青森県  

2018年12月20日

「ファンクラブ」活用のススメ(「東北復興」紙への寄稿原稿)〜私的東北論その109

 毎度連載している「東北復興」の、5月16日発行の第72号から8月16日発行の第75号までの4回は、東北にあるさまざまなファンクラブについて取り上げてみた。
 私自身、会津ファンクラブや奥会津ファンクラブに入会しているが、会津ファンクラブから届く会報や年一回のファンクラブの集い、奥会津ファンクラブから毎年届く「奥会津歳時記カレンダー」はいつも楽しみである。東北には私が調べた限り、以下のようなファンクラブが存在するが、活用しない手はないと思う。見てみて、面白そうと思うものがあったらまず入会してみることをおススメしたい。
 以下がその全文である。全4回、一挙公開である。(笑)


「ファンクラブ」活用のススメ 訴‥膰編

地域にもあるファンクラブ
 どこかに旅行することが決まった時、旅行先の風光明媚なスポット、美味しい料理が食べられるお店、地域の名産品といった情報について、ガイドブックやインタ―ネット等を使って調べてみることは多いと思われる。
 そうした情報に加えてぜひ調べてみてもらいたいのが、「ファンクラブ」についての情報である。ここ東北にも、各地域に様々なファンクラブが存在している。それらのファンクラブは概ね、その地域に関心があったりその地域がお気に入りだったりする人なら誰でも入会でき、入会金や年会費は無料である場合が多く、かつ会員向けに様々な「特典」が用意されている。
 「特典」の代表的なものとしては、各種施設の入場料の割引、地域内の飲食店を利用した場合の割引や優待サービスの提供、関連イベントの開催、地元の情報が盛り込まれた会報の送付などであるが、こうした地域のファンクラブを有効活用することで、旅行がさらにお得に充実したものとなったり、好きな地域への愛着や理解がより深まったりする可能性がある。ぜひ一度、これから行こうとしている地域やお気に入りの地域にファンクラブがないかどうか、調べてみてほしい。
 ここ東北にも様々なファンクラブが存在する。それらを4回に亘って順次紹介していきたい。今回は福島県である。

ふくしまファンクラブ
 福島県が運営する「ふくしまファンクラブ」は、福島県がふるさとの人や福島県に愛着を持っている人など誰でも入会できるファンクラブである。入会費、年会費は無料で、‐霾麕載のファンクラブ会報が年4回届く、⊇椶幣霾鵑鬟瓠璽襯泪ジンで配信、8内外130の施設・店舗で会員証を提示して割引やサービスを受けられる、じ外開催の福島関連イベント情報が届く、などの会員特典がある。

会津ファンクラブ
 会津若松観光ビューローが運営する「会津ファンクラブ」は、会津が好きな人なら誰でも加入できる、会津をこよなく愛する人のためのファンクラブである。やはり入会金、年会費は無料で、_馗鼎量ノ肋霾麕載の会報誌が年数回届く、会員特製カードを進呈、L50の協賛店舗や施設で割引などの優待サービスが受けられる、げ駟鷸鐺發硫餔限定プレゼントに応募できる、ゲ馗泥侫.鵐ラブ公式フェイスブックにて情報発信といった会員特典がある。
 また、「会津ファンクラブ」では、年に1回「会津ファンの集い」というファンクラブ会員を対象としたイベントを現地で開催している。会津若松市は「産業観光」にも力を入れているが、「会津ファンの集い」でもそうした姿勢を反映して、蔵元の見学や日本酒の仕込みの体験、会津木綿の工場見学、ダムの視察など、様々なイベントが企画される。仕込んだ日本酒は完成後、専用のラベルが貼られて各会員の元に送られてくるなど、手が込んでいる。会津の郷土料理や地酒を楽しみながらの交流会も開催され、会津が好きな者同士、大いに盛り上がる。

奥会津ファンクラブ

 会津地域は全国第3位の面積を誇る福島県のうちの4割を占める広大な地域であるが、会津若松から西の山あいには、奥会津と呼ばれる四季折々の美しい自然を満喫できる地域がある。この奥会津を流れる只見川は全国屈指の水力発電の川として知られるが、只見川電源流域振興協議会が運営する「奥会津ファンクラブ」は、「奥会津を応援したい!!」という人であれば誰でも入会できるファンクラブである。入会費、年会費は無料で、’1回奥会津の四季折々の風景写真が載った「奥会津歳時記カレンダー」が届く、奥会津の旬な情報が載ったメールマガジンが月1〜2回届く、という会員特典がある。メールマガジンは、有料とはなるが冊子での送付も可となっている。
 「奥会津ファンクラブ」で特筆すべきは、この「奥会津歳時記カレンダー」である。奥会津を知り尽くした郷土写真家の星賢孝氏が撮影した奥会津の四季とそこを走るJR只見線の写真が32ページにわたって掲載されているもので、写真の美しさから毎年欠かさず購入するというファンも多いカレンダーである。買えば540円するこのカレンダーが、会員には毎年無料で送られてくるというのも、奥会津ファンクラブの魅力となっている。

喜多方グリーン・ツーリズムファンクラブ「るーらるきたかた」

 会津地域では他に、ラーメンと蔵で有名な喜多方市の喜多方市グリーン・ツーリズムサポートセンターが運営する「喜多方グリーン・ツーリズムファンクラブ『るーらるきたかた』」がある。喜多方が好きな人なら誰でも参加できるファンクラブで、やはり入会金、年会費は無料、入会特典として古代文字名前入りオリジナル会員証(缶バッジ製)が届く。会員特典として、‐霾麕載のメールマガジンが定期的に届くほか、東北最大規模の三ノ倉高原のひまわり畑のひまわり1本のオーナーになれる、という珍しい特典がある。

こおりやまファンクラブ
 「こおりやまファンクラブ」は、郡山市が運営している、郡山市外に住む人を対象に郡山をPRしてもらうことを目的としたファンクラブである。入会費、年会費無料。会員特典は、〃柑鎧堝發鮹羶瓦箸垢詭80の店舗や施設で割引などの優待サービスが受けられる、▲侫.鵐ラブ会報にて、観光、食、イベントなどの情報が届く、7柑海隆儻情報メールマガジンが配信される、づ豕都内を始めとした県外での物産展の情報が届く、である。

天栄村サポーター会員

 天栄村サポーター会員は、天栄村観光協会が運営する「天栄村を支える応援団」の位置付けである。毎年先着500名、年会費3,000円で、特典として4,000円相当の天栄村特産品が送られてくる他、宿泊施設料金が10%割引になるなどの特典付き会員証が進呈される。

福島フードファンクラブ「チームふくしまプライド。」
 「チームふくしまプライド。」は、復興庁が支援し、(一社)東の食の会と(株)エフライフが運営する、「誇りを持った生産者と彼らを応援する人々が集う福島の食のファンクラブ」である。入会費、年会費は無料。会員特典は、\源瑳圓らの直送の商品が会員の中から抽選で当たる毎月開催のプレゼント特典、∪源瑳圓判舒えるツアーに優先して参加できる、旬の食材の情報など、福島の食に関する様々な情報が優先して届く、である。

うつくしま農林水産ファンクラブ

 福島県が運営する、県産農林水産物の良さを広くPRするためのファンクラブが、「うつくしま農林水産ファンクラブ」である。県内に居住するか勤務している人、事業所が対象。入会金、年会費無料。|了の署名が入った「うつくしま農林水産ファンクラブ」会員の「会員証」を発行、∋業所ファンクラブ会員には地産地消推進の取組みを多くの方々に周知・広報できるようPR資材を提供、会員活動の円滑な推進や相互の連携を支援するため情報交換の場を提供、ぁ屬Δ弔しま農林水産ファンクラブ通信」をはじめ地域のイベントやお知らせなどの情報を提供、ゥ侫.鵐ラブ会員の活動を会員本人の了解を得て福島県農林水産部の地産地消ホームページ等で広く紹介、といった会員特典がある。

福島県観光物産館ファンクラブ

 「福島県観光物産館ファンクラブ」は、福島県観光物産館を運営する(公財)福島県観光物産交流協会によるファンクラブである。入会費、年会費無料。入会特典として、県産ジュース「桃の恵み」1本プレゼントされる他、.侫.鵐ラブポイントカードによる割引(福島県観光物産館での買い物の際、1,000円毎に1ポイント押印、20ポイントで500円割引、発行日より1年間有効)、▲ぅ戰鵐箸覆品‥膰観光物産館情報のメール発信、2餔向けに開催する「ファンクラブ交流会」に参加できる、といった会員特典がある。

野岩鉄道ファンクラブ
 栃木県の鬼怒川温泉近くの新藤原駅と会津高原尾瀬口駅を結ぶ野岩(やがん)鉄道が運営する、野岩鉄道に興味を持ち、利用する人のためのファンクラブが、「野岩鉄道ファンクラブ」である。入会金、年会費無料。入会特典として会員限定缶バッジがプレゼントされる。会員特典として、会員証を提示することによって、接続する会津鉄道の沿線にある店舗、施設で優待サービスが受けられる。

SLばんえつ物語ファンクラブ

 「SLばんえつ物語ファンクラブ」は、JR東日本新潟支社が運営する、「SLばんえつ物語」号に乗る人のためのファンクラブである。入会金、年会費無料。(卞撮渦鷯莠嵋茲鵬,気譴SL乗車スタンプの数に応じてSLオリジナルグッズがプレゼントされる、▲瓮鵐弌璽坤ードでSL車内で販売している「SLばんえつ物語」グッズ(ミニプレート、光るキーホルダー)が10%引きで購入できる、が会員特典である。

福島空港ファンクラブ

 「福島空港ファンクラブ」は、福島県が運営する、「福島空港を応援したい!」という人のためのファンクラブである。住んでいる地域に関わらず誰でも入会できる。入会金、年会費無料。(‥膰内外の協賛店で特典サービスが受けられる、▲瓠璽襯泪ジンで福島空港や就航先などについての情報が届く、という会員特典がある。


