秋田県  

2018年12月20日

「ファンクラブ」活用のススメ(「東北復興」紙への寄稿原稿)〜私的東北論その109

 毎度連載している「東北復興」の、5月16日発行の第72号から8月16日発行の第75号までの4回は、東北にあるさまざまなファンクラブについて取り上げてみた。
 私自身、会津ファンクラブや奥会津ファンクラブに入会しているが、会津ファンクラブから届く会報や年一回のファンクラブの集い、奥会津ファンクラブから毎年届く「奥会津歳時記カレンダー」はいつも楽しみである。東北には私が調べた限り、以下のようなファンクラブが存在するが、活用しない手はないと思う。見てみて、面白そうと思うものがあったらまず入会してみることをおススメしたい。
 以下がその全文である。全4回、一挙公開である。(笑)


「ファンクラブ」活用のススメ 訴‥膰編

地域にもあるファンクラブ
 どこかに旅行することが決まった時、旅行先の風光明媚なスポット、美味しい料理が食べられるお店、地域の名産品といった情報について、ガイドブックやインタ―ネット等を使って調べてみることは多いと思われる。
 そうした情報に加えてぜひ調べてみてもらいたいのが、「ファンクラブ」についての情報である。ここ東北にも、各地域に様々なファンクラブが存在している。それらのファンクラブは概ね、その地域に関心があったりその地域がお気に入りだったりする人なら誰でも入会でき、入会金や年会費は無料である場合が多く、かつ会員向けに様々な「特典」が用意されている。
 「特典」の代表的なものとしては、各種施設の入場料の割引、地域内の飲食店を利用した場合の割引や優待サービスの提供、関連イベントの開催、地元の情報が盛り込まれた会報の送付などであるが、こうした地域のファンクラブを有効活用することで、旅行がさらにお得に充実したものとなったり、好きな地域への愛着や理解がより深まったりする可能性がある。ぜひ一度、これから行こうとしている地域やお気に入りの地域にファンクラブがないかどうか、調べてみてほしい。
 ここ東北にも様々なファンクラブが存在する。それらを4回に亘って順次紹介していきたい。今回は福島県である。

ふくしまファンクラブ
 福島県が運営する「ふくしまファンクラブ」は、福島県がふるさとの人や福島県に愛着を持っている人など誰でも入会できるファンクラブである。入会費、年会費は無料で、‐霾麕載のファンクラブ会報が年4回届く、⊇椶幣霾鵑鬟瓠璽襯泪ジンで配信、8内外130の施設・店舗で会員証を提示して割引やサービスを受けられる、じ外開催の福島関連イベント情報が届く、などの会員特典がある。

会津ファンクラブ
 会津若松観光ビューローが運営する「会津ファンクラブ」は、会津が好きな人なら誰でも加入できる、会津をこよなく愛する人のためのファンクラブである。やはり入会金、年会費は無料で、_馗鼎量ノ肋霾麕載の会報誌が年数回届く、会員特製カードを進呈、L50の協賛店舗や施設で割引などの優待サービスが受けられる、げ駟鷸鐺發硫餔限定プレゼントに応募できる、ゲ馗泥侫.鵐ラブ公式フェイスブックにて情報発信といった会員特典がある。
 また、「会津ファンクラブ」では、年に1回「会津ファンの集い」というファンクラブ会員を対象としたイベントを現地で開催している。会津若松市は「産業観光」にも力を入れているが、「会津ファンの集い」でもそうした姿勢を反映して、蔵元の見学や日本酒の仕込みの体験、会津木綿の工場見学、ダムの視察など、様々なイベントが企画される。仕込んだ日本酒は完成後、専用のラベルが貼られて各会員の元に送られてくるなど、手が込んでいる。会津の郷土料理や地酒を楽しみながらの交流会も開催され、会津が好きな者同士、大いに盛り上がる。

奥会津ファンクラブ

 会津地域は全国第3位の面積を誇る福島県のうちの4割を占める広大な地域であるが、会津若松から西の山あいには、奥会津と呼ばれる四季折々の美しい自然を満喫できる地域がある。この奥会津を流れる只見川は全国屈指の水力発電の川として知られるが、只見川電源流域振興協議会が運営する「奥会津ファンクラブ」は、「奥会津を応援したい!!」という人であれば誰でも入会できるファンクラブである。入会費、年会費は無料で、’1回奥会津の四季折々の風景写真が載った「奥会津歳時記カレンダー」が届く、奥会津の旬な情報が載ったメールマガジンが月1〜2回届く、という会員特典がある。メールマガジンは、有料とはなるが冊子での送付も可となっている。
 「奥会津ファンクラブ」で特筆すべきは、この「奥会津歳時記カレンダー」である。奥会津を知り尽くした郷土写真家の星賢孝氏が撮影した奥会津の四季とそこを走るJR只見線の写真が32ページにわたって掲載されているもので、写真の美しさから毎年欠かさず購入するというファンも多いカレンダーである。買えば540円するこのカレンダーが、会員には毎年無料で送られてくるというのも、奥会津ファンクラブの魅力となっている。

喜多方グリーン・ツーリズムファンクラブ「るーらるきたかた」

 会津地域では他に、ラーメンと蔵で有名な喜多方市の喜多方市グリーン・ツーリズムサポートセンターが運営する「喜多方グリーン・ツーリズムファンクラブ『るーらるきたかた』」がある。喜多方が好きな人なら誰でも参加できるファンクラブで、やはり入会金、年会費は無料、入会特典として古代文字名前入りオリジナル会員証(缶バッジ製)が届く。会員特典として、‐霾麕載のメールマガジンが定期的に届くほか、東北最大規模の三ノ倉高原のひまわり畑のひまわり1本のオーナーになれる、という珍しい特典がある。

こおりやまファンクラブ
 「こおりやまファンクラブ」は、郡山市が運営している、郡山市外に住む人を対象に郡山をPRしてもらうことを目的としたファンクラブである。入会費、年会費無料。会員特典は、〃柑鎧堝發鮹羶瓦箸垢詭80の店舗や施設で割引などの優待サービスが受けられる、▲侫.鵐ラブ会報にて、観光、食、イベントなどの情報が届く、7柑海隆儻情報メールマガジンが配信される、づ豕都内を始めとした県外での物産展の情報が届く、である。

天栄村サポーター会員

 天栄村サポーター会員は、天栄村観光協会が運営する「天栄村を支える応援団」の位置付けである。毎年先着500名、年会費3,000円で、特典として4,000円相当の天栄村特産品が送られてくる他、宿泊施設料金が10%割引になるなどの特典付き会員証が進呈される。

福島フードファンクラブ「チームふくしまプライド。」
 「チームふくしまプライド。」は、復興庁が支援し、(一社)東の食の会と(株)エフライフが運営する、「誇りを持った生産者と彼らを応援する人々が集う福島の食のファンクラブ」である。入会費、年会費は無料。会員特典は、\源瑳圓らの直送の商品が会員の中から抽選で当たる毎月開催のプレゼント特典、∪源瑳圓判舒えるツアーに優先して参加できる、旬の食材の情報など、福島の食に関する様々な情報が優先して届く、である。

うつくしま農林水産ファンクラブ

 福島県が運営する、県産農林水産物の良さを広くPRするためのファンクラブが、「うつくしま農林水産ファンクラブ」である。県内に居住するか勤務している人、事業所が対象。入会金、年会費無料。|了の署名が入った「うつくしま農林水産ファンクラブ」会員の「会員証」を発行、∋業所ファンクラブ会員には地産地消推進の取組みを多くの方々に周知・広報できるようPR資材を提供、会員活動の円滑な推進や相互の連携を支援するため情報交換の場を提供、ぁ屬Δ弔しま農林水産ファンクラブ通信」をはじめ地域のイベントやお知らせなどの情報を提供、ゥ侫.鵐ラブ会員の活動を会員本人の了解を得て福島県農林水産部の地産地消ホームページ等で広く紹介、といった会員特典がある。

福島県観光物産館ファンクラブ

 「福島県観光物産館ファンクラブ」は、福島県観光物産館を運営する(公財)福島県観光物産交流協会によるファンクラブである。入会費、年会費無料。入会特典として、県産ジュース「桃の恵み」1本プレゼントされる他、.侫.鵐ラブポイントカードによる割引(福島県観光物産館での買い物の際、1,000円毎に1ポイント押印、20ポイントで500円割引、発行日より1年間有効)、▲ぅ戰鵐箸覆品‥膰観光物産館情報のメール発信、2餔向けに開催する「ファンクラブ交流会」に参加できる、といった会員特典がある。

野岩鉄道ファンクラブ
 栃木県の鬼怒川温泉近くの新藤原駅と会津高原尾瀬口駅を結ぶ野岩(やがん)鉄道が運営する、野岩鉄道に興味を持ち、利用する人のためのファンクラブが、「野岩鉄道ファンクラブ」である。入会金、年会費無料。入会特典として会員限定缶バッジがプレゼントされる。会員特典として、会員証を提示することによって、接続する会津鉄道の沿線にある店舗、施設で優待サービスが受けられる。

SLばんえつ物語ファンクラブ

 「SLばんえつ物語ファンクラブ」は、JR東日本新潟支社が運営する、「SLばんえつ物語」号に乗る人のためのファンクラブである。入会金、年会費無料。(卞撮渦鷯莠嵋茲鵬,気譴SL乗車スタンプの数に応じてSLオリジナルグッズがプレゼントされる、▲瓮鵐弌璽坤ードでSL車内で販売している「SLばんえつ物語」グッズ(ミニプレート、光るキーホルダー)が10%引きで購入できる、が会員特典である。

福島空港ファンクラブ

 「福島空港ファンクラブ」は、福島県が運営する、「福島空港を応援したい!」という人のためのファンクラブである。住んでいる地域に関わらず誰でも入会できる。入会金、年会費無料。(‥膰内外の協賛店で特典サービスが受けられる、▲瓠璽襯泪ジンで福島空港や就航先などについての情報が届く、という会員特典がある。


「ファンクラブ」活用のススメ◆禅楙觚編

気仙沼ファンクラブ

 東北にあるファンクラブの第2回、今回は宮城県のファンクラブについて紹介しようと思う。まず紹介したいのは沿岸北部にある気仙沼市が運営している「気仙沼ファンクラブ」である。市外に住む気仙沼ファンの人が対象で、「気仙沼を応援したいという気持ち」が入会条件となっている。
 会員特典はまず、「会員番号を刻んだ世界に一つだけのオリジナル会員証」である。これは、気仙沼のゆるキャラ「ホヤぼーや」をモチーフにして市民有志が手作りした会員証で、震災が発生した平成23年3月11日時点の気仙沼市の人口74,247人の次の人数である74,248人目からの会員番号が刻印されており、会員が「準」市民であることを示している。また、気仙沼の旬な情報を発信する「気仙沼ファンクラブ通信」もメールで配信している。復興の様子や地元民しか知らない気仙沼の魅力などの情報を発信しているが、会員からの質問やリクエストにも応えてくれる。
 気仙沼市役所の産業部観光課の窓口で会員証を提示すると、「特製ホヤぼーやストラップ」ももらえる他、市内の飲食店での飲食や物販店などでの買い物の際に会員証を提示することにより様々な特典が受けられる。入会金・年会費は無料である。

伊達なわたりファンクラブ

 沿岸南部の亘理町にある亘理町観光協会が運営するファンクラブである。年会費は10,000円掛かるが、入会すると入会プレゼントとファンクラブ加盟店で使える会員証、亘理町の見どころが全て分かる観光ガイドブックが送られてくる他、年2回亘理町の旬の特産品が届き、亘理町の最新の観光情報のダイレクトメールも届くといった会員特典がある。

七ヶ宿ファンクラブ

 内陸南部にある七ヶ宿町の株式会社七ヶ宿くらし研究所が運営するファンクラブである。ー轡宿町が好きな人、町内外に関わらず七ヶ宿町を楽しく応援したい人、七ヶ宿町との交流を大切にしたい人を対象に、まちづくりのサポーターとなって地域行事やイベントを一緒に盛り上げてくれる人を募集している。入会費500円、年会費は個人1,000円、団体10,000円で、町民、町内の団体・企業は無料である。
 会員特典としては、ファンクラブ会員向けイベントへの参加、イベント情報などのいち早いお知らせ、会員限定グッズのプレゼント、裏メニュー的な「なおらい」(神社のお祭りの最後にお供えした食べ物やお酒を参加者皆でいただく行事)等への参加、となっている。

