能代市  

2010年01月04日

東北で地ビールが飲める店その50〜秋田県能代市

662024ed.jpg 秋田県能代市は、秋田県の北部の日本海沿岸にある、人口約6万1千人の市である。江戸時代から植林された700万本の日本最大の松林である風の松原や、全国大会で幾度もの優勝を果たした能代工業高校のバスケットボールなどで有名である。

 この能代市内で地ビールが飲める店を探してみたが、正直これといった店は見つけられなかった。「HARAJUKU ORION-3」(能代市追分町3-17、TEL0185-55-0428)でレーベンブロイとミラースペシャル、「Beer & Wine BIG FOOT」(写真参照、能代市柳町6-16、TEL0185-54-7989)でバス・ペールエールの生とギネス、エビス生、ミラースペシャル、「焼酎Bar 彩香亭」でレーベンブロイの生とギネス、「いやしん房 びや樽」(能代市柳町9-31、TEL0185-52-9299 )でコロナ、クアーズ、エビス、エビス・ザ・ホップが飲めるが、日本の地ビール、レーベンブロイ以外のドイツのビールやベルギーのビールなどが飲める店は見つけられなかった。これまで同様、やはり日本海沿岸の町でビールの充実している店を見つけるのはけっこう難しいようである。

 ところで、能代市には洋食のおいしいオススメの店がある。まず「le tablier(ラ・タブリエ)」(能代市柳町13-13、TEL0185-54-2111)というレストランである。フレンチがメインの店だが、串揚げもオススメである。地元の食材がメインのとてもおいしい料理がリーズナブルに食べられる。ここにはキリンのブラウマイスターの生とハートランドが置いてある。

 「キッチン菅野鮮魚店(すがのせんぎょてん)」も港町らしく新鮮な魚介類がメインのフランス料理が楽しめる。お任せスタイルの店で、その日どんな料理が出てくるかは親方次第である。ここではバドワイザーの生が飲める。瓶ではないバドワイザーの生は比較的珍しい。

 他に、「Bamboo Grill 窟(いわや)」は韓国からインドまで様々なアジア料理が楽しめる能代では貴重な店だが、ここにはギネス、ハイネケン、コロナ、バドワイザーが瓶で置いてある。

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2009年05月06日

東北の食べ処その18〜受け継がれ発展する秋田県北の「ラーメンの雄」の味

いろいろと意見はあるだろうが、かつて大館市にあった「飛騨ラーメン」と能代市にある「十八番」は、秋田県北を代表するラーメンと言っても過言ではないと思う。それだけに、飛騨ラーメンが閉店した時はとても残念な思いをしたし、同じ思いの人は他にも大勢いたに違いない。十八番の方は今も健在だが、こちらも一時店主の体調不良で長期閉店したことがあり、やきもきしたものである。


 その一方で、こうした多くの人を引き付けるラーメンというのは、どんな形であれ着実に受け継がれていくもののようである。と言うのも、飛騨ラーメンや十八番に影響を受けてできたラーメン店がこの地に新たに生まれ、確実にファンを獲得しつつあるからである。

 ここでは、そうした店のうち、私の知っている3つの店を紹介したいと思う。


114029孝百(こうはく)(大館市片山町3-11-32、TEL不明、11:00〜20:00、火曜定休)

 かつて飛騨ラーメンがあった場所のすぐ近くにできた、まさに飛騨ラーメンの再来かと思わせられるラーメンを出してくれる店である。この店ができたことで、飛騨ラーメンに近い味わいのラーメンがまた味わえるようになったことに感謝したい。

 店主自身もやはり飛騨ラーメンが大好きだったそうで、それがきっかけとなって試行錯誤の末にこのラーメンを生み出したのだそうである。飛騨ラーメン同様かんすいを使わない白くてモチモチ感のある麺に、化学調味料を使わない自然な旨みのスープを合わせた飽きない味のラーメンである。

 通常のラーメンの他に、1日30食限定の魚だし濃厚中華もある。


143225佐藤中華そば楼 by ねぎぼうず(大館市片山1-1-5、TEL不明、11:00〜14:40、日・月曜祝日定休)

