青春18きっぷ  

2011年01月22日

東北をめぐる鉄道の旅その8〜仙台から普通列車・日帰りでどこまで行ける?

tohoku  この冬の青春18きっぷの期間が終わった。1人で5日分(または5人で1日分なども可)、JRの普通列車が乗り放題となるこのきっぷは、その名前から若者限定のきっぷと勘違いされることもあるが、実際には誰でも使える。

 以前書いたように、仙台を起点とすると、1日で北は津軽海峡を越えて函館(その先の森)、南は姫路(上野駅でダッシュすれば播州赤穂)まで行ける。では、「日帰り」、すなわち1日でまた仙台まで帰ってくることを考えた場合どこまで行けるものだろうか。調べてみた。

 まず北に向かってみる。北は仙台6:00発の東北本線に乗ると、盛岡からIGR(いわて銀河鉄道)、JR花輪線、奥羽本線を経由して弘前まで行ける(14:20着)。弘前を14:54に発車する秋田行に乗って来た路線を戻れば、仙台には22:32に帰って来れる。厳密に言えば、弘前の2つ先の川部までは行けるが、そうなると川部14:31着、14:39発で滞在時間はわずか8分である(笑)。

 青春18きっぷの適用とはならないが、盛岡からIGRと青い森鉄道を利用してみると、野辺地まで行ける(13:30着)。どうせならそこから大湊線で下北方面までちょっとでも行ってみたいところだが、その日のうちに仙台に戻るためには残念ながら行けない。青い森鉄道でさらに青森方面に足を延ばすと、野辺地の4つ先の西平内までは行けるが、13:48着、13:55発で、滞在時間は7分である。

 盛岡から進路を東に取り、JRの山田線で三陸沿岸を目指してみると、宮古には楽々行ける。さらにそこから三陸鉄道を使うと普代まで行ける(14:04着)。普代からは14:52発の三陸鉄道に乗れば、仙台に21:32に帰って来れる。ちなみに、普代の2つ先の野田玉川までも行けるが、そうすると14:23着、14:32発で滞在時間は9分である。

 盛岡から西に向かってみたいと考えると、列車接続の関係で仙台を出るのは10:40発一関行きでよい。盛岡からJR田沢湖線を使うと田沢湖には15:18に着ける。帰りは田沢湖17:10発の盛岡行で、仙台には21:32着である。田沢湖に2時間近くいられることを考えるとこれはなかなか現実的なプランであると言える。

 盛岡まで行かずに、途中の北上から日本海側に抜けるルートを取ると、仙台6:45発の小牛田行を皮切りに、JR東北本線、北上線、横手から奥羽本線で秋田まで行ってさらにそこから男鹿線に乗れば、終点の男鹿まで行ける(14:45着)。帰りは男鹿15:17発なので、男鹿の滞在時間は32分だが、終着駅に行きたければこのルートがオススメである。男鹿線ではなく羽越本線で北上しようとすると接続が悪く八郎潟止まりである(14:48着)。いずれも仙台には22:32に着く。

 仙台から西の山形県庄内方面を目指すルートは2つある。まず、小牛田からJR陸羽東線、陸羽西線を使うルート。これだと仙台8:01発で東北本線・陸羽東線・陸羽西線を経由して酒田に12:18着。ここから北は秋田まで行け(14:36着、14:46発)、南は新潟県の村上まで行ける(15:17着、15:57発)。帰りは酒田17:48発、余目18:15発の新庄行に乗れば小牛田を経由して仙台には22:32着である。

 もう一つのルートは仙台から仙山線を使って山形方面に向かい、羽前千歳から奥羽本線で北上して新庄から陸羽西線を利用するルートである。先のルートよりも実はこちらの方が酒田まで早く着く。仙台7:07の仙山線に乗れば、酒田11:18着である。また、そこから北に向かっても南に向かっても、滞在できる時間は先のルートよりも長く、村上なら17:04発、秋田なら16:38で大丈夫である。仙台23:04着である。