里浜貝塚ファンクラブ

 奥松島縄文村歴史資料館が運営するファンクラブ。「縄文村で遊ぼう!」を合言葉に、会員には縄文村の「村びと」になってもらって、「縄文村」という「村=自治体」を、村びと全員参加型の村政で盛り上げていくという趣旨で会員が気軽にイベントに参加し、縄文村を楽しむことを最大の目標にしている。
 「村びと」になるには一世帯につき、年会費(村民税)500円を払う。一世帯何人でも金額は変わらない。「村びと」になって縄文村発行の会員証を提示すると、一年を通して入館料が無料になる他、イベントの様子や縄文コラムなど縄文村の情報が詰まった「村報 縄文村」が季刊で届く。

松島ファンクラブ

 日本三景の一つ松島を擁する松島町が運営するファンクラブである。松島が好きな人なら誰でも入会できるので、町民も入会できる。年会費は無料で、会員特典は、観瀾亭・福浦橋への無料入場、協賛店でのお得な会員サービス、である。

田の浦ファンクラブ
 NPO法人田の浦ファンクラブが運営するファンクラブ。同法人は「南三陸町歌津地区田の浦において、東日本大震災で被災した地域の再生、コミュニティの再生、生業の再生等まちづくりの推進を目指し、田の浦の歴史、生活文化、生業、自然環境、人財などの地域資源を活かし、つながりを創造し、地域の未来を育むことを目的とする団体」である。
 田の浦ファンクラブは〜換顱∩汗こΔ療弔留坤侫.鵝支援者、田の浦の現地でまちづくり活動を推進する地元の人間で構成された「田の浦チーム」、田の浦チームをサポートする他のNPO法人で構成されている。
 年会費は正会員6,000円、賛助会員は一口3,000円となっている。義援金付き書籍「宮城県南三陸町 田の浦漁師が伝える海と人との暮らしかた」(1,000円)や購入すると賛助会員として登録される「3.11Tanoura(3.11田の浦の記憶)」(500円)などの書籍も刊行されている。

宝の都(くに)・大崎ファンクラブ

 県中央部にある米どころ大崎市が運営するファンクラブである。寄附金額5,000円以上で会員登録され、会員証が発行される他、会員特典として、「広報おおさき」の1年間送付、温泉の無料入浴券(ペア)、市内施設の入場無料券 (ペア)のいずれか1つを選べる。

フィッシャーマン・ジャパン公式ファンクラブ「CLUB MERMAN」
 一般社団法人フィッシャーマンジャパンが運営するファンクラブ。同法人は「漁師とともに漁業を創る」をモットーに、三陸で活躍する若い漁師たちを中心に、未来の世代が憧れる水産業の形を目指している。「CLUB MERMAN」はその活動をサポートするための会員制度である。
 会員制度は、特典の内容に応じた4つのプランと無料会員プランから選ぶことができる。レギュラー会員は年会費5,000円で、会員カード、魚谷屋クーポン1,000円分、ECクーポン500円分、会員限定バッジ、限定イベント、会報年1回が特典。シルバー会員は年会費15,000円で、会員カード、魚谷屋クーポン3,000円分、ECクーポン2,000円分、会員限定バッジか会員限定エコバッグどちらか1つ、限定イベント、会報年1回、商品開発会議参加権、魚介セット年1回5,000円分、公式牡蠣むきナイフが特典。ゴールド会員は年会費30,000円で、会員カード、魚谷屋クーポン10,000円分、ECクーポン5,000円分、会員限定バッジか会員限定エコバッグどちらか1つ、限定イベント、会報年1回、商品開発会議参加権、魚介セット年1回5,000円分、公式牡蠣むきナイフ、オリジナルTシャツが特典。プラチナ会員は年会費100,000円で、会員カード、魚谷屋クーポン20,000円分、ECクーポン10,000円分、会員限定バッジか会員限定エコバッグどちらか1つ、限定イベント、会報年1回、商品開発会議参加権、魚介セット年4回5,000円分、公式牡蠣むきナイフ、オリジナルTシャツ、名刺、魚谷屋スペシャル特典、漁師体験ツアー招待、年度事業報告会招待が特典となる。無料会員は、クーポンをはじめ、お得な情報が載ったメールマガジンが届く。

南三陸応縁団
 一般社団法人南三陸町観光協会が南三陸町からの委託を受け、運営する事業である。今までの「支援」から「協働」へ、そして「交流」への発展を目指し、支援者と町民をつなぐ架け橋となって様々な「ご縁」を育む交流プロジェクトである。団員特典としては、ウェブサイトとメールマガジンによる団員向けの南三陸町情報の発信、応縁団員を対象とした交流イベントの開催、農業や漁業の「おでって」(お手伝い、ボランティア)、限定ツアーや団員限定のポイントカードなど団員限定コンテンツへの参加、などがある。

さとうみファンクラブ

 南三陸町歌津にある一般社団法人さとうみファームが運営するファンクラブ。同法人では、羊の飼育を手掛けており、「育てること、食べること、活かすこと。『共生』を体験する牧場」を目指している。ファンクラブは、運営方針に賛同する人、南三陸の地域活性化を応援したい人が対象で、年会費は2,000円、会員特典としては、季刊誌「さとうみ通信」による活動報告、各種イベントへの招待などがある。

東北復興支援プロジェクト「希望の環」サポーター
 「希望の環」は、一般社団法人希望の環が運営する、生産者同士、小売店、消費者、その他支援者との東北復興支援の環を広げるプロジェクト。サポーターに登録すると、定期的に「希望の環 通信」として、生産者の日々の活動や復興への想い、また被災された町の復興に関する明るい希望を感じるニュースなどがメールマガジンとして届く。サポーターからの生産者への応援メッセージも届けてくれる。

登米市観光のまちづくり応援団
 内陸北部にある登米市の「観光のまちづくり」を推進するため、全国から登米市のPRと観光物産の振興発展を応援してくれる団員を募集している。対象は‥佇道毀院↓登米市にゆかりのある人、E佇道圓離侫.鵑如活動内容としては、特設サイトによる登米市の情報の発信、団員によるレアな情報や気づきなどの発信、新たな魅力を発見・創設する企画の提案、登米市見学ツアーなどへの参加、講演会・イベントの案内、会報の発行、会員証の発行などである。

日本酒サポーターズ倶楽部・宮城
 宮城県酒造組合が運営する日本酒愛好家の方々の集い。20歳以上なら誰でも入会でき、入会金・年会費も無料。登録すると各種イベントの案内がメールで届く他、会員限定イベントやセミナーにも招待される。


「ファンクラブ」活用のススメ〜山形編

 東北にあるファンクラブの第3回、今回は山形県のファンクラブについて紹介しようと思う。山形県にも多くのファンクラブがある。特に、県南部の置賜地方を中心として、自治体、並びにその関連団体が運営するファンクラブが多いのが特徴である。

西川のまちづくり応援団

 山形県のほぼ中央に位置し、出羽三山のうち月山と湯殿山を擁する西川町が運営している、西川町出身の人、西川町をふるさとと思う人、西川町に関心を持っている人が対象の、「西川町のまちづくりを考えながら、西川町を側面から応援する(応援してもらう)ため」の会である。年会費は3,000円で、加入すると「団員」となって、毎月西川町から応援団会報や町広報誌、資料、観光パンフレット、イベントの案内などが送られてくる。また、毎年「関東ブロック総会」、「東北ブロック総会」、「仙台七夕交流会」、「ふるさと植樹祭・交流会」といった交流イベントに参加できる。
 団員としての活動は、 崋分のふるさと西川町はこんなところです」(友人・知人への西川町のPR)、◆屬海鵑覆海箸鯏垈颪凌佑牢待しています」(都会のニーズ調査)、「こんなことをすれば西川町はもっとよくなるのでは?」(町への提言)、ぁ崟樟酊に住みたい人を知っているので紹介します」(IJUWターン希望者の紹介)、ァ崟樟酊の特産品を友人に贈ろう」(特産品の購入)、Α崟樟酊の特産品はこんな店で扱ってもらえるのでは?」(販売店等の紹介)、А崋分の周りには同郷の人がいます。今度遊びに行ってみよう!」(西川町への観光旅行)、─屬佞襪気叛樟酊へ寄付をします」(ふるさと納税)、をできる範囲内でして、西川町を応援する、となっている。1997年(平成9年)発足という、山形県内はもとより、東北地方全体の同種の会の中でも屈指の歴史を持つ。

ながいファン倶楽部

 山形県の南部にあって、桜、白つつじ、あやめ、萩などの花で知られる長井市の(一財)置賜地域地場産業振興センターが運営する、長井市内に住んでいる人、全国各地の長井にゆかりのある人ほか、誰でも入会できる「山形県長井市を応援するみなさんの交流の場」である。年会費無料の無料会員の他、年会費1,000円の「一般会員」、5,000円の「特別会員」、10,000円の「プラチナ会員」、30,000円の「ダイヤモンド会員」があることが特徴である。
 無料会員は、長井市の旬の話題を届けるメールマガジンの配信、協賛店での会員特典サービス、「道の駅 川のみなと長井 オンラインショップ」での購入のポイント進呈などの特典が得られる。有料会員は入会・更新時にプレゼントがある他、オンラインショップでの進呈ポイントの割増、「道の駅 川のみなと長井」での購入時の割引、プラチナ会員には年1回、ダイヤモンド会員には年4回長井市が誇る特産品が届く。また、交流ツアーなどの催事の案内が届く他、都市圏で行う物販の案内とプレゼント引換券ももらえる。

いいで"Fun"Club

 山形県の南部、飯豊連峰のふもとにある飯豊町の飯豊町観光協会が運営する、「心身をリフレッシュするとともに、そこに住む『いいで人』も活力を見出しながら共に『めざみの里』を体感できる、飯豊町を愛する人たちの組織」。ちなみに、「めざみ」とは、フランス語の"MESAMIES"(「親しい友達・仲間」の意)で、「みんなで仲良く明日への町づくりをめざす、またはめざめるという希望」が込められているとのことである。
 年会費1,000円の「トクトク情報コース」と、年会費3,000円の「特選旬の味コース」がある。5年間有効会員パスポートが発行されて、年4回飯豊町の情報紙が届き、町内の提携施設で特典が受けられる他、年1回会員を対象とした「これぞ飯豊町と言える"お楽しみツアー"」に参加でき、来町に際して目的や季節に応じたモデルコースを提案してもらえる会員相談窓口も利用できる。「特選旬の味コース」はさらに飯豊町の「旬の食材」が届く。

いまっとファンクラブ
 山形県の中部にあって、「隠れそばの里」、鮎、それにホップの産地としても知られる白鷹町の白鷹町観光協会が運営するファンクラブ。「いまっと」は「もっと」や「もう少し」という意味で、「いまっと白鷹を好きになってほしい」「いまっと白鷹に興味をもってほしい」「いまっと白鷹の暮らしを体験してほしい」という願いが込められている。白鷹町外の人が入会でき、ネット会員は年会費無料、一般会員は年会費1,000円である。
 入会すると「特製会員パスポート」が発行され、来町時会員証の提示で協賛店からサービスが受けられる他、白鷹町の旬の情報が毎月郵送で届く(ネット会員にはメールで届く)。年1回、「白鷹町体感の交流会」が開催される他、白鷹町に来町する際には同ファンクラブが相談窓口となるなどの特典がある。

ふながたファンクラブ
 山形県の北部にあって、やはり鮎で知られる舟形町のふながた観光物産協会が運営するファンクラブ。舟形町出身の人もそれ以外の出身の人でも、舟形町に興味がある、暮らしたい、訪れてみたいという人のファンクラブである。入会費・年会費は無料で、舟形の旬の情報やイベント情報などが満載のメールマガジンの配信サービスが受けられる。今後、会員限定イベント、協賛店でのお得なサービスなど様々な企画を展開する予定だとのことである。