 元は旧二ツ井町にあった「ねぎぼうず」が、大館市に移転オープンした。こちらの店主は十八番のラーメンを食べたのがきっかけで店を出したとのことである。白くて細いストレートな麺に、魚だしの効いた透明感のあるスープが特徴である。

 レモンが浮かび、いろいろな粉が沈むところは十八番を彷彿とさせるが、そこから出発してオリジナルの味を生み出すことに成功している。辛みそ、魚多め、玉ねぎ脂、しょっぱめなどのトッピングがあり、自分の好みの味にアレンジできる。昼時ともなると1時間待ちとなることすらある人気店となっている。その辺りも十八番譲りと言うべきかもしれない。


142219麺屋もと(能代市高塙213-3、TEL0185-54-8025、11:00〜15:00、月曜定休)

 能代市街から東能代方面に国道7号線を北上したところにある(K'sデンキと路地を挟んだ向かい)。ここも十八番の常連だったという店主が開いた店である。

 やはりスープにレモンが浮き、ナッツ類が入っているところは十八番の影響を感じさせるが、鶏と魚から取っただしがベースのスープは、オリジナルの味に仕上がっている。麺は十八番のものに似た細麺である。昼時のみの営業というのも十八番と同様である。



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2006年10月19日

東北のオススメスポットその7〜「東北最後の秘境(?)」秋田県北地方

58d9ca65.jpg 秋田と言えば…、と言って思い起こせるものはいろいろある。民謡「秋田音頭」に出てくるものだけでも、八森のハタハタ、男鹿のぶりこ(ハタハタの卵)、能代の春慶、檜山の納豆、大館の曲げわっぱがあるし、それ以外にもきりたんぽ、しょっつる、とんぶり、じゅんさい、比内地鶏といった料理・食材、角館の武家屋敷&枝垂桜、田沢湖、十和田湖、八幡平、鳥海山、といった観光スポット、竿燈まつり、土崎港曳山祭り、花輪ばやし、西馬音内盆踊り、飾山ばやし、なまはげ柴灯まつり、かまくら、紙風船上げといった個性的な祭りなど、様々な「秋田」がある。

 その中で忘れてはならないのが秋田杉である。秋田杉は青森ヒバ、木曽ヒノキと並んで、日本三大美林の一つとされている。

 その秋田杉であるが、確かに秋田県内にもあちこちに杉林はあるものの、そのほとんどは人工林である。秋田杉の天然林は、秋田杉が藩政時代から有名でどんどん切り出されたということで、県内を見渡しても今ではほとんど残っていない。

 その秋田杉の天然林が辛うじて残っているのが、秋田の県北地方なのである。前回取り上げた森吉山の山麓、桃洞渓谷と佐渡谷地にある秋田杉の天然林は「桃洞・佐渡のスギの原生林」として国の天然記念物に指定されている。他に、青森県との県境の矢立峠付近にも秋田杉の天然林が残っている。また、面積の94%が森林という上小阿仁村にある上大内沢自然観察教育林も、700本以上の天然の秋田杉で構成される林である。ここには古くから地域の御神木として崇められ、林野庁の「森の巨人達百選」にも選ばれた「コブ杉」がある。

 このような天然の秋田杉と人工林の秋田杉とでは、素人目に見ても違いが分かる。それはその大きさである。天然林の秋田杉は樹齢が平均でもおよそ250年に達しており、林齢が長くても80年の人工林とは、一本一本の杉の「存在感」がまるで違う

 そうした天然の秋田杉が見られるスポットの中で、今回は能代市の旧二ツ井町にある仁鮒水沢スギ植物群落保護林を紹介したい。ここには日本一高いと言われる杉の木があるのである。

 場所は旧二ツ井町の中心部から車で30分ほど南に下った山中である。面積18.46haの林の中に天然の秋田杉が2,812本あり、それらの樹齢は180年〜300年と言われている。その中に樹高58mの日本一高い杉があるのである。