 仙台から新潟方面に向かうルートは他に2つある。一つは仙台から仙山線、奥羽本線、米坂線、羽越本線を経由するルートである。これだと仙台8:15発で新発田15:43着である。新津まで行けるが16:24着、16:35発で滞在時間は11分である。新発田止まりであれば17:05発でよいので1時間半弱は滞在できる。仙台にはやはり23:04着である。

 もう一つ、仙台から東北本線、磐越西線を経由して新潟方面に向かうと、仙台7:01発で新潟まで行ける(13:36着)。帰りは新潟15:45発で、仙台着は23:14である。

 仙台から首都圏方面に向かってみる。仙台6:03発の東北本線に乗れば、乗り継いで小山11:43着、大宮12:33着、上野13:01着である。小山から上毛線に乗れば高崎に14:01着、帰りは15:30発である(高崎から3つ先の新前橋には14:50着で帰りは14:51発、滞在時間は1分である)。大宮から信越本線を利用すると横川には14:52着で帰りは14:57発、5分の滞在時間である。

 宇都宮から「湘南新宿ライン」を利用し、東海道線に出ると、大船には14:06着で帰りは15:17発、逗子には14:19着で帰りは15:05発である。ちなみに大船から6つ先の二宮まで行けるが、14:40着で帰りは14:41発である。新宿から中央本線に乗ると、上野原に14:49着、帰りが14:53発で滞在時間は4分である。いずれの場合も仙台には23:14に着く。

 仙台から常磐線経由で首都圏を目指してみると、5:29発いわき行きに乗れば、乗り継いで上野に12:40着である。そこから東京に出て内房線に乗ると木更津14:21着、その1つ先の君津には14:32着で帰りは14:50発である。外房線に乗ると上総一ノ宮には14:32着で帰りは14:38発である。いずれの場合も仙台には22:59着である。

 あれこれ書いたが、要は地図に赤で記入したところが仙台から行って帰って来れる範囲である(笑)。

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2008年10月16日

東北をめぐる鉄道の旅その6〜「青春18きっぷ」を使った関西方面の旅

7de5ebd7.jpg 帰りであるが、えきねっとの「乗換・運賃案内」で検索してみると、京都が起点の場合、平日は京都6:14発に乗って仙台22:59または仙台23:13着となり、土日祝日の場合は京都を5:30に出て仙台22:09着か、京都を6:39に出て仙台22:59着という行程になるようである。大阪が起点だともっと早く出ることになるだろう。

 しかし、せっかくはるばる関西まで前日16時間以上もかけて来て、睡眠時間も含めた滞在時間が8時間あるかないかというのではちょっともったいない。せめて1日くらいは街中を散策したり、おいしいものを食べたりしたいところである。そうなると問題は宿泊費である。元々それほどお金をかけずに旅できるのが青春18きっぷのメリットの一つなのだが、ここで2泊分もの宿泊費を負担するのはちょっとイタい(そう思うのは私だけかもしれないが)。その解決策として「快速ムーンライトながら」を使う手がある。

 「快速ムーンライトながら」については、いろいろなサイトで解説されているので詳細はそちらを参考にしていただきたいが(例えばここここ)、東京と大垣を1日1往復結んでいる夜行列車である。夜行列車と言っても、全席指定ではあるものの特急や急行ではなく快速なので、指定席券料510円は必要ながら乗車券は青春18きっぷが使える。これを使えば、2泊目の宿泊代を負担することなく、昼間の時間を十分に活用することができる。ちなみに指定席はリクライニングシートになっており、高速バスのシート程度には倒すことができるが、車内灯は一晩中ついたままなので、明るいと眠れない人はアイマスクがあるとよいかもしれない。

 具体的な行程としては、京都21:30発の新快速米原行きに乗って22:23米原着。その後、米原22:31発の大垣行き普通列車に乗ると23:02大垣着で、大垣23:19発の快速ムーンライトながら東京行きに乗る。ちなみに、日付が変わる駅は大府で、京都を起点とした場合乗車券代が2,940円となり、青春18きっぷの1日当たりの金額(2,300円)を上回るので、京都から大垣までの分も青春18きっぷを使用した方がおトクである。東京には5:05に到着する。