鳥海山・飛島ジオパーク八幡ファンクラブ

 山形県の沿岸庄内地方にあって、「平成の大合併」で酒田市と合併した旧八幡町にある酒田市八幡総合支所が運営する、鳥海山やジオパークの魅力を広く伝えるためのファンクラブである。庄内地方と秋田県の県境にある鳥海山と、日本海に浮かぶ飛島を含む地域は「鳥海山・飛島ジオパーク」に指定されている。
 「鳥海山と八幡地域が大好きな方」なら誰でも入会でき、入会するとオリジナル会員バッジが進呈され、そのバッジの提示で協賛店でサービスが受けられる他、ジオパーク関連イベントの情報が届き、ファンクラブミーティングなどジオパークイベントにも参加できる。

川西ファン倶楽部
 山形県の南部にあり、ダリヤで知られる川西町が運営するファンクラブである。登録すると、川西町内の店舗、事業所などの新商品、限定品、割引商品、ランチの情報などがメールで届く。

山形ファンクラブ

 山形県アンテナショップ「おいしい山形プラザ」が運営する、「『山形を知っていただく』『山形県産品を買っていただく』『山形に来ていただく』など、山形の魅力を堪能していただく」ためのファンクラブである。
 年会費は無料で、会員になると、メールマガジンで山形県の旬の情報が届く他、アンテナショップでの購入や飲食の金額によるポイント特典で山形県産品がプレゼントされる。また、協賛店でのサービスや割引がある他、「おいしい山形 料理教室」など会員限定イベントや「ファンクラブ会員限定!モニターツアー」などにも参加できる。

ペロリンファンクラブ

 山形県農林水産部6次産業推進課内にある「おいしい山形推進機構事務局」が運営するファンクラブである。「ペロリン」とは、山形県産農産物などの統一シンボルマークである。山形県産農林水産物のファンなど誰でも入会可能で、入会すると、メールマガジンにて山形県産農林水産物の情報やイベント・キャンペーン情報が届く。

伝国の杜ファンクラブ

 「米沢市上杉博物館」と「置賜文化ホール」を含む「伝国の杜」を運営する(公財)米沢上杉文化振興財団 が運営するファンクラブである。年会費は一般2,500円で、米沢市上杉博物館の常設展示室・企画展示室に何度でも自由に入館でき(同伴者1名は団体割引で入場可)、置賜文化ホール自主事業チケットの先行予約・割引販売(会員1名につき2枚まで)、年7回程度「伝国の杜だより」やファンクラブ会報、各種事業チラシの送付、ファンクラブ会員向けの講座・イベントへの参加、募集制ワークショップへの無料参加(1回無料券の進呈)、ミュージアムショップでの展覧会図録・オリジナル商品10%割引、ミュージアムカフェでの10%割引(同伴者3名まで)などの特典が得られる。

庄内みどりファン倶楽部

 JA庄内みどりが運営するファンクラブ。入会金・年会費とも無料で、ファン倶楽部通信が届く他、厳選した旬の食材の頒布会(定期宅配)の申込ができ、購入時に貯まるポイントを各種商品と交換できるなどの特典がある。

 これらのファンクラブ以外にも、今年度は寒河江市が運営する「寒河江ファンクラブ」が創設される予定である他、小国町にも「小国ファンクラブ」を創設する計画があるとのことである。


「ファンクラブ」活用のススメぁ阻姪賈綿

 東北のファンクラブ、最終回の4回目は岩手県、秋田県、青森県の北東北三県である。三県まとめて一度に紹介できることからも分かるように、これまで紹介してきた南東北三県と比べるとファンクラブの数自体は少ないが、その中にはなかなか個性的なファンクラブがいろいろ存在している。

岩手県

IGR銀河ファンクラブ

 盛岡駅と青森県の目時駅を結ぶIGRいわて銀河鉄道の利用促進、沿線地域の活性化、交流人口の拡大を目的に活動しているファンクラブ。会費は個人会員が年間2,000円、子ども会員が年間1,000円、賛助会員が年間20,000円で、会員への特典も充実している。
 具体的には、。稗韮劼い錣洞箍賄監残庄津絞泙任琉み物などのサービス、個人会員への初回IGRオリジナルキャラクター「ぎんがくん」「きらりちゃん」がプリントされたモバイルバッテリー、IGRオリジナルパスケース、リールクリップ、ストラップのプレゼント(モバイルバッテリーとパスケースはファンクラブ限定品)、子ども会員への初回ハンドタオルのプレゼント、2年目以降更新の会員にはIGR1日フリー乗車券のプレゼント、せ申会員への盛岡駅でのB1判ポスター掲出1か月無料サービス、シ兮廓数に応じた会員証のグレードアップ、Σ餔証の提示による提携施設における各種特典、毎年1回「ファンミーティング(会員の集い)」の開催、─峩箍賄監擦泙弔蝓廚任硫餔限定のプレゼント、年2回会報誌「銀河ファンクラブマガジン」の送付、岩手の鉄道会社ならではの岩手旅、こだわりのIGR沿線旅の会員特別価格での提供、となっている。

三鉄ファンクラブ
 岩手県の沿岸、三陸海岸を走る三陸鉄道を応援するためのファンクラブ。会費は個人会員が1年2,000円、5年9,000円、家族会員(4名まで)が1年4,000円、5年18,000円で、会員特典としては、〇偉ε監擦離ぅ戰鵐函⊂ι覆両霾鵑覆匹鯏舛┐襦屬気鵑討直亟蕕世茲蝓廚稜4回の送付、⇔△三陸鉄道の1日フリー乗車券になっている「三鉄ファンクラブ会員証」の送付がある。

いちのせきファンクラブ「あばいんクラブ」
 岩手県の内陸南部にある一関市が運営する、「一関に行ってみたい・もっと知りたい」という市外在住の一関ファンに一関を知ってもらい、楽しんでもらうためのファンクラブ。会費は年間10,000円で、会員特典として、 屬△个い鵐ラブ会員証」の送付、∋垤報誌や観光パンフレットなど一関市関連情報の情報誌の送付、主要観光施設の特別割引、ぐ豐愡圓僚椶両霾鵑鮠匆陲垢襯瓮襯泪の配信、セ堝盻蒜饂楡瀝用券10,000円分、一関名物の餅料理の食事券2,000円分、選べる特典2,000円分の送付、が提供される。

なかほらファンクラブ

 岩手県岩泉町の北上山地で「山地(やまち)酪農」という、牛舎がなく牛が年間を通して山で自由に過ごすスタイルの酪農を実践している「なかほら牧場」のファンクラブ。年会費は10,000円で、会員特典としては、’2回(誕生日とその半年後)、なかほら牧場の商品(送料込5,500円以上分)の進呈、▲侫.鵐ラブイベント(不定期)の開催、2駟鵝壁堋蟯)、イベント・セールの案内の送付、げ餔証の発行、ゥンライン店舗で使えるお得なクーポンの進呈がある。

遠野ファンクラブ
 岩手県の内陸中部にある、「民話の里」として知られる遠野市で、「遠野を知りたい!遠野に行きたい!遠野に住みたい!という人たちにいつでも遠野を身近に感じてもらい、移住・定住を応援する市民(サポート市民会議)と行政(遠野市)が一体となった定住推進組織」である「で・くらす遠野」が運営するファンクラブ。ファンクラブ会員は、「で・くらす遠野市民」に登録するという形で、年会費(1,000円、5,000円、10,000円)に応じた特典が得られる。
 年会費1,000円の「ちょこっと で・くらす遠野市民」は、,如Δらす遠野市民証の送付、△如Δらす遠野市民限定の情報誌「で・くらす遠野」の送付、「遠野馬の里」での乗馬体験の特別割引、ぜ舁彜儻施設でので・くらす遠野市民だけの特別割引、の特典がある。年会費5,000円の「のんびり で・くらす遠野市民」は、「ちょこっと で・くらす遠野市民」の特典に加えて、遠野ブランド新鮮野菜「農の匠」の年1回発送か、市内で使える宿泊交通利用券4,000円分のいずれか一つを選べる。年会費10,000円の「どっぷり で・くらす遠野市民」は、「ちょこっと で・くらす遠野市民」の特典に加えて、「遠野ジンギスカンと地ビールセット」など「食の匠」8種類のうちの一つか、「農の匠」の年2回発送か、宿泊交通利用券8,000円分のいずれか一つを選べる。

大槌応援団OCHAN'S

 岩手県の沿岸、三陸海岸中部にある大槌町が運営する、「おおつちファン」の交流サイト。「おおつちファン」とは、大槌町民と、大槌に関わりや関心のある人のことで、「大槌応援団 OCHAN'S」は、おおつちファン同士の交流、連携を深めるためのサイトである。おおつちファンによるサイトの活用を通じて、大槌の魅力が全国に発信される仕組みになっている。
 「大槌応援団」としてサイトに登録(無料)すると、さまざまな機能が利用できるが、.汽ぅ汎發法崑臘箸亡悗垢襪海函廚覆蕾燭任OKのブログを開設できる、大槌に関する写真の投稿、閲覧ができる、B臘箸亡悗垢襯ぅ戰鵐箸両霾鵑魴悩椶任、カレンダーにまとめられる、といった機能がメインである。

雫石ファンクラブNet.

 「雫石ファンクラブNet.」は岩手県の内陸北部にある雫石町の観光ポータルサイトの名称である。従って、会員特典などは存在しないが、雫石町内の観光スポットなどについて分かりやすく紹介されている。


秋田県

大館能代空港ファンクラブ
 大館市産業部移住交流課が事務局を務める大館能代空港利用促進協議会が運営するファンクラブ。入会金、年会費は無料で、メール会員になると、空港のおトクな情報や空港周辺のイベント情報などがメールで届く。入会は同協議会のホームページ「大館能代空港どっと混む」から可能。

秋田犬"のの"ファンクラブ
 秋田県大館市の大町商店街にあるゼロダテアートセンターにいる、「あいにいける秋田犬」である「のの」が好きな人のためのファンクラブ。オンラインで会員登録で、イベントでの割引や会員限定の特典が用意されている。


青森県


七戸ファンクラブ
 青森市の東、八甲田山の東麓に位置する七戸(しちのへ)町の商工観光課が運営するファンクラブ。会員にはファンクラブカード「NANAカード」が発行される。「NANAカードポイント加盟店」と「サイモンズ加盟店」、「サイモンズポイントモール」での買い物の金額に応じてポイントが貯まり、貯まったポイントは1ポイント1円で使用できる。ポイントの有効期限は翌年の12月31日で、期限切れのポイントは自動的に七戸町に寄付されて絵本などの児童図書購入費として利用される。
 町内の図書館の図書利用カードも兼ねるが、現在町内に住んでいる町民だけでなく、ふるさとを離れた人でも、七戸町を「心のふるさと」と思っている人でも発行が可能。

青い森の翼ファンクラブ〜A-wing〜
 青森県が運営する、「青森空港と三沢空港、青森県にある2つの空を応援してくださる方々とともに、青森の空を盛り上げていくためのファンクラブ」である。入会金、年会費は無料だが、入会すると会員限定の特典が得られる。
 具体的には、_餔証の交付、搭乗前に使える青森空港有料ラウンジの無料クーポン券の交付(年4回、無料で青森空港有料ラウンジが利用できる)、9匐情報やイベント告知、お得な旅行商品の情報などが載ったメールマガジンの配信、じが主催する航空関連イベントに来場された人などを対象とした会員限定グッズの配付、ゲ餔限定イベントへの参加やツアーへの応募ができる、といった特典がある。

地酒FAN倶楽部
 青森県酒造組合が運営する、1. 青森の地酒を知り、飲み、楽しみ、伝えること!!、2. 青森の文化を知り、飲み、楽しみ、伝えること!!、3. 青森の食を知り、食し、楽しみ、伝える!!、の3つの趣旨に賛同する20歳以上の人であれば誰でも入会できるファンクラブ。
 青森の豊かな自然、移ろいゆく美しい四季、そこに育まれる旬の食と醸し出される旬の地酒といった青森の素晴らしさを楽しみ、広めていくことを目的とする。
 入会すると、青森県内で行われる酒造組合主催のイベントの案内が届く他、倶楽部会員全員を対象としたプレゼント企画「旬の地酒プレゼント」が行われ、毎年10名に旬の地酒が送付される。