 駐車場に車を止めて林に入っていくと、ちょっと行った所に「見学の皆様へのお願い」という立て札が立っている。それによると、杉の語源は『直ぐ』の木から来ているそうで、まっ直ぐ伸びるその性質は群生するほどに良く現れるそうである。ここには日本一高い杉の木以外にも50m級の天然秋田杉が林立しており、林としても日本一の杉林と言えるとあった。

 面白かったのは次の文言である。

「道路沿いなどによくある人工林とは段違いのスケールを誇る巨木林です。ただ目が慣れると感激が薄れてしまいますのでご注意ください」

 前半部分は分かる。確かに、一歩林の中に足を踏み入れると同時に、その杉の木々の存在感には圧倒される。これが杉の木の本来の姿なのか、という印象である。人工林の杉林とはまるで違う。太さもさることながら、何よりもその高さがすごい(写真参照)。しかし、後半部分には異議を申し立てたい。「ご注意ください」と言われてもどうすりゃいいんですか、という感じである(笑)。どこを向いてもめったに見られないような巨木が目に映るので、確かにそういうこともあるかもしれないが…。

 日本一高い天然杉までは、林の入り口から普通に歩くと20分くらいだろうか。日本一と言われるだけあって、確かに高いようだ。が、周りにも同じくらい高い杉の木があり、離れてはそれらの木に隠れて見えないし、逆にすぐそばでは木自身の葉や枝にさえぎられててっぺんまで見えない。案内板によれば、この木の高さは58メートルあって、これは15階建てのビルに相当するそうである。私の職場が15階にあるので、その高さと同じだと言うと確かにすごい。職場からは仙台平野が一望でき、太平洋が望めるのである。

 太さは164cmで林内一とのことだが、太さ自体に関して言えばこれを上回るような杉は全国あちこちにある。私が見た中では、屋久島の縄文杉がもちろんそうであるし、前回紹介した白山中居神社からさらに山の手に入ったところにあるいとしろ大杉もそうであった。なお、材積は40立方mあって、この木一本で建物面積53坪の木造住宅一戸が建てられるそうである。

 ちなみに、この「きみまち杉」と名づけられている「日本一の杉」、秋田営林局が平成7年から8年にかけて、国内各地の高いとされている杉を実測したところ、実際にはどれも50m程度であったため、晴れて日本一を宣言した、とのことであるが、現在でも他に「日本一」を主張する杉の木がある。愛知県にある鳳来寺山の傘杉や高知県にある杉の大杉(南大杉)などである。傘杉はきみまち杉を上回る59.27mとされている。また、杉の大杉も樹高60mとある。

 樹高を正確に測定するのは意外に難しいらしく、それゆえ「きみまち杉」を含めて日本一を称する杉が各地に存在しているわけであるが、仮にきみまち杉が日本一の高さでなかったとしても、他にも樹高50mを超える杉が多数存在して見る者を圧倒せずにはおかないこの林は、「団体戦」では間違いなく日本一だと言える。

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2005年07月01日

東北の逸品その5〜能代・桔梗屋の翁飴

1c42b595.jpg  秋田県の県北にある能代市は能代工業高校に代表される「バスケの街」として有名だが、私的には以前紹介した十八番」のラーメンのある街である。それともう一つ、伝統ある「翁飴」のこともぜひとも紹介したい。私が能代に出張したりすると、土産は大抵この「翁飴」である。

 翁飴は能代市畠町の桔梗屋と いう菓子店が作った淡黄色の飴である。桔梗屋自体、実に文禄元年(1592年)創業という老舗中の老舗の菓子店だが、ここの翁飴も文化年間から約200年 の伝統を持っているという。

 飴とは言っても、餅とゼリーの中間のような独特の歯ざわりであり、口の中で噛むとやさしい甘さがほんのりと広がる。原料はもち米と大麦で、砂糖・添加物などを一切使用せずに、自家製の麦芽糖化水飴に「特別な原料」を配合して固形化している。その製法は桔梗屋の家業を継承している武田吉太郎家の秘伝とされ、一子相伝で伝えられている。

