、駅のすぐ向かいに製造元の「花善」があって和風レストランと弁当直売所があるので、そちらでも求めることができる。

 13:08発の青森行に乗ると青森には14:40に着く。次に津軽半島の蟹田まで移動することになるが、乗る列車の選択肢は2つ。青森市内に66分とどまって15:46発の津軽線三厩行に乗るか、120分とどまって16:40発の蟹田行に乗るかである。前者に乗ると蟹田で北海道に渡る特急「白鳥」に乗るまで78分待ち、後者は23分待ちである。蟹田駅周辺を散策する時間は帰りにもたっぷりあるので、ここでは後者を選択し、青森市内でゆっくりランチを取る。

 青森駅には「正面出口」に出る途中にある売店「詩季彩」、改札を出ると「ドトール」、「NEWDAYS」、「ぐるっと遊」などここまでですっかりおなじみの店が揃う。「ぐるっと遊」ではその場で焼いている「津軽路せんべい」が目を引く。他に駅弁の店もある。外に出ると「そば処あじさい」や「駅なか食堂つがる路」がある。駅を出て右手前方にある「駅広市場」では青森特産のりんごや魚介類などを安く買える。駅の左手前方にある「駅前銀座」の居酒屋のうちの何軒かはこの時刻もやっている。

 私は、なんと言ってもカレー好きなので、ランチにはカレーを食べたい。青森は、ここ数年で本格的なカレー店が相次いでオープンしている、私の「評価基準」によると成熟した街である。「タンドールアクバル」、「タージマハール」(青森市新町1-8-5、TEL017-775-3113、水曜定休)、「マサラマサラ」(青森市新町1-9-5、TEL017-735-9066、日祝定休)など、私が思わずハシゴしたくなる店が駅近くにできており、嬉しい限りである。

 このうち「タージマハール」はインドカレーと欧風カレーの2系統のカレーがある。インドカレー系の「まぜカレー」は大阪の自由軒のカレーを思わせる、カレーを和えたご飯の上に生卵が乗ったカレーである。辛さは好みに応じて調整してくれる。一方、「マサラマサラ」はカレーとライスだけのAセットからサラダ、ドリンク、インド料理3品がつくDセットまでの中から1つ選び、その日ホワイトボードにある数種類のカレーの中から好きなカレーを選ぶスタイル。豚マドラスカレーは深炒りスパイスの風味が印象的である。パパドやゆで卵、スープなどは自由に食べられるようになっている。ただ、超辛でも辛さはさほどでもないので、私のような辛いもの好きは、置いてある辛みスパイスで辛さを追加した方がよい。「タンドールアクバル」は市内で最も本格的なインド料理店である。

 青森16:40発の蟹田行に乗ると、蟹田には17:25に着く。蟹田で待ち合わせ時間が23分あるが、蟹田駅のキヨスクは17:00で閉店である(日曜定休)。蟹田駅を出ても駅前には商店はない。あるのは「道前」という食堂兼居酒屋、それに「炭び焼きとりやす」である。「炭び焼きとりやす」では、「チキンおむすび」や「チキンクレープ」がいずれも150円で買えるので、小腹が空いたらそれらを買うのもよいかもしれない。

 その後、蟹田17:48発の特急「白鳥19号」に乗る。青森県と北海道を結ぶ青函トンネルは、海底240メートルのところを通る総延長53.85Kmの世界最長のトンネルである。トンネルの上に海があるというのは、何とも不思議な感じがするものである。特急列車の座席はさすがに快適で、そのまま函館まで行きたくなるかもしれないが、「定め」に従って木古内で降りる。木古内には18:37着で、海峡線函館行の発車までは22分ある。「本町方面」の出口から出ると、木古内駅前には軽食&喫茶「タック」、「名代急行食堂」、焼肉「名代富士食堂」がある。「名代富士食堂」の名物「やきそば弁当」が気になるところだが、夕食はやはり函館で取りたいところ。

 木古内18:59発の函館行に乗ると、途中、海の向こうに見える函館の街の夜景がとても綺麗である。夜景を楽しみながら1時間ほど、6:00に仙台を出ておよそ14時間後の20:05、ついに函館に到着である。函館山の夜景(写真参照)はこの時刻からでも見に行ける。