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2013年12月31日

東北で地ビールが飲める店 番外編その25〜東北地ビール紀行第4回「秋田県編」(「東北復興」紙への寄稿原稿)

 「東北復興」紙第18号では、いつもの連載の他に、「東北地ビール紀行」の第4回目として秋田県の地ビールについても取り上げた。前回の岩手と言い、今回の秋田と言い、つくづく東北にはいい地ビールが多くあることを実感する。東北については、「米処は酒処」とよく評されるが、「酒処はビール処」とも言えるかもしれない。


東北地ビール紀行 その4 秋田県編

738fca21.jpg 東北で岩手県に次いでホップ生産量が多いのが秋田県である。その秋田県には現在、地ビール醸造所が三箇所ある。まず、県庁所在地の秋田市にはあくらビール(秋田市大町1-2-40、TEL018-864-0141)がある。元はドイツスタイルを基本としたビールを醸造していて、私もその頃からずっと愛飲していたが、現在は醸造長の長谷川さんがカテゴリーにとらわれないスタイルを追求し、さまざまなクラフトビールを醸造していて、全国各地の地ビール愛好家からの評価も高い。特にホップの選び方、使い方に特徴があり、飲めばすぐあくらのビールと分かる個性を作り出している。醸造所のあるあくらフォースクエアには、「ビアカフェあくら」と「ビアレストランプラッツ」という二つの直営の飲食店があり、どちらでも地元の食材を使った美味しい料理と一緒に出来たてのあくらビールを味わえる。何よりこれらあくらビールが二時間飲み放題で二一〇〇円というのは直営店ならではで、地ビールのない仙台にいる私からするとうらやましい限りである。
 
874a9ef2.jpg 秋田県内には他に、田沢湖周辺に二箇所の地ビール醸造所がある。その一つ、田沢湖ビール(仙北市田沢湖卒田字早稲田430、TEL0187-44-3988)は秋田県内で一番早く地ビール醸造を始めた醸造所である。東北を題材とした演劇を得意とする劇団わらび座の本拠地、たざわこ芸術村の中に醸造所とレストラン、それに「温泉ゆぽぽ」がある。温泉ゆぽぽでは宿泊もでき、温泉上がりに出来たての地ビールを飲むというビール好きにとってはこの上ない極楽体験もできる。田沢湖ビールではまた、全国の地ビール醸造所でも稀な、麦芽製造まで行える設備を持っており、他の地ビール醸造所からも麦芽づくりを請け負ったりしてもいる。アルト、ケルシュ、ダークラガー、ピルスナー、バイツェン、などドイツスタイルのビールがメインで、いずれもさすがの出来栄えである。併設のレストランではフレンチやイタリアンが味わえるが、同じ敷地内にある「お食事処ばっきゃ」と「温泉ゆぽぽ本館」では、地元の食材をふんだんに使った和食が楽しめる。また、秋田駅ビル「トピコ」内にも直営の「あきた海鮮食堂」(秋田市中通7-2-1-3F、TEL018-889-3554)があり、秋田で取れた新鮮な魚介類の料理が味わえる他、田沢湖ビールが飲み放題で一時間一〇五〇円と、これまたうらやましい価格設定となっている。
 
 もう一つ、湖畔の杜ビール(仙北市田沢湖田沢字春山37-5、TEL0187-58-0608)はその名の通り、田沢湖畔に醸造所兼レストランを構えている。湖畔の杜ビールは、他の二つの地ビール醸造所とは若干スタイルが違っている。日本の地ビールは大手との差別化を図るために、大手が手掛けないスタイルのビールを醸造するところが多いが、湖畔の杜ビールでは、「日本人は明治の頃からずっとピルスナーというビールだけを愛し、飲み続けてきた」という認識から、ピルスナーやあきたこまちを使ったラガーなど、大手のビールの愛好者にとっても馴染み深いビールをメインに醸造している。地ビールの味わいに馴染めないという人にとっても抵抗のない、すっきりした味わいのビールに仕上がっている。併設の「湖畔の杜レストランORAE」では、地元の旬の食材を使った料理が味わえる。特に、行者にんにくを使ったソーセージの人気が高い。眼前に田沢湖が広がり、景色も楽しめる。
 
 これら秋田の地ビール三箇所を見ていていいなと思うのは、これら三箇所の地ビール醸造所がことあるごとに互いに協調しているということである。秋田県内で開催されるビール関係のイベントでは揃って出店してイベントを盛り上げている。また、秋田県総合食品研究センターと協力して桜の木から採取した酵母を使ったビールを開発したり、ホップ由来のコラーゲンを壊さずに醸造する方法を開発したりと、秋田県内のビール文化を共に広げていこうという意思が随所に感じられる。こうした醸造所同士の距離感は、東北の他地域の地ビール醸造所にもぜひとも見習ってほしいところである。
 
 また、田沢湖ビールは毎年、ビールの原料となる大麦、ホップ、水、酵母すべて秋田県産という「あきた麦酒 恵」を醸造し、あくらビールも秋田県大潟村の農家が栽培した二条大麦「小春二条」を使ったビール「ふたりがかり」を醸造するなど、地産地消を意識した地ビールを手掛けている。麦芽もホップも海外産という地ビール醸造所が多い中、これらは本当の意味で「地ビール」と言えるのではないだろうか。秋田に足を運んだ折にはぜひ、これらの地ビールを味わっていただきたいものである。


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2011年02月23日

東北で地ビール(クラフトビール)が飲める店まとめ

東北地ビール これまで、主に東北各県の主に主要都市で地ビールやドイツビール、ベルギービールなどの輸入ビールが飲める店を紹介してきたが、数が増えて自分でも必要な時に探すのが大変になってきたので、これまでに紹介した市町村についてはリンクを張っておこうと思う。

 今後も見つけ次第順次リンクを張るようにしたい。従って、リンクがないのは、見つけられなかったか、まだ探していないかのどちらかである。

 それにしても、こうしてまとめてみると、我ながらよくもまあこれほどあちこちで飲んでいるものである(笑)。


青森県
 青森市
 弘前市
 八戸市

 黒石市
 五所川原市
 十和田市
 三沢市
 むつ市

 つがる市
 平川市
 東津軽郡(平内町、今別町、蓬田村、外ヶ浜町)
 西津軽郡(鰺ヶ沢町、深浦町)
 中津軽郡(西目屋村)
 南津軽郡(藤崎町、大鰐町、田舎館村)
 北津軽郡(板柳町、鶴田町、中泊町)
 上北郡(野辺地町、七戸町、六戸町、横浜町、東北町、六ヶ所村、おいらせ町)
 下北郡(大間町、東通村、風間浦村、佐井村)
 三戸郡(三戸町、五戸町、田子町、南部町、階上町、新郷村)

岩手県
 盛岡市
 宮古市
 大船渡市
 花巻市
 北上市
 久慈市
 遠野市
 一関市

 陸前高田市
 釜石市
 二戸市

 八幡平市
 奥州市
 岩手郡(雫石町、葛巻町、岩手町、滝沢市)
 紫波郡(紫波町、矢巾町)
 和賀郡(西和賀町
 胆沢郡(金ヶ崎町)
 西磐井郡(平泉町
 東磐井郡(藤沢町)
 気仙郡(住田町)
 上閉伊郡(大槌町)
 下閉伊郡(山田町、岩泉町、田野畑村、普代村)
 九戸郡(軽米町、野田村、九戸村、洋野町)
 二戸郡(一戸町)

宮城県
 仙台市
 石巻市
 塩竃市
 気仙沼市
 白石市

 名取市
 角田市
 多賀城市
 岩沼市
 登米市
 栗原市
 東松島市
 大崎市
 刈田郡(蔵王町、七ヶ宿町)
 柴田郡(大河原町、村田町、柴田町、川崎町)
 伊具郡(丸森町)
 亘理郡(亘理町、山元町)
 宮城郡(松島町、七ヶ浜町、利府町)
 黒川郡(大和町、大郷町、富谷町、大衡村)
 加美郡(色麻町、加美町
 遠田郡(涌谷町、美里町)
 牡鹿郡(女川町
 本吉郡(南三陸町

秋田県
 秋田市
 能代市
 横手市
 大館市

 男鹿市
 湯沢市
 鹿角市
 由利本荘市

 潟上市
 大仙市
 北秋田市

 にかほ市
 仙北市
 鹿角郡(小坂町)
 北秋田郡(上小阿仁村)
 山本郡(藤里町、三種町、八峰町)
 南秋田郡(五城目町、八郎潟町、井川町、大潟村)
 仙北郡(美郷町)
 雄勝郡(羽後町、東成瀬村)

山形県
 山形市
 米沢市
 鶴岡市
 酒田市
 新庄市
 寒河江市
 上山市

 村山市
 長井市
 天童市
 東根市

 尾花沢市
 南陽市
 東村山郡(山辺町、中山町)
 西村山郡(河北町、西川町、朝日町、大江町)
 北村山郡(大石田町)
 最上郡(金山町、最上町、舟形町、真室川町、大蔵村、鮭川村、戸沢村)
 東置賜郡(高畠町、川西町
 西置賜郡(小国町、白鷹町、飯豊町)
 東田川郡(三川町、庄内町)
 飽海郡(遊佐町)

福島県
 福島市
 会津若松市
 郡山市
 いわき市
 白河市
 須賀川市

 喜多方市
 相馬市
 二本松市
 田村市
 南相馬市
 伊達市
 本宮市
 伊達郡(桑折町、国見町、川俣町)
 安達郡(大玉村)
 岩瀬郡(鏡石町、天栄村)
 南会津郡(下郷町、檜枝岐村、只見町、南会津町
 耶麻郡(北塩原村、西会津町、磐梯町猪苗代町
 河沼郡(会津坂下町、湯川村、柳津町)
 大沼郡(三島町、金山町、昭和村、会津美里町)
 西白河郡(西郷村、泉崎村、中島村、矢吹町)
 東白川郡(棚倉町、矢祭町、塙町、鮫川村)
 石川郡(石川町、玉川村、平田村、浅川町、古殿町)
 田村郡(三春町、小野町)
 双葉郡(広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村)
 相馬郡(新地町、飯舘村)


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2010年01月04日

東北で地ビールが飲める店その50〜秋田県能代市

662024ed.jpg 秋田県能代市は、秋田県の北部の日本海沿岸にある、人口約6万1千人の市である。江戸時代から植林された700万本の日本最大の松林である風の松原や、全国大会で幾度もの優勝を果たした能代工業高校のバスケットボールなどで有名である。

 この能代市内で地ビールが飲める店を探してみたが、正直これといった店は見つけられなかった。「HARAJUKU ORION-3」(能代市追分町3-17、TEL0185-55-0428)でレーベンブロイとミラースペシャル、「Beer & Wine BIG FOOT」(写真参照、能代市柳町6-16、TEL0185-54-7989)でバス・ペールエールの生とギネス、エビス生、ミラースペシャル、「焼酎Bar 彩香亭」でレーベンブロイの生とギネス、「いやしん房 びや樽」(能代市柳町9-31、TEL0185-52-9299 )でコロナ、クアーズ、エビス、エビス・ザ・ホップが飲めるが、日本の地ビール、レーベンブロイ以外のドイツのビールやベルギーのビールなどが飲める店は見つけられなかった。これまで同様、やはり日本海沿岸の町でビールの充実している店を見つけるのはけっこう難しいようである。

 ところで、能代市には洋食のおいしいオススメの店がある。まず「le tablier(ラ・タブリエ)」(能代市柳町13-13、TEL0185-54-2111)というレストランである。フレンチがメインの店だが、串揚げもオススメである。地元の食材がメインのとてもおいしい料理がリーズナブルに食べられる。ここにはキリンのブラウマイスターの生とハートランドが置いてある。

 「キッチン菅野鮮魚店(すがのせんぎょてん)」も港町らしく新鮮な魚介類がメインのフランス料理が楽しめる。お任せスタイルの店で、その日どんな料理が出てくるかは親方次第である。ここではバドワイザーの生が飲める。瓶ではないバドワイザーの生は比較的珍しい。