「ファンクラブ」活用のススメ◆禅楙觚編

気仙沼ファンクラブ

 東北にあるファンクラブの第2回、今回は宮城県のファンクラブについて紹介しようと思う。まず紹介したいのは沿岸北部にある気仙沼市が運営している「気仙沼ファンクラブ」である。市外に住む気仙沼ファンの人が対象で、「気仙沼を応援したいという気持ち」が入会条件となっている。
 会員特典はまず、「会員番号を刻んだ世界に一つだけのオリジナル会員証」である。これは、気仙沼のゆるキャラ「ホヤぼーや」をモチーフにして市民有志が手作りした会員証で、震災が発生した平成23年3月11日時点の気仙沼市の人口74,247人の次の人数である74,248人目からの会員番号が刻印されており、会員が「準」市民であることを示している。また、気仙沼の旬な情報を発信する「気仙沼ファンクラブ通信」もメールで配信している。復興の様子や地元民しか知らない気仙沼の魅力などの情報を発信しているが、会員からの質問やリクエストにも応えてくれる。
 気仙沼市役所の産業部観光課の窓口で会員証を提示すると、「特製ホヤぼーやストラップ」ももらえる他、市内の飲食店での飲食や物販店などでの買い物の際に会員証を提示することにより様々な特典が受けられる。入会金・年会費は無料である。

伊達なわたりファンクラブ

 沿岸南部の亘理町にある亘理町観光協会が運営するファンクラブである。年会費は10,000円掛かるが、入会すると入会プレゼントとファンクラブ加盟店で使える会員証、亘理町の見どころが全て分かる観光ガイドブックが送られてくる他、年2回亘理町の旬の特産品が届き、亘理町の最新の観光情報のダイレクトメールも届くといった会員特典がある。

七ヶ宿ファンクラブ

 内陸南部にある七ヶ宿町の株式会社七ヶ宿くらし研究所が運営するファンクラブである。ー轡宿町が好きな人、町内外に関わらず七ヶ宿町を楽しく応援したい人、七ヶ宿町との交流を大切にしたい人を対象に、まちづくりのサポーターとなって地域行事やイベントを一緒に盛り上げてくれる人を募集している。入会費500円、年会費は個人1,000円、団体10,000円で、町民、町内の団体・企業は無料である。
 会員特典としては、ファンクラブ会員向けイベントへの参加、イベント情報などのいち早いお知らせ、会員限定グッズのプレゼント、裏メニュー的な「なおらい」(神社のお祭りの最後にお供えした食べ物やお酒を参加者皆でいただく行事)等への参加、となっている。

里浜貝塚ファンクラブ

 奥松島縄文村歴史資料館が運営するファンクラブ。「縄文村で遊ぼう!」を合言葉に、会員には縄文村の「村びと」になってもらって、「縄文村」という「村=自治体」を、村びと全員参加型の村政で盛り上げていくという趣旨で会員が気軽にイベントに参加し、縄文村を楽しむことを最大の目標にしている。
 「村びと」になるには一世帯につき、年会費(村民税)500円を払う。一世帯何人でも金額は変わらない。「村びと」になって縄文村発行の会員証を提示すると、一年を通して入館料が無料になる他、イベントの様子や縄文コラムなど縄文村の情報が詰まった「村報 縄文村」が季刊で届く。

松島ファンクラブ

 日本三景の一つ松島を擁する松島町が運営するファンクラブである。松島が好きな人なら誰でも入会できるので、町民も入会できる。年会費は無料で、会員特典は、観瀾亭・福浦橋への無料入場、協賛店でのお得な会員サービス、である。

田の浦ファンクラブ
 NPO法人田の浦ファンクラブが運営するファンクラブ。同法人は「南三陸町歌津地区田の浦において、東日本大震災で被災した地域の再生、コミュニティの再生、生業の再生等まちづくりの推進を目指し、田の浦の歴史、生活文化、生業、自然環境、人財などの地域資源を活かし、つながりを創造し、地域の未来を育むことを目的とする団体」である。
 田の浦ファンクラブは〜換顱∩汗こΔ療弔留坤侫.鵝支援者、田の浦の現地でまちづくり活動を推進する地元の人間で構成された「田の浦チーム」、田の浦チームをサポートする他のNPO法人で構成されている。
 年会費は正会員6,000円、賛助会員は一口3,000円となっている。義援金付き書籍「宮城県南三陸町 田の浦漁師が伝える海と人との暮らしかた」(1,000円)や購入すると賛助会員として登録される「3.11Tanoura(3.11田の浦の記憶)」(500円)などの書籍も刊行されている。

宝の都(くに)・大崎ファンクラブ

 県中央部にある米どころ大崎市が運営するファンクラブである。寄附金額5,000円以上で会員登録され、会員証が発行される他、会員特典として、「広報おおさき」の1年間送付、温泉の無料入浴券(ペア)、市内施設の入場無料券 (ペア)のいずれか1つを選べる。

フィッシャーマン・ジャパン公式ファンクラブ「CLUB MERMAN」
 一般社団法人フィッシャーマンジャパンが運営するファンクラブ。同法人は「漁師とともに漁業を創る」をモットーに、三陸で活躍する若い漁師たちを中心に、未来の世代が憧れる水産業の形を目指している。「CLUB MERMAN」はその活動をサポートするための会員制度である。
 会員制度は、特典の内容に応じた4つのプランと無料会員プランから選ぶことができる。レギュラー会員は年会費5,000円で、会員カード、魚谷屋クーポン1,000円分、ECクーポン500円分、会員限定バッジ、限定イベント、会報年1回が特典。シルバー会員は年会費15,000円で、会員カード、魚谷屋クーポン3,000円分、ECクーポン2,000円分、会員限定バッジか会員限定エコバッグどちらか1つ、限定イベント、会報年1回、商品開発会議参加権、魚介セット年1回5,000円分、公式牡蠣むきナイフが特典。ゴールド会員は年会費30,000円で、会員カード、魚谷屋クーポン10,000円分、ECクーポン5,000円分、会員限定バッジか会員限定エコバッグどちらか1つ、限定イベント、会報年1回、商品開発会議参加権、魚介セット年1回5,000円分、公式牡蠣むきナイフ、オリジナルTシャツが特典。プラチナ会員は年会費100,000円で、会員カード、魚谷屋クーポン20,000円分、ECクーポン10,000円分、会員限定バッジか会員限定エコバッグどちらか1つ、限定イベント、会報年1回、商品開発会議参加権、魚介セット年4回5,000円分、公式牡蠣むきナイフ、オリジナルTシャツ、名刺、魚谷屋スペシャル特典、漁師体験ツアー招待、年度事業報告会招待が特典となる。無料会員は、クーポンをはじめ、お得な情報が載ったメールマガジンが届く。

南三陸応縁団
 一般社団法人南三陸町観光協会が南三陸町からの委託を受け、運営する事業である。今までの「支援」から「協働」へ、そして「交流」への発展を目指し、支援者と町民をつなぐ架け橋となって様々な「ご縁」を育む交流プロジェクトである。団員特典としては、ウェブサイトとメールマガジンによる団員向けの南三陸町情報の発信、応縁団員を対象とした交流イベントの開催、農業や漁業の「おでって」(お手伝い、ボランティア)、限定ツアーや団員限定のポイントカードなど団員限定コンテンツへの参加、などがある。

さとうみファンクラブ

 南三陸町歌津にある一般社団法人さとうみファームが運営するファンクラブ。同法人では、羊の飼育を手掛けており、「育てること、食べること、活かすこと。『共生』を体験する牧場」を目指している。ファンクラブは、運営方針に賛同する人、南三陸の地域活性化を応援したい人が対象で、年会費は2,000円、会員特典としては、季刊誌「さとうみ通信」による活動報告、各種イベントへの招待などがある。

東北復興支援プロジェクト「希望の環」サポーター
 「希望の環」は、一般社団法人希望の環が運営する、生産者同士、小売店、消費者、その他支援者との東北復興支援の環を広げるプロジェクト。サポーターに登録すると、定期的に「希望の環 通信」として、生産者の日々の活動や復興への想い、また被災された町の復興に関する明るい希望を感じるニュースなどがメールマガジンとして届く。サポーターからの生産者への応援メッセージも届けてくれる。

登米市観光のまちづくり応援団
 内陸北部にある登米市の「観光のまちづくり」を推進するため、全国から登米市のPRと観光物産の振興発展を応援してくれる団員を募集している。対象は‥佇道毀院↓登米市にゆかりのある人、E佇道圓離侫.鵑如活動内容としては、特設サイトによる登米市の情報の発信、団員によるレアな情報や気づきなどの発信、新たな魅力を発見・創設する企画の提案、登米市見学ツアーなどへの参加、講演会・イベントの案内、会報の発行、会員証の発行などである。

日本酒サポーターズ倶楽部・宮城
 宮城県酒造組合が運営する日本酒愛好家の方々の集い。20歳以上なら誰でも入会でき、入会金・年会費も無料。登録すると各種イベントの案内がメールで届く他、会員限定イベントやセミナーにも招待される。


「ファンクラブ」活用のススメ〜山形編

 東北にあるファンクラブの第3回、今回は山形県のファンクラブについて紹介しようと思う。山形県にも多くのファンクラブがある。特に、県南部の置賜地方を中心として、自治体、並びにその関連団体が運営するファンクラブが多いのが特徴である。

西川のまちづくり応援団

 山形県のほぼ中央に位置し、出羽三山のうち月山と湯殿山を擁する西川町が運営している、西川町出身の人、西川町をふるさとと思う人、西川町に関心を持っている人が対象の、「西川町のまちづくりを考えながら、西川町を側面から応援する(応援してもらう)ため」の会である。年会費は3,000円で、加入すると「団員」となって、毎月西川町から応援団会報や町広報誌、資料、観光パンフレット、イベントの案内などが送られてくる。また、毎年「関東ブロック総会」、「東北ブロック総会」、「仙台七夕交流会」、「ふるさと植樹祭・交流会」といった交流イベントに参加できる。
 団員としての活動は、 崋分のふるさと西川町はこんなところです」(友人・知人への西川町のPR)、◆屬海鵑覆海箸鯏垈颪凌佑牢待しています」(都会のニーズ調査)、「こんなことをすれば西川町はもっとよくなるのでは?」(町への提言)、ぁ崟樟酊に住みたい人を知っているので紹介します」(IJUWターン希望者の紹介)、ァ崟樟酊の特産品を友人に贈ろう」(特産品の購入)、Α崟樟酊の特産品はこんな店で扱ってもらえるのでは?」(販売店等の紹介)、А崋分の周りには同郷の人がいます。今度遊びに行ってみよう!」(西川町への観光旅行)、─屬佞襪気叛樟酊へ寄付をします」(ふるさと納税)、をできる範囲内でして、西川町を応援する、となっている。1997年(平成9年)発足という、山形県内はもとより、東北地方全体の同種の会の中でも屈指の歴史を持つ。