 ここから一刻も早く仙台に帰りたければ、上野5:47発の宇都宮行きに乗って乗り継いでいけば12:16に仙台に到着するが、それほど急がないのであればその日は夕方まで東京に滞在することもできる。上野16:23発の宇都宮行きがその日仙台まで帰るための最終列車となるが、これに乗れば23:13に仙台着である。

 まとめれば、青春18きっぷ3日分と1泊の宿泊費、510円の指定席券代で、2泊3日の関西方面旅行(&東京散策)が実現するわけである。ちなみに、青春18きっぷが利用できる期間中のムーンライトながらの指定席はけっこう人気なので(特にお盆、年末年始など)、早めの予約が肝心である。

 さて、「東北で地ビールが飲める店番外編」の続きだが、京都市の街中で飲める地ビールのもう一軒は、キンシ正宗が醸造する京都町家麦酒(「堀野記念館」の「京都町屋麦酒醸造所」をクリック)が味わえる「ダイニングバー堺町ほっこり」(写真参照)である。京都町家麦酒にはケルシュアルト黒ビール、それにエールタイプの「同志社ビール寒梅館」があり、この堺町ほっこりでは隣接している醸造所(写真参照)で作られた出来立てのビールを味わうことができる。毎年お盆期間中は「舞妓と楽しむ京町家ビアホール」と称して、地ビールが90分飲み放題(おつまみ付)で舞妓さんが客席を回って歓談してくれるというイベントもある。要事前予約だが、当日空きがあれば飛び込みで参加できることもある。

 先に紹介した「じろく亭」もだが、どちらの店も京都の食材を活かした和食メニューが豊富で、いずれも日本酒醸造元らしく水にこだわった(京都麦酒は「伏水」、京都町家麦酒は「桃乃井の名水」)地ビールと共に堪能することができる。

 なお、ムーンライトながらで東京に着いたら、まず一風呂浴びたいと思うかもしれない。そのような時は、東京駅から中央線快速で二駅の御茶ノ水駅から徒歩5分の神田アクアハウス江戸遊がオススメである。朝8:00までやっており、「せんとうコース」なら3時間まで450円である。リンスインシャンプーとボディソープは備え付けてあるので、自前のタオルがあれば快適に入浴できる。

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2008年10月15日

東北をめぐる鉄道の旅その5〜「青春18きっぷ」を使った関西方面の旅

95843242.jpg 以前、青春18きっぷで仙台を起点にすると、1日で北は函館、さらにその先の森まで行けることを紹介した。対して、南は姫路までは行けることをその時に少し紹介した。北方面に比べて南方面で移動距離が長く取れるのは、乗り継ぎの便利さ、列車本数の多さ、最終列車発車時刻の遅さなどが関係しているが、今回はこの南方面の実際を見てみたいと思う。

 仙台6:04発東北本線上り郡山行きに乗ると郡山に8:23着、そこから郡山9:06発の黒磯行き(ここで駅構内で朝食を取る時間がある)に乗り換えて10:08黒磯着、黒磯10:14発の宇都宮行きで宇都宮11:05着である(または黒磯10:26発宇都宮11:16着の次列車でも間に合う)。ここで宇都宮11:21発上野行き(上野13:09着)に乗り換えたくなるところだが、これよりも次の宇都宮11:39発の湘南新宿ライン逗子行きに乗る方が東京を通り抜けるのが早い。横浜(13:46着)か大船(14:03着)で東海道本線の快速アクティ熱海行きに乗り換えが出来る(横浜13:58発、大船14:13発)。熱海15:07着で、次の熱海15:16発の沼津行きに乗り換える。三島(15:31着)か終点沼津(15:38)で乗り換えができるが、座席の確保のことを考えると三島乗り換えの方がよいかもしれない。三島15:37発(沼津15:46発)浜松行きに乗り換えて掛川(17:35着)か浜松(18:02着)で乗り換える。掛川17:45発(浜松18:13発)の豊橋行きで豊橋18:47着となる。