 他に、「Bamboo Grill 窟(いわや)」は韓国からインドまで様々なアジア料理が楽しめる能代では貴重な店だが、ここにはギネス、ハイネケン、コロナ、バドワイザーが瓶で置いてある。

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東北で地ビールが飲める店その48〜秋田県北秋田市

4cf30452.jpg 北秋田市は秋田県の北部中央にある人口約3万8千人の市である。鷹巣町、森吉町、阿仁町、合川町の4町が平成17年に合併してできた市である。旧鷹巣町は町内の綴子地区に伝わるギネスブック認定の世界一の大太鼓で有名である。旧森吉町と旧阿仁町は以前紹介した森吉山を中心とする豊かな自然環境が魅力的で、私も大好きな地域である。阿仁町はマタギの里としても知られる。旧合川町は北欧の杜公園で有名である。

 その北秋田市の中心部、旧鷹巣町界隈で地ビールの飲める店を探してみた。旧鷹巣町中心部は市街地の規模の割に飲食店の数が多く、あるいはと期待もしたのだが、結論から言うと、1軒も見つけられなかった。唯一、国産大手以外のビールがあるかも、と思えたのが写真の「DIXIE」(北秋田市元町9-22-2、TEL0186-62-5037)だったが、名前からして地ビールやドイツやベルギーのビールはあるまいと判断して入らないでしまった(詳細を知っている方の情報希望である)。

 さて、調べてみたところ、北秋田市で年1回、9月に行われる「たかのす太鼓まつり」では、特産品として大太鼓のある綴子地区に湧く水で作った地ビール「大太鼓ビール」が限定販売されるそうである。この「大太鼓ビール」が販売されるのは、この「たかのす太鼓まつり」の会場のみ、ということで、北秋田市で地ビールが飲める(買える)のは、この9月の日曜日1日だけ、ということになりそうである。

 他に、旧阿仁町では、阿仁鉱山七百年祭を記念して、今年「日本の滝100選」に選ばれている安の滝の水を使った「阿仁愛ビール」がお目見えしたが、残念ながら既に品切れであった。


追記(2019.2.26):大館能代空港内の「オープンカフェ・ピッコロ」で田沢湖ビールのアルトとぶなの森ビールが飲める。おつまみ付きで520円と安い。

上で紹介した「DIXIE」には、ハイネケンの樽生の他、瓶で6種類、海外のビールが置いてある。


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2009年12月02日

東北で地ビールが飲める店その47〜秋田県八郎潟町

8b705ba5.jpg 今まで東北のあちこちの市町村で地ビールや外国のビールを飲める店を紹介してきたが、そのほとんどは「市」であり、「町」や「村」はほとんどなかった(銀河高原ビールの醸造所がある西和賀町卍麦雫(まんじむぎしずく)を醸造する住職のいる大間町は貴重な例外である)。

 それと言うのも、当然のことながらこのような「普通じゃないビール」が置いてある店が成り立つためには、ある程度の市場規模が必要で、つまり私のような人間が一定数以上いるようなところじゃないと、とてもじゃないが経営が成り立たないわけで、そんなこともあって私がこのような店を探し歩くのも、「市」レベルに限られていた。しかし、店主の情熱(?)さえあれば、小さい町でもそのような店が見つかるものだということが、今回よく分かった。

 秋田県の中央部、その名の通り八郎潟の東岸にある八郎潟町は、人口約7,000人、市町村合併が相次いだ秋田県内で今や最も小さな町となってしまったが、釣り好きにはよく知られた町である。そもそも町のサイトに「釣り情報」が出ているのは、東北ではここだけではないだろうか。

 その八郎潟町の中心部にあるJR八郎潟駅から商店街を南方向に歩いたところにある「洋風居酒屋 シャポー」(南秋田郡八郎潟町字一日市188、018-875-3645、17:30〜23:45LO、月曜定休)は、ヒューガルデン・ホワイトの樽生が置いてある、この界隈では貴重な店である。店主がベルギーのビールが大好物なのだそうで、それでお客さんにもぜひ味わってほしいということで置くようになったそうである。食べ物もピザやパスタなどイタリアンを中心に、酒のつまみから食事のメニューまで幅広く揃っているので、最初の飲みから締めの食事までここ1軒で大丈夫、というような店である。

 他にも中心部を歩いてみたが、地ビールの店どころか、居酒屋のような店すら数が多くない感じであったので、このような店があるのはきっと地元の人にとっても貴重なのだろう。実際、2階が座敷になっているが、町内の様々な会合の会場としてよく利用されているようである。

 かつては樽生のヒューガルデン以外にも瓶で何種類かベルギービールを置いていたそうだが、今メニューにあるのはヒューガルデンの樽生以外には、(国内大手のビールを除くと)ヒューガルデンの「禁断の果実」くらいである。その「禁断の果実」も私が行った時には品切れとのことで残念ではあったが、ヒューガルデンの樽生だけはこれからもずっと飲める店であってほしいと思う。

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2008年02月04日

私的東北論その8〜やはり必要な道州制の明確な「国家像」

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 1月24日付の秋田魁新報によれば、秋田県の道州制ビジョン懇話会は23日、「道州制のイメージ」中間報告素案の内容について大筋で合意したとのことである(該当記事)。

 素案では、「東北州」が実現すれば人口、GDPともベルギーと同程度になるとし、分権だけではなく、経済的側面からも道州制の意義を強調したとのことで、「産業、学術各分野で人や企業のパワーを結集することで一国並みの潜在力を持ち、国内外との競争により経済力を底上げする」としているそうである。

 この経済的側面でのメリットが重要であることは以前、このブログで紹介した大前研一氏の論考に詳しいが、今回この面に初めて触れたことには意義があると思える。なぜなら、これまでは、道州制が主に地方分権の文脈でのみ語られることが多かったからである。

 その意味で、秋田県の道州制ビジョン懇話会の今後出す「道州制のイメージ」には期待したいところだが、地方分権や経済的側面に加えて、もう一点期待したいのは、まさに道州制ビジョン懇話会の名前にある「ビジョン」である。

 1月5日付の河北新報によれば、仙台市民意識調査の結果として、道州制について「あまり関心はない」「関心はない」との回答が合わせて75.3%に上ったそうである。道州制の認知度についても、「知らなかった」が55.9%で最も多かったとのことである。この結果を見る限り、まだまだ道州制についての関心は高くないようである(該当記事)。

 記事には、調査した東日本リサーチセンターの「道州制は具体的にイメージしにくく、関心の低下を招いたのではないか」というコメントが載せられているが、道州制が「具体的にイメージしにく」いのは、道州制が実現した暁にどのような「東北州」が誕生するのかについてのビジョンが欠けているからに他ならないのではないだろうか。

 つまり、道州制成った後の「国家像」を誰かが明確なビジョンと共に声高らかに提示しないことには、「東北州民」の道州制への理解は得られないのではないように思うのである。今回のこの秋田県の道州制ビジョン懇談会の「道州制のイメージ」もその流れに与するものだとは思うが、この、東北州を統合するにふさわしいリーダーシップを持ったリーダーの「顔」が見えないのも、道州制に関する懸念材料の一つである。かつてのアテルイ、安倍貞任、奥州藤原氏に当たるような「カリスマリーダー」が今の東北にいれば、状況も大いに変わると思うのだが、言ってみれば、将来、この一国の大統領にも相当するような地位に就くべき東北のリーダーが、「道州制でこのような東北を創る」と宣言しなければ、道州制への理解と支持はなかなか得られないのではないようにも思う。

 なお、今回の秋田県の中間報告素案では、道州制で懸念される点に関して、「州都への一極集中が生じる」「区域拡大で住民サービスが低下する」などを挙げ、対応策として「一極集中は、州都と経済中心地を分離することで緩和できる」「市町村が住民サービスのほとんどを担うので、住民との距離は近くなる」などと明記したそうである。

 「州都」については、以前このブログでも提案したが、安易に仙台市とすることは絶対に避けるべきである。仙台市への一極集中を警戒する向きは東北の他の県、特に都道府県合併に向けて「最短距離」にあると言われる北東北の各県に根強いと思われる。「地方分権」の流れは、この「東北州」の中でも徹底すべきである。すべてが仙台市に集中し、あたかも東京に一極集中していた今までの日本のミニチュア版ができただけの道州制であっては決してならないと強く思う(写真は私の好きな木の一つである秋田県の旧山内村にある筏の大杉である)。


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2007年08月21日

東北で地ビールが飲める店その26〜秋田県大仙市

d9c1a807.jpg 秋田県の県南、大仙市は、旧大曲市と周辺の町村が合併してできた新しい市である。

 大仙と言えば、何と言っても有名なのが毎年8月の第4週の土曜日に行われる、大曲の全国花火競技大会である。ただの花火大会ではなく、競技大会なのである。花火師にとっては、この大会に出場できるということは名誉なことだそうで、この花火大会は全国選りすぐりの花火師たちがその腕を競う場ということで、最初から最後まで非常に見応えのある花火大会である。

 当然見る人の数も多く、この日は全国からおびただしい数の人が大曲を訪れる。通常、仙台ー大曲間は東北自動車道、秋田自動車道を使うと車で2時間程度の行程だが、この日だけは花火が終わる9時過ぎに大曲を出ても、仙台に着くのは間違いなく明け方である。

 さて、そのような花火の町大仙でビールのおいしい店を探してみた。一番期待していたのは、嶋田ハムである。大曲にある嶋田ハムは、ドイツのハム・ソーセージ造りを学んで、その製法に忠実においしいハム・ソーセージを造っている。秋田県以外ではあまり見かけず知名度は必ずしも高くないが、高級品で贈答用に使われることも多い。JR大曲駅近くにはこの嶋田ハムの直営レストランがある。ドイツ式にこだわる嶋田ハムのレストランなら、それに合うドイツビールが置いてあるのではないかと期待したのである。が、レストランにはドイツワインこそ置いてあったが、ビールは国産大手のものしかなかった。残念であった。もちろん、ハム、ソーセージは絶品であったが…。

 iタウンページの「ビアホール」の項には大仙に2軒の店が載っていたが、そのうちの1軒「ビアホールチャコール」は、実際に行ってみるとどう見ても地ビールや外国のビールは置いてなさそうな雰囲気であった。もう1軒の「夢酒大曲店」は該当する住所に行ってみても店自体が存在しなかった(電話も「現在使われておりません」だった)。

 さらに飲食店が集中しているJR大曲駅周辺を探索してみると、「DrinkRoom Jooks」という店には、バドワイザー、コロナ、ジーマなどがあることが外から分かったが、それ以外はなさそうに見えた。横手市の時に紹介した「洋風居酒屋崖淵倶楽部」の大曲店もあったが、多分ビールの品揃えは横手店と大差ないだろうと判断して入らなかった。その上の「Pot Still」という店にはハイネケンがあることは看板から分かったし、「HE'Z BAR」という店はダーツバーで何となくビールがありそうにも思えたが、いずれも私が探している地ビールやドイツ、ベルギーのビールなど、あまり見かけないビールはなさそうと判断して結局いずれの店にも入らずじまいだった。

 どうやら大曲には私好みのビールが飲める店はなさそうだと判断し、それなら以前紹介したことのある「Moon Light(ムーンライト)」で飲み食いしようかと思い、久々に行ってみた。

 この店は、他の店とちょっと違う一風変わった店である。それは多趣味で多芸なマスターのキャラによるところが大きい。以前も書いたが、その日に何が食べられるかはマスターの気分次第である。お通し一つ取っても、私が行った日は「けっこううまくできたから食べてみて」という言葉と共に麻婆豆腐が出てきた。それも普通の食べやすい麻婆豆腐ではなく、中国の山椒のしっかり効いた辛口の本場四川流の麻婆豆腐である。私は大好きだが、一般には決して受けないだろうと思われるこのようなものを、しかもお通しとして出す店は、四川料理店の中にすらあるまい。ちなみに、その前の日は手打ちそばをお通しに出したのだそうな。何度も言うが、締めではなく、お通しに、である。