追記(2007.1.13):蟹田駅の近くに「ヤマザキデイリーストア」がオープンした。これで、蟹田駅のキヨスクが閉まっていても、ちょっとした買い物ができそうである。


追記(2011.9.16):上記の一ノ関駅前の「いわぶちや」だが、このところ朝閉まっていることが多いなと思ったら、開店時刻が11時に変わっていた。また、青森市の「タンドール アクバル」は移転して、「亜久葉瑠(アクバル)」(青森市中央1丁目21-12、TEL017-777-3955、11:00〜15:00、17:00〜23:00、第2・第4日曜日定休)となった。また、「タージマハール」は別の店に替わってしまっていた。「マサラマサラ」はそのまま健在である。

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2005年10月18日

東北で地ビールが飲める店その1〜秋田県大館市

ab18e3ec.jpg 以前も書いたかもしれないが、私はビールが好きである。ビール党と言われる人は全国各地にいるが、その東北本部宮城県支部仙台出張所所員くらいできるのではないかと自任しているほどである。

 ビールと言っても、アサヒ、キリン、サッポロ、サントリーといった大手メーカーのビールではなく、地ビールや外国のビールが好きである。そのようなわけで、仕事や旅行などでどこかへ行った時の私の楽しみの一つは、その地域で作っている地ビールを味わうことである。

 ただ、不満なのは、そうした形でビールを味わえる店が少ないということである。地酒はもちろん、最近はブームに乗って全国各地の様々な焼酎を出す店も増えてきているのだが、ことビールに限って言えば大手メーカーのビールを出して事足れりとしている店が多いのである。その結果、私は旅先で個性的なビールが飲める店を探すのに苦労することになる。

 ところで、東北には地ビールが多い。その理由の一つは、ホップ(写真参照)の生産量が多いということが挙げられるかもしれない。ビールに欠かせないホップの国内生産量は平成16年度で459tだが、そのうち450t、実に98%を東北で生産しているのである。(東北農政局「東北の地域特産物」より)生産量のシェアを県別に見ると、岩手が44%で、次いで秋田が28%、山形20%、青森8%となっている。

 ただし、これらのホップのほとんどは大手ビール会社との契約栽培で作られており、地ビールに回る分はそれほど多くない。従って、大部分の地ビールは原料となる麦もホップも海外から輸入して作られており、必ずしもその土地に関わりの深い味となっていないケースも多いのだが、それでも地ビールは醸造所によって味が異なるので、そこでしか飲めないビールという点ではローカル色豊かであると言える。

 さて、新コーナーでは東北で地ビールなど個性的なビールが飲める店を紹介していきたい。これはネットを検索しても意外に情報が少ない。一番充実しているのは、日本地ビール協会のサイトの中の「地ビール・輸入ビールが飲める店」だと思われるが、特に東北について言えばまだまだ情報が少ないようである。

 今回、久しぶりに秋田県北の都市大館市に滞在した。ここはかつて紹介したようにハチ公の故郷であり、きりたんぽのおいしい町であるが、おいしいビールが飲める店についての情報はネット上になかった。それならばと現地で足で探し回った。

 大館の繁華街はJR花輪線の東大館駅周辺であり、ここを歩き回ったがビールのおいしそうな店はなかった。唯一「ビアホール」と銘打っていた店は閉店しており、これは酒屋で銀河高原ビールを買ってホテルに帰って飲むしかないかとあきらめかけた。と、その時とある焼肉屋から出てきた4、5名のグループの一人が「この流れはこのまま『びいる亭』かあ」などと言っているのが聞こえた。

 そう、「びいる亭」(大館市大町79大町ビル1F、TEL0186 -49-6714)。この店のことを忘れていた。名前だけは聞いたことがあったが、行ったことはまだなかった。でも名前からしてここならきっとおいしいビールがあるに違いないと思い、そのグループの後についてびいる亭に行った。

 入ってみて、期待通りここはビール好きにふさわしい店だと思った。地ビールこそ置いていないが、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、オセアニア、アフリカなど、世界の様々な地域の代表的なビールが置いてある。特にベルギーやドイツといった私の好みのビールの種類が多いのがうれしかった。