 ここから先は平日か土日休日かで異なるが、平日は豊橋18:50の特別快速大垣行に乗り、金山(19:35着)か名古屋(19:39着)か終点大垣(20:12着)で次の快速米原行きに乗り換える(金山19:46発、名古屋19:50発、大垣20:28発)。米原には21:08に着く。一方、土日休日は豊橋19:06の新快速米原行きに乗れば、米原に21:11に着く。ここから米原21:37新快速網干行きに乗れば、姫路には日付が変わった0:02に着く。

 しかし、さすがに姫路まで行ってしまうと着いても何もできずにホテルにチェックインして寝るというようなことになってしまいそうなので、その手前の京都(1本前の米原21:15発普通列車に乗って22:22着)か大阪(22:58着)辺りを目的地にしておいた方がよいように思う。

 ちなみに、東北本線よりも早い仙台5:29発の常磐線上りいわき行きに乗るという方法もある。この列車だといわき8:28着で、その後いわき8:43発水戸行きに乗って勝田(10:09着)か水戸(10:14着)で上野行き(勝田10:14発、水戸10:20発)に乗り換えると上野に12:40に着くことができる。これだと上記の行程よりももっと早く関西方面に着けるように見えるのだが、そのためには東京12:53発の快速アクティに乗る必要がある。その乗り換えがギリギリで、平日だと上野12:42発の京浜東北線快速大船行きに飛び乗らないといけない(東京12:48着)。

 常磐線が到着する上野駅の10番線から京浜東北線が発車する4番線まで2分で乗り換えというのはけっこうシンドいと思うので、万人に勧められる方法ではない。ましてや、土日休日はこの京浜東北線のダイヤに変更があり、上野発が12:41になってしまう。これでは乗り換えはほぼ無理である。次の列車は上野12:46発の快速磯子行きだが、これだと今度は東京着が12:52で、東京発の東海道本線の乗り換えまで1分となってしまう。すなわち、仙台始発の常磐線から東京12:53発の快速アクティへの乗り換えは、平日なら頑張れば何とかなるかもしれないが、土日休日は極めて難しいということになる。ただ、何とかこの東京12:53発の快速アクティに乗ることができれば、京都には21:48、大阪には22:18、姫路には23:22に着ける。

 なお、函館の時と同様、「東北で地ビールの飲める店番外編」として京都を見てみると、京都にも地ビールがあり、京都の街中でそれらを堪能できる店がある。そのうちの一軒は、黄桜が醸造する京都麦酒を味わえる「京おばんざい酒房じろく亭」(写真参照)である。京都麦酒は京都初の地ビールだそうで、ケルシュアルト、そして日本酒醸造元らしい清酒酵母を使用した「蔵のかほり」があるが、最近では古代エジプトのビールを再現したというホワイト、ブルー、ルビーの3種類のナイルシリーズが話題を呼んだ。じろく亭では、常時ケルシュ、アルト、蔵のかほりのうちの2種が飲めるようになっている。もし、22時前に京都に着ければ、ちょっと急ぐがこのじろく亭で飲み食いすることは辛うじて可能である。

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2006年01月19日

東北をめぐる鉄道の旅その2〜「青春18きっぷ」による東北縦断の旅

ad324a2f.JPG では、仙台を起点に青春18きっぷを使って実際に函館まで行ってみると、どのような旅になるだろうか。まず仙台6:00発の東北本線一ノ関行に乗る。一ノ関は仙台−盛岡間のほぼ中間であり、1時間半の行程である。

 この列車で7:30に一ノ関着。次に乗る列車の発車まで13分しかないが、改札を出て駅構内をぶらっとする余裕はある。一ノ関駅構内には、食事ができる「こけし茶屋」、焼きたてパンの「エトワール」、東日本キヨスクのコンビニ「NEWDAYS」、地元の土産物を扱う「ぐるっと遊」などがあり、「こけし茶屋」以外は着いた時刻に営業している。駅から外に出ると朝6:30から営業している食堂「いわぶちや」があるが、さすがに13分では食べられないだろう。一関市というと「ソースかつ丼」が有名だが、駅前でこのソースかつ丼を出す「竹」はこの時刻はまだ開店していない(開店していても時間的に食べられないが)。

