鳥の海ブルワリー  

2018年01月14日

祝!「定禅寺通地ビール館」オープン!宮城におかえりなさい!〜東北で地ビールが飲める店その77

WP_20171228_21_53_59_Rich_LI  岩手県花巻市にある「夢花まき麦酒醸造所」が造るフルーツビールなどが樽生で飲める直営店「定禅寺通地ビール館」( 仙台市青葉区立町23ー16、TEL022-393-6221、22時LO、日曜定休)が昨年12月にオープンした。メディアテークの西公園よりの斜め向かいにある、「アルファホテルin定禅寺(旧ホテルプレステージ2)」の1階である。

  東日本大震災の大津波で建物、醸造設備、出来上がったビールなど全てが流されてしまった宮城県亘理町の地ビール醸造所「鳥の海ブルワリー」が、震災から1年9ヶ月後の2012年12月に岩手県花巻市に場所を移して「夢花まき麦酒醸造所」として復活したことは以前このブログでも紹介した

  かつて飲めたフルーツをふんだんに使ったビールも、ペットボトル入りのビールも復活してそれはとても嬉しかった。仙台で9月に開催される「仙台オクトーバーフェスト」には毎年東北の地ビール醸造所も何か所か出店するが、2013年からは「夢花まき麦酒醸造所」も出店してくれるようになった。まさに「里帰り」である。

  それはそれで嬉しかったのだが、なにぶんにも普段は花巻である。仙台では日常的にはなかなか飲める機会がなく、ほんのちょっと残念に思っていた。かつて、仙台駅近くの名掛丁アーケード街には、「鳥の海ブルワリー」直営の居酒屋があって、フルーツビールを樽生で飲むことができたので、よく通ったものである。仙台駅周辺と言えば、ここか夕焼け麦酒園が私の行きつけの店だった。あの時みたいに飲める店、それが無理ならせめて「ペットボトルビール」を置いてくれる店があればなぁと思っていた。

WP_20171228_21_59_07_Rich_LI  そうしたところになんと、「鳥の海ブルワリー」が「夢花まき麦酒醸造所」として復活してからちょうど5年経って、ついに、ついに「宮城帰還」である。これは嬉しい。心から「おかえりなさい」と言いたい。定禅寺通りに新しくビールメインの店ができるらしいという話は、アンバーロンドの田村さんに教えてもらっていて知っていたのだが、まさかそれが「夢花まき麦酒醸造所」の店だとは思いもよらなかっただけに、嬉しさもひとしおである。昨年中はプレオープンで、1月4日に正式オープンしたが、「いちご&紅花」、「りんご&はちみつ」、「ぶどう」のフルーツビールなど6種類のビールが樽生で飲める。

WP_20171228_22_18_19_Rich_LI  「夢花まき麦酒醸造所」にもあった飲み放題もあって、現在オープン記念でなんと60分950円である(1月19日からは1,400円)。他に料理と飲み放題がセットになった宴会プランもある。料理も充実していて、しかも美味しい。写真のジャンボソーセージは無添加ソーセージで知られる勝山館ソーセージである。ランチではスープカレーも食べられる。まだ食べてはいないが、こちらもぜひ食べてみたい。

  1月14日現在、ウェブ上で「定禅寺通地ビール館」の情報を検索してみても、求人情報がヒットするくらいで、お店の情報はまだないようである。美味しいビールが美味しい料理と一緒にリーズナブルに楽しめる店なので、ぜひたくさんの人に足を運んでもらえたらと思う。特に、フルーツビールは「ビールは苦手」という人にもぜひ味わってみていただきたい。あ、ただし、このフルーツビール、飲みやすい割にアルコール度数が他のビールよりも高めなので、そこだけ要注意である。


追記(2018.2.5):その後、ホットペッパー内にお店のページができて、コース、料理、ドリンクなどが確認できるようになった。
 また、お店のツイッターも始まっている。「是非皆様1度でいいのでいらして下さい!」と控えめなPRなのが何となく好ましい。

追記(2018.11.19):しばらくの間「店内改装中につき休業中」との張り紙があり気になっていたのだが、「定禅寺通地ビール館」は閉店してしまったようである。
現在は別のフレンチビストロの店に代わってしまった。
残念なことである。


追記(2018.2.15):「定禅寺通地ビール館」は閉店したが、新聞報道によると今年8月に名取市閖上東地区に新工場「ゆりあげ麦酒醸造所」(仮)がオープンする予定とのことである。岩手県花巻市内の「夢花まき麦酒醸造所」では震災前の3分の1程度の量しか醸造できていなかったそうだが、この新工場では震災前と同等の60kLの醸造が可能となるそうである。これまで同様のイチゴ、リンゴ、ブドウを使ったフルーツビールに加えて、名取産のメロンを使ったビールも造る予定とのことである。

また、塩竈市北浜の「第一漁協会館」2階に60席のビアホールを開設するとのことである。ビアホールは3月下旬から4月上旬のオープンとのことで、工場直送のビールが飲めるそうである。

塩竈市内には今年1月にブルーパブ「アルゴンブリューイング」もオープンしており、2月には阿部善商店が「松島ビール」に委託して造った「塩竈ビール」も販売が開始している。塩竈のビールシーン、今年は殊の外盛り上がりそうである。


追記(2018.2.16):朗報である。「定禅寺通地ビール館」が閉店した後にできたのが「フレンチビストロ  ラ・テール(French Bistro La terre)」(TEL022-395-8355、11:00〜14:30、17:00〜21:30LO、不定休)であるが、同店では「夢花まき麦酒醸造所」の「いちご&紅花」、「ぶどう」、「ラガー」の3種が飲めるそうである。


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2014年10月28日

東北で地ビールが飲める店 番外編その30〜東北地ビール紀行補遺「地元の原料を使った地ビール」

tohoku-fukko28 「東北復興」紙の第28号が9月16日に発行された。この中で砂越氏は東北の水産業の復興について論を進めている。また、東北発の情報発信の重要性についても提言を行っている。重要なことである。私も、東北発のビール情報をこれからも発信していきたいと思う(笑)。