 そんなMoon Lightでビールは何があるか聞いたら、あるわあるわ、ハイネケン、シンハー、サンミゲールのダーク、チリビール、ハートランド、クアーズなどが冷蔵庫の中から続々出てきた。さらに冷蔵庫の奥からは、私の好きなベルギーのシメイブルーまで出てきた。これこれ、これを飲めれば私は満足である。大曲でシメイが飲めるのは多分ここだけだろうとマスターと笑ったが、私が街中を歩いた印象から言っても実際そうだろうと思う。

 以前紹介したタイのグリーンカレーが食べたかったが、その日は材料がなく作れないとのことだった。それなら代わりに何か辛い料理を、と頼んだら、ごそごそと材料を探して作ってくれたのはビビン冷麺であった。ただの冷麺ではなく、ビビン冷麺である。いかにもこのマスターらしいと思った。

 そんなわけで、1点ビハインドの9回裏2アウトランナーなしという敗色濃厚な状況から逆転サヨナラ勝ちしたような気分だったが、それはMoon Lightという稀有な店のお蔭であった。これからもずっと、「あそこに行けば何かある」、というような(妙な?)期待の持てる店でいてほしい(ちなみに写真はMoon Lightとは何の関係もないが、大曲オリエンタルホテルのイルミネーションである)。


追記(2019.2.26):大曲の街中にある「シーズンダイナー喜代」では、ヒューガルデンが樽生で飲める。また、タップマルシェが入ったので4種のクラフトビールも飲めるようになった。

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2007年05月08日

東北で地ビールが飲める店その22〜秋田県鹿角市

img433 鹿角市は秋田県の北東端に位置する市である。日本三大ばやしに数えられる花輪ばやしや、毛馬内盆踊り大日堂舞楽などの祭りで有名である。

 私が初めて鹿角を訪れた時に不思議に思ったのは、NTTのタウンページである。その頃秋田のタウンページは、大館市や能代市などの秋田県北版、秋田市を中心とする秋田中央版、横手市や湯沢市などの秋田県南版などに分かれていたが、鹿角だけ別にタウンページとハローページが一緒になった鹿角版だったのである。鹿角は元々江戸地代は南部藩(岩手県、青森県東部)の領地で明治になってから秋田県に組み込まれたので、その影響なのかもしれない。確かに祭り一つ見ても隣の大館市とも異なる独自の文化が感じられる。

 さて、この鹿角で地ビールの飲める店はあるかどうか、以前新庄で聞いたように地元商工会にまず聞いてみたが、「鹿角では地ビールも作っていないし、ビールのおいしい店も特にない」との話であった。

 実際、鹿角市の中心部花輪地区を隈なく歩いてみたが、ビールをウリにしている店は残念ながら見つからなかった。ただ、花輪には全国に名の知れたホルモン焼き屋幸楽」(上写真参照、鹿角市花輪字堰向5、TEL0186-23-3736、10:00〜23:00、無休)がある。秘伝のタレに漬け込んだ豚のホルモンをキャベツや豆腐などと一緒にジンギスカン鍋で焼くというスタイルで、鍋に載せた途端に食欲をそそる匂いが広がる。これがまた1人前500円と安い。ライス200円と合わせて700円で満足が得られるので、とてもリーズナブルである。なぜ鹿角でホルモンかと問うことなかれ。仙台の牛タンや遠野のジンギスカンのように、地元の人に受け入れられ、かつおいしい店があれば立派にその土地の名物となるのである。

a5a3a0a2.jpg さて、話が本筋から離れてしまったが、結局鹿角にビールのおいしい店はなかったのか、と言うとさにあらず。鹿角から十和田湖方面に向かって北上すると大湯温泉郷がある。近くには大湯環状列石黒又山などの「不思議系」の観光スポットのある温泉だが、ここにあるホテル鹿角左写真参照)のレストラン「ヴィラージュ」とバー「K's BAR」には、十和田八幡平麦酒があった。これは田沢湖ビールを醸造しているわらび座によるOEMのビールだが、観光地にふさわしいオリジナルのビールを出したいという意欲を買いたい。

 十和田八幡平麦酒には鹿角(ヴァイツェン)十和田(ピルスナー)八幡平(ケルシュ)の3種があり、例えばりんごや山ぶどうなどの果物が取れる鹿角はフルーティーな香りのヴァイツェンなど、それぞれの地名のイメージと近い種類のビールが充てられている。K's BARでは、この十和田八幡平麦酒を地元の焼物で作られたジョッキで味わうことができる。また、締めには比内地鶏のガラで取ったあっさりスープが特徴の秋田比内地鶏ラーメンを味わうことができる。

 ちなみに、この十和田八幡平ビール、ホテル鹿角以外にも、隣の小坂町から十和田湖に向かう途中の七滝近くにある「滝の茶屋 孫左衛門」でも味わうことができる。十和田湖の青森県側には以前紹介した奥入瀬ビールがあり、秋田県側にはこの十和田八幡平麦酒があるという構図である。


追記(2009.7.8):鹿角市の中心部花輪地区に、昨年3月「びいる亭 KAZUNO」がオープンした。他のびいる亭同様、ヴェデット・エクストラ・ホワイトの生を始め生ビール6種、それに世界各国のビールが飲める。上記のように、これまで花輪地区にはこうしたビールが飲める店が皆無だったので、これは実に嬉しいことである。


111015-183313追記(2011.10.15):「びいる亭 KAZUNO」のヴェデット・エクストラ・ホワイトの樽生、びいる亭の中でも飲めるのはここだけだそうである。私が知る限りでも、それ以外と言うと、東北では以前紹介した仙台の「RED HOT」くらいしかないのではないかと思う。ヴェデットの他にも海外のビールが84種類、瓶で揃っていて、安心して好きなビールが飲めるのがよい。

 なお、昼間は「カレーな時間(とき)」という名前の、カレーやパスタが食べられる店として営業している。以前、大館の「cafe shokudo 山舘」で食べられた薬膳カレーやスパイシーカレーが食べられるようである。

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2006年07月13日

東北で地ビールが飲める店その12〜秋田県由利本荘市

691038b2.jpg 由利本荘市は、旧本荘市とその周辺の7町が合併して誕生した、秋田県沿岸南部の人口約9万人の市である。合併によって、由利本荘市は秋田県の約1割(約1,209平方キロ)を占める県内最大の面積を持つ市となった。

 由利本荘市の中心地はもちろん旧本荘市域である。由利本荘市の人口の約半分が旧本荘市域に住んでいる。私にとっては、由利本荘市は以前紹介したインドカレーロダンのある町であり、いずれ紹介しようと思うが、全国屈指の規模を誇るジャージー牛の牧場、花立公園牧場のある町でもある。

 さて、この由利本荘の中心部で地ビールが飲める店を見つけるべく、今回もあらゆる情報源を駆使して探してみた。しかし、手始めに由利本荘市を代表するホテルのフロントに聞いてみたところ、心当たりがないとのことであった。それならと、タウンページに唯一「ビアホール」のカテゴリーで掲載のあったカメリア由利本荘市裏尾崎町47-2、TEL0184-22-8930)に真っ先に足を運んでみた。ところが、ビールで置いてあったのは、サッポロの生とギネスの2種のみであった。せっかくビールに合いそうなフードメニューも各種あるのだから、願わくばビールの種類ももう少し豊富だとうれしいところである。ただ、チャージ料金を取らず飲んだ分、食べた分だけの会計というのは明朗でよいと思った。

 カメリアを出てからも、JR羽後本荘駅近くの花畑町や谷地町、市役所に程近い表尾崎町、裏尾崎町、それに中竪町、谷山小路、桶屋町など、飲食店が集まっているところを一通り歩いてみたが、ビールを売りにしていそうな店を見つけることは、残念ながらできなかった。本荘と言えば、銘酒由利正宗のお膝元である。ビールよりも日本酒が好きな人の方が多いのかもしれない。

 それにしても、人口9万人の市にビールのおいしい店が1軒もないのか、と思ったら、意外なところにあった。由利本荘市の中心部旧本荘市域から東に約30kmほど離れた山間の旧東由利町に、黄桜温泉 湯楽里(ゆらり)という温泉施設がある。この湯楽里に併設されているレストラン、お食事処やしお(写真参照)に、「ボツメキビール」という地ビールがあった。

 ボツメキというのは、この旧東由利町にある八潮山という標高713mの山の中腹から湧き出ている湧水のことで、県内では名水として名高い。「ボツメキビール」はこのボツメキ湧水の水を使って作られた地ビールである。ちなみに、この「ボツメキ」という名前の由来はよく分かっていないらしい。泡が湧き出るという意味のアイヌ語から来ているとの説もある。

 この「ボツメキビール」、製造しているのは、以前紹介したことのある「湖畔の杜ビール」の株式会社トーストである。だが、単なるOEMビールではなく、地元の名水を使っているという点で、まさに「地ビール」である。「湖畔の杜ビール」が製造しているだけあって、キレ味のよいさっぱりしたビールに仕上がっている。温泉から上がった後にピッタリの味と言えるかもしれない。

 「ボツメキビール」には、通常の330ml入りの瓶の他に、なんとどでかい一升瓶入りのビールもあって、しかもそちらが特に人気なのだそうである。私が行った時も、一升瓶の方は売り切れであった。東北広しと言えども、一升瓶入りのビールを売っているのはここくらいのものだと思う。日本酒王国秋田の面目躍如といったところだろうか。

 ところで、この湯楽里だが、唯一の難点は行きづらいことである。由利本荘の中心部から30km、反対側にある内陸の横手市からも30kmという場所である。車で来てここで味わって帰るというのはなかなかに困難である。宿泊施設があれば泊まってのんびりということもできるが、湯楽里は日帰り温泉である。10名以上だと送迎があるそうなので、何とか10人、ビール好きをかき集めて送迎をお願いするか、温泉に入りがてらに買いに来て、帰ってからゆっくり飲むという手段を取るしかなさそうである。


追記(2006.12.3):一升瓶入りのビールだが、上記のボツメキビール以外に、東北では岩手の平庭高原ビールにもあった。こちらはフェザーライトエール、ペールエール、アンバーエールから選べて、1本2,090円である。


追記(2008.4.25):由利本荘市の旧岩城町には、天鷺ワインという地ワインメーカーがある。地元特産のプラムを使ったプラムワインで有名だが、ここがプラムを使った発泡酒「プラムの発泡酒」(そのままの名前である)も醸造している。ワイン同様、赤と白の2種がある。

 ワインは天鷺ワイン城で醸造しているが、「プラムの発泡酒」は道の駅岩城(岩城アイランドパーク)の敷地内に醸造所があり、道の駅のレストラン「はまなす」で飲むことができる他、売店でも販売している。また、天鷺ワイン城でも買うことができる。田沢湖ビールあくらビール湖畔の杜ビールと並ぶ、秋田第4の地ビールである。


追記(2018.2.26):「プラムの発泡酒」はだいぶ前に醸造をやめてしまっていた。残念である。


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2006年04月23日

東北で地ビールが飲める店その11〜秋田県横手市

fc120240.jpg 秋田県横手市は、冬の「かまくら」で有名なところだが、昨年10月に旧横手市、増田町、平鹿町、雄物川町、大森町、十文字町、山内村、大雄村の1市5町2村が合併して、人口10万人余の新しい横手市となった。これら旧市町村には、例えば、横手市=焼きそば、増田町=まんが博物館、平鹿町=りんご、雄物川町=雄物川、大森町=桜、十文字町=ラーメン、山内村=さといも、大雄村=ホップ、とそれぞれ固有のイメージがあるが(私個人のイメージだが)、合併によってこれらの旧市町村の個性とも言うべきイメージが新市の中に埋没してしまわないように祈りたい。

 地ビールが飲める店を紹介するに当たっても、「横手市」と銘打つからには本来はこれら旧市町村すべてが紹介の対象となるところだろうが、旧横手市を除く各町村にはなかなかじっくり滞在する機会もなく、結局紹介できるのは旧横手市内の範囲内である。例えば、上に挙げたホップ栽培のイメージがある旧大雄村には、ひょっとしたら地ビールが飲める店があるかもしれない。が、ないかもしれない。少なくとも旧大雄村の温泉施設「ゆとりおん大雄」のお食事処、その名も「ほっぷ亭」のメニューを見る限りはないようである。