 続いて7:43発の東北本線盛岡行に乗り換える。盛岡には9:11着でやはり1時間半程度の行程。次に乗る花輪線の大館行は9:43発で30分以上時間があるので、ここで駅構内で朝食を取ってもいいかもしれない。盛岡駅構内は北東北の玄関口だけあり、さすがに施設が充実している。特に改札のある2階はリニューアルしたばかりである。「北出口」の改札を出ると東北の主だった駅弁が揃う「駅弁屋」、洋菓子の「タルトタタン」、土産物の「大地館」、コーヒーショップ「ドトール」、そば処の「こけし亭」、「NEWDAYS」などがある。「北出口」から「南出口」方面にぐるっと回るとカレー&カフェの「GOOD TIMES CAFE」もある。「こけし亭」は立ち食いそば屋だが、「いわての7割そば」がある(ざるそば450円)のが、そば処岩手の面目躍如である。南出口には待合室と一体化した「ドトール」と「ぐるっと遊」、牛丼・麺類の「はやて」がある。

 次に乗る花輪線は1階にあるいわて銀河鉄道の改札口から乗る。1階に下りるとやはりリニューアルしたばかりのショッピングモール「FESAN」があるが、1階部分はこの時刻で既に開店している。中には「さわや書店」があるので、ここで車内で読む本を調達するのもオススメである。パスタ&サンドイッチの「ポールショップカフェ」もある。外に出ると左手に「TULLY'S COFFEE」もある。他に様々な特産品を扱う店が集まっている「おでんせ土産館」もあるが、じっくり見ていると乗り遅れそうになるので要注意である。

 花輪線(ガイドマップ)は奥羽山脈を横切るルートのローカル線だが、そのルートのかつておよそ900年前に奥州藤原氏の初代藤原清衡が整備した白河関(福島県白河市)から外ヶ浜(青森市)までを結ぶ「奥大道(おくたいどう)」のルートに一部(大更−十和田南間)沿った路線でもある。いわて銀河鉄道を経由し、好摩駅から秋田の大館駅までがJRの花輪線である。大規模スキー場で有名な安比、それに湯瀬温泉、大滝温泉といった秋田県北の代表的な温泉を経由し、日本では珍しいアスピーテ(盾状火山)である八幡平や東北屈指の観光地である十和田湖の入り口にも近い。豊かな自然の真っ只中を走る魅力的な路線であり、「十和田八幡平四季彩ライン」の愛称がつけられている。大館には12:43着。ディーゼル列車によるのんびり3時間の旅である。

 大館からは奥羽本線の青森行に乗るが、発車まで25分あるので、駅前のハチ公の銅像を見る時間はありそうである。大館駅には待合室内に売店、駅を出て右手に「NEWDAYS」があり、どちらでも秋田や大館の土産物を買うことができる。大館駅と言えば、60年以上の歴史を誇る駅弁「鶏めし」が有名なので、昼食にいいかもしれない。待合室内の売店でも売っているが、駅のすぐ向かいに製造元の「花善」があって和風レストランと弁当直売所があるので、そちらでも求めることができる。

 13:08発の青森行に乗ると青森には14:40に着く。次に津軽半島の蟹田まで移動することになるが、乗る列車の選択肢は2つ。青森市内に66分とどまって15:46発の津軽線三厩行に乗るか、120分とどまって16:40発の蟹田行に乗るかである。前者に乗ると蟹田で北海道に渡る特急「白鳥」に乗るまで78分待ち、後者は23分待ちである。蟹田駅周辺を散策する時間は帰りにもたっぷりあるので、ここでは後者を選択し、青森市内でゆっくりランチを取る。

 青森駅には「正面出口」に出る途中にある売店「詩季彩」、改札を出ると「ドトール」、「NEWDAYS」、「ぐるっと遊」などここまでですっかりおなじみの店が揃う。「ぐるっと遊」ではその場で焼いている「津軽路せんべい」が目を引く。他に駅弁の店もある。外に出ると「そば処あじさい」や「駅なか食堂つがる路」がある。駅を出て右手前方にある「駅広市場」では青森特産のりんごや魚介類などを安く買える。駅の左手前方にある「駅前銀座」の居酒屋のうちの何軒かはこの時刻もやっている。