 職人も雇わず、すべて武田吉太郎氏一人の完全手作業で、仕込みから完成まで一週間もかかるので量産ができないそうである。前回紹介した稲庭吉左衛門の稲庭うどんを髣髴とさせるような話である。名前の由来は、滋養に富み、病人や老人にも食しやすいので長寿を全うできるという意味が込められているのだという。

  そうそう、この翁飴、真夏でも溶けないし真冬でも固くならない。他の菓子店でも「翁飴」と称した菓子を見かけることがあるが、ここのものとは別物で味もまるで違う。ぜひ一度「家伝元祖」の翁飴を味わってみてほしいと思う。ちなみに、家庭用のミニサイズが8個入り270円(写真参照)、贈答用の箱入りは18個入り650円からある。

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2004年10月13日

東北の食べ処その3〜秋田県北地方

75f92317.jpg  秋田県の北部も個性的でおいしい店の多い所である。特に、大館市は秋田の代表的な郷土料理であるきりたんぽの店が多い。きりたんぽ発祥の地は隣の鹿角市だそうだが、店の数や知名度で言えば大館の方が上である。

 大館と言えば、かのハチ公の故郷でもある。それにちなんで、実はJR大館駅前にも渋谷駅前と同様にハチ公の銅像が立っている。しかし、JR大館駅が街中から少し外れていることもあって、こちらのハチ公前で待ち合わせをする人はほとんどいない(笑)。
 

昔のきりたんぽや写真大館市大館75-5、TEL0186-43-4040、11:30〜14:00、17:00〜20:00(9月中旬〜5月中旬のみ営業)、月曜定休)
 ここのご主人は、漫画「美味しんぼ」にも実名で登場して、「本物のきりたんぽ」について熱く語っている。事実、比内地鶏と野菜から何時間もかけてつくるスープ、手作りで炭火で焼くきりたんぽなど、敢えて手間をかけてつくるここのきりたんぽ鍋は、文句なくおいしい。

 私はそれまできりたんぽは好きではなかったが(仙台でも出す店があるがおいしいと思わなかったのである)、ここのきりたんぽを一たび食べて、今や大好物へと変わったくらいである。

 運がいいと、栽培ものではない天然ものの舞茸が入ってくることもある。きりたんぽを出す店の多い大館市内でも、きりたんぽだけを出す専門店はここともう一軒くらいしかない。

 夏になるときりたんぽを作る米の味が下がるからと言って、夏の間は店を閉め、新米が出る季節になるとまた店を開く。一日に作る量が決まっているので、予約してから行った方が確実。

おすすめ:もちろん、きりたんぽ鍋


飛騨ラーメン
大館市片山町3-5-38 、TEL0186-49-4254、11:00〜19:30、不定休)
 大館にはひそかにラーメンのおいしい店が多いが、ここはその代表格。手打ちの麺に魚のダシが効いた濃い色の醤油のスープがよく合う。元はフランス料理のシェフをしていたというご主人のコック帽がチャームポイント。

 飛騨は奥さんの実家なのだと言う。確かに、飛騨に行った時に食べたラーメンも醤油味で魚の旨みが効いたあっさり味のラーメンだった。

 元々評判はよかったが、最近では「行列のできる店」となってしまった。東京などに行くと行列のできる店は数多いが、人口5万人の町で行列ができるこの店の方がすごいと思う。

おすすめ:中華そば


安好る
(あんこうる)(大館市清水1丁目1-76-1、TEL0186-42-0306 、11:30〜15:00、17:00〜19:00、月曜定休)
 大館では比較的新しいお店だが、やはりあっさり醤油味のおいしいラーメンを食べさせてくれる。カレーも素朴な味でおいしいのでどっちも頼みたくなる。

 ただし、両方頼む場合は、味の濃いカレーは後に出してもらうのがよいと思う。先にカレーを食べてしまうと、ラーメンの方の微妙な旨みがよく分からなくなる可能性が大なので。

おすすめ:中華そば、カレーライス


十八番
能代市追分2-50、TEL0185-52-7535、11:00〜14:00、土日祝日定休)
 平日の昼の間しか営業していないのでなかなか行きづらいが、ここでは他のどこのとも違うラーメンが食べられる。「トッピング」のレモンの切れ端やスープに浮かぶ大小のナッツ類、「調味料」としてテーブルに置かれたアルカリイオン水など、すべてがどこのラーメンとも似ていないここだけのオリジナル。そして、おいしい。