 メニューにはそれぞれのビールについて分かりやすい解説もつけられており、それを見ているだけで勉強になった。単価はほとんど一瓶800円から1000円くらいで、それほど安いわけではないが、この品揃えを見ればそれも頷ける。これほどの種類のビールを揃えている店は仙台市内にもないのではないかと思われる。いい店を見つけたと思った。

 びいる亭を出ていい気分で歩いていてもう一軒見つけた。白樺苑大館市字桂城14、TEL0186 -42-0352)という中華料理店であるが、表のメニューによると、ここでは秋田市の地ビール、あくらビールのAボック、Qボックが飲める。中華料理店だけあって中華のメニューも豊富だが、目を引いたのは自家製手打ち麺のラーメン類であった。今回は行けなかったが、次はぜひ行ってみようと思う。


追記(2011.10.18):上記の「びいる亭」だが、「白生」(ヒューガルデンの樽生)や「赤生」(ベルビュークリークの樽生)がなくなって、ドイツやベルギーを始めとする海外のビールは、瓶のみとなっていた。それでも、84種類ものビールを揃えているのはさすがである。

 白樺苑の方は、あくらビールがなくなっていた。残念である。ラーメンも麺が替わって、中太のストレートの麺になっていた。


131111-204756追記(2013.11.11): 「居酒屋WASABI」は、比内地鶏や秋田純米牛など地元の食材をふんだんに使った料理が美味しい店だが、ここでは何と、あくらビールの樽生が常時4種類飲める。もちろん、秋田県北で唯一ということである。

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2004年10月13日

東北の食べ処その3〜秋田県北地方

75f92317.jpg  秋田県の北部も個性的でおいしい店の多い所である。特に、大館市は秋田の代表的な郷土料理であるきりたんぽの店が多い。きりたんぽ発祥の地は隣の鹿角市だそうだが、店の数や知名度で言えば大館の方が上である。

 大館と言えば、かのハチ公の故郷でもある。それにちなんで、実はJR大館駅前にも渋谷駅前と同様にハチ公の銅像が立っている。しかし、JR大館駅が街中から少し外れていることもあって、こちらのハチ公前で待ち合わせをする人はほとんどいない(笑)。
 

昔のきりたんぽや写真大館市大館75-5、TEL0186-43-4040、11:30〜14:00、17:00〜20:00(9月中旬〜5月中旬のみ営業)、月曜定休)
 ここのご主人は、漫画「美味しんぼ」にも実名で登場して、「本物のきりたんぽ」について熱く語っている。事実、比内地鶏と野菜から何時間もかけてつくるスープ、手作りで炭火で焼くきりたんぽなど、敢えて手間をかけてつくるここのきりたんぽ鍋は、文句なくおいしい。

 私はそれまできりたんぽは好きではなかったが(仙台でも出す店があるがおいしいと思わなかったのである)、ここのきりたんぽを一たび食べて、今や大好物へと変わったくらいである。

 運がいいと、栽培ものではない天然ものの舞茸が入ってくることもある。きりたんぽを出す店の多い大館市内でも、きりたんぽだけを出す専門店はここともう一軒くらいしかない。

 夏になるときりたんぽを作る米の味が下がるからと言って、夏の間は店を閉め、新米が出る季節になるとまた店を開く。一日に作る量が決まっているので、予約してから行った方が確実。

おすすめ:もちろん、きりたんぽ鍋


飛騨ラーメン
大館市片山町3-5-38 、TEL0186-49-4254、11:00〜19:30、不定休)
 大館にはひそかにラーメンのおいしい店が多いが、ここはその代表格。手打ちの麺に魚のダシが効いた濃い色の醤油のスープがよく合う。元はフランス料理のシェフをしていたというご主人のコック帽がチャームポイント。

 飛騨は奥さんの実家なのだと言う。確かに、飛騨に行った時に食べたラーメンも醤油味で魚の旨みが効いたあっさり味のラーメンだった。

 元々評判はよかったが、最近では「行列のできる店」となってしまった。東京などに行くと行列のできる店は数多いが、人口5万人の町で行列ができるこの店の方がすごいと思う。

おすすめ:中華そば


安好る
(あんこうる)(大館市清水1丁目1-76-1、TEL0186-42-0306 、11:30〜15:00、17:00〜19:00、月曜定休)
 大館では比較的新しいお店だが、やはりあっさり醤油味のおいしいラーメンを食べさせてくれる。カレーも素朴な味でおいしいのでどっちも頼みたくなる。