 私は、なんと言ってもカレー好きなので、ランチにはカレーを食べたい。青森は、ここ数年で本格的なカレー店が相次いでオープンしている、私の「評価基準」によると成熟した街である。「タンドールアクバル」、「タージマハール」(青森市新町1-8-5、TEL017-775-3113、水曜定休)、「マサラマサラ」(青森市新町1-9-5、TEL017-735-9066、日祝定休)など、私が思わずハシゴしたくなる店が駅近くにできており、嬉しい限りである。

 このうち「タージマハール」はインドカレーと欧風カレーの2系統のカレーがある。インドカレー系の「まぜカレー」は大阪の自由軒のカレーを思わせる、カレーを和えたご飯の上に生卵が乗ったカレーである。辛さは好みに応じて調整してくれる。一方、「マサラマサラ」はカレーとライスだけのAセットからサラダ、ドリンク、インド料理3品がつくDセットまでの中から1つ選び、その日ホワイトボードにある数種類のカレーの中から好きなカレーを選ぶスタイル。豚マドラスカレーは深炒りスパイスの風味が印象的である。パパドやゆで卵、スープなどは自由に食べられるようになっている。ただ、超辛でも辛さはさほどでもないので、私のような辛いもの好きは、置いてある辛みスパイスで辛さを追加した方がよい。「タンドールアクバル」は市内で最も本格的なインド料理店である。

 青森16:40発の蟹田行に乗ると、蟹田には17:25に着く。蟹田で待ち合わせ時間が23分あるが、蟹田駅のキヨスクは17:00で閉店である(日曜定休)。蟹田駅を出ても駅前には商店はない。あるのは「道前」という食堂兼居酒屋、それに「炭び焼きとりやす」である。「炭び焼きとりやす」では、「チキンおむすび」や「チキンクレープ」がいずれも150円で買えるので、小腹が空いたらそれらを買うのもよいかもしれない。

 その後、蟹田17:48発の特急「白鳥19号」に乗る。青森県と北海道を結ぶ青函トンネルは、海底240メートルのところを通る総延長53.85Kmの世界最長のトンネルである。トンネルの上に海があるというのは、何とも不思議な感じがするものである。特急列車の座席はさすがに快適で、そのまま函館まで行きたくなるかもしれないが、「定め」に従って木古内で降りる。木古内には18:37着で、海峡線函館行の発車までは22分ある。「本町方面」の出口から出ると、木古内駅前には軽食&喫茶「タック」、「名代急行食堂」、焼肉「名代富士食堂」がある。「名代富士食堂」の名物「やきそば弁当」が気になるところだが、夕食はやはり函館で取りたいところ。

 木古内18:59発の函館行に乗ると、途中、海の向こうに見える函館の街の夜景がとても綺麗である。夜景を楽しみながら1時間ほど、6:00に仙台を出ておよそ14時間後の20:05、ついに函館に到着である。函館山の夜景(写真参照)はこの時刻からでも見に行ける。


追記(2007.1.13):蟹田駅の近くに「ヤマザキデイリーストア」がオープンした。これで、蟹田駅のキヨスクが閉まっていても、ちょっとした買い物ができそうである。


追記(2011.9.16):上記の一ノ関駅前の「いわぶちや」だが、このところ朝閉まっていることが多いなと思ったら、開店時刻が11時に変わっていた。また、青森市の「タンドール アクバル」は移転して、「亜久葉瑠(アクバル)」(青森市中央1丁目21-12、TEL017-777-3955、11:00〜15:00、17:00〜23:00、第2・第4日曜日定休)となった。また、「タージマハール」は別の店に替わってしまっていた。「マサラマサラ」はそのまま健在である。