ながいファン倶楽部

 山形県の南部にあって、桜、白つつじ、あやめ、萩などの花で知られる長井市の(一財)置賜地域地場産業振興センターが運営する、長井市内に住んでいる人、全国各地の長井にゆかりのある人ほか、誰でも入会できる「山形県長井市を応援するみなさんの交流の場」である。年会費無料の無料会員の他、年会費1,000円の「一般会員」、5,000円の「特別会員」、10,000円の「プラチナ会員」、30,000円の「ダイヤモンド会員」があることが特徴である。
 無料会員は、長井市の旬の話題を届けるメールマガジンの配信、協賛店での会員特典サービス、「道の駅 川のみなと長井 オンラインショップ」での購入のポイント進呈などの特典が得られる。有料会員は入会・更新時にプレゼントがある他、オンラインショップでの進呈ポイントの割増、「道の駅 川のみなと長井」での購入時の割引、プラチナ会員には年1回、ダイヤモンド会員には年4回長井市が誇る特産品が届く。また、交流ツアーなどの催事の案内が届く他、都市圏で行う物販の案内とプレゼント引換券ももらえる。

いいで"Fun"Club

 山形県の南部、飯豊連峰のふもとにある飯豊町の飯豊町観光協会が運営する、「心身をリフレッシュするとともに、そこに住む『いいで人』も活力を見出しながら共に『めざみの里』を体感できる、飯豊町を愛する人たちの組織」。ちなみに、「めざみ」とは、フランス語の"MESAMIES"(「親しい友達・仲間」の意)で、「みんなで仲良く明日への町づくりをめざす、またはめざめるという希望」が込められているとのことである。
 年会費1,000円の「トクトク情報コース」と、年会費3,000円の「特選旬の味コース」がある。5年間有効会員パスポートが発行されて、年4回飯豊町の情報紙が届き、町内の提携施設で特典が受けられる他、年1回会員を対象とした「これぞ飯豊町と言える"お楽しみツアー"」に参加でき、来町に際して目的や季節に応じたモデルコースを提案してもらえる会員相談窓口も利用できる。「特選旬の味コース」はさらに飯豊町の「旬の食材」が届く。

いまっとファンクラブ
 山形県の中部にあって、「隠れそばの里」、鮎、それにホップの産地としても知られる白鷹町の白鷹町観光協会が運営するファンクラブ。「いまっと」は「もっと」や「もう少し」という意味で、「いまっと白鷹を好きになってほしい」「いまっと白鷹に興味をもってほしい」「いまっと白鷹の暮らしを体験してほしい」という願いが込められている。白鷹町外の人が入会でき、ネット会員は年会費無料、一般会員は年会費1,000円である。
 入会すると「特製会員パスポート」が発行され、来町時会員証の提示で協賛店からサービスが受けられる他、白鷹町の旬の情報が毎月郵送で届く(ネット会員にはメールで届く)。年1回、「白鷹町体感の交流会」が開催される他、白鷹町に来町する際には同ファンクラブが相談窓口となるなどの特典がある。

ふながたファンクラブ
 山形県の北部にあって、やはり鮎で知られる舟形町のふながた観光物産協会が運営するファンクラブ。舟形町出身の人もそれ以外の出身の人でも、舟形町に興味がある、暮らしたい、訪れてみたいという人のファンクラブである。入会費・年会費は無料で、舟形の旬の情報やイベント情報などが満載のメールマガジンの配信サービスが受けられる。今後、会員限定イベント、協賛店でのお得なサービスなど様々な企画を展開する予定だとのことである。

鳥海山・飛島ジオパーク八幡ファンクラブ

 山形県の沿岸庄内地方にあって、「平成の大合併」で酒田市と合併した旧八幡町にある酒田市八幡総合支所が運営する、鳥海山やジオパークの魅力を広く伝えるためのファンクラブである。庄内地方と秋田県の県境にある鳥海山と、日本海に浮かぶ飛島を含む地域は「鳥海山・飛島ジオパーク」に指定されている。
 「鳥海山と八幡地域が大好きな方」なら誰でも入会でき、入会するとオリジナル会員バッジが進呈され、そのバッジの提示で協賛店でサービスが受けられる他、ジオパーク関連イベントの情報が届き、ファンクラブミーティングなどジオパークイベントにも参加できる。

川西ファン倶楽部
 山形県の南部にあり、ダリヤで知られる川西町が運営するファンクラブである。登録すると、川西町内の店舗、事業所などの新商品、限定品、割引商品、ランチの情報などがメールで届く。

山形ファンクラブ

 山形県アンテナショップ「おいしい山形プラザ」が運営する、「『山形を知っていただく』『山形県産品を買っていただく』『山形に来ていただく』など、山形の魅力を堪能していただく」ためのファンクラブである。
 年会費は無料で、会員になると、メールマガジンで山形県の旬の情報が届く他、アンテナショップでの購入や飲食の金額によるポイント特典で山形県産品がプレゼントされる。また、協賛店でのサービスや割引がある他、「おいしい山形 料理教室」など会員限定イベントや「ファンクラブ会員限定!モニターツアー」などにも参加できる。

ペロリンファンクラブ

 山形県農林水産部6次産業推進課内にある「おいしい山形推進機構事務局」が運営するファンクラブである。「ペロリン」とは、山形県産農産物などの統一シンボルマークである。山形県産農林水産物のファンなど誰でも入会可能で、入会すると、メールマガジンにて山形県産農林水産物の情報やイベント・キャンペーン情報が届く。

伝国の杜ファンクラブ

 「米沢市上杉博物館」と「置賜文化ホール」を含む「伝国の杜」を運営する(公財)米沢上杉文化振興財団 が運営するファンクラブである。年会費は一般2,500円で、米沢市上杉博物館の常設展示室・企画展示室に何度でも自由に入館でき(同伴者1名は団体割引で入場可)、置賜文化ホール自主事業チケットの先行予約・割引販売(会員1名につき2枚まで)、年7回程度「伝国の杜だより」やファンクラブ会報、各種事業チラシの送付、ファンクラブ会員向けの講座・イベントへの参加、募集制ワークショップへの無料参加(1回無料券の進呈)、ミュージアムショップでの展覧会図録・オリジナル商品10%割引、ミュージアムカフェでの10%割引(同伴者3名まで)などの特典が得られる。

庄内みどりファン倶楽部

 JA庄内みどりが運営するファンクラブ。入会金・年会費とも無料で、ファン倶楽部通信が届く他、厳選した旬の食材の頒布会(定期宅配)の申込ができ、購入時に貯まるポイントを各種商品と交換できるなどの特典がある。

 これらのファンクラブ以外にも、今年度は寒河江市が運営する「寒河江ファンクラブ」が創設される予定である他、小国町にも「小国ファンクラブ」を創設する計画があるとのことである。


「ファンクラブ」活用のススメぁ阻姪賈綿

 東北のファンクラブ、最終回の4回目は岩手県、秋田県、青森県の北東北三県である。三県まとめて一度に紹介できることからも分かるように、これまで紹介してきた南東北三県と比べるとファンクラブの数自体は少ないが、その中にはなかなか個性的なファンクラブがいろいろ存在している。

岩手県

IGR銀河ファンクラブ

 盛岡駅と青森県の目時駅を結ぶIGRいわて銀河鉄道の利用促進、沿線地域の活性化、交流人口の拡大を目的に活動しているファンクラブ。会費は個人会員が年間2,000円、子ども会員が年間1,000円、賛助会員が年間20,000円で、会員への特典も充実している。
 具体的には、。稗韮劼い錣洞箍賄監残庄津絞泙任琉み物などのサービス、個人会員への初回IGRオリジナルキャラクター「ぎんがくん」「きらりちゃん」がプリントされたモバイルバッテリー、IGRオリジナルパスケース、リールクリップ、ストラップのプレゼント(モバイルバッテリーとパスケースはファンクラブ限定品)、子ども会員への初回ハンドタオルのプレゼント、2年目以降更新の会員にはIGR1日フリー乗車券のプレゼント、せ申会員への盛岡駅でのB1判ポスター掲出1か月無料サービス、シ兮廓数に応じた会員証のグレードアップ、Σ餔証の提示による提携施設における各種特典、毎年1回「ファンミーティング(会員の集い)」の開催、─峩箍賄監擦泙弔蝓廚任硫餔限定のプレゼント、年2回会報誌「銀河ファンクラブマガジン」の送付、岩手の鉄道会社ならではの岩手旅、こだわりのIGR沿線旅の会員特別価格での提供、となっている。

三鉄ファンクラブ
 岩手県の沿岸、三陸海岸を走る三陸鉄道を応援するためのファンクラブ。会費は個人会員が1年2,000円、5年9,000円、家族会員(4名まで)が1年4,000円、5年18,000円で、会員特典としては、〇偉ε監擦離ぅ戰鵐函⊂ι覆両霾鵑覆匹鯏舛┐襦屬気鵑討直亟蕕世茲蝓廚稜4回の送付、⇔△三陸鉄道の1日フリー乗車券になっている「三鉄ファンクラブ会員証」の送付がある。

いちのせきファンクラブ「あばいんクラブ」
 岩手県の内陸南部にある一関市が運営する、「一関に行ってみたい・もっと知りたい」という市外在住の一関ファンに一関を知ってもらい、楽しんでもらうためのファンクラブ。会費は年間10,000円で、会員特典として、 屬△个い鵐ラブ会員証」の送付、∋垤報誌や観光パンフレットなど一関市関連情報の情報誌の送付、主要観光施設の特別割引、ぐ豐愡圓僚椶両霾鵑鮠匆陲垢襯瓮襯泪の配信、セ堝盻蒜饂楡瀝用券10,000円分、一関名物の餅料理の食事券2,000円分、選べる特典2,000円分の送付、が提供される。

なかほらファンクラブ

 岩手県岩泉町の北上山地で「山地(やまち)酪農」という、牛舎がなく牛が年間を通して山で自由に過ごすスタイルの酪農を実践している「なかほら牧場」のファンクラブ。年会費は10,000円で、会員特典としては、’2回(誕生日とその半年後)、なかほら牧場の商品(送料込5,500円以上分)の進呈、▲侫.鵐ラブイベント(不定期)の開催、2駟鵝壁堋蟯)、イベント・セールの案内の送付、げ餔証の発行、ゥンライン店舗で使えるお得なクーポンの進呈がある。