 ここも昼は地元の人が行列を作っている。ガイドブックなどにはほとんど出てこないが、実に味わい深い。

おすすめ:みそラーメン、しょうゆラーメン、しおラーメン、どれもおいしい


切田屋
鹿角市花輪下花輪168、TEL0186-23-2083、11:00〜18:30、月曜定休)
 鹿角市は江戸時代は今の岩手県と同じ南部藩だった。そのせいかどうか、鹿角地方の「タウンページ」は大館や能代の「秋田県北版」とは別になっていて、とても薄いのでハローページも一緒になっている。

 岩手県は現在山形県や福島県の会津地方と並ぶ東北のそば処だが、鹿角市の中心部花輪にあるこの店でもその岩手県と同じような細打ちの手打ちそばが食べられる。狙い目は限定の10割そば。デザートにはそばシャーベットもおいしい。

おすすめ:手打ち十割そば、そばシャーベット


追記(2005.10.18):ショック!大館の飛騨ラーメンがこの8月末で店を閉めたらしく、今月久々に行ってみたら既に別の店になっていた。新しい店はいろんな地域のラーメンが食べられるというありがちな店だったので、入らなかった。

 安好るは健在で、あっさり味の中華そばはやっぱりおいしい。ただ、能代の十八番の影響か、レモンのかけらが入るようになっていた。口に残るような木の実は入っていないが、何かがスープに浮いていた。これも十八番の影響かも。

 その十八番は長らく休業中だったが、今月行ったら店を開いていた。ただし、休日がこれまでの土日祝に水曜も加わったので注意。相変わらずおいしかった。


追記(2007.4.3):大館市にあるカレー&パスタ専門店「cafe shokudo 山舘(やまだて)」(大館市山館字田尻197-2、TEL0186-43-5828、11:00-15:00、17:00-21:00、水曜定休)は、恐らく秋田県北で本格的なカレーが食べられる唯一の店である。以前紹介した(ココココココ)「びいる亭」に「名刺」が置いてあったので、「びいる亭」の関連店なのだろう。

 中辛の「山舘カレー」(印度カシミールカレー)、辛口の「薬膳カレー」(ひき肉&20種類のスパイス)、甘口の「昔のカレー」(三種の刻み野菜入)の他、「チキンとじゃがいものカレー」、「オムレツカレー」、「ラムカレー」(いずれも中辛)の6種のカレーがある。辛さ指定もできるが、辛さの度合いに応じて追加料金がある。

 私はカレーしか食べていないが、パスタはスパゲッティだけでなく、ペンネやらせん状の形のフスィリなどのショートパスタも含めて47種類もある。中でも「大館名物パスタ」と銘打った「漬物あんかけパスタ」、「ネバずるパスタ」(多分納豆)、「いぶりガッコの和風クリーム」が気になるところである。でも、多分次もカレーを食べてしまうに違いない。

 同じ建物内には他に、「名所居酒屋 はずれ」(大館のはずれにある新名所というのがネーミングの由来だそうである)がある。「はずれ」に対してやはり同じ建物内には最初七輪焼きの店でその後予約貸切宴会場となった「あたり」があったが、この4月5日からは「御食事居酒屋 馬肉×蒸し料理 うまが、会う」として新装オープンすることになったそうである。一連のネーミングのセンス、何とも言えない味がある。

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2004年09月28日

私的東北論その3〜「白神市」の名称使用は見直すべきでは

3a245ab0.jpg  「白神」という名称を巡るやり取りが、青森、秋田両県で活発になっている。発端は、秋田の県北能代市を中心とする周辺7市町村の合併問題である(参照サイト)。その合併後の新市の名称を「白神市」とすることが合併協議会の場で決定された。これに対して、隣県の青森や秋田県内からも疑問の声が挙がったのだ(参照サイト)。