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2006年01月16日

東北をめぐる鉄道の旅その1〜「青春18きっぷ」による東北縦断の旅

0030379e.jpg 「青春18きっぷ」というJRグループの切符をご存知だろうか(写真参照)。 JR全線の普通列車の普通車自由席が自由に乗り降りできる切符で、1枚のきっぷで一人が5回または5人のグループが1回利用といった使い方ができる。春、夏、冬など、長期の休みがある期間に発売、利用できて、価格は11,500円である(詳細はえきねっと)。ちなみに、名前に「青春」、「18」とあるが、年齢制限はなく老若男女、「青春時代」を過ぎていようがいまいが、あらゆる人が利用できる(笑)。広い東北をのんびり回るにはうってつけの切符である。

 その名前や普通列車のみ乗り放題という切符の性格から、「若者の貧乏旅行の手段」というイメージが強いが、今や若者とは言いづらくなってきた私も実はこの切符が好きでたまに利用している。「普通列車の旅=時間がかかる旅、座りっぱなしでお尻が痛くなる旅」、というようなイメージがあるかもしれないが、決してそんなことはない。なぜなら、今の普通列車というのは、新幹線が発達した影響で、非常に細切れになっているからである。例えば、仙台から東京に行く場合、東北本線経由で行こうとすると、だいたい福島、郡山、黒磯、宇都宮の4回乗り換えなければ東京(上野)まで着かない。お尻が痛くなる前に有無を言わさず立って歩かなければならないのである。

 この乗り換えも、一般には「面倒」、「重い荷物を抱えて大変」、「時間の無駄」などマイナスのイメージが付きまとうが、これはこれで楽しい。乗り継ぎ列車の発車まで時間があれば、改札口を出て駅周辺を散策してみるのもいい(青春18きっぷは途中下車自由である)。例えば、栃木のJR黒磯駅の駅前商店街には老舗の菓子店が2店ある。このうち、その名の通り明治元年に創業した「明治屋」の温泉饅頭や大福は私の黒磯でのお目当ての一つとなっている。また、黒磯駅の待合室の隣にある立ち食いそば屋さんの「もりそば」も「事前期待」を裏切るおいしさだった。このようなことも新幹線や飛行機で出発地から目的地まで一足飛びに移動していてはわからないことである。

 言ってみれば、「青春18きっぷ」での普通列車の旅は、「プロセスを楽しむ旅」であると言える。私にとって何よりありがたいのは、本を読んだり音楽を聴いたりするためのまとまった時間が確保できるということである。本を読むのに飽きたら、車窓を流れる風景に目を楽しませればよいし、心地よい揺れに身を委ねて居眠りもできる。むしろ、日常を離れてありあまる時間を自由に活用できる贅沢な旅と言えるかもしれない。

 ところで、仙台を起点にすると、「青春18きっぷ」で1日でどこまで行けるのだろうか。例えば、東京までであれば、仙台からはほぼ7時間の旅である。東北本線を経由すると、朝6:05発の普通列車に乗れば13:07に上野(または池袋)に着く。一方海岸沿いの常磐線を経由すると、朝5:30の普通列車に乗れば12:40に上野に着く。常磐線のいい所は乗り換えが少ないので、かなりまとまった時間が手に入ることと(列車を選べば「いわき」1回で済む)、いわき周辺や日立周辺などところどころから海が望めることである。上野から先は東京に出て東海道本線を乗り継いで行けば、その日のうちに姫路までは行ける(23:58着)。ただ、さすがに東海道本線は本数も多く乗り継ぎも便利で、あまり駅周辺を散策したりする時間はなさそうである。

 こうしたことを時刻表を片手に確かめてみたりするのも楽しい。乗り継ぎ時間、乗れる列車などの「制約条件」をクリアしつつプランニングすることはパズルにも似た知的好奇心を満たす作業でもある気がする。特に、乗り継ぎができずダメだと思ったら違うルートがあって見事につながったりするのを見つけると、嬉しさのあまり思わず「おぉっ」とか言ってしまいそうになる。

 南は姫路まで行けることが分かった。それでは、朝一番で仙台を出ると北はどこまで行けるのだろうか。北に目を向けた時に「制約条件」となるのが、盛岡以北の東北本線の第三セクター化と青函トンネルを走る普通列車の廃止である。東北本線は盛岡から北、八戸までが東北新幹線の八戸開業に伴い、岩手県側がいわて銀河鉄道、青森県側が青い森鉄道という別会社の路線となった。「青春18きっぷ」はJRグループの切符なので、これらの路線では別料金がかかる。