遠野ファンクラブ
 岩手県の内陸中部にある、「民話の里」として知られる遠野市で、「遠野を知りたい!遠野に行きたい!遠野に住みたい!という人たちにいつでも遠野を身近に感じてもらい、移住・定住を応援する市民(サポート市民会議)と行政(遠野市)が一体となった定住推進組織」である「で・くらす遠野」が運営するファンクラブ。ファンクラブ会員は、「で・くらす遠野市民」に登録するという形で、年会費(1,000円、5,000円、10,000円)に応じた特典が得られる。
 年会費1,000円の「ちょこっと で・くらす遠野市民」は、,如Δらす遠野市民証の送付、△如Δらす遠野市民限定の情報誌「で・くらす遠野」の送付、「遠野馬の里」での乗馬体験の特別割引、ぜ舁彜儻施設でので・くらす遠野市民だけの特別割引、の特典がある。年会費5,000円の「のんびり で・くらす遠野市民」は、「ちょこっと で・くらす遠野市民」の特典に加えて、遠野ブランド新鮮野菜「農の匠」の年1回発送か、市内で使える宿泊交通利用券4,000円分のいずれか一つを選べる。年会費10,000円の「どっぷり で・くらす遠野市民」は、「ちょこっと で・くらす遠野市民」の特典に加えて、「遠野ジンギスカンと地ビールセット」など「食の匠」8種類のうちの一つか、「農の匠」の年2回発送か、宿泊交通利用券8,000円分のいずれか一つを選べる。

大槌応援団OCHAN'S

 岩手県の沿岸、三陸海岸中部にある大槌町が運営する、「おおつちファン」の交流サイト。「おおつちファン」とは、大槌町民と、大槌に関わりや関心のある人のことで、「大槌応援団 OCHAN'S」は、おおつちファン同士の交流、連携を深めるためのサイトである。おおつちファンによるサイトの活用を通じて、大槌の魅力が全国に発信される仕組みになっている。
 「大槌応援団」としてサイトに登録(無料)すると、さまざまな機能が利用できるが、.汽ぅ汎發法崑臘箸亡悗垢襪海函廚覆蕾燭任OKのブログを開設できる、大槌に関する写真の投稿、閲覧ができる、B臘箸亡悗垢襯ぅ戰鵐箸両霾鵑魴悩椶任、カレンダーにまとめられる、といった機能がメインである。

雫石ファンクラブNet.

 「雫石ファンクラブNet.」は岩手県の内陸北部にある雫石町の観光ポータルサイトの名称である。従って、会員特典などは存在しないが、雫石町内の観光スポットなどについて分かりやすく紹介されている。


秋田県

大館能代空港ファンクラブ
 大館市産業部移住交流課が事務局を務める大館能代空港利用促進協議会が運営するファンクラブ。入会金、年会費は無料で、メール会員になると、空港のおトクな情報や空港周辺のイベント情報などがメールで届く。入会は同協議会のホームページ「大館能代空港どっと混む」から可能。

秋田犬"のの"ファンクラブ
 秋田県大館市の大町商店街にあるゼロダテアートセンターにいる、「あいにいける秋田犬」である「のの」が好きな人のためのファンクラブ。オンラインで会員登録で、イベントでの割引や会員限定の特典が用意されている。


青森県


七戸ファンクラブ
 青森市の東、八甲田山の東麓に位置する七戸(しちのへ)町の商工観光課が運営するファンクラブ。会員にはファンクラブカード「NANAカード」が発行される。「NANAカードポイント加盟店」と「サイモンズ加盟店」、「サイモンズポイントモール」での買い物の金額に応じてポイントが貯まり、貯まったポイントは1ポイント1円で使用できる。ポイントの有効期限は翌年の12月31日で、期限切れのポイントは自動的に七戸町に寄付されて絵本などの児童図書購入費として利用される。
 町内の図書館の図書利用カードも兼ねるが、現在町内に住んでいる町民だけでなく、ふるさとを離れた人でも、七戸町を「心のふるさと」と思っている人でも発行が可能。

青い森の翼ファンクラブ〜A-wing〜
 青森県が運営する、「青森空港と三沢空港、青森県にある2つの空を応援してくださる方々とともに、青森の空を盛り上げていくためのファンクラブ」である。入会金、年会費は無料だが、入会すると会員限定の特典が得られる。
 具体的には、_餔証の交付、搭乗前に使える青森空港有料ラウンジの無料クーポン券の交付(年4回、無料で青森空港有料ラウンジが利用できる)、9匐情報やイベント告知、お得な旅行商品の情報などが載ったメールマガジンの配信、じが主催する航空関連イベントに来場された人などを対象とした会員限定グッズの配付、ゲ餔限定イベントへの参加やツアーへの応募ができる、といった特典がある。

地酒FAN倶楽部
 青森県酒造組合が運営する、1. 青森の地酒を知り、飲み、楽しみ、伝えること!!、2. 青森の文化を知り、飲み、楽しみ、伝えること!!、3. 青森の食を知り、食し、楽しみ、伝える!!、の3つの趣旨に賛同する20歳以上の人であれば誰でも入会できるファンクラブ。
 青森の豊かな自然、移ろいゆく美しい四季、そこに育まれる旬の食と醸し出される旬の地酒といった青森の素晴らしさを楽しみ、広めていくことを目的とする。
 入会すると、青森県内で行われる酒造組合主催のイベントの案内が届く他、倶楽部会員全員を対象としたプレゼント企画「旬の地酒プレゼント」が行われ、毎年10名に旬の地酒が送付される。

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2013年11月22日

東北で地ビールが飲める店 番外編その23〜東北地ビール紀行第2回「青森県編」(「東北復興」紙への寄稿原稿)

 「東北復興第15号では、通常の連載に加えて、「東北地ビール紀行」の第2回目として、青森県内の地ビールについて取り上げてみた。


東北地ビール紀行その∪朕晃編

全国唯一?お寺がつくる地ビール
 青森県内には以前、青森市、八戸市、弘前市と、主だった都市にそれぞれ地ビールの醸造所があって、地元特産のリンゴを使ったビールを作ったり、地元の名水で仕込んだりと工夫を凝らした取り組みをしていたが、現在ではいずれも醸造を止めてしまっている。現在醸造を行っているのは二箇所である。

 まず、何と言ってもユニークなのは、「卍麦雫(まんじむぎしずく)」という名前のビールを作っている、下北半島にある本州最北端の町、大間町のバイコードリンクB・S(青森県下北郡大間町奥戸93 、TEL0175-37-3342)である。この地ビール、本州最北端の地ビールであるが、それだけでなく、もう一つ大きな特徴がある。実はこの「卍麦雫」、お寺でつくっている地ビールなのである。大間町にある浄土宗の寺院、梅香山崇徳寺、ここが「醸造所」のある場所である。ちなみに、「崇徳寺」は「すとくじ」ではなく「しゅうとくじ」と読む。「梅香山」は「ばいこうざん」である。そう、醸造所を運営する「バイコードリンク」というのは、「崇徳寺」の山号から取られた名前なのである。

 醸造を手掛けるのは佐々木真萠さん、崇徳寺の住職である。崇徳寺の境内には古くから涸れることなく湧き出ている天然水があり、地元では「長生きの水」として親しまれていた。元々ビール好きだった佐々木さんはこの名水を使ってビールを作ろうと考え、発泡酒免許を取得して醸造を始めたのだそうである。

 それにしても、お寺にはよく「葷酒山門に入るを許さず」という札が掲げており、お酒はお寺の中に持ち込んではいけないことになっているのではないか、と思ったが、持ち込んだわけではなく、中で作っているのだからよいのかもしれない(笑)。それに、ベルギーやオランダには修道院が作っているビール、トラピスト・ビールの例もある。「卍麦雫」はその日本版とも言えるかもしれない。

崇徳寺境内にある卍麦雫の自動販売機
 東北以外の地ビールの情報には必ずしも明るいわけではないが、崇徳寺以外のお寺で地ビールを作っているという話は寡聞にして聞かない。恐らく、全国で唯一の「お寺がつくる地ビール」、いわば「寺(じ)ビール」なのではないかと思う。これまたユニークなのは、崇徳寺の境内には写真の通り、この「卍麦雫」の自動販売機まで設置されているのである(写真撮影:宮里涼子氏)

 当初、ペールエール、ビター、スタウトの三種だったが、これにラガー、ピルスナーが加わって現在五種類ある。いずれもボトルコンディションと言って、瓶の中で二次発酵させる、地ビールの中でも比較的珍しいタイプのビールで、醸造してから時間が経つ毎に違った味わいが楽しめる。下北半島の中心地、むつ市にあるむつ下北観光物産館「まさかりプラザ」や青森市内のデパートや土産店、道の駅「浅虫温泉」、「とわだ」などで売っているのを見掛ける。

 唯一残念なのは、このユニークな「寺ビール」、「買えるお店」はあっても「飲めるお店」がないことである。この「卍麦雫」を飲みながら、下北半島の新鮮な海の幸を味わえるお店があったらいいのになと思う。

 そうそう、バイコードリンク、委託生産も受け付けており、その結果「恐山ビール」(「卍麦雫」の五種+ヤマブドウラガー)、「あおもりアップルドラフト」、「あおもりカシスドラフト」、「ブルーベリードラフト」などが誕生し、最近では「あおもり黒にんにくビール」も開発され、販売されている。

奥入瀬の源流水でつくる地ビール、そして津軽は
 青森にはもう一つ地ビール醸造所がある。有名な奥入瀬渓流の源流水で仕込んだ地ビール、 「奥入瀬ビール」を醸造している十和田湖ふるさと活性化公社(十和田市大字奥瀬字堰道39‐1、TEL0176-72-3201)である。日本の地ビール醸造所はドイツのビールをお手本にしたところが多いが、ここはチェコに学んだそうである。ちなみに、チェコが「ビール大国」であることはあまり知られていないが、チェコは現在世界で最も多く飲まれていて、日本の大手メーカーも手掛けているピルスナーというスタイルのビールを生み出した国である。

 「奥入瀬ビール」はそのピルスナーに、ダークラガー、ハーフ&ハーフ、ヴァイツェンの四種類がある。醸造所のある「地ビールレストラン 奥入瀬麦酒館」では出来立ての奥入瀬ビールを、地元の銘柄豚「地養豚」のとんかつや奥入瀬ビールで煮たスペアリブ、ご当時グルメの十和田バラ焼き、山の芋を使ったコロッケや青森にんにくの丸揚げ、奥入瀬ビールで漬けたおしんこなど地元食材を使った料理と一緒に味わえる。また、これら地ビールが二一〇〇円で二時間飲み放題にできるのも醸造所直結ならではである。ちなみに、毎月第三木曜日は「麦酒館の日」として、この飲み放題が男性一五〇〇円、女性は一〇〇〇円で楽しめる。なお、十和田湖畔のホテル等でもこの奥入瀬ビールを置いてあるところもある。

 下北地域、南部地域にはこのように地ビールがあるが、津軽地域については地元で醸造しているところが残念ながら今はない。ただ、大鰐町にある「そうま屋米酒店」(南津軽郡大鰐町大鰐湯野川原109-7、TEL0172-48-3034)では、地元の阿闍羅(あじゃら)山からの伏流水を使った地ビールを、宮城県内で「松島ビール」を醸造しているサンケーヘルスに委託して醸造してもらって販売している。こうしてできた「津軽路ビール」は、大鰐町内のいくつかの旅館や飲食店で飲めるが、最近では青森市内で置く店も出てきている。個別の店名などについては、拙ブログを参照していただきたい。


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2011年02月23日

東北で地ビール(クラフトビール)が飲める店まとめ

東北地ビール これまで、主に東北各県の主に主要都市で地ビールやドイツビール、ベルギービールなどの輸入ビールが飲める店を紹介してきたが、数が増えて自分でも必要な時に探すのが大変になってきたので、これまでに紹介した市町村についてはリンクを張っておこうと思う。

 今後も見つけ次第順次リンクを張るようにしたい。従って、リンクがないのは、見つけられなかったか、まだ探していないかのどちらかである。

 それにしても、こうしてまとめてみると、我ながらよくもまあこれほどあちこちで飲んでいるものである(笑)。


青森県
 青森市
 弘前市
 八戸市

 黒石市
 五所川原市
 十和田市
 三沢市
 むつ市

 つがる市
 平川市
 東津軽郡(平内町、今別町、蓬田村、外ヶ浜町)
 西津軽郡(鰺ヶ沢町、深浦町)
 中津軽郡(西目屋村)
 南津軽郡(藤崎町、大鰐町、田舎館村)
 北津軽郡(板柳町、鶴田町、中泊町)
 上北郡(野辺地町、七戸町、六戸町、横浜町、東北町、六ヶ所村、おいらせ町)
 下北郡(大間町、東通村、風間浦村、佐井村)
 三戸郡(三戸町、五戸町、田子町、南部町、階上町、新郷村)

岩手県
 盛岡市
 宮古市
 大船渡市
 花巻市
 北上市
 久慈市
 遠野市
 一関市

 陸前高田市
 釜石市
 二戸市

 八幡平市
 奥州市
 岩手郡(雫石町、葛巻町、岩手町、滝沢市)
 紫波郡(紫波町、矢巾町)
 和賀郡(西和賀町
 胆沢郡(金ヶ崎町)
 西磐井郡(平泉町
 東磐井郡(藤沢町)
 気仙郡(住田町)
 上閉伊郡(大槌町)
 下閉伊郡(山田町、岩泉町、田野畑村、普代村)
 九戸郡(軽米町、野田村、九戸村、洋野町)
 二戸郡(一戸町)

宮城県
 仙台市
 石巻市
 塩竃市
 気仙沼市
 白石市

 名取市
 角田市
 多賀城市
 岩沼市
 登米市
 栗原市
 東松島市
 大崎市
 刈田郡(蔵王町、七ヶ宿町)
 柴田郡(大河原町、村田町、柴田町、川崎町)
 伊具郡(丸森町)
 亘理郡(亘理町、山元町)
 宮城郡(松島町、七ヶ浜町、利府町)
 黒川郡(大和町、大郷町、富谷町、大衡村)
 加美郡(色麻町、加美町
 遠田郡(涌谷町、美里町)
 牡鹿郡(女川町
 本吉郡(南三陸町

秋田県
 秋田市
 能代市
 横手市
 大館市

 男鹿市
 湯沢市
 鹿角市
 由利本荘市

 潟上市
 大仙市
 北秋田市

 にかほ市
 仙北市
 鹿角郡(小坂町)
 北秋田郡(上小阿仁村)
 山本郡(藤里町、三種町、八峰町)
 南秋田郡(五城目町、八郎潟町、井川町、大潟村)
 仙北郡(美郷町)
 雄勝郡(羽後町、東成瀬村)

山形県
 山形市
 米沢市
 鶴岡市
 酒田市
 新庄市
 寒河江市
 上山市

 村山市
 長井市
 天童市
 東根市

 尾花沢市
 南陽市
 東村山郡(山辺町、中山町)
 西村山郡(河北町、西川町、朝日町、大江町)
 北村山郡(大石田町)
 最上郡(金山町、最上町、舟形町、真室川町、大蔵村、鮭川村、戸沢村)
 東置賜郡(高畠町、川西町
 西置賜郡(小国町、白鷹町、飯豊町)
 東田川郡(三川町、庄内町)
 飽海郡(遊佐町)

福島県
 福島市
 会津若松市
 郡山市
 いわき市
 白河市
 須賀川市

 喜多方市
 相馬市
 二本松市
 田村市
 南相馬市
 伊達市
 本宮市
 伊達郡(桑折町、国見町、川俣町)
 安達郡(大玉村)
 岩瀬郡(鏡石町、天栄村)
 南会津郡(下郷町、檜枝岐村、只見町、南会津町
 耶麻郡(北塩原村、西会津町、磐梯町猪苗代町
 河沼郡(会津坂下町、湯川村、柳津町)
 大沼郡(三島町、金山町、昭和村、会津美里町)
 西白河郡(西郷村、泉崎村、中島村、矢吹町)
 東白川郡(棚倉町、矢祭町、塙町、鮫川村)
 石川郡(石川町、玉川村、平田村、浅川町、古殿町)
 田村郡(三春町、小野町)
 双葉郡(広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村)
 相馬郡(新地町、飯舘村)


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2008年07月16日

東北で地ビールが飲める店その32〜青森県三沢市

be7fe317.jpg 青森県の南東部に位置する三沢市は、人口約42,000人の市である。在日米軍三沢基地がある東北唯一の「基地の町」であり、米国人・軍属及びその家族合わせて、42,000人とは別に約10,000人が三沢市に居住しているそうである。実際、街中を歩いていても、米軍関係者と思しき人とすれ違うことは多いし、道行く車のうちの相当数が米軍関係者の使用車であることを示す「Yナンバー」車である。

 そのような背景のある市であるので、飲食店などでもバドワイザーやクアーズ、ハイネケンなど、大手の外国ビールを出す店は少なからずある。そこからさらにもう一歩進んでさらにいろいろなビールを出す店があるかどうかと言うと、まずビールの種類なら「Beer House Figlio(フィリオ)」(三沢市中央町2-5-12-2F、TEL0176-51-1688)が一番多いと思う。生はカールスバーグのみだが、バドワイザー、ミラー、クアーズ、ハイネケン、レーベンブロイ、ギネス、コロナ、グローシュなど、メジャーな輸入ビールは一通り揃っている上、シンハー、バリハイ、ネグラモデロなどもある。デンマークのツボルグやアメリカのサミエルアダムス、イタリアのナストロ・アズーロ・べローニなど、他ではあまり見かけないビールもあり、貴重な店である。

 もう一軒、「カウビア」(写真参照、三沢市幸町1-7-3-2F、TEL0176-53-1022、18:00〜4:00、日曜定休)は、その名の通り(?)、牛肉(ステーキ)とビールが楽しめる店である。ビールにステーキはさすがに重い気がするが(アメリカの人は平気なのかもしれないが)、メニューにあるステーキサンドはビールを飲んだ後の食事にちょうどよい。ビールは、レーベンブロイ、ミラースペシャル、バス・ペールエール、アサヒ黒生、そしてベルビュークリークの生がある。私としては、ベルビュークリークの生が飲めるのが嬉しい。ハイネケン、コロナもある。

 ここには他に、ブラック、ホワイト、レッドという謎(?)のビールがある。ブラックはアサヒ黒生のことで、レッドはそのブラックとハーフ&ハーフ(だったかな)のミックスなのだが、ホワイトが何なのかは内緒だそうである。ヒューガルデンのように白色がかった色のビールで、飲んでみるとやはり同じようなほのかに酸味のある味がするのだが、あえて内緒にするのだから、答えがヒューガルデンではあまりにも簡単すぎる。きっと何か秘密があるに違いない。ちなみに、ビアカクテルなどの類ではないそうである。

 以上の2店が、三沢市内でおいしいビールが飲める店として私がオススメする店である(某アイリッシュパブは私が東北で唯一近寄らない店である;笑)。

 それから、「飲める店」ではないが、三沢基地近くにある中居酒店には、ヨーロッパを始め世界各国のビールが85種類置いてあった。地ビールでは、野辺地町の工藤商事が企画し、以前紹介した「卍麦雫」を醸造している崇徳寺住職の佐々木眞萌氏が醸造する「恐山ビール」が5種類置いてあった。ビール以外のアルコール類や食材も充実しており、その品揃えは素晴らしい。夜遅くまでやっていることもあって、米軍関係者らしき人たちもよく買いに来ている。


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2008年05月22日

私的東北論その9〜地域の「売り物」を売れるトップの必要性

31473a7f.jpg 日経ビジネスオンラインの連載企画「トップに聞く!大変革の胸の内」の5月8日付に、青森県の三村申吾知事が取り上げられていた(該当サイト)。まったくの不勉強で、この記事を読むまで知らなかったのだが、三村氏は知事就任後「総合販売戦略課」を設立し、「攻めの農林水産業」をキャッチフレーズに青森県産の農産物や魚介類を始め、「人以外のものは何でも」(「総合販売」の名の通り)国内外に売り込んでいるのだそうである。

 特筆すべきは、三村知事の「トップセールス」である。この「総合販売戦略課」という新しい組織をつくってそこにすべてを任せて事足れりとするのではなく、その陣頭に立って様々な売り込みの斬り込み隊長となっているのである。例えば、年2回韓国に行って観光公社や旅行会社に行って、どうすれば青森に来てもらえるかなどいろいろ議論し、その結果をツアー内容に反映させるというようなことを実践した結果、ソウル便の利用者が増加し、青森空港が活性化したという。

 他にも、青森が誇るリンゴの販売額は1年で56億円から72億円へ、これまた青森特産の長芋の販売総量も500トンから908トンへと伸びた。長芋は中国や台湾で精力剤として重宝され、リンゴは中国のみならず遠くドバイでも高値で取引されているそうである。

 三村氏が言うには「ちゃんといい物を持っていって、きちんとしたフェアをやれば、お客はつく」とのことである。確かに、青森には「いい物」がたくさんあると思う。青森のこの成功例は、いい物をトップ自らが「いい」と言って一生懸命売り込んでいることである。

 以前、道州制にはカリスマ性のあるトップが必要と書いたことがあったが、カリスマ性だけではなく、こうした、自分の地方のいいところを隅々まで知り尽くし、それを積極的に各方面に売り込むことのできる、「トップセールスマン」が必要なのだと、三村知事の取り組みを見て強く感じた。

 もう一つ印象的だったのは、「青森の正直」という言葉である。青森の生産者が正直に、生真面目に、一生懸命物を作っている様をこの言葉に込めたそうである。青森に限らず、農林水産業に限らず、この姿勢はいまだ日本の至る所に生きているように思う。

 私自身の経験でも、以前新潟の中越地方で、下請けで質の高い自動車部品を作っていた中小規模の工場が、そのノウハウを生かしてまったく畑違いの福祉分野に進出し、これまでにない素晴らしい車椅子を製作した事例などを取材させていただいたことがある。こうした「ものづくり」に一意専心に取り組んでいる人たちが今も日本の土台を支えているのだと思う。

 道州制の実現には、そうしたかけがえのない人たちが作った「いい物」を、「いい物」として内外に売り込める才覚を持った人材が不可欠なのだと思う(写真は岩木山麓で撮った、青森が誇るリンゴである)。

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2007年09月07日

東北で地ビールが飲める店その27〜青森県五所川原市

d869337c.jpg 五所川原市は、青森県の西部津軽地方にある人口約63,000人の市である。津軽地方の中心地は旧城下町の弘前市だが、五所川原市は西津軽や北津軽に向かう交通の要衝にあり、地勢的には津軽地方の中心と言って差し支えないのではないかと思う。

 五所川原と言えば、何と言っても夏の立佞武多祭り(たちねぷたまつり)が有名である。ねぶた、あるいはねぷたは、それまで青森や弘前のものだったが、戦前まで続いて戦後途絶えたこの立佞武多が市民有志の手で9年前の1998年に復活したことにより、五所川原もねぶた・ねぷた開催時の宿泊のための町という位置づけから、一躍ねぶた・ねぷた祭りの一角を占める町へと変貌したわけである。

 この立佞武多、特徴と言えば、何と言ってもその高さである。7階建てのビルに匹敵する22mの立佞武多は、青森のねぶたとも弘前のねぷたとも違うインパクトを見る側に与えてくれる。観光客の数も年々増えているそうである。ちなみに今年は等身大(?)の機動戦士ガンダムの立佞武多が登場し、話題を呼んだ。

 さて、この五所川原の飲食店街が集中しているJR五所川原駅周辺を中心に、おいしいビールを飲めそうな店を探してみた。そこで見つけたのが、「DRINK & FOOD BLACK.」である(写真参照)。この店は元々もっぱらカクテルが充実しており、ビールは通常、国産大手の生ビールの他はハイネケン、コロナ、ジーマがあるくらいだが、その通常メニュー以外に「変わったビール」が常時置いてあり、その時々でいろいろなビールが味わえる。

 私が訪れた時は、イスラエルのミスター・マカビー、オーストラリアのヴィクトリア・ビター、アメリカ・オレゴンのアメリカン・アンバー・エールROGUE、イタリアのカステッロ・ビオンダがあった。ちょっと前まで私が好きなドイツのビールも置いてあったそうだが、その時に何があるかは行ってみなければ分からない。サイトを見てみたら、他の酒に混じって、これまでに置いたことのあるビールが掲載されていた(参照サイト)。いずれにせよ、国産大手や海外大手以外の「変わったビール」が飲めるのは、五所川原ではどうやらここだけのようである。次に訪れた時に何が置いてあるか楽しみである。

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2007年04月28日

東北で地ビールが飲める店その21〜青森県八戸市

6135762c.jpg 青森県の太平洋岸、南部地方(「南部」とは県南地方という意味ではなく旧南部藩地域という意味である)の中心地八戸市には八戸シャトービールという地ビールがある。作っているのはシャトーカミヤ八戸で、八戸市の中心部に程近いJR本八戸駅の近くに醸造所兼レストランがある。

 シャトーカミヤは元々は茨城県牛久市のワイン醸造所であるが、ここ八戸のシャトーカミヤでは、八戸市蟹沢地区に湧く名水「蟹沢(がんじゃ)の水」で仕込んだヘレス、デュンケル、ピルスナー、それに季節ごとのスペシャルの4種の地ビールが味わえる。

 蟹沢の水はビール醸造に最適な硬度を持っているとのことで、確かにいずれのビールもすっきりした喉越しでありながらコクもあるという味わいのビールに仕上がっている。料理も地元の食材を取り入れた和食、洋食が楽しめてよい。

 レストランは写真の通り、まさに「シャトー」という感じの建物である。東北の地ビール醸造所でこれだけの威容を誇るのは、他には西和賀町の銀河高原ビールくらいではないだろうか。

 さて、シャトーカミヤ八戸で地ビールと料理をいただいて、さらに八戸の街中を歩いてみた。十三日町と三日町が八戸市の中心街だが、その付近になんと800軒もの飲食店が集中しているのだそうである。

 その中で、「世界各地のビールを取り揃えています」というポスターの貼ってある店を見つけた。それが長横町にあるジョアンナストロベリークラブである。長横町の細い路地を入っていったところにあるビルの地下にある店で、我ながらよく見つけたものだと思う。本来はダーツバーだそうだが、ビールは各国のビールが22種類ほど置いてあった。特に、店の名前にふさわしいベルギーの「フローリスストロベリー」は、他ではなかなか見かけない。店のスタッフの感じもよく、いい雰囲気の店であった。


追記(2008.4.15):「ミッシェル・ブラッスリ」(八戸市南類家2-2-17、TEL0178-45-8160、11:30〜14:00LO、18:00〜21:00LO、水曜定休)はフランス料理の店だが、ビールやワインも揃っている。ビールでは茨城県の常陸野ネストビールが置いてあった。他地域の地ビールが飲める店はそう多くないので、これは嬉しい。


追記(2011.8.31):上で紹介したシャトーカミヤ八戸だが、7月末で閉店してしまった(参照サイト)。茨城県牛久市のシャトーカミヤは健在なので、「シャトービール」自体はそちらで飲めるが、その「牛久シャトービール」は当然ながら八戸の「蟹沢の水」は使っていないので、レシピが同じでも厳密には別物である。東北の地ビールが一つなくなってしまったのは残念なことである。

 以前紹介した、同じ蟹沢の水を使ってシャトーカミヤ八戸が醸造していた岩手県久慈市の「琥珀の森」がどうなるのかなど、心配である。


追記(2013.7.12):FUSION BAR 3(八戸市長横町18-2F、TEL0178-44-0225、18:00〜5:00、日祝定休)には埼玉県のCOEDOビールが置いてある。


150606-203541追記(2015.6.7):八戸市内にいいビールの店が2軒新たにできていた。まず「CraftBeer & Dining Muddy's(クラフトビア&ダイニング・マディーズ)」(八戸市六日町10番地いわとくパルコ本館2F、TEL0178-32-0513、18:00〜23:00、金土18:00〜1:00、日月定休)は、地ビールが樽生で2種、それに瓶で大阪の箕面ビール、静岡のベアードビール、神奈川のサンクトガーレンがそれぞれ全種類揃っている。私が訪れた時には「水曜日のネコ」と志賀高原ビールのIPAが樽生であった。ピザを始め、フードメニューもいろいろあって楽しめる。


150606-213342 もう一軒の「kenkemビア・ファクトリー(ケンケン・ビア・ファクトリー)」八戸市六日町22−2 男山ビル1F、TEL0178-20-9199、月〜木11:30〜13:30LO、17:00〜23:00LO、金11:30〜13:30LO、17:00〜0:00LO、土17:00〜0:00LO、日17:00〜23:00LO、無休)は、ヒューガルデン、ベルビュー・クリーク、ギネス、レーベンブロイ、バスペールエールが樽生で飲める他、あおもりアップルドラフトや奥入瀬ビールなど、青森の地ビールが瓶で揃っている。こちらもフードメニューがいろいろある。



150606-214327 また、上で紹介した「Fusion Bar 3(フュージョン・バー・サン)」には、海外ビールと地ビールの2種の樽生に、瓶で海外のビールが28種揃っていた。私が訪れた時は海外ビールの方はレーベンブロイ、地ビールの方はCOEDOの「白」だったが、海外ビールの方がヒューガルデンであることが多いそうである。また、地ビールの方はその時々で入れ替わるそうである。お通しに出されるチーズ3種がビールに合って美味しい。


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2007年02月21日

東北で地ビールが飲める店その18〜青森県むつ市周辺

d27075c3.jpg 東北の、そして本州の最北部に位置する下北半島の、その北端に大間町という、まぐろの一本釣りで有名な町がある。そこに文字通り本州最北端の地ビールがある。その名も「卍麦雫」という(写真参照)。

 「麦雫」の名はビールが麦からできることからすると「さもありなん」というネーミングであるが、その前に「卍」がついている。だから、この地ビールは「むぎしずく」ではなく、「まんじむぎしずく」と読む。醸造元はと見ると、「バイコードリンク」という、これまたよくわからない名前の会社である。

 実はこの地ビール、大間町にある古刹崇徳寺というお寺が、境内に湧き出している地下水を利用して作っている地ビールなのである。ちなみに「バイコードリンク」という会社名は、実はこの崇徳寺が「梅香山」という山号を持っているところから名付けられている。この「卍麦雫」は、ネーミングに如実に現れている通り、全国初、お寺さんが醸造している地ビールなのである。

 お寺が地ビールを作るというのは確かに珍しく、他にそのような所があるということは寡聞にして聞かない。しかし、お寺というのは「葷酒山門に入るを許さず」で、ニラ・ニンニクの類や酒はご法度だったような気がしないでもない。まあ、実際にはお酒は「般若湯」(知恵のお湯?)という称号でお寺の山門の内にれっきとして存在するし、これは不勉強で知らなかったのだが、仏教に造詣が深い、と言うか、敬虔な仏教徒である知り合いによれば、ビールには「麦般若」という名称があるのだそうである。それに海外に目を転じれば、ベルギーのトラピスト・ビールのように、伝統的に修道院が地ビールを醸造している例もある。

 「卍麦雫」も住職の趣味が高じて、ということのようであるが(参照サイト)、寺の知名度アップ、収入源確保、そして地域振興にも一役買っているようである。これも「御仏のお導き」と言えるのかもしれない。

 この「卍麦雫」、発泡酒扱いのスタウト、ビター、ペールエールと、ビール扱いのラガー、ピルスナーの5種がある。もちろん崇徳寺で買い求めることができるし(境内には自動販売機も設置してある!)、下北半島の中心地むつ市では、むつ下北観光物産館「まさかりプラザ」で買い求めることができる他、地元のスーパー「マエダ本店」に置いてあることもある。そうそう、下北半島からはるか遠く、JR青森駅正面の土産店に置いてあるのも見つけた。

 ただ残念なのは、むつ市内にも大間町内にも、この「卍麦雫」が買える店はあっても、現在のところ「飲める店」はないということである。できれば、この「卍麦雫」を飲みながら、下北のおいしい海の幸を味わいたいものである。「御仏のお導き」に期待したい。


追記(2008.7.17):別のところにも書いたが、野辺地町の工藤商事(酒のくどう)が企画し、この「卍麦雫」の佐々木眞萌住職が醸造する「恐山ビール」が発売されている。5種類あり、ヤマブドウラガー、ビター、ペールエール、スタウト、そして恐山ラガービールがある。

 ヤマブドウラガー、ビター、ペールエール、スタウトは、麦芽使用量25%未満で発泡酒だが、醸造麦100%の発泡酒である。また、ヤマブドウラガーは、下北半島・八甲田・北奥羽山脈に自生する山葡萄100%の原液を使用している。恐山ラガービールは、麦芽使用量91.66%、醸造麦100%の地ビールである。

 いずれも青森県初のボトルコンディションビールと銘打たれている。ボトルコンディション(瓶内二次発酵)ビールは、新潟麦酒多摩の恵ビール(ペールエール)などが有名だが、青森だけでなく東北でも初めてではないだろうか。

 これらの地ビールにも以前紹介した青森の正直」のシールが貼ってあった。


追記(2019.2.26):その他、自家農園レストラン「アグレアーブル」では、箕面ビールが飲める。イタリアンレストラン「ラ・テーラ」では、ベアレンビールの定番3種が飲める。また、フレンチレストラン「パザパ」では、ヒューガルデンが飲める。


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2006年12月28日

東北で地ビールが飲める店その17〜青森県大鰐町

97ac96f4.jpg 以前紹介したとおり(ココココ)、青森市でも弘前市でもかつてあった地ビール醸造所がなくなってしまっていた。津軽地方の地ビールは、今後も衰退の一途をたどるのだろうか、と危惧していたところ、さにあらず、弘前の南、温泉とスキー場で有名な大鰐町に、地ビールがあった。その名も「津軽路ビール」である。
 製造は宮城県内で松島ビールを醸造しているサンケーヘルス株式会社だが、企画は大鰐町のそうま屋米酒店写真参照)が行っており、あじゃら山系の地元の名水を100%用い、ドイツ産最高級モルトで仕込んだ手づくりビールだそうである。飲んでみると、ピルスナー系のスッキリした喉越しのビールで、「地ビールはちょっと…」と敬遠する向きにも安心して飲んでもらえる味のビールである。

 このそうま屋米酒店の店主相馬康穫(やすのり)さんは、これまでにもやはり地元の名水を使った「自家焙煎コーヒーの缶詰」を開発したり、大鰐高原産の「りんご」と高知県馬路村産のゆずをミックスして作った「ゆずっぷる」、同じくりんごと津軽産の青梅エキスをミックスした「うめっぷる」を開発したりと、一貫して地元の名物を使った商品づくりに取り組んできた実績のある方である。その延長線上に、この「津軽路ビール」もあるわけである。

 この「津軽路ビール」、もちろんそうま屋米酒店で買い求めることができる他、「津軽路ビール」誕生に大きな役割を果たしたという、同じ大鰐町内の料亭旅館「南津軽錦水」でも飲むことができる。現在は徐々に出荷量も増え、首都圏の大手百貨店での店頭販売も始めたそうである。

 津軽地方でほとんど唯一と言ってよい地ビールである「津軽路ビール」にはこれからも頑張ってもらいたいものである。


追記(2011.9.13):ここに追記したが、青森市の「柿源」では津軽路ビールが飲める。また、大鰐温泉の「不二やホテル」にも置いてある(参照サイト)。大鰐町の食材を使った料理が食べられる「和樂(わらく)」でも飲める。また、「大鰐町地域交流センター 鰐come(わにかむ)」(すごい名前である;笑)の「お休み処花りんご」と「うぇるかむ」でも飲める。


追記(2019.2.26):上記以外に大鰐温泉の「星野リゾート 界 津軽」でも飲める。また、岩手県八幡平市の「四季館 彩冬」でも飲める。なお、「鰐come」で飲めるのは樽生である。



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2006年10月22日

東北で地ビールが飲める店その14〜青森県弘前市

2bc0b43d.jpg かつての津軽藩の城下町弘前市は、青森県の西半分の津軽地方の中心地である。ここ弘前市にも以前は「津軽ブルワリー」という地ビール醸造所があった。街中からは少しだけ離れたビブレ(現・さくら野百貨店)の敷地内にあった。

 弘前のビブレの4Fには「リゾナーレ・メラ」という天然温泉のスパ付のホテルがあり、そこに泊まればスパで汗を流した後地ビールを飲むという(外に出なければならないが)極楽体験ができたのであるが、このブルワリーは経営主体がビブレだったために、ビブレが会社更生法を適用して事実上倒産したあおりを受けて、醸造所も閉鎖となってしまった。

 「リゾナーレ・メラ」は現在も「ホテルさくら野温泉」と名を変えて存在している。一方の「津軽ブルワリー」は、現在は「金の卵」というオムライスレストランへと姿を変えていた(写真参照)。店のつくりは「津軽ブルワリー」のままで、外に面したウィンドウにはビール醸造釜がそのまま残っていたので、今も醸造を続けているのかと思って店の人に聞いてみたが、単なる「オブジェ」とのことで残念であった。

 その代わり、同店では、茨城の地ビール「常陸野ネストビール」が常に数種類置いてあるので、「地ビール」を味わうことはできる。ただ、私が行った時には、いかにも青森らしい(作っているのは青森ではなく茨城だが)アップル・エールが品切れだったのが残念であった。他にベルビュー・クリークやバス・ペールエールの生も置いてあった。ちなみに、この「金の卵」、地元では「の」と「ご」が略されて呼ばれると地元の人に聞いたが、本当かどうかは分からない。

 「金の卵」は元々弘前市内に2店舗ある「ビア・イタリアンVITA」の姉妹店である。こちらVITAも「ビア・イタリアン」を標榜するだけあって、同様に常陸野ネストビールやベルビュー・クリーク、バス・ペールエールなどが飲める。アンティパストやパスタの種類も豊富で、ビールとよく合う。2店舗あるうち、シティ弘前ホテル地下のショッピングプラザ内にある店はJR弘前駅に隣接しておりアクセスもよい。

img807 おいしいビールが飲める店はまだあった。弘前市内にも、かの「びいる亭」があったのである(左写真参照弘前市土手町26-1北菜館2F、TEL0172-37-7741)。ここも前に紹介した大館のびいる亭青森のびいる亭と同様、世界各国のビールが飲める。

 ビールが飲める店ではないが、かつてダイエー弘前店の地下にあった土岐酒店のビールの品揃えはすごかった。世界各地のビール300種が置いてあった。これほどのビールの品揃えを誇る酒店は今も仙台市内にも存在しない。私が知る限りではここに太刀打ちできるのは、東北では盛岡市内にあるマルイチタストヴァン城西店 焼酎館盛岡市城西町13-1、TEL019-622-4133)くらいではないだろうか。

 しかし、タストヴァン焼酎館はビールの種類も多いものの、その名の通り焼酎がメインの店(全国の焼酎が1200種)なので、ビールの種類では土岐酒店の方が上であった。と、過去形で書いているのは、ダイエーが経営再建に伴って弘前店を閉店し、それに合わせて土岐酒店も店を閉めてしまったからである。大変残念な話である。


追記(2008.2.14):ash(弘前市土手町12、TEL0172-37-0333)には15種類のビールが置いてあった。ベルギーのティービール、オーストラリアのペールエールのクーパーズなどは比較的珍しい品揃えだと思う。ただ、ドイツのヴァイスビールが品切れだったのが残念だった。

 また、今年で15年目を迎えるというBERR BAR Old Jankにはギネスやサッポロの生に混じってヒューガルデン・ホワイトもメニューにあったが、これも残念ながら品切れだった。びいる亭は33カ国154種類のビールが置いてあり、品揃えはやはりさすがである。もちろん、ドイツのヴァイスビールも、ベルギーのヒューガルデンも飲めた。


追記(2009.6.18):びいる亭の生ビールのラインナップが変わっていた。「白生」がヒューガルデン・ホワイトからヴェデット・エクストラホワイトに替わり、「赤生」(ベルビュー・クリーク)がなくなった。他に生は、琥珀エビス、エーデルピルス、エビス、エビス黒、スーパードライ、がぶ飲み生(発泡酒)となった。

 BEER & COCKTAIL BLOCK HOUSEにはハートランド、クアーズ、バス・エールエール、エビス、ギネスの瓶があるようである。


2115.jpg追記(2009.10.16):ビア・コトブキは1965年に弘前で初めて樽生ビールを出したという老舗のビアバーである。現在樽生は4種類で、キリンのブラウマイスターを始め、その時々で違うが、常時キリン、サッポロ、アサヒ、サントリーのプレミアム系の樽生が飲める。コンディションも万全でビール好きが安心して行ける店である。私にとってはシメイ・レッドが置いてあったことも嬉しかった。



追記(2011.9.13):「ホテルさくら野温泉」は現在「リコルソ弘前」と名前を変えて営業中である。


WP_20181102_20_22_34_Pro_LI追記(2017.11.3):弘前市内に昨年、新しい地ビール醸造所「Be Easy Brewing(ビー・イージー・ブルーイング)」(弘前市松ケ枝5-7-9、TEL0172-78-1222)ができた。造ったギャレス・バーンズさんは元米軍兵士で青森県三沢市の米軍三沢基地に勤務しており、退役した後、気に入った青森で好きなビールを造りたいと志して、ここ城下町・弘前を選んで醸造所を造ったのだそうである。

醸造所は1階に醸造設備があり、2階が直営のタップルーム「ギャレスのアジト」(17:00〜23:00※土は11:30〜、月火定休)である。Be Easy Brewingのビールを始め、国内外の地ビールが常時12種類味わえる。フードメニューも充実している。

また、弘前駅から徒歩5分のところにある「Robbin's nest」(弘前市大町1-3-16、TEL090-6450-1730、17:00〜、無休)には、COEDOビールの樽生が置いてあった。何が飲めるかはその時次第とのことである。


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2005年12月02日

東北の安く泊まれる温泉宿その1〜青森県

9b5286d8.jpeg  仕事柄出張が多いため、宿泊予約サイトにはいつもお世話になっている。私 が利用するのは大抵楽天トラベルかベストリザーブかイサイズじゃらんであるが、これらのサイトから予約すると大抵の場合正規の値段より安く宿泊できる。だ から、これらのサイトに日常的にお世話になっていると、楽天トラベルの前身である「旅の窓口」ができる以前の6、7年前のように電話で予約して正規の値段 で宿泊するのは、いまや何となく損したように感じてしまう。
 ところで、これらのサイトに登録されている宿泊施設を見てみると、シティホテルやビ ジネスホテルはもちろんだが、温泉宿も少なからず登録されている。今更言うまでもなく東北は温泉どころであるので、東北の宿泊施設一覧の中にも温泉に入る ことのできる宿もかなり登録されている。
 ここではこれらの温泉宿のうち、私の経済状況を反映して、特に安く泊まれる宿を紹介したいと思う。ちな みに、私にとって宿泊代が「安い!」と感じるのは概ね5,000円くらいまでのように思えたので(懐具合が垣間見えるようであるが)、紹介する宿も素泊ま り食事付きを問わず、5,000円以下で泊まれる宿で、かつ(私にとってはこれが大事であるが)一人でも宿泊ができる宿とした。
 もちろん、値段 が安いということで、施設、設備、サービスなどにおいて必ずしも十分でない宿もあるかもしれない。しかし、「安く温泉」というのはかつての「湯治」にもつ ながる我が国に綿々と受け継がれてきた庶民の変わらぬ欲求であると思うので、これらの宿もその欲求を満たすべくうまく利用できればよいと思う。
 今回は第一弾ということで青森県である。が、実は青森にはこれらの宿泊サイトに掲載されている安く泊まれる温泉宿が少ない。青森は温泉地数143(全国4位)、源泉総数1,021(全国7位)を誇る全国有数の温泉県であるので、ぜひ頑張ってもらいたい(?)。

谷地温泉写真参照) 一泊4,200円(和室バス、トイレなし、朝食付きは4,935円)
青森県十和田市八甲田谷地温泉 TEL0176-74-1161
予約:楽天トラベル
  これは驚いた。八甲田山麓の名湯、谷地温泉にまさかこの値段で泊まれるとは。八甲田山麓の温泉と言えば、国民保養温泉地にも指定されている酸ヶ湯温泉が有 名だが、そのさらに上にある谷地温泉も負けず劣らずの名湯である。東北6県のその他のサイトで予約できる温泉を見回しても、温泉の質でここに並ぶ宿は鳴子 温泉の東川原湯くらいだろうと思われる。間違いなくオススメ!

ホテルニュー銀水(大鰐温泉) 一泊4,450円(土曜日は4,950円、朝食付きシングル)
南津軽郡大鰐町大鰐125  TEL0172-49-2450
予約:楽天トラベルイサイズじゃらん
  大鰐温泉は津軽地方を代表する温泉地である。スキー場もあり、冬でも多くの人が訪れる。そう言えば、温泉の熱を利用して栽培している「温泉もやし」が有名 である。ここは素泊まりが基本という珍しい温泉ホテル。貸切風呂もある。日によっては一泊3,500円になることもある。

八戸温泉駅前旅館 一泊4,725円(和室素泊まり)
八戸市尻内町八百刈46−7  TEL0178-23-4141
予約:楽天トラベルイサイズじゃらん
 JR 八戸駅から徒歩5分のところにある温泉旅館。貸切風呂もある。交通至便のところにあるという意味で、出張の時にも泊まりやすいし、車でなくても利用しやす いというメリットがある。ここ以外に駅前で安く泊まれる温泉と言えば、東北広しと言えどもあとは秋田県横手市の横手プラザホテルくらいである。

温泉民宿ヤマニ分館(大鰐温泉) 一泊4,850円(食事なし素泊まりプラン6畳)
 南津軽郡大鰐町湯の川原8  TEL0172-48-2970
予約:楽天トラベルイサイズじゃらん
 ホテルニュー銀水と同じく大鰐温泉の中にある。こちらは創業80年の老舗旅館。源泉掛け流しの温泉に24時間入ることができるのがいい。

 他に、国民宿舎十和田湖温泉も素泊まり4,150円で泊まれる宿(楽天トラベルから予約可能)だったが、現在素泊まりプランがなくなっている。東北を代表する観光地十和田湖畔初めての天然温泉(と言っても離れたところにある十和田ポニー温泉から毎日タンクローリーで温泉を運んできて利用している)なだけに残念である。同宿舎のサイト
には、「時期により『朝食付』『素泊』はお受けできない場合がございます」とあるので、あるいは今がその時期なのかもしれない。

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2005年11月10日

東北で地ビールが飲める店その2〜青森県十和田市

64906572.jpg 十和田市と言えば、その名の通り十和田湖のある市である。正確には以前十和田湖があったのは十和田湖町という町だったが、合併で十和田市に吸収されたため、名実共に十和田市が十和田湖のある市となったのである。

 さて、十和田湖と言えば奥入瀬渓流が有名だが、十和田にはその名を冠した地ビールがある。「奥入瀬ビール」である。旧十和田湖町にある十和田湖ふるさと活性化公社が作っているビールだが、その名の通り奥入瀬の清浄な水で作られている。ピルスナーやダークラガー、ヴァイツェンといった、地ビールによくある種類のビールだけでなく、ポーター、アンバーエール、それに「初恋エール」、アルコール度数が高めの「熱愛エール」、そして最近できた日本酒酵母を使ったアルコール度数10%の「熱情」など、意欲的にオリジナル商品づくりに取り組んでいる醸造所である。

 この奥入瀬ビールが飲める店は、まず同公社直営の「道の駅奥入瀬」(奥入瀬ろまんパーク)の中にある地ビールレストラン「奥入瀬麦酒館」(写真参照)である。ここでは作りたての奥入瀬ビールを飲むことができる。地元特産の「山の芋」を使った料理などフードメニューも充実している。が、いかんせん「道の駅」内の施設なので車でないと行きにくい場所にある、しかし車で行くとビールが飲めない、というジレンマを抱えている(気がする)。

 奥入瀬ビールが飲める店は、他に青森市内にも2箇所ある。一つは青森空港内のレストランひば(ヴァイツェンのみ)、もう一つは観光物産館アスパム内の北彩館(ピルスナーのみ)であるが、残念ながら十和田市中心部の飲食店で奥入瀬ビールが飲める店は今のところないようである。考えてみれば元々奥入瀬ビールは旧十和田湖町のビールなので、旧十和田市エリアでは飲める店がないのかもしれない。合併によって今後十和田市中心部でも奥入瀬ビールが飲めるようになることを期待したい。

 一方、旧十和田湖町内である十和田湖周辺にはやはり奥入瀬ビールを飲める所がある。十和田湖周辺で最も宿泊施設が集中しているのは休屋地区であるが、ここにある宿泊施設のレストランなどでは奥入瀬ビールが飲めるところがある。例えば、国民宿舎十和田湖温泉などである。宿泊施設であれば、車の心配もなくとことん奥入瀬ビールを堪能できる。

 休屋地区にはこれとは別にもう一軒、地ビールを飲めるところがある。十和田神社一の宮近くにある「オアシス」というレストランである(十和田市奥瀬字休屋16、TEL0176-75-2520)。ここでは、奥入瀬ビールではないが、「いわて蔵ビール」を作っている岩手県一関市の「世嬉の一酒造」に特注して「ブルーオアシス」と「クリスタルエール」というこの店オリジナルのビール(発泡酒)を出している。

 「ブルーオアシス」は十和田湖をイメージした青色が印象的なビールである。どちらも軽さと喉越し重視で地ビールの芳醇な味を求める向きには物足りないかもしれないが、ここでしか味わえないということで貴重なビールである。そうそう、夜は居酒屋になって店の名前が変わる(名前忘れた)。比内地鶏の鶏肉と卵を使った特製の親子丼がおいしい。


追記(2007.5.17):上記「オアシス」だが、夜は1階が「お食事処 神田川」、2階が「居酒屋 はなしのぶ」という名前である(TEL0176-75-2515)。


追記(2010.5.13):十和田湖畔の休屋にある「田子屋商店」(十和田市大字奥瀬字十和田湖畔休屋486、TEL0176-75-2519)は主に酒と薬を扱っている商店だが、ここに「青森りんごのお酒」と「ブラック・アップル」というオリジナルビールがあるそうである。醸造しているのは新潟麦酒である。私もまだ現物にはお目にかかっていないが、ぜひ一度飲んでみたいものである。

 それにしても、十和田湖畔は「知られざる地ビールスポット」である。上で紹介した「奥入瀬ビール」の他、世嬉の一酒造の「ブルーオアシス」と「クリスタルエール」、以前紹介したわらび座の醸造する「十和田八幡平麦酒」3種(「鹿角」「十和田」「八幡平」)、それにこの新潟麦酒の「青森りんごのお酒」と「ブラック・アップル」と、錚々たる顔ぶれの地ビール醸造所が十和田湖畔でオリジナルビールを提供しているわけである。十和田湖畔に行ったらこれらのビールの飲み比べをするのも楽しそうである。


追記(2018.4.3):これまで十和田市内で奥入瀬ビールが飲める店はなかったが、今年から「やきとり夢屋」(十和田市東三番町1-1、TEL0176-25-3227)で飲めるようになった。これはありがたい。焼き鳥と地ビール、いい組み合わせである。


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