 さて、横手市中心部の飲食店は馬口労町(ばくろうまち)に集中しているが、この界隈を一通り歩いてみてもビールを売りにしている店は見当たらなかった。そうそう、以前地ビールが飲める店を探す方法について書いたが、その時書き忘れていたことがあった。その地域の「タウンページ」も実は重要な情報源である。「タウンページ」には「ビアホール」の項目がある。ビアホールと言うと「だだっ広いスペースの店で大勢でジョッキのビールを飲み干す店」というようなイメージがあるが(私だけか?)、「タウンページ」の「ビアホール」の欄には、ビールを売りにしている店がしばしば掲載されている。

 「秋田県 県南」のタウンページの「ビアホール」の欄には横手市に「ボルサリーノ」と「七兵衛」の2店が載っている。ちなみに宿泊したホテルのフロントの人の口から出てきた店の名も「ボルサリーノ」であった。実は、このボルサリーノ写真参照)は私も前から目をつけていた店で、JR横手駅に程近いところにある、まさに「ビアホール」を名乗っている店である。ただ、外から見る限り、地ビールや外国のビールがどれだけあるか不明であったので、入るのに二の足を踏んでいた。が、タウンページの「ビアホール」の欄にあるもう一店の「七兵衛」(横手市駅前町3-13、TEL0182-32-5577)は明らかにビール主体の店ではない。ここは「かまくら鍋」など、オリジナルの鍋物で有名な「居酒屋レストラン」である。したがって、横手でビールが売りの店は事実上この「ボルサリーノ」しかないようであったので、今回入ってみた。

 が、メニューを見てすぐがっかりした。ビールで置いてあったのは、キリンのラガーとハートランド、それにエビスの黒の3種だけであった。ただ、フードメニューの方はなかなか充実しており、中でも「豆腐明太子あえ」、「豆腐の生ハム巻き」、「あんこうのからあげ」、「秋田ピザ」(いぶりがっこやきりたんぽがトッピング)、「緑茶と舞茸のガーリックライス」、「フォンドボーカレー」(チキン、エビ、きのこの3種、ライスかナンが選べる)など、思わず頼んでみたくなるようなオリジナルのメニューが目に付いた。

 衝立にはさまざまな酒のラベルが所狭しと貼ってあったが、その中にベルギービールのセントルイスやシメイのラベルもあった。店の人に今これらのビールはないのか聞いてみたところ、これらのビールはビールの需要が増す夏季に、期間限定で仕入れるのだそうで、今の時期はないとのことであった。夏季の企画に期待したいところである。

 さて、ボルサリーノを出て、なおも探索を続けていると、市役所の近くでもう一軒、よさそうな店を見つけた。「崖淵倶楽部」と書いて「クリフサイドクラブ」と読ませるお茶目な店で(横手市田中町2-2、TEL0182-32-9780)、外から店の中に「バドワイザー」や「ギネス」のマークがあるのが見えたので、入ってみた。ビールは、エビスの生、アサヒの限定醸造「エーデルピルス」、キリンラガー、ハイネケン、バドワイザー、ギネス黒、ジーマ、アサヒスーパードライがあった。ボルサリーノよりは種類があるが、これにドイツやベルギーのビールがあれば、と思った。こちらも「葉ニンニク入り辛口マーボー豆腐」や「豚肉のタイ風レッドカレー」など、頼んでみたくなるフードメニューがあった。隣の大仙市に大曲店もあるようである。

 ちなみに、七兵衛には、キリンの生の他に、キリンラガー、サッポロ黒ラベル、アサヒスーパードライという大手3社の主力ビールがバランスよく置かれていた。というわけで、横手市内では地ビールや外国のビールを心行くまで堪能できる店が残念ながら少ない印象であった。


追記(2008.8.4):上に挙げたボルサリーノだが、閉店してしまっていた。事実上横手市内で唯一のビアホールがなくなってしまったわけで、残念である。


追記(2009.10.2):横手駅近くにあるホテルプラザアネックス横手の7階にあるスカイレストラン COSMOSで瓶の銀河高原ビールが飲める。同ホテルは天然温泉も完備しているので、温泉上がりに銀河高原ビールが飲めるということで、これはありがたい。


追記(2010.9.7):横手市観光協会は湖畔の杜ビールに依頼して原料の一部に大豆を使った発泡酒「豆deラガー」を開発した。道の駅十文字秋田ふるさと村かまくら館などに置いてある。ちなみに、「まめでらが」というのは秋田弁で「元気でしたか?」という意味である。


WP_20180322_20_44_40_Rich追記(2018.3.22):横手市と合併した旧十文字町にある「Re:MIX」は、クラフトビアバーとカラオケとゴルフシミュレーターが一緒になったユニークな施設だが、クラフトビアバーでは、隣の羽後町にある「羽後麦酒」を始め、国内の地ビールが常時9種類飲める。恐らく現在、秋田県南地方唯一のクラフトビアバーである。

 また、JR横手駅近くの「炭火焼食堂 La 炭之助
には、サンクトガーレンなどの地ビールやヒューガルデンなど海外のビールがそれぞれ瓶で置いてあった。これまた横手駅周辺では貴重な店である。



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2006年04月13日

東北で地ビールが飲める店その10〜秋田県仙北市

874a9ef2.jpg いわゆる「平成の大合併」によって、全国的に市町村合併が頻繁に行われた結果、平成16年4月1日時点で3,100だった市町村は、今年3月31日時点で2,289にまで減少した。中でも秋田県は65あった市町村が25になり、東北で最も市町村の減少率が大きく、市町村合併が最も進んだ県と言える。合併後は中核となる市の名称をそのまま引き継ぐ例もあるが、新たな名称となった市も多い(北秋田市、潟上市、仙北市、大仙市、由利本荘市、にかほ市など)。

 この中で、秋田県仙北市は、旧田沢湖町、旧角館町、旧西木村の3町村が合併してできた人口33,000人余りの市である。合併によって日本一の水深423mを誇る田沢湖と武家屋敷群で有名な「みちのくの小京都」角館という秋田の2大観光地を有することになった。余談だが、これら2つに比べてあまり目立たないものの、旧西木村で毎年2月に行われる「紙風船上げ」はとても幻想的で一見に値する祭りである。

 ところで、この仙北市に属する旧田沢湖町には、地ビールの醸造所が2箇所ある。同じ市町村に複数の地ビール醸造所がある場所は、東北では他に「ステラ・モンテ」と「ベアレン醸造所」がある盛岡市と、「天童タワー」と「湯坊いちらく」がある山形県天童市くらいである。旧田沢湖町にある2つの地ビールは、以前紹介した秋田にある3つの地ビールのうちの2つ、「田沢湖ビール」と「湖畔の杜ビール」である。どちらも田沢湖にちなんだ名前がついており、正直知らない人は混同してしまう恐れもありそうだが、中身はそれぞれ個性的できちんと差別化ができているところが素晴らしい。

 まず「田沢湖ビール」は秋田県の地ビール第1号であり、いわゆる地ビールらしい地ビールである。麦芽と水とホップ、酵母のみから作り、その酵母をいっさい濾過しないという、典型的な地ビールである。アルト、ケルシュ、ヴァイツェン、ダークラガー、ピルスナーなど地ビール好きには馴染みのビールの他、秋田のブナの樹から採れた日本で初めての「ブナ天然酵母」と日本一のブナの巨木を有する奥羽山脈和賀山塊の「ブナの水」を用いた「ぶなの森ビール」や、秋田県麦酒醸造技術研究会で共同開発したホップポリフェノールを多く残した「ヴィーナス」や桜の木から取れた酵母を使用した「桜酵母ビール」がある。

 醸造しているのは、主に東北を題材にしたミュージカルを手掛けて固定ファンも多い、劇団わらび座である。このわらび座の劇場がある「たざわこ芸術村」は、田沢湖からは離れるが、わらび劇場ブルワリーレストラン写真参照)、温泉ゆぽぽホテルゆぽぽお食事処ばっきゃ森林工芸館デジタル・アート・ファクトリー化石館民族芸術研究所などからなる複合的文化エリアである。温泉もホテルもあるので、温泉にのんびり浸かって、風呂上がりに地ビールという「極楽体験」ができる。ブルワリーレストランではイタリアンやフレンチを中心とした洋食(メニュー)、お食事処ばっきゃでは和食(メニュー)が味わえる。どちらも地元の食材などを上手に利用したメニューが中心で、こだわりのビール同様こだわりの料理が味わえる。

 田沢湖ビールは、OEM(相手先ブランド製造)にも力を入れている。最近話題を呼んだところでは日本で最初にビールが醸造された東京都品川区の立合川商店街の「品川縣ビール研究会」からの委託で、日本最古の酵母「エド酵母」を使用した「品川縣麦酒」を開発している。他にも、なのはなビール(青森県横浜町)、ねぷたビール(青森県弘前市)、種市ビール(岩手県洋野町(旧種市町))、十和田八幡平麦酒(秋田県鹿角市、岩手県松尾村など十和田・八幡平周辺)、アテルイビール(岩手県奥州市)、緑のビール(秋田県五城目町)、男鹿麦酒(秋田県男鹿市)、秋田竿灯麦酒(秋田市)、角館麦酒(秋田県仙北市(旧角館町))、かまくらBeer(秋田県横手市)、ゆざわビール(秋田県湯沢市)、象潟サンセットビール(秋田県にかほ市(旧象潟町))、小安峡ビール(秋田県湯沢市(旧皆瀬村))、小町ビール(秋田県湯沢市(旧雄勝町))、鳥海ビール(山形県遊佐町)、菜の花ビール(兵庫県淡路島)、秘湯ビール(「日本秘湯を守る会」の宿)などなど、各地の観光協会や各種団体とタイアップしてかなりの数のOEMビールを醸造している。

 マネージャーの浮辺厚夫氏によると、田沢湖ビールでは「品川縣麦酒」などでの成功を受けて、今後も地域の商店街などとタイアップしたオリジナルビールづくりにも積極的に取り組んでいくとのことである。活性化を考えている商店街は、話題づくりにオリジナルビールの開発を検討してみてもよいかもしれない。関心のある方は、浮辺氏に直接問い合わせていただきたい(メール、TEL0187-44-3988、FAX0187-44-3983)。

 一方の「湖畔の杜ビール」は、その名の通り、田沢湖畔のホテル街に醸造所兼レストラン「ORAE」(秋田弁で「私の家」の意)を持っている。鮮やかな青色の湖面が特徴の田沢湖を眺めながら、地ビールとおいしい料理を堪能できる。

 「湖畔の杜ビール」は「田沢湖ビール」や他の多くの地ビールと違って、これまでのビールの飲みやすさや喉越しを追求しているという。立ち上げに当たっても、他の多くの地ビール醸造所のように外国人醸造技師の力を借りずに、これまで日本で受け入れられてきたピルスナーを軸に据えて慣れ親しんだ味を信じて醸造したという。

 確かに、同醸造所の主力の「あきたこまちラガー」や「風そよぐピルス」は、他の多くの地ビール同様無濾過ではあるが、地ビール特有の風味から「地ビールはちょっと…」と敬遠していたような人にも抵抗なく飲めるビールに仕上がっている。「あきたこまちラガー」はその名の通り副原料にあきたこまちを使ったビールであり、日本の大手メーカーのビールの原料構成と似ているが、例えばアサヒスーパードライを上回るような喉越しとキレが感じられる。他に黒ビールのデュンケルもあるが、これも同様に飲みやすい。「湖畔の杜ビール」は地ビール好きにはもちろんだが、地ビール嫌いの人にこそ飲んでみてほしいビールである。それ以外にも、こちらにもホップポリフェノールを多く残した「花 hanaビール」や桜の木に自生する酵母を使用した「さくら酵母ビール」など、共同開発で誕生したビールがある。

 「ORAE」の料理も、人気ナンバーワンの「行者にんにくソーセージ」に代表されるように、地元の食材を上手に使った洋食のメニューが主体で、これまたとてもおいしい。季節ごとにメニューが変わり、今は山菜を使ったメニューが豊富である(メニューの一部)。

 この「湖畔の杜ビール」、車で行くとやはり飲めないので、近くのホテルに宿を取って滞在しながらじっくり味わうのがよいだろう。また、各種プランもあって、中には田沢湖高原温泉郷のホテルの宿泊とセットになったプランもある。これらのプランを使うとJR田沢湖駅からレストランまでの送迎、レストランから宿泊先までの送迎などもしてくれるので、JRなどを利用して訪れる場合にはそれらのプランを利用するのもよいかもしれない。


追記(2007.2.15):岩手県の旧宮守村は昨年合併して遠野市に編入された。旧宮守村には「わさびビール」で有名な「宮守ブロイハウス」が、一方遠野市には「ZUMONAビール」の「遠野麦酒」がある。合併によって遠野市も、地ビール醸造所が2箇所ある自治体になったわけである。


追記(2008.10.8):田沢湖ビールは、秋田県立大学との共同開発で、国内初の、原料がすべて県内産という地ビール「秋田まるごと自然仕込み あきた麦酒 恵」が発売された。限定醸造で、二条大麦と六条大麦の2種類ある。


210645.jpg追記(2009.11.9):今年も「あきた麦酒 恵」が発売された。今年も二条大麦と六条大麦の2種類だが、今年は県内大潟村産のこれらの大麦のモルトづくりも自社工場で行うという徹底ぶりで、原料の栽培から醸造まで全て秋田県内という「完全地ビール」となった。モルトの製造設備を持つ地ビール醸造所は国内でも数えるくらいしかないそうで、実際田沢湖ビールでは、依頼を受けて他の地ビール醸造所用のモルトも製造しているそうである。

 すっきりとした味わいが特徴の二条大麦の「恵」と、ほろ苦さが特徴の六条大麦の「恵」と、原料の大麦が違うと麦酒の味わいがこれだけ違うのだということが、これら2種類の「恵」を飲み比べてみるとよく分かる。ちなみに、ビールによく使われるのが二条大麦、麦茶にしたりご飯に混ぜたりするのが六条大麦である。

 これだけの手間暇をかけて、値段は他の田沢湖ビールと変わらない価格(330ml498円)で提供されているのがまたすごいと思う。



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2006年01月11日

東北の安く泊まれる温泉宿その3〜秋田県

b9a4f2f1.jpg  秋田県には128の温泉地があり(平成15年)全国第6位、源泉数は570(平成15年)全国11位でやはり屈指の温泉県である と言える。
 秋田の温泉と言えば、私の中では何と言っても日本一強烈な玉川温泉のイメージが他を圧倒している(写真参照)。しかし、それ以外にも全県にわたっていい温泉がたくさんある。以前も紹介したが八幡平山麓に は岩手県側の松川、藤七と肩を並べて後生掛蒸の湯など名湯があるし、乳頭温泉郷も最近は有名になりすぎた感もあるがやはりいい温泉である。個人的には本 当に秘湯と呼ぶにふさわしい杣温泉もお気に入りだし、秋田杉の天然林に囲まれた「東北の草津」日景温泉やタオルが赤く染まりそうな矢立温泉もいいと思う。 もちろんこのような豊富な温泉の中にはネットから予約できて安く泊まれる宿もある。

八幡平レークイン(大沼温泉) 3,203円(和室、パブリック)
鹿角市八幡平熊沢 国有林第33林班イ小班内 TEL0186-31-2211
予約:トクー!トラベル
 八幡平の中腹、標高950mの地点にある宿。すぐそばの大沼湿 原は高山植物の群生で知られる。ブナの原生林に囲まれているので、秋の紅葉もキレイ。地物の山菜料理が好評。温泉は源泉掛け流し。露天風呂もあり。標高が 高く雪が深いので11月〜3月までは冬期休業。

新五郎湯(秋の宮温泉郷) 3,800円(自炊湯治プラン、和室素泊まり)
湯沢市秋 の宮字湯ノ岱71 TEL0183-56-2331
予約:イサイズじゃらんトクー!トラベル
 秋の宮温泉郷は開湯300年の歴史を誇る。武者小路実篤も泊 まった稲住温泉(オススメ)や近代化されたリゾートホテル秋の宮山荘など、個性豊かな宿があるが、ここはその中でも一番歴史のある宿だという。龍神のお告 げによって温泉を見つけることができたという元禄15年の文書が今も現存する。昔ながらの自炊もでき長期滞在者にも好評。

秋田県健康増進交流センターユフォーレ
三内峡温泉) 3,860円(雑木林の見える部屋プール利用付きアウトトイレ、アメニティなし)
秋田市河辺三内丸舞1 −1 TEL018-884-2111
予約:楽天トラベル
イサイズじゃらん
 県立太平山自然公園の南側にある自然に囲まれた厚生労働大臣認 定の温泉利用型健康増進施設です。健康運動指導士の運動プログラムの提供、温泉利用指導者の入浴プログラム提供や保健師、管理栄養士による健康相談が受け られる。プールなども利用できる。

横手プラザホテル(横手駅前温泉) 4,000円(平日は6,048円・6,804円、食事なしシングルルーム)
横手市駅前町7−1 TEL0182-33- 2111
予約:楽天トラベル
ベストリザーブ
 JR横手駅の目の前にあるホテルで、ホテル自体には温泉はない が、同ホテルが駐車場を増設しようとした時に敷地に温泉が湧き出し、そこに建てた温泉施設「横手駅前温泉ゆうゆうプラザ」を宿泊客は無料で利用できる。 4,000円は基本的に土日の値段だが、日によっては平日でもこの値段で泊まれることがある。

ふるさわおんせん光葉館(古沢温泉) 4,000円(素泊まりプラン、2/28まで。プラス500円で 「ワンコイン朝食」も頼める)
大館市新綱27 TEL0186-48-4295
予約:楽天トラベル
 大館市郊外の田園風景の中にある温泉旅館。飲泉もできる芒硝泉が特徴。大館周辺でこの料金で泊まれる宿は他にないので貴重。

たざわこ芸術村温泉ゆぽぽ 4,410円(洋室トイレ付、パブリック)
仙北市田沢湖 卒田字早稲田430 TEL0187 -44-3333
予約:トクー!トラベル
 「小京都」角館と田沢湖の中間点にあり、劇団わらび座の本拠地 わらび劇場があるたざわこ芸術村の中にある温泉宿。秋田県初の地ビール「田沢湖ビール」のレストランや、木工品製作や陶芸、絵付けなどができる森林工芸館 もある。温泉は檜材をふんだんに使用した浴室で、男女それぞれ大小2ヶ所ずつある。

滝温泉 4,515円(朝食付き和室6畳)
由利本荘市滝湯の沢30 TEL0184-67-2221
予約:楽天トラベル
 190年の伝統がある湯治の宿。貸切風呂もあり。この地域では貴重な温泉の一つである。打ち身、切り傷、交通事故の後遺症に効 果があるという。

他に、「田沢湖高原温泉ホテルタザワ」がシーズンオフ時に、「スーパー素泊まりパック」として3,005円という 安値で宿泊できるプランを用意することがある。1泊朝食付の「39ビジネスパック」は4,095円である。楽天トラベル
から予約できるので、時々チェックしてみるとよいかもしれない。以前紹介したように、田沢湖は水深422mで日本一深い湖であ る。そこから最近とみに人気を増している乳頭温泉郷の方へ上っていくと、その途中に水沢温泉、そして田沢湖高原温泉がある。田沢湖高原温泉は乳頭温泉郷か ら引湯しており、温泉の質はよい。田沢湖が見下ろせロケーションもよい。間違いなくお得である。


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2005年10月18日

東北で地ビールが飲める店その1〜秋田県大館市

ab18e3ec.jpg 以前も書いたかもしれないが、私はビールが好きである。ビール党と言われる人は全国各地にいるが、その東北本部宮城県支部仙台出張所所員くらいできるのではないかと自任しているほどである。

 ビールと言っても、アサヒ、キリン、サッポロ、サントリーといった大手メーカーのビールではなく、地ビールや外国のビールが好きである。そのようなわけで、仕事や旅行などでどこかへ行った時の私の楽しみの一つは、その地域で作っている地ビールを味わうことである。

 ただ、不満なのは、そうした形でビールを味わえる店が少ないということである。地酒はもちろん、最近はブームに乗って全国各地の様々な焼酎を出す店も増えてきているのだが、ことビールに限って言えば大手メーカーのビールを出して事足れりとしている店が多いのである。その結果、私は旅先で個性的なビールが飲める店を探すのに苦労することになる。

 ところで、東北には地ビールが多い。その理由の一つは、ホップ(写真参照)の生産量が多いということが挙げられるかもしれない。ビールに欠かせないホップの国内生産量は平成16年度で459tだが、そのうち450t、実に98%を東北で生産しているのである。(東北農政局「東北の地域特産物」より)生産量のシェアを県別に見ると、岩手が44%で、次いで秋田が28%、山形20%、青森8%となっている。

 ただし、これらのホップのほとんどは大手ビール会社との契約栽培で作られており、地ビールに回る分はそれほど多くない。従って、大部分の地ビールは原料となる麦もホップも海外から輸入して作られており、必ずしもその土地に関わりの深い味となっていないケースも多いのだが、それでも地ビールは醸造所によって味が異なるので、そこでしか飲めないビールという点ではローカル色豊かであると言える。

 さて、新コーナーでは東北で地ビールなど個性的なビールが飲める店を紹介していきたい。これはネットを検索しても意外に情報が少ない。一番充実しているのは、日本地ビール協会のサイトの中の「地ビール・輸入ビールが飲める店」だと思われるが、特に東北について言えばまだまだ情報が少ないようである。

 今回、久しぶりに秋田県北の都市大館市に滞在した。ここはかつて紹介したようにハチ公の故郷であり、きりたんぽのおいしい町であるが、おいしいビールが飲める店についての情報はネット上になかった。それならばと現地で足で探し回った。

 大館の繁華街はJR花輪線の東大館駅周辺であり、ここを歩き回ったがビールのおいしそうな店はなかった。唯一「ビアホール」と銘打っていた店は閉店しており、これは酒屋で銀河高原ビールを買ってホテルに帰って飲むしかないかとあきらめかけた。と、その時とある焼肉屋から出てきた4、5名のグループの一人が「この流れはこのまま『びいる亭』かあ」などと言っているのが聞こえた。

 そう、「びいる亭」(大館市大町79大町ビル1F、TEL0186 -49-6714)。この店のことを忘れていた。名前だけは聞いたことがあったが、行ったことはまだなかった。でも名前からしてここならきっとおいしいビールがあるに違いないと思い、そのグループの後についてびいる亭に行った。

 入ってみて、期待通りここはビール好きにふさわしい店だと思った。地ビールこそ置いていないが、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、オセアニア、アフリカなど、世界の様々な地域の代表的なビールが置いてある。特にベルギーやドイツといった私の好みのビールの種類が多いのがうれしかった。

 メニューにはそれぞれのビールについて分かりやすい解説もつけられており、それを見ているだけで勉強になった。単価はほとんど一瓶800円から1000円くらいで、それほど安いわけではないが、この品揃えを見ればそれも頷ける。これほどの種類のビールを揃えている店は仙台市内にもないのではないかと思われる。いい店を見つけたと思った。

 びいる亭を出ていい気分で歩いていてもう一軒見つけた。白樺苑大館市字桂城14、TEL0186 -42-0352)という中華料理店であるが、表のメニューによると、ここでは秋田市の地ビール、あくらビールのAボック、Qボックが飲める。中華料理店だけあって中華のメニューも豊富だが、目を引いたのは自家製手打ち麺のラーメン類であった。今回は行けなかったが、次はぜひ行ってみようと思う。


追記(2011.10.18):上記の「びいる亭」だが、「白生」(ヒューガルデンの樽生)や「赤生」(ベルビュークリークの樽生)がなくなって、ドイツやベルギーを始めとする海外のビールは、瓶のみとなっていた。それでも、84種類ものビールを揃えているのはさすがである。

 白樺苑の方は、あくらビールがなくなっていた。残念である。ラーメンも麺が替わって、中太のストレートの麺になっていた。


131111-204756追記(2013.11.11): 「居酒屋WASABI」は、比内地鶏や秋田純米牛など地元の食材をふんだんに使った料理が美味しい店だが、ここでは何と、あくらビールの樽生が常時4種類飲める。もちろん、秋田県北で唯一ということである。

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