 ただし、両方頼む場合は、味の濃いカレーは後に出してもらうのがよいと思う。先にカレーを食べてしまうと、ラーメンの方の微妙な旨みがよく分からなくなる可能性が大なので。

おすすめ:中華そば、カレーライス


十八番
能代市追分2-50、TEL0185-52-7535、11:00〜14:00、土日祝日定休)
 平日の昼の間しか営業していないのでなかなか行きづらいが、ここでは他のどこのとも違うラーメンが食べられる。「トッピング」のレモンの切れ端やスープに浮かぶ大小のナッツ類、「調味料」としてテーブルに置かれたアルカリイオン水など、すべてがどこのラーメンとも似ていないここだけのオリジナル。そして、おいしい。

 ここも昼は地元の人が行列を作っている。ガイドブックなどにはほとんど出てこないが、実に味わい深い。

おすすめ:みそラーメン、しょうゆラーメン、しおラーメン、どれもおいしい


切田屋
鹿角市花輪下花輪168、TEL0186-23-2083、11:00〜18:30、月曜定休)
 鹿角市は江戸時代は今の岩手県と同じ南部藩だった。そのせいかどうか、鹿角地方の「タウンページ」は大館や能代の「秋田県北版」とは別になっていて、とても薄いのでハローページも一緒になっている。

 岩手県は現在山形県や福島県の会津地方と並ぶ東北のそば処だが、鹿角市の中心部花輪にあるこの店でもその岩手県と同じような細打ちの手打ちそばが食べられる。狙い目は限定の10割そば。デザートにはそばシャーベットもおいしい。

おすすめ:手打ち十割そば、そばシャーベット


追記(2005.10.18):ショック!大館の飛騨ラーメンがこの8月末で店を閉めたらしく、今月久々に行ってみたら既に別の店になっていた。新しい店はいろんな地域のラーメンが食べられるというありがちな店だったので、入らなかった。

 安好るは健在で、あっさり味の中華そばはやっぱりおいしい。ただ、能代の十八番の影響か、レモンのかけらが入るようになっていた。口に残るような木の実は入っていないが、何かがスープに浮いていた。これも十八番の影響かも。

 その十八番は長らく休業中だったが、今月行ったら店を開いていた。ただし、休日がこれまでの土日祝に水曜も加わったので注意。相変わらずおいしかった。


追記(2007.4.3):大館市にあるカレー&パスタ専門店「cafe shokudo 山舘(やまだて)」(大館市山館字田尻197-2、TEL0186-43-5828、11:00-15:00、17:00-21:00、水曜定休)は、恐らく秋田県北で本格的なカレーが食べられる唯一の店である。以前紹介した(ココココココ)「びいる亭」に「名刺」が置いてあったので、「びいる亭」の関連店なのだろう。

 中辛の「山舘カレー」(印度カシミールカレー)、辛口の「薬膳カレー」(ひき肉&20種類のスパイス)、甘口の「昔のカレー」(三種の刻み野菜入)の他、「チキンとじゃがいものカレー」、「オムレツカレー」、「ラムカレー」(いずれも中辛)の6種のカレーがある。辛さ指定もできるが、辛さの度合いに応じて追加料金がある。

 私はカレーしか食べていないが、パスタはスパゲッティだけでなく、ペンネやらせん状の形のフスィリなどのショートパスタも含めて47種類もある。中でも「大館名物パスタ」と銘打った「漬物あんかけパスタ」、「ネバずるパスタ」(多分納豆)、「いぶりガッコの和風クリーム」が気になるところである。でも、多分次もカレーを食べてしまうに違いない。

 同じ建物内には他に、「名所居酒屋 はずれ」(大館のはずれにある新名所というのがネーミングの由来だそうである)がある。「はずれ」に対してやはり同じ建物内には最初七輪焼きの店でその後予約貸切宴会場となった「あたり」があったが、この4月5日からは「御食事居酒屋 馬肉×蒸し料理 うまが、会う」として新装オープンすることになったそうである。一連のネーミングのセンス、何とも言えない味がある。

anagma5 at 12:05|PermalinkComments(2)TrackBack(0)clip!