 最大の問題は、新市が「白神」を名乗ることの「正統性」である。新市を構成する7市町村は、どこも白神山地の世界遺産地域を有していない。秋田県側で唯一世界遺産地域を有する藤里町はこの合併協議に参加していない。極端な話、ただ「近いだけ」で「白神」の名を名乗るのはいかがなものかという声である。

 もう一点の問題は、そもそも自治体の名称として世界遺産である「白神」を名乗ることの妥当性である。隣県の青森でやはり合併協議を進めている深浦町と岩崎村は、新町の名称として「白神」の名を使わないことを決めた。理由として、「白神は神の山であるが、伝統芸能を継承して白神を祭ってきたのは大間越だけで、他の地区が『白神』を名乗るのは神をないがしろにするものだ」という意見や、「世界遺産の『白神』を自治体名に冠するのは極めて重い」という意見があり、他の名前を選んだ方がよいという意見で一致したという。ちなみに、両町村は白神山地の世界遺産地域を抱えている。

 こうした双方の動きを見ていると、両県の合併協議会の「白神」に対する思いにはギャップがあるように見受けられる。青森側は、「白神」をいまだ「神の山」として畏敬し、自分たちの町の名前に用いるのは恐れ多いという姿勢である。それに対して、秋田側の考えは、応募のあった中から委員の3分の2以上の票を得たものを新市名として決定したというだけで、そこには「白神」について考えた形跡は見当たらない。

 こうした思いのギャップは、実は秋田側の7市町村が白神山地の世界遺産地域を有していないこととも関連しているのではないか。それを有している青森側の合併協議会は、有しているがゆえにその大切さ、重大性もよく見え、その結果名称使用を見送った。対して、秋田側は身近に世界遺産地域がないがために、知名度や町おこしのねらいもあったのだろうが、さほど頓着することなく名称使用を決定した。考えてみれば皮肉なものである。

 そもそも、白神山地の世界遺産地域は青森側が4分の3で、秋田側は4分の1。これは、白神山地が青森寄りに偏っているのではない。秋田側は青森側よりもブナ林の伐採が進んでおり、世界遺産地域に登録できる面積が限られていたのである。青森側にしてみれば、そうしたことに対する感情もあるのではないかと思われる。

 ただ、両県は、道州制に先駆けて3県合併を目指す間柄である。だから、両県知事は事を荒立てたくないらしく、今のところこの問題に積極的に介入する考えはないようである。だからこそ、秋田側の合併協議会には、「白神」市の名称の再考を願いたい。冒頭に書いたように、秋田県内からも反対の声が挙がっている。こうした反対を押し切ってまで「白神」の名称使用にこだわりつづければ、それは新市スタートに大きな影を落とすことになりかねない。

 「白神市」という名前が出る度に、「とは言ってもあそこは世界遺産地域じゃないんだよねー」とか「ブームに乗っかってただつけただけなんだよねー」という揶揄が聞かれるかもしれないというのは、そこに住んでいる人にとっても迷惑な話なのではないだろうか。(写真は白神山地天狗岳のブナ)


追記(2005.3.5):その後、能代市と周辺6町村との間で名称を巡って対立が起きた。能代市は市民に合併と新市名についてアンケート調査を行ったが、その結果は合併には賛成、しかし新市名の「白神」には反対、というものだった。能代市はそれを踏まえて、合併後の新市の名称を「能代市」とすることを法定合併協議会に提案したが、これに他の町村が反発。能代市が法定合併協議会を離脱する騒ぎへと発展し、結局、今年1月法定合併協議会が解散する事態となった。

 これで「一件落着」かと思われたが、6町村のうちの八森町と峰浜村が来年3月の合併を目指して合併協議会を設置、その新町名として「あきた白神町」「白神町」「南白神町」「八峰町」「森浜町」の5つを候補としたことで、また自然保護団体などから反発の声が上がっている。この問題、まだまだ尾を引きそうである。


追記(2006.4.1):結局、八森町と峰浜町が合併した新しい町の名前は、それぞれの町の名前の頭を取って八峰町(はっぽうちょう)となった。紆余曲折があったが、とりあえずは「一件落着」である。

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