 さて、そんな中で私が寄稿したのは「地元の原料を使った地ビール」というテーマの記事である。前々号まで隔月で連載していた「東北地ビール紀行」だが、迂闊にも紹介するのを失念していた醸造所が2箇所あった。今回は「補遺」としてその2箇所の醸造所について改めて紹介すると共に、本来的な意味の「地ビール」として、地元の原材料を用いたビールについても併せて取り上げてみた。以下がその全文である。



東北地ビール紀行補遺〜地元の原料を使った地ビール

 この「東北復興」紙の別コーナーで、隔月で「東北地ビール紀行」という連載も担当させていただいていた。そちらの方ではこれまで、東北六県の各地の地ビールを紹介し、7月の第26号で東北のビールイベントも紹介してめでたく最終回、…となったはずだったのだが、なんと迂闊なことに、これまでに紹介した他に二つ、紹介し忘れていた地ビール(地発泡酒)があることに気づいた。それは、岩手県花巻市の「夢花まき麦酒」と福島県二本松市の「ななくさビーヤ」である。

 そこで今回は、この場を借りて「東北地ビール紀行」の「ホントの最終回」として、この「夢花まき麦酒」と「ななくさビーヤ」を紹介すると共に、これら2つの地ビールにも共通している特徴、「地元の原料を用いた地ビール」に焦点を当ててその他の地ビールについても紹介してみたい。

震災から復興した「地ビール」
「夢花巻物語」はペットボトル入り地ビール 以前、宮城県の沿岸南部、亘理町に「鳥の海ブルワリー」という地ビール(発泡酒)醸造所があった。そこでは主に、地元亘理町のりんごやいちご、隣接する山元町のぶどうを使った「スパークリング・フルーツ」というフルーツ発泡酒を醸造していた。後で紹介するように、最近でこそ東北の地ビール醸造所でも果物を使ったビールを作るところが増えてきているが、以前から手掛けているのはこの「鳥の海ブルワリー」以外には、天童にある2つの醸造所、「天童ブルワリー」と「将棋(こま)のさとブルワリー&果実むらブルワリー」くらいだったので、その意味でここのフルーツ発泡酒は貴重だった。ビール酵母とワイン酵母という2種類の酵母を使って長期熟成した発泡酒で、アルコール度数が7度もありながら、フルーツの瑞々しさが残る軽やかな味わいが特徴であった。

 あの東北地方太平洋沖地震の折、沿岸にあった「鳥の海ブルワリー」は未曾有の大津波に襲われた。そして、建物、醸造設備、出来上がったビールまで全てが津波に流されてしまった。「鳥の海ブルワリー」はこの地震によって東北の地ビール醸造所で唯一、壊滅的な打撃を受けてしまったのである。

 幸い、社長以下従業員の皆さんは無事だったが(と言っても、津波に巻き込まれながら電柱にしがみついて危うく一命を取り留めた方もおられたそうだが)、津波で全てが流されてしまった元の場所ですぐ再起を期すのは困難だった。そこで、縁あった岩手県の内陸、花巻市に場所を移して醸造所とレストランを新設、震災発生から1年9ヶ月経った2012年12月に醸造を再開、翌1月に正式オープンした。それが、夢花まき麦酒醸造所(岩手県花巻市東町5-30、TEL0198-29-5840、16:00〜22:00、月曜定休)である。

 この再開は我がことのように嬉しかったので、私はプレオープン初日の12月12日に醸造所に足を運んだ。そこでは懐かしいぶどうエールとりんごエールが味わえた。他にもラガーとライトエールがあった。津波で全てを失ったゼロからの再出発でよくぞここまでと感慨深いものがあった。

 私は実は、震災発生の1週間前に亘理町で開催された「亘理産業まつり」の折に、「スパークリング・フルーツ」を3本購入していた。そのうち、一番お気に入りの「いちご」はすぐ飲んでしまっていたが、残る「ぶどう」と「りんご」は「もう二度と手に入らない」と思って、手をつけずに保管していた。当日は、恐らく「鳥の海ブルワリー」として作られた、現存する最後のビールであろうこれらのビールのうちの1本をご祝儀として持参し、再開を喜び合った。

 この「夢花まき麦酒」、昨年、毎年9月に仙台市内で開催される「仙台オクトーバーフェスト」で、宮城県への「里帰り」を果たした。久々のりんごエールとぶどうエールは会場でもかなりの人気で、すぐに完売となってしまっていた。今年も9月19日(金)〜28日(日)に開催される同フェストに出店するそうである。今年はりんごエールとぶどうエールに加え、いちごエールもお目見得するそうである。これは品切れになる前に飲まなくては(笑)。

 普通地ビールは瓶か缶に詰められているものだが、夢花まき麦酒醸造所では「夢花巻物語」というペットボトル入りのビールも発売した。これも実は以前「鳥の海ブルワリー」があった頃に売っていたもので、初めて見る人にとっては「斬新」なものに映るだろうが、当時を知る者にとっては実に「懐かしい」アイテムである。

 ともあれ、新しい「地元」となった花巻市にとっても初めてできた地ビールであり、地元の人たちの間でもだいぶ定着してきているようである。将来的には被災した亘理町での再建も目指すとのことなので、今度は醸造所が「里帰り」するのを楽しみに待ちたい。

畑で取れた原材料で作る「地ビール」
「ななくさビーヤ」の「ビーヤ」はかわいいみつばちのキャラクター 農林水産省のキャリア官僚だった関元弘さん、奈央子さん夫妻が、有機農業を実践するために30代半ばにして農林水産省を退職、福島県二本松市の中山間地域に移り住んで農業を営んでいるという話は、震災後の2011年11月に日経ビジネスオンラインの記事で読んだ。その記事では、発泡酒の製造免許を取得し、自分で作った麦を使って地ビール(発泡酒製造免許なので厳密には発泡酒)を作ろうとしていることも紹介されていた。

 東北の地ビールは、最低製造数量基準が引き下げられた1994年から数年の間に醸造を始めた醸造所がほとんどで、その後は醸造をやめるところはあっても、新たに醸造を始めるところはこれまでなかった。そのような中での新しい地ビール(地発泡酒)である。しかも、自分で栽培した麦を使って醸造するというのである。どのようなものになるのか、ぜひ一度飲んでみたいと思っていた。
 
 そうしたところ、その翌年、私もボランティアで参加した「ビアフェスタふくしま2012」で、件の関さんがご自分の作った地発泡酒「ななくさビーヤ」を出展していた。それでいろいろとお話をお聞きしながら、この東北の新しい「地ビール」を味わうことができた。

 その時に関さんが持参した「ななくさビーヤ」は黒っぽい色合いのものだったので、ギネスなどと同様のスタウトかと思いきや、さにあらず。単なるスタウトではなく、なんと干し柿を使用した、恐らく世界で唯一の「干し柿スタウト」だったのである。関さんはそれ以外にも、やはりご自分で栽培した小麦を使った「白ビール」風の地ビールや、ゆずを使ったフルーティーな地ビール、それにこれまた恐らく世界で唯一と思われる、桑畑で取れた桑の実を使った地ビールなど、様々な「ななくさビーヤ」を作っている。

 ちなみに、「ななくさビーヤ」という名前、「ななくさ」は住んでいるところの行政区が「7区」であることと、春や秋の七草が取れるような自然豊かな農園でありたいという願いを込めた命名で、「ビーヤ」は奥さんの奈央子さんが考えた、写真の瓶のラベルにあるミツバチのキャラクターの名前だそうである。この名前での認可を巡っては、「『ビール』と紛らわしく誤解される恐れがある」と言って難色を示す税務当局と丁々発止のやり取りがあったそうである。

 なお、この「ななくさビーヤ」、関さんの「ななくさ農園」他、「道の駅ふくしま東和」でも購入することができる。

地元で取れたものを使って作る地ビール
 地ビールと言うと、「その土地のビール」というイメージだが、原材料までその土地のものであるという地ビールは、実は数少ない。ビールに使われる原料である麦芽やホップは、圧倒的に海外産のものが多く流通しているし、多くの地ビールは醸造開始時にドイツやチェコなど、ビールで有名な国のビールをお手本にしていることが多いので、原材料も同様にそれぞれの国のビールで使われるものを使っていることが多いのである。もちろん、そのことはそのスタイルのビールを醸造するために必要なことであるわけで、そうした原材料の吟味と醸造者の醸造技術のお蔭で、海外のビールと対等以上に渡り合える地ビールが、東北を含め全国各地に存在するわけである。

 その一方、「地産地消」の機運の高まりと共に、地元の原材料を使った地ビールもこの東北において着実に増えてきつつある。「東北地ビール紀行」の「最終回」で、東北のホップを100%使用したキリンの「一番搾りプレミアム」やサッポロの「黒ラベル『東北の恵み』」を紹介したが、東北各地の地ビール醸造所もそうした大手の取り組みに負けず劣らず、地元の原材料を使ったオリジナルのビールを作っている。

「青森ニンニク黒ビール」はかなりのインパクト 先に紹介した「夢花まき麦酒」や「ななくさビーヤ」はその典型だが、それ以外にも私が知っているだけでもかなりの数の東北由来の原材料を使った地ビールが、この東北には存在する。北から見ていくと、まず青森では、下北半島の北端、大間町の崇徳寺で「卍麦雫」を醸造しているバイコードリンクが、青森のりんごを使った「あおもりアップルドラフト」や、青森市特産のカシスを使った「あおもりカシスドラフト」、青森産の山ぶどうを使った「山ブドウビール」、それに青森産黒にんにくを使った「青森ニンニク黒ビール」を醸造している。

 秋田には、仙北市の田沢湖ビールに、毎年秋に登場する「あきた麦酒 恵」がある。これはビールの原材料である大麦、ホップ、水、酵母のいずれもが秋田県産という、本来の意味での「地ビール」と言える。その年に収穫した原材料で仕込むので、田沢湖ビールでは「ボージョレ―ヌーボー」になぞらえて「ビアヌーボー」と称している。「二条大麦」と「六条大麦」の2種類のビールがあるのも特徴である。通常、ビールにするのは「二条大麦」の方で、「六条大麦」は押麦としてご飯に混ぜたり、麦茶にしたりする麦だが、「あきた麦酒 恵」では秋田県内で収穫された両方の大麦をそれぞれビールにしている。飲み比べると、麦の違いがビールの味にどう影響するかが分かって興味深い。

「あきた麦酒 恵」は全ての原材料が秋田産 なお、この「あきた麦酒 恵」、今年は10月4日発売開始だが、それに先駆けて先ほど紹介した「仙台オクトーバーフェスト」に、樽生が登場する。私が毎年このオクトーバーフェストに足を運ぶ理由の一つである。

 田沢湖ビールには他に「ぶなの森ビール」というビールもある。これは酵母が秋田の白神山地産で、全国で唯一の、ブナの森の腐葉土から採取した天然酵母を使用したビールである。秋田県内には他に、県内の桜の名所、二ツ井の桜の木から採取した天然酵母を使ったビールもあり、お花見シーズンにお目見えする。これは秋田県内の地ビール醸造所三社がそれぞれ醸造しており、田沢湖ビールでは「さくら」、秋田市のあくらビールでは「さくら酵母ウィート」と「さくら酵母ビール」、仙北市の湖畔の杜ビールでは「桜酵母ビール」として商品化されている。

 他に、あくらビールには「ふたりがかり」というビールがある。これは大潟村産の二条大麦「小春二条」を100%使用したビールである。

「福幸」は石割桜から採取された酵母で醸造 岩手には、まず盛岡市のベアレンビールに岩手県産りんごを使った「アップルラガー」と「クリスタルアップルラガー」がある。また、ホップ生産量日本一を誇る遠野市の地ビール、ズモナビールではピルスナーやヴァイツェン、メルツェンなど主だったビールに遠野産ホップが100%使用されている。

 一関市のいわて蔵ビールには、三陸広田湾産の牡蠣を使用した黒いビール「オイスタースタウト」、地場産の「小春二条」と南部小麦を使用した白ビール「こはるホワイトエール」、一関産の山椒の実を使用した「ジャパニーズハーブエール山椒」、岩手県産干し柿から採取した天然酵母を使用した「自然発酵ビール」、そして岩手県が誇る石割桜から採取した酵母を使用し、震災からの復興を願って作られた「東北復興支援ビール 福幸(ふくこう)」がある。

「古代米エール」は地元産の古代米を使用した褐色のビール 宮城ではまず、大崎市の地発泡酒「鳴子の風」の中に、地元産の自然乾燥米「ゆきむすび」を使用した「ゆきむすび」がある。大郷町の松島ビールではイベント限定で地場産いちごを使用した「スウィートベリー」を醸造している。また、角田市の仙南クラフトビールには地元産の古代米を副原料に使用した「古代米エール」がある。さらに、今年は仙南2市7町の代表銘柄米を原料の一部に使用した「蔵王山麓米(マイ)ラガー」シリーズを企画している。これまでに角田市の「つや姫」、七ヶ宿町の「山のしずく」、蔵王町の「ひとめぼれ」を使用した「米ラガー」が登場している。


「SOBA DRY」は山形産の更科そばを使用 山形では、天童市の温泉旅館「湯坊いちらく」の中にある天童ブルワリーが、山形県産の更科そばを使用した「SOBA DRY」を醸造している。なお、同ブルワリーには先に触れたようにさくらんぼを使った「聖桜坊(セントチェリー)」と野いちごを使った「フランボワーズ」というフルーツ発泡酒もあるが、これらについては果物の産地は明示されていない。同じ天童市の「将棋のさとブルワリー&果実むらブルワリー」では、地元天童産のラ・フランス、りんご、ぶどう、さくらんぼを使用した地発泡酒を醸造している。




「なつはぜふるーてぃエール」はナツハゼを使った珍しいビール 福島では、福島市のみちのく福島路ビールに福島県産米「ひとめぼれ」と県オリジナル酵母「うつくしま夢酵母」を使用した「米麦酒(マイビール)」、福島市特産のももを使用した「ピーチエール」がある。これらに加えて最近では、地元の果樹農家とタイアップして地元産の果物を使った地ビールを醸造している。これまでに「林檎のラガー」、「苺のラガー」、「なつはぜふるーてぃエール」などが商品化されている。






様々な特産品を使った地ビールを
 これまで見てきたように、各地の特産品を活かした地ビールが東北には多くある。もちろん、伝統的な原材料と製法で作られた従来のスタイルの地ビールも文句なく美味しいが、こうした取り組みは、地ビールの多様化、それに伴うファン層の拡大、そして地域の農業の振興にもつながると思う。

栃木マイクロブルワリーでは醸造するビールが人気投票で決まる 以前、宇都宮にあるブルーパブ(醸造所を備えたビアパブ)「栃木マイクロブルワリー」に行った時に面白いなと思ったのは、壁に貼られた「BEER味つけリクエスト」である。「10票集まれば仕込みます」とあるが、「イチゴ」や「ピーチ」、「チェリー」、「リンゴ」といった、これまで紹介したように東北の地ビールにもあるものに加えて、「コーヒー」、「カレー」、「ヒノキ」、「シイタケ」、「ミョウガ」、「しじみ」なども10票を超えている。果たしてこれらで仕込んだ地ビールはどのような味がしたのか、興味あるところである。

 ここまででなくても、東北には各地に様々な特産品がまだまだ多くある。まず、それらの特産品をビールにしてみたらどうなるか、という発想で新しい地ビールを考えてみるのも楽しそうである。例えば、先に紹介したいわて蔵ビールの「ジャパニーズハーブエール山椒」は、一見ちょっと後ずさりしそうな組み合わせであるが、飲んでみるとコリアンダーやオレンジピールなどを使ったベルギーの白ビールにも似たさっぱりした風味が特徴的なビールで、実際かなりの人気があるそうである。

 幸い、東北には質の高い地ビール醸造所が各地に多くある。こうした形で、地域協働で新しい地ビールづくりに取り組んでみるのも、地域活性化の一つの方策として有益ではないだろうか。ビール好きの一人として、次はどんなオリジナルな地ビールが登場するかワクワクしながら待ちたいと思う。


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2012年12月27日

私的東北論その39〜震災でゼロから復活した地ビール醸造所

121212-105953 以前、宮城県の沿岸南部、亘理町にある宮城マイクロブルワリーが運営する「鳥の海ブルワリー」の「スパークリング・フルーツ」というフルーツビールを紹介した。東北の地ビール醸造所で果物を使ったビールを作っているのは、ここ以外には天童にある2つの地ビール醸造所、天童ブルワリーと将棋のさとブルワリー、それに最近地元の果樹農家と提携して本格的に醸造に乗り出したみちのく福島路ビールくらいなので、ここのフルーツビールは貴重だった。2種類の酵母を使って長期熟成し、アルコール度数は7度ありながら、フルーツの瑞々しさが残る軽やかな味わいはここだけのものであった。

 当該ページに追記したが、昨年のあの東日本大震災の折、沿岸にあった「鳥の海ブルワリー」は大津波に襲われた。「鳥の海ブルワリー」はこの未曽有の大津波で建物、醸造設備、そして出来上がったビール全てが流されてしまった。東北の地ビール醸造所で唯一壊滅的な打撃を受けてしまったのである。

 幸い、社長以下従業員の皆さんは無事で、(と言っても津波に巻き込まれ電柱にしがみついて危うく難を逃れた方もおられたそうだが)、再起を期しているということは聞いていて追記した通りであるが、震災発生から1年9ケ月経った今月12日、岩手県の内陸、花巻市に場所を移してついに復活した。それが、「夢花まき麦酒醸造所」(花巻市東町5-30、TEL0198-29-5840、11:00〜22:00、月曜定休)である。


 亘理町にあった時にあった、地元で取れるいちご、ぶどう、りんご、ももなどで作るフルーツビール、この花巻でも既にぶどうとりんごのビールが出来上がっていた。他にラガーとライトエールがあった。津波で全てを失ったゼロからの再出発でよくぞここまでと感慨深かった。


 私は実は、震災の1週間前に亘理町で開催された「亘理産業まつり」の折に、「スパークリング・フルーツ」を3本購入していた。そのうち、一番お気に入りの「いちご」はすぐ飲んでしまっていたが、残る「ぶどう」と「りんご」はもう手に入らないということもあって、震災後飲めずに保管していた。今回、花巻で再出発すると聞いて、何としてもオープン初日に駆け付けたいと思った。そして、その折にはこの、手元に残った、恐らく「鳥の海ブルワリー」で作られた、現存する最後のビールであろうこのビールをご祝儀に持参したいと思っていた。


 当初は9月にオープンと聞いていたが、店舗の完成に遅れが生じたことやビールの完成度を高めるために時間が必要だったことから、最終的に今月のプレオープンとなった。プレオープン初日の12日に足を運んで、手元にあった2本のうち、「ぶどう」を手渡した。新たに出来上がったビールを試飲させていただいたが、ぶどうとりんごのフルーツビールは、亘理町にあった時の出来栄えと比べても全く遜色がなかった。新たに醸造したラガーは重厚な味わい、ライトエールは逆に軽い味わいで、それぞれキャラクターが明確で飲み比べも楽しそうである。


 「夢花まき麦酒醸造所」のある建物には2つの店舗がある。一つはビアホール「夢花まき地麦酒園」、もう一つは手作りパン工房「ヨーロッパの味かく D&Fロジ」である。「夢花まき地麦酒園」では、作りたてのビールを飲みながら食事ができる。ビール酵母に漬け込んだホルモン焼きが名物である。「ヨーロッパの味かく D&Fロジ」の手作りパンも種類が豊富で味もよかった。もとより、ビールもパンも、酵母によって出来が左右されるという点で共通するものがあるのだろう。


 正式オープンは来年1月11日とのことだが、花巻に初めてできた地ビール、地元の人たちにも楽しんでもらえるといいなと思う。今後、花巻市とタイアップして、宮沢賢治の名を冠した地ビールの開発も検討するという。ゆくゆくは被災した亘理町での再建も目指すそうなので、今後にも期待である。



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2009年09月27日

東北で地ビールが飲める店 番外編その10〜仙台オクトーバーフェスト2009

a85ac7b9.jpg 仙台で18日から27日までの日程で仙台オクトーバーフェスト2009が開催されている。以前書いたが今年は6月のジャーマンフェストに続いて2回目の開催で、仙台の季節のイベントとしてすっかり定着した感がある。

 今年もパウラナーのヴァイツェン、ヴァイツェン・デュンケルを始めとするドイツの樽生ビールが顔を揃えた。対してこれを迎え撃つ(?)東北の地ビールも、銀河高原ビールを始め、いわて蔵ビールズモナビールの岩手県勢に、鳥の海ブルワリー伊達政宗麦酒(瓶のみ)の地元宮城県勢、それに富士桜高原ビールが助っ人として加わった充実のラインナップである。

 料理の方もビールに負けないくらいの充実ぶりで、ドイツ直輸入のオクトーバーフェストオリジナルソーセージに、地元岩出山家庭ハムグルックルのハム、ソーセージ、それに東北の誇る庄内・平田牧場の三元豚がオクトーバーフェスト初登場である。

 おいしいビールとおいしい料理が味わえるとあって、連日連夜相変わらずの盛況ぶりで、週末などは席を確保するのにも一苦労の状況である。
 10日間にわたった今回のオクトーバーフェストも今日が最終日。きっと今日も昼から盛り上がっていることだろう。そうそう、足を運ぶ際には、公式ホームページからクーポン券をダウンロードして持っていくとよい。ビールや料理などが割引になってお得である。

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2008年08月23日

東北で地ビールが飲める店 番外編その7〜仙台オクトーバーフェスト2008

1b4e4f5f.jpg 今年もオクトーバーフェストが仙台で始まった。昨年よりさらにパワーアップとの言葉通り、飲めるビールの種類もさらに多くなり、またフードメニューを提供するブースもワインを提供するブースも増え、ビール好き以外にも広くアピールできる陣容となっている。年々開催日は早まっているが、今年は8月23日から31日である。完全に「オーガストフェスト」である。もちろん、私としてはおいしいビールが飲めるイベントなら時期は問わないが。

 今年もエルディンガー・ヴァイスビア、ビットブルガー・プレミアム・ピルス、ケストリッツァー・シュバルツビアの生はもちろん飲めるが、今年はエルディンガー・ヴァイスビア・デュンケルが加わった。他に、フランツィスカーナ・ヘーフェ・ヴァイスビア・ゴールド、パウラーナー・ヴァイスビア、シュパーテン・オプティメーター、シュパーテン・ミュンヒナー・ヘル、プレミアムボックなどの生も飲める。瓶ではイギリスの5種類のエールやイタリア、チェコ、ギリシャ、フランス、フィリピン、オーストラリアなど各国のビールが味わえる。

 地ビールでは、岩手の銀河高原ビールのヴァイツェン、スタウト、ペールエールの生、ズモナビールのクリスタル・ヴァイツェン、ピルスナー・ボックの生、いわて蔵ビールのヴァイツェン、スタウト、インディア・ペールエール、レッドエール、宮城の鳥の海ブルワリーのシャンパンビール、仙台ラガーの生が飲める。今年は山梨の富士桜高原麦酒のヴァイツェン、ラオホ、ピルスも出展している。ラオホはドイツのビールも含めて会場内で唯一である。また、サイトには出ていないが、奥州仙台伊達政宗麦酒もホテルコムズ仙台のブースで飲める。

 銀河高原ビールでは、このオクトーバーフェストに合わせてつくったオリジナルのグラスが登場した。3種の生のいずれかとのセットで1,300円である。会場内のドイツビールと同様、グラスを返却するとその分の金額がバックされる。ドイツスタイルのビールが多い中、鳥の海ブルワリーでは今回で最後の醸造になるというブルーベリーのシャンパンビールが要注目だったが、醸造が間に合わず今回は見送りとなったそうである。あと1か月くらいとのことなので、鳥の海ブルワリーに足を運んで購入することになりそうである。

 フードメニューは、ドイツ直輸入のハム・ソーセージに交じって、地元宮城が誇る岩出山家庭ハムの種類豊富な手作りハム・ソーセージが目を引いた。他にもいわて蔵ビールの石蔵レストランクラストン、APAホテル、ホテルコムズ仙台、にぎわい居酒屋塩釜亭などが出店しており、好みに応じてさまざまな料理が味わえる。

 それにしても、またしても残念なのは昨年に引き続き天候である。初日も2日目も雨で、しかも気温も低く肌寒く、いわゆるビール日和でないのが惜しい。もっとも、昨年同様、そんな天候のことなどお構いなしにテント内の座席は大いに盛り上がっていた。3年目を迎え、仙台市民の間でもすっかり定着した感のあるイベントとなったようである。


追記(2008.8.29):事前の大雨予報にも関わらず天気が持ち堪えたこの日は、週末ということもあって、多くの人が訪れていた。初来日のドイツの楽団、ハッピーババリアンの演奏は、サイトには土日のみのように掲載されているが、実際にはこの日も楽しげな演奏を繰り広げており、会場の雰囲気を大いに盛り上げていた。しかし、無事終了時刻を迎えたと思ったら、それを待っていたかのように未曾有の雷雨が降ってきた。残り2日間どうなるか、天のみぞ知る、である。

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2008年05月02日

東北で地ビールが飲める店 番外編その5〜第5回東北地ビールフェスティバルin福島

ea9e088c.jpg 明日5月3日から5日まで、「第5回東北地ビールフェスティバルin福島」がJR福島駅前のまちなか広場にて各日とも11:00〜17:00の予定で開催される。

 同フェスティバルは毎年、7月中旬の海の日を含む三連休期間に岩手の小岩井農場を会場に行われてきたが、今回は日程、開催場所とも変更しての開催である。

 東北各地の地ビール醸造所から、今年は青森の八戸シャトービール(合同酒精株式会社)、岩手の銀河高原ビール(東日本沢内総合開発株式会社、5月3日のみ出店)、遠野麦酒ZUMONA(上閉伊酒造株式会社)、宮城の奥州仙台伊達政宗麦酒(長沼環境開発株式会社)、鳥の海ブルワリー(株式会社宮城マイクロブルワリー)、山形の地ビール月山(西川町総合開発株式会社)、福島のみちのく福島路ビール(有限会社福島路ビール)、猪苗代地ビール(親正産業株式会社)が出店する予定となっている。東北各地の地ビールの飲み比べができる機会は少ない。その意味で、東北のビール好きにとって嬉しい、とても貴重なイベントである。

 今回のフェスティバルで特筆すべきは、上記の地ビールに加えて、少量の限定販売ながら、以前醸造を取り止めたことを伝えた会津麦酒写真参照)も会場で販売されることである。恐らく、会津麦酒を飲める最後の機会となるのではないだろうか。

 そう言えば、今回の福島での開催には、会津麦酒のジョン・シュルツ氏の協力があったと、会津若松の「くいしん坊」のおかみさんが言っていた。シュルツ氏が会場を訪れるかどうかは分からないが、なくなる前にもう一度会津麦酒を、という向きは、早めに来場することをオススメしたい。


追記(2008.5.6):毎日新聞の地域版に、今回の東北地ビールフェスティバルの模様が報じられていた(該当サイト)。「“幻のビール”に注文殺到」との見出しで、会津麦酒の最後の樽に注文が殺到したと書かれている。

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2007年09月01日

東北で地ビールが飲める店 番外編その4〜仙台オクトーバーフェスト2007

19013425.jpg オクトーバーフェストが今年も仙台にやってきた。10月にドイツで行われる伝統的なビール祭りを日本でもということで始まったこのオクトーバーフェストは、昨年初めて仙台でも開催されたが、盛況だった。そんなわけで今年も開催という運びになったのだろうが、今年はなんと8月27日からの開催である。

 昨年行われた時は8月30日から9月3日の5日間だったので、オクトーバーじゃないじゃんと突っ込んだが、今年はさらに早まって8月27日開始である。「オーガストフェスト」である。もっとも、本国よりも先にビール祭りが楽しめるのは何となく得した気分になるし、何と言っても日本はビールと言うと夏というイメージが強いので、この時期の開催もよいのかもしれない。それに今年は開催期間も1週間と伸びたのも嬉しい。

 内容も今年は昨年よりもさらにパワーアップしていた。生で飲めるドイツビールも昨年はエルディンガー・ヴァイスなど3種だったが、今年は新たにフランツィスカーナ・ヘーフェヴァイスビアなど4種が加わって7種、その上このブログでも過去に紹介した銀河高原ビール該当ブログ1該当ブログ2)、平庭高原ビール該当ブログ)、ズモナビール該当ブログ)、みやもりビール該当ブログ)、いわて蔵ビール該当ブログ)など岩手県内の地ビールや、宮城県の鳥の海ブルワリーのシャンパンビール(該当ブログ)、伊達政宗麦酒など、東北の地ビールも飲めるようになった。フードメニューについても、ドイツソーセージも地元の名物もさらに充実しており、食の面でも楽しめる。

 ただ、問題は天気である。お盆明けまでの猛暑が嘘のように、このところ仙台は秋雨前線の影響で肌寒い雨がちな天気が続いており、屋外でビールをという雰囲気に文字通り水を差されたのが残念であった。もっとも、31日の夜に足を運んでみたが、そんなこととは関係なくテント席の中はたくさんのビール好きで盛り上がっていたし(写真参照)、傘を差しながら屋外の席で飲んでいる強者もいた。

 ドイツのビールはもちろんドイツの民俗音楽が流れるその場の雰囲気にマッチしていたが、東北の地ビールもドイツスタイルのものが多いので、違和感なくこのビールのお祭りに溶け込んでいた。

 中でも特筆すべきは、銀河高原ビールである。私の毎日の晩酌に欠かせないこのビールのブースを覗いてみたところ、馴染みのあるヴァイツェンではなく、限定醸造というサマーホワイト、赤銅麦酒という2種の生ビールがあった。サマーホワイトはベルギースタイルで、以前あった「白ビール」缶を思い起こさせる色あいだが、その頃の白ビールよりもさらに工夫を凝らして違ったビールに仕上がっているという。赤銅麦酒の方はイギリススタイルの赤褐色のエールで、これまでの銀河高原にはなかったビールである。どちらのビールも、以前紹介した醸造所のある沢内銀河高原<でもまだ飲めない貴重品とのことで、地ビール好きにとってこの銀河高原の限定ビールは実は、このビール祭りの大きな目玉の一つと言えよう。

 ブースにいた方としばし話をしたが、銀河高原ビールはこれからもいろいろなことにチャレンジしていくとのことだった。とりあえず数カ月後にも何か動きがあるようで、楽しみである。銀河高原ビールは、東北の地ビールの中ではやはりリーダー的存在だと私は思っているので、一時の苦難を乗り越えて新たなチャレンジが始まったことをとても嬉しく思った。

 そうそう、この仙台オクトーバーフェスト2007は、残すところ今日と明日の2日のみである。週末でもあるし、少しでも天気が回復してたくさんの人が訪れるとよいと思う。そしてまた来年もぜひとも開催していただき、前回紹介した全国地ビールフェスティバルin一関や、これまた以前ちょっと紹介したが毎年海の日の三連休に小岩井牧場で行われる東北地ビールフェスティバルと同様、東北のビール祭りとして定着すればよいなと思う。


追記(2007.12.1):このときの予告どおり、銀河高原ビールから新製品が相次いで出された。一つはWEB SHOP限定のクリスマス限定エール2種である。これらはホワイトエール (白ビール) で、小麦を使用した淡い黄金色のビールである。「クリスマス・ジェントルホワイト」(赤ラベル)と「ミステリアスホワイト」(青ラベル)というレシピの異なる2種類のビールで、2007年度クリスマス限定ラベルのボトル入りである。

 「クリスマス・ジェントルホワイト」は、ベルジャンエール酵母を使用し、やさしい甘みとすっきりしたのど越しが特徴で、一方の「ミステリアスホワイト」は、カスタム酵母 (オリジナル)を使用し、上品で奥行きのある香りと、甘みと軽い酸味が特徴である。飲み比べてみると同じ白ビールながら、味の違いがよく分かる。

 もう一つは、ペールエールである。琥珀色でホップの香りが特徴のフルーティでコクのある味わいのビールである。こちらは、首都圏を中心に展開しているスーパーのマルエツ、フーデックスプレス、サンデーマート、ポロロッカで先行販売が始まっている。

 それから、ヴァイツェン、スタウトと共に銀河高原ビールを形作ってきたピルスナーがなくなり、代わりにヘレスが登場した。ピルスナーより濃い目の色合いだが、苦味は少なく飲みやすい味である。


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2006年05月02日

東北の逸品その10〜鳥の海ブルワリーのシャンパンビール

de1dbfed.jpg 鳥の海ブルワリーは、宮城県の沿岸南部、亘理町にある地ビール醸造所である。亘理町は秋のはらこめし、冬のほっきめしで有名だが、東北一の生産量を誇るいちご、宮城県一の生産量を誇るりんごなど、果実類の生産でも有名である。鳥の海ブルワリーでは、ラガーやピルスナーの他に、これら地元の果実を用いた「いちごラガー」「りんごラガー」「ぶどうラガー」など、フルーツビールの種類が豊富なのが特徴である。

 一時は、仙台市中心部にある直営の居酒屋「地麦酒館 鳥の海」(仙台市青葉区中央1-8-19東洋信託ビルB1F、TEL022-262-1783)で1,200円で飲み放題を実施したり、ペットボトル入りの地ビールを仙台駅構内の弁当店で売り出したり、かなり印象的な取り組みをしていた。しかし、地ビール醸造所のご多分に漏れず実情は厳しいのか、いつの間にかペットボトル入りビールはなくなり、飲み放題メニューから地ビールが対象外となってしまった。先日「地麦酒館 鳥の海」に行ったら、売りであるはずのフルーツビールすらなくなっていた。これには思わず席を立とうかと思ったくらいである。

 実情がどうなのかはわからないが、こうしてだんだんに縮小に縮小を重ねていくのを目の当たりにすると、他のいくつかの地ビール醸造所のように結局は消滅してしまうのか、と残念に思っていたのだが、さにあらず。そんな矢先、鳥の海ブルワリー起死回生(?)の新商品にお目にかかった。これがまた、他に例を見ないような、非常にユニークな地ビールである。その名も「シャンパンビール」と言う(写真参照)。

 何がユニークかと言うと、このビール、その名の通り、ビール酵母とシャンパン酵母の両方を用い、まずビール酵母で一次発酵させた後、シャンパン酵母で二次発酵させ、長期熟成させたビールなのである。鳥の海ブルワリーお得意のフルーツを使用し、いちご、桃、りんご、メロン、マスカットの種類がある。「奥州仙臺六十二万石麦酒」と書いてあるものもあれば、写真のいちご味のもののように「鳥の海ブルワリー」としか書いていないものもあり、正式名称は分からない。

 味は、このビール独特のものと言える印象で、まさにビールとシャンパンの中間のようなさっぱりとした風味である。地ビールらしく、酵母は無濾過であり、ビンには数百億個の酵母が生きている旨記載されている。

 このシャンパンビール、「インターナショナル・ビアコンペティション2005」の「フルーツビール」の部で「ピーチ」が金賞を獲得し、「ジャパンビアカップ2005」の「フリースタイル・ビール」の部で「いちご」が金賞を獲得するなど、なかなか評価も高いようである。

 ちなみにこのシャンパンビール、生産量の関係で、亘理町の鳥の海ブルワリーで、土曜と日曜の10:00〜15:00のみ販売される。県内の催事に出店していることもある。300ml瓶で450円である。新商品開発の意欲と力があったと分かって安心した。あとは、このシャンパンビールを仙台市内の「地麦酒館 鳥の海」でも早く飲めるようになることを期待したい。


追記(2006.12.16):上記の仙台市内の居酒屋「地麦酒館 鳥の海」に久々に行ってみたところ、店を閉めてしまっていた。結局シャンパンビールは仙台の街中では飲めずじまいだったわけで残念である。


追記(2007.3.4):年に1回行われる「亘理町産業祭り」に今年も鳥の海ブルワリーが出展していた。この日はシャンパンビールが通常より安く3本1,000円で買えるので嬉しい。久々に購入したところ、ラベルが変更されすべて「シャンパンビール」に統一されていた。また、普段は、亘理町国民保養センター「鳥の海荘」でも購入できるそうである。


追記(2008.5.5):釜房ダムの湖畔にある国営みちのく杜の湖畔公園は、ゴールデンウィークともなるとたくさんの人で賑わうが、そのような時は出入り口付近で地元の物産を売るスペースが出現するが、鳥の海ブルワリーのシャンパンビールもここに毎年出店している。ここでも3本1,000円で買える。


追記(2008.5.17):亘理町国民保養センター「鳥の海荘」は温泉を掘り当てたことを契機に全面改築され、わたり温泉鳥の海としてリニューアルオープンしたが、ここの売店では酒類販売業免許がまだ取得できていないとの理由で、今のところシャンパンビールは瓶の見本しか置いていない。

 仕方ないので、鳥の海ブルワリーで直接購入をと思ったが、現在レストランは営業しておらず、090-1377-3460に電話すると担当の方が来てくれるようになっている。雑談で「みちのく杜の湖畔公園でも買いました」と話したら、ここでも3本1,000円にしてくれた。ちょっと嬉しかった。


追記(2008.8.15):シャンパンビールに新しい種類が出ていた。「チャーガ&蜂蜜」である。チャーガとは、ロシアなど寒冷地に生息し、白樺に寄生するキノコの一種だそうである。キノコを使ったビールも恐らく初めてではないかと思われるが、飲んでみると他のフルーツを使った種類よりもくせのない味わいで飲みやすい。

 なお、3本セットの値段は1,200円と若干値上がりしていた。


追記(2009.3.8):シャンパンビールではないが、新製品が出た。「青葉の薫風(かぜ)」という名の発泡酒である。「仙台発幸せ行き」とあって、「キレイな貴女に贈る新発泡酒 アロエ果汁&柚子果汁配合」というコピー通り、女性をターゲットにした商品のようである。柚子果汁のせいか、さっぱりとした味わいが印象的で、確かに女性に好まれる味かもしれない。


212824.jpg追記(2010.3.7):今年の「亘理町産業祭り」で売られていたシャンパンビールである。使用した果物のイラストをあしらったラベルは、ちょっと高級感があってよい。以前の仙台城やら七夕やらのイラストが書いてあって「奥州仙臺六十二万石麦酒」などと「伊達政宗麦酒」を意識したような表記があるラベルより格段にいいと思う。表記は「Sparkling  Fruit」に統一されている。
 写真は左からりんご、イチゴ、ぶどうの「Sparkling Fruit」である。


追記(2011.9.15):鳥の海ブルワリー(宮城マイクロブルワリー)は、3月11日の東北地方太平洋沖地震による津波で被災し、社長以下従業員は無事だったものの、建物と醸造設備をすべて流されてしまったそうである。

 しかし、社長は強い意欲を持って再開に向けて準備を進めておられるとのことである。また、あの東北で無二のフルーツビールが飲める日を期待して待っていたい。


追記(2012.12.28):別のところに詳しく書いたが、鳥の海ブルワリーは岩手県花巻市に所を移して、「夢花まき麦酒醸造所」としてこの12月に再出発した。 ぶどうとりんごの「スパークリング・フルーツ」も出来上がっていて、以前と同様の味わいだった。

 将来的には、被災した亘理町でも再度醸造所を作りたいとのことで、今後にも期待である。


追記(2018.2.19):別のところにも書いたが、「夢花まき麦酒醸造所」の直営店が仙台市内の定禅寺通り沿いにできた。その名も「定禅寺通地ビール館」である。
これまで「夢花まき麦酒醸造所」のビールは、仙台市内では、毎年「里帰り」してくれていた9月の「仙台オクトーバーフェスト」でしか飲めなかったが、これでいつでも好きな時に飲めるわけである。
飲み放題が60分1,450円と破格の安さである。


追記(2019.2.26):上記「定禅寺通地ビール館」は残念ながら閉店してしまったが、その後にできた「フレンチビストロ  ラ・テール(French Bistro La terre)」(TEL022-395-8355、11:00〜14:30、17:00〜21:30LO、不定休)でも「夢花まき麦酒醸造所」の「いちご&紅花」、「ぶどう」、「ラガー」の3種が飲める。

また、今年8月に名取市閖上東地区に新工場「ゆりあげ麦酒醸造所」(仮)がオープンする予定とのことで、これまで同様のイチゴ、リンゴ、ブドウを使ったフルーツビールに加えて、名取産のメロンを使ったビールも造る予定とのことである。

そして、塩竈市北浜の「第一漁協会館」2階には60席のビアホールを開設するとのことである。ビアホールは3月下旬から4月上旬のオープンとのことで、工場直送のビールが飲めるそうで楽しみである。


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