 しかももともと赤字路線だけあって、JRと比べると割高である。新幹線と在来線では若干距離が異なるものの、JRの東北新幹線の盛岡−八戸間の乗車券は1,620円なのに対し、いわて銀河鉄道と青い森鉄道を乗り継いで普通列車で盛岡から八戸に行くと2,960円もかかる。せっかく青春18きっぷを使ってなるべくお金を使わずに旅行するためには、北に向かうに当たって盛岡以北の東北本線は事実上避けなければならないことになる。

 ならばどうするか。真っ先に思いつくのが日本海側を走る各線である。しかし、仙台を起点にすると、仙台から仙山線で山形に抜け奥羽本線で北上しても、仙台から小牛田まで行って陸羽東線を使って新庄に出て奥羽本線か陸羽西線と羽越本線を使って北上しても、仙台から北上(きたかみ)まで行きそこから北上線で横手に出て奥羽本線で北上しても、最終的にはその日のうちに青森までしか行けない。仙台から太平洋沿いに三陸沿岸を北上する手もあるが、それだとその日のうちに八戸着がやっとである。

 北に向かうとその日のうちに東北を抜けることはできないのだろうか。そこで改めて時刻表と路線図に目を向けると、抜け道があった。盛岡まで東北本線で北上、その後JR花輪線(盛岡から沼宮内までいわて銀河鉄道乗り入れ)で秋田の大館に向かえば、午後の早いうちに青森に到着できる(14:40着)。これだと盛岡から沼宮内までの分のいわて銀河鉄道の料金630円を払えば済む(それでも距離に比べて割高な感は否めないが)。

 そうすると北海道が見えてくるが、ここでまた「制約条件」となるのが、青函トンネルを走る普通列車が今はないことである。青森県と北海道を結ぶ青函トンネルには、以前は快速列車が走っていたが、今は特急しか走っていない。「青春18きっぷ」は通常特急に乗ると、自由席であっても特急券の他に乗車券までも必要となってしまう。しかし、これにはJRグループも例外条件を認めてくれていて、青森県側の蟹田から北海道側の木古内までなら普通列車が走っていないということで特急券さえ買えば、特急「白鳥」と「スーパー白鳥」に乗れる。ただし、この区間の前後も引き続き特急に乗ってしまうとやっぱり特急券の他に乗車券が必要になってしまうので、行きは北海道側の木古内、帰りは青森県側の蟹田で必ず特急から降りて普通列車に乗り換えなければならない。

 いずれにせよ、朝一番に出れば仙台からその日のうちに北海道に渡り、函館には行ける(20:05着)。そこから先は列車の関係で森までが限界で(22:10着)、札幌までは残念ながらたどり着けない。ちなみに、盛岡から大枚はたいて(?)いわて銀河鉄道、青い森鉄道を経て青森まで行っても、青森から蟹田まで行く列車が少なく結果は同じであった。

 なお、JR東日本の東北の路線図はここ(PDF形式)、JR北海道道南の路線図はここである。


追記(2007.1.13):「青春18きっぷ」とほぼ同時期に発売される「北海道&東日本パス」なら、「いわて銀河鉄道」や「青い森鉄道」も利用できる。そうすると、仙台発がもっと遅くても同じ時刻に函館にたどり着ける。目的地が北海道方面であれば利用を考えてもいいかもしれない。ただし、「北海道&東日本パス」は10,000円と「青春18きっぷ」より安いものの、期間内の連続5日間の使用に限られる。5日間まとまってのんびり旅行できる人(うらやましい!)以外にはメリットが小さいと言えるかもしれない。


追記(2011.9.16):「北海道&東日本パス」は昨年夏から「連続7日間で10,000円」とさらにお得になった。長期の休みがある学生で、東日本を旅行する人にはうってつけの切符である。

anagma5 at 21